Chanson du pecheur



ブログ解説記事



《漁夫の悲歌》

                    テオフィル・ゴーティエ
           落合訳

愛するひとは死にました
落涙は絶える間もなく
恋の想いと魂は
墓の下へと奪われた
私を待たず天へ帰った
あのひとだけを連れ去る天使
私は終(つい)ぞ呼ばれなかった
無残に朽ちた運命に
ああ、愛を失い 愛を失い 海へ出る

白い艶肌 棺に眠る
世の一切は喪に服す
取り残された白い鳩
置き去りにされ泣いている
つがい失くした魂咽ぶ
無残に朽ちた運命に
ああ、愛を失い 愛を失い 海へ出る

果てしなく広がる夜は
弔いの衣(きぬ)下ろす如
私が歌う恋歌を ただ空だけが聴いている
ああ、美しいあのひとを
どれほどまでに愛したか
あの慈しみは二度とない
無残に朽ちた運命に
ああ、愛を失い 愛を失い 海へ出る




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