Mai



《五月》

            ユゴー詩
           落合訳

五月、花いっぱいの野原へ僕らを呼んでる
おいで! 君の魂に倦むことなく浸み渡らせて

野原を、森を、心地良い木陰を、
眠りの波の岸辺に射す浩大な月の光を、
径(みち)が始まるところで途切れる小路(こうじ)を、

そして大気と春と見遥かす地平線を
天衣の裾に口づけるように
この世界が繋ぎ止められてる慎みと歓びの地平線を!

おいで! 幾重のヴェールを通して地上に光を落とす
星達のはにかんだ眼差しを、
薫りと歌とが染みこんだ木を、
真昼の田園に宿る燃える息吹を、
影を、太陽を、波を、新緑を、

総ての自然の放射が
八重に咲く花の如く
君の額(ぬか)に祝福を、君の心に愛を咲かせるように!




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