VaguementU



詩情

April 27, 2009

ラディゲ "肉体の悪魔"。

ストーリーと離れた所に書き込まれた一文に心動かされた。


《ものごとの絵画的な光景よりもその詩情のほうがどんなに僕の胸を打ったか理解させてくれる》
                                                      (新庄嘉章様訳)


無論絵画的な光景が他のものに劣るってことじゃあない。むしろ何よりも胸を打つものだということ。光景の中に漂う詩情があれば、また光景が呼び覚ます詩情があるならば、感動と感動の記憶は倍化する・・・

たとえば子供時代の夏休み。遊びの内容は少ししか憶えてないのに、迫るような太陽や 水しぶきが作った小さな虹は 強く印象に残って・・・
なかでも、明日も明後日も続くお休みの開放感の上にこそ太陽が輝き虹がかかるのだと感じた高揚が 昨日のことのように心にあるワ。

生暖かい風、砂を踏む感触、窓の反射。
蝉の声が遠く響くことに慣れきって つけっ放しのテレビのように耳を傾けなくなってく感覚。
目に染みるお花の色、摘むと手につく青い匂い。

一区切りの夏休みには詩情があった。沢山の光景が重なって 一つの詩情へ流れてゆく。
そんな音楽が奏でられると良いわね・・・

*メインサイトMP3 のコーナーに、ドビュッシー "妖精はあでやかな舞姫" とショパン・ワルツNo.12をupしましたヨ!

  明日はブルゴーニュ君の解説です。



Maladroit(4)花一匁

April 25, 2009

"嘘〜っ! 何度も何度もあの方のお誘いを断ってたの?! "

仰天するみんなのお顔をぼんやり見ながら、何のことかしらって思った。


"お鍋のお誘いをお断りして、クリスマスまでお断りして、デートもご飯も何もかも・・・ どういうこと?! "

-- え? 私、お鍋料理に誘われたの?

"しっかりして! 一人だとお鍋の材料が余って困るって仰って、夫婦用の可愛い二人鍋が売ってたナンテ仰ったら、一緒にお鍋をしようってことに決まってるでしょ!
貴女なんてお返事したの? "

-- "まあそう、私は寸胴鍋を使っているのよ。" ってお答えしたと思うわ。

"はあ?! "

-- キッチンツールのお話だと思ったから・・・(涙)


**


"クリスマスどう過ごすのって何度も仰ったんでしょう? わざわざお電話かけてらっしゃったんでしょう? なんてお答えしたの! "

-- クリスマスは御ミサに出席しますって申したわ・・・誘われてるだなんて気がつかなかったの。

"御ミサはすぐに終わっちゃうでしょ。その後のこと相談しなかったの? "

-- ううん、御ミサですって予定を言っただけ。あの方は、なら僕はクリスマスは一人で過ごすって仰ったから、ああそうなんですかって・・・。

"桜ちゃんっ! "

-- わかんなかったんだもの。お誘いだったら そう仰って下さらないとわかんないんだもの(涙)


**


"私達ね、実はあのお方が少し鈍感なのかって思ってたの。間違ってた。桜ちゃんのせいだった。まさか貴女がこれほど鈍感だったなんて今の今まで知らなかった・・・! "



Maladroit(3)ハンカチ落とし

April 22, 2009

明るい表情の金魚草。
お日様の光を楽しんでいるみたい。


ギャラリー・コンサートも無事に終了して、束の間緩めのおさらい。


ギャラリー会場でも他所でも 会うかた会うかた恋の行方にご興味をお持ちのお言葉をいただきます・・・。今朝も思い浮かぶままにロマンスのこと・・・。


**


ひとときお会いできるのが嬉しくて頑張ってお洒落をして参ったら、お勤め先の女性がお声掛けくださった。

ありがとう。ウフフ恋しちゃってるからヨ! ってお答えしたのは、お部屋に戻ってらしたばかりのお方にお聞かせするため。
ハンカチ落としの円の中、あの方の後ろに上手く落とせた。
"わぁ、そうなんですか。恋ですか。いいなあ・・・♪" って盛り上がる社員さん。

テーブル隔てた向かいのソファに黙って座られた。厳しく硬いお顔・・・職場でこんな風な発言したから叱られる?

"そうなのか・・・"

-- はい?

"恋してるのか・・・。"

-- ・・・?!

(貴方のことよ? どうしてわかんないの? こんなのってある?)
私、茫然とした。
どうすれば良いの? お仕事場の応接コーナーで何と申せば良いの?

怖くなるような瞳で念を押された。

"してるのか。"

(なんていう誤解をなさるの・・・。)
笑おうとする寂しいお顔に どうしていいかわかんなかった。
俯いて嘘を言うより他なかった。

-- ・・・してません。冗談言ったの。

一周まわってハンカチ撤収・・・。



青年

April 17, 2009

覚悟のある青年だった。

決めたことを決して曲げず、願うことは10年がかりで成し遂げた。
若々しい息吹を持った青年だった。


仕事場の落下物を守ろうと飛び出し 胸で受けて肋骨を折っても、翌日には晒を巻いて同じ仕事をしてた人。

私はお下げ髪で紺色の制服を着てた。私達はあまり口をきかなかった。軽口を叩くには青年の瞳が深過ぎて、優しい言葉をかけるには青年のピンと張った背筋が美し過ぎた。
私はおしゃべりだったのに、青年に殆ど口をきかなかった。だから青年がお話好きと知らなかった。

知らないまま、私達は離れた。青年は忙しくなり、私は東京へパリへと発った。時たま顔を合わせる偶然にも、変わらずあまり口をきかなかった。

再会したとき、私はあの頃の青年の年を追い越してた。お下げ髪でもなかったし、制服も着ていなかった。
青年は大人になってた。悲しみと苦い経験を重ねても、微塵も汚れていなかった。

この上なく美しい空気は、穢されない強さを持つ人が纏えるものと知った。


**


青年の頃の面影を残すお姿を 眩しい思いで見つめた。幾年を経て、やっと会話ができるようになってた。

長い間ずっと聞きたかったことがある、と仰った。
1991年の葬儀の日のこと。この年私は大切な家族を亡くした。

親族が乗る焼き場への自動車に同乗しないで、一人離れてじっと立ってた姿が 何年も気掛りだったと仰った。

-- 大きな理由じゃあないの。みんながね お骨を見るとショックを受けるから、倒れるといけないから、貴女は焼き場へ行っちゃ駄目って前の日から言われてただけ。

皆に言い聞かされた記憶はあるけれど、車に乗らずにどうしてたのか憶えてなかった。

18年前の葬儀の日、車が去った後に残った私は とても長い時間ただ立っていたと仰った。うんと長い時間だったって。

ご返事がしたいのに声が出なくなった。心だけは昔の口をきかない少女に戻ってしまってた。
黙したまま、暖かな幸福感が漣のように寄せるのを感じてた。

(その長い時間を 声もかけずただ見ていてくださったの・・・?)

問えなかった・・・



Maladroit(2)にらめっこ

April 15, 2009

プレーン・マフィンを焼いてお見舞いにした。

炒って煎じた自家製ドクダミ茶と、お庭で摘んだルピナス、ムスカリ、パンジー。


遠いお医者様から三宮まで送るって仰った患者さん。
付き添いが患者さんに送られるだなんて、聞いたことないったら。お手間をかけるためにお見舞いしているのじゃあないんだのに。

にらめっこみたいな顔をしちゃった。何故って、これまでに患者さんに怒っていたのだもの。
おうちへ送ってゆけない日だから病院へ来るなと言ったり、わざわざ来てもらってと謝ったりばかりだから。

にらめっこの顔で、心の中はいっぱいいっぱいになってた・・・
元気で居てくれなきゃあ困るから、私が側に居たいからお節介しているだけなのに。
病気のときくらい遠慮しないで受けててほしい。それじゃあいけないって考えてしまう苦労性が何だか悲しいんだもの。

"それは・・・マズイか・・・?"

考え事をしてて、何仰ってるのか わかんなかった。

"一緒に行くのはマズイか・・・"

何がかしら。
時間はネ、自動車で高速に乗っちゃえば ずっと速いわ。他にマズイことなんてあったかしら・・・

しばらくして気がついた。
街で二人で居るのを見られると嫌がるかもってお考えなの?
一緒のところ、どなたにだって見てほしいに決まっているのに。
どうしてそんなにも変わった思いつきをなさるの・・・

驚きすぎて ご返事できなかった。

何をそんなに遠慮をすることがあるかしら?
うつむいたまま、思ってた。
お考えがちっともわからない・・・
だからね、知りたいの。
いつか一等側で一等理解してる人になりたいの。

リルケ作 "ドゥイノの悲歌" を読んだ朝。
        
        次回はブルゴーニュ君の解説です。



Maladroit(1)通せんぼ

April 11, 2009

お見舞いから帰ろうとすると、針が刺さったまま点滴ポールを引きずって 階下まで送りに来てくれようとする・・・


私は止める。
送ってくれなくて良いのって揉めながらエレベータを降りる。

出入り口があるロビーは 少し室温が低いもの。寒い場所に居てほしくないワ。もうここで良いから、早くお部屋へ上がってってお願いした。

送るためじゃあない、道が見たいだけだって患者さん主張してる・・・
道? 道なんてお部屋から見れば良いでしょう? って、通せんぼする。

通せんぼを抜けて、道を見るって先に行く。私、追っ掛ける。
お人がいらっして野外に面した自動ドアが開く。数メートル先から冷たい風が入る。患者さんを風に当てたくなくて慌てた。

手を引っ張って止めたいのに、恥ずかしくって触れられない。
しがみ付けるのは 冷たい点滴のポール。

ロビーで言い合い。患者さん、どうしても道を見るんだって主張を続ける。私はポールを放さない。看護士さんたち、笑いながら見物してる・・・。

隙をついてお外へ走り出た。
自動扉の向こうとこっち・・・バイバーイって手を振る。切ない気持ちが込み上げる。
残された人がポツンとして見えた。手を振り替えしてくれる。

  バイバーイ
   バイバーイ

      バイバーイ
       バイバーイ

何度も手を振る。何度も振り替えしてくれる。

          バイバーイ
           バイバーイ

              バイバーイ
               バイバーイ



黒表紙の聖書

March 23, 2009

霧が月明かりを受けて光る夜、朝の御ミサのお話を思い出しながら、黒い表紙の聖書を開いてた。

ヨハネによる福音第3章、光のお話の箇所・・・。


昨日御ミサの閉祭唱は、典礼聖歌383でした。
合唱曲で著名なお二人、高野喜久雄様作詞・高田三郎様作曲の名コンビによる賛歌。

乾く乾く乾く、寒い寒い寒い、痛む痛む痛む、と繰り返されるフレーズに心を刺される思いがした。
乾き、寒がり、痛む人に、どうすれば光を届けられるか お祈りで問う。


治療が進むまでクロスをつけて過ごしましょう。

どうかどうか元気になって・・・



白い場所だから

March 19, 2009

お医者様へ付き添いは、普通っぽくて おとなしいデザインがヨイかな・・・。
無機質で真っ白な場所だから、気持ちを明るく引き立てる薔薇色かな・・・。


お腹と袖口にちょこっとリボンのワンピース。

お花の指輪一つだけ。


付き添いはデートみたいで嬉しいナンテ思っちゃいけない。

いけないのに、会えると思うと自然に笑えてきてしまう・・・。


次回はブルゴーニュ君が私生活を語ります。



お見舞いの日(2)

March 13, 2009

ぐんぐん広がるヒメリュウキンカの小さなお花畑。

生命を感じる黄色と、葉や蕾の元気な膨らみが楽しいワ・・・♪


昨日の続きのお話です。

筋道に沿って優しくお話をもってゆく練習、みんなの前で繰り返したわ。
大切なことだから 説明に漏れがないように。
気持ちをいたわれるように。
ほっとしてもらえるように。

全部吹っ飛んだ。

"私は気まぐれな人間じゃない。馬鹿でもない。今気が向いたから病院に付き合うなんて言うつもりはない。"

もう・・・最初っからオラオラ系になってる・・・
いきなりに何? って言われちゃうわね。
差し挟まれようとする言葉を押し留め、続けた。

"治るまで病院の件に付き合います。だから、今頼って途中で一人になったらと心配しなくていいって言うつもりで今日は来ました。"

は? と目が宙で泳いでた。
どきどきもしないで凝視した。

"不安だろうと思う。でも、病気はもう抱えちゃったから 病気の不安まで抱えるのは余分なことです。君は病気だけ背負ってればいい。不安は信頼できるお医者様に託しましょう。お医者様と、私が居ます。

短い入院で済んでラッキーだったと思う。ただのラッキーは2度はないから、今のラッキーを続けられるようにしなくちゃいけない。
急な時には経過を知ってる人間が一人は居なきゃいけない。口がきけない時にお医者様に説明することも、飲んでるお薬を伝えることも必要。私がその役目をする。治るまでする。"

驚きのあまり表情がなくなってしまった患者さんに開き直って迫った・・・。

"厚かましい立候補、うるさく思われても嫌われても そんなものどうでもいい。治すことが一番大事。嫌と言っても私はやるわよ。"

スゴんでどうするの・・・
すっごく怖いじゃない・・・?
みんなに教えてもらって練習してたのと全然ちがう・・・こんな風にドスをきかせるつもりじゃなかった、って反省したのは1日経ってからのこと。

さあここからが大切な本題。専門医の必要性のお話だわ。
一刻も早く転院しなければならないから、今日中に片をつけましょうって息を吸い込んだ。


**


その時、看護士さんに名前を呼ばれた。
転院の前後を説明して、納得してもらって、お医者様に何をお話しするか打ち合わせてから診察室に入るつもりだったのに・・・!
この日に限って待ち時間が短いったら(涙)

いざとなると何も考えない。いつだって先に身体が動いてる。
頭の働きが少し弱いのかもしれないわね・・・。

咄嗟に後ろに付いて診察室に無理に滑り込もうとする。
本人に話す時間がなかったなら、直接お医者様に言ってやるしかないもの。
押し入ろうとする私に患者さんはびっくりして、後ろ手にドアを閉めようとした。
背中を突き飛ばして脚をこじ入れて強引に入り込んだ。・・・ほら、力ずく。

診察、血液検査の注意、少しのお話。
お医者のたくさんの親族に入れ知恵をされて、幾つかの事項確認に乗り出した。
そして言った。

"転院の紹介書を書いてください。放射線科でMRIフィルムを借り受けますから 貸し出しシールを出してください。
紹介書と一緒に入院時の記録を回してください。血液データと現在の処方箋一覧は今ください。"

患者さんは驚きすぎて顎が外れたのか、しんと黙って身動きもしない。
だってご当人がお初に聞くお話だもの。お医者様の前で当人が "何のこと?" なんて言うとお話が面倒になるから、その場合は腕ずくで黙らせるつもりで私は前に出てた。
でもしんと静まったままだった。死んじゃったんじゃないかしらと思うくらい、気配も失くしてた。

お医者様にお世話になったご挨拶をして診察室を後にした。
なんにも質問されなかった。
黙って廊下を歩いた。

クスッと笑ってポツンと言われた。
"あの医者、桜ちゃんの迫力に完全にびびってたね・・・パソコン打てなくなってた。見た?"
"うん。見た。"

患者さん、笑い出した。
ほっとして急に可笑しくなった。
二人でケラケラたくさん笑った。


**


Mr.B、今日はスタジオ調律よろしくお願いしますネ! 私もあとで参ります。
調律の状態は悪くないです。音色も上品で好きなタイプですが、調整が少し必要です。

中音域白鍵の上がりスピードにムラがあります。打鍵を遅くした時に、反応がまちまちです。高音は音質ムラがあります。
よろしく☆



お見舞いの日(1)

March 12, 2009

やっちゃった。
またやっちゃった・・・

数日間、一人で反省会なの。


男友達がせんに言ったこと・・・

テントウムシ君は感慨を込めて言った。
-- あんたホンマに荒くれやなあ・・・って。

ジンライム君は、お店の方に尋ねた。
-- この人ね、男なんですよ。女性に見えますか? この人が? ・・・って。
お店の方は当惑してた。女性にしか見えませんけど・・・って。私はスカートを履いていたし戸籍上は女だから。

お友達はそんな風でいい。でもね・・・


**


お見舞いの日、大きな自戒を込めて朝のブログに書いたのよ。優しいお見舞いがしたいって。
柔らかな色のお洋服を選んで、パルファンちゃんがアドバイスしてくれた通りに髪をポイントで外に巻いて お洒落も私なりに頑張った。

マダム・ビスコッティやナイチンゲールちゃんのお勧めで、病人食になるようホウレンソウのお浸しをパックした。
そのために元気のいい手作りホウレンソウを ネコヤナギ君が持ってきてくれた。

みんな協力してくれた。
親族もお友達も、みんなみんな。
だってとても大切な日だったから。
専門医の居る病院へ転院を優しく勧めて、穏やかな気持ちで病院を変われるよう手助けしたい日だった。

ちゃんと言えるように、しっかりわかってもらえるように願ってた。
人の命がかかってるかもしれない重いお役目。
ポケットにお守り代わり、ミニロザリオを忍ばせてた。
ふるえそうになるたび、ポケットに手を入れて こっそり触ってた。


**


診療時間に合わせて行ったお医者様の待合室。
上手に話せますように、できれば提案を受け入れてもらえますように・・・って願いながら姿を探した。

お話があるって切り出した時、きっと私の目はもう据わってた。

大切なことがいざ目前に迫ると逞しすぎるエネルギーが満ちる癖。
お腹が据わって 何でも来いと思っちゃう。
大きな不安は、心を退かせないで いつだって逆の形で現れる。

"突っ込んじゃえ! なんとかなる。ならなければ力ずくよ。"
お決まりの思考パターンになっちゃった・・・
そうしてまたやっちゃった・・・

続きは次回に。 



Sの名前

March 11, 2009

満開のピーチプリンセス。

お砂糖菓子のような色と形が古色レンガによく映えています。


私の場合は本名を公開しているのに お話する時には "S" ってイニシャル。だからブログのお友達はSさんって書いて下さいます。LICAちゃままでが "S様" って・・・

プライベートで本名を知っていてもHNを呼び合うマナーを守るため、お呼びになり難そうなご様子。
そこで呼び名のお話です。

あのネ、はじめは拙ブログの返信や お友達への書き込みにも本名を使っていたのです。
ある時に気がついた・・・名前を検索していらして下さる方が数多いって。
それってね、落合桜と検索をかけたらば おしゃべりしてるお馬鹿書き込みが出ちゃうんだわ(涙)。恥ずかしいったら。

それ以来おしゃべりの時は "S" にしましたの。だからね、ご自由にお呼び下さってよろしいのですヨ!

**


色紙展の出品票や添付解説は、早朝に書き上げた。
チャイコフスキー先生が収録曲のチェックにいらして下さる日だから、早くにおさらいを開始しましょう。
先生と入れ替わりで生徒ちゃんのレッスンが2つ。
終わったらば ヤマシギ君が出張のオミヤを届けにきてくれる・・・♪

Mr.B、13日のスタジオ調律のこと、お電話します!

次回はお見舞いの日のお話を致しましょう。パタパタ・・・



お見舞いに

March 09, 2009

置くだけでクシュクシュ溶けそうな柔らかな生地。
大切な人のお見舞いだから 安らぎの色を纏いましょう。


薔薇の花束模様に、小さいイヤリング。
優しいお見舞いがしたい・・・

モコモコしたオフホワイトのジャケットには、いつものフレーズを言わなくちゃ・・・
これもまた母が若かった頃に着ていた古い品です。


暖かい日になると良いな。
元気の出るお話がたくさんできると良いな。



甘いの&しょっぱいの

February 28, 2009

どなたかが仰ってた・・・チョコレートとポテトチップスを代わる代わる食べると、止められなくなるって。


読書も似てる。甘いのを読むと次にはしょっぱいのが読みたくなります。


電車の中、お医者様の待合・・・外出はいつも分厚い本がお供です。
昭和41年の中央公論に、吉屋信子様のお筆による記事がありました。"谷間の百合" に夢中になってらっしゃるって・・・。
そうね、吉屋様が描かれる少女世界はバルザックのフェミニンな空気に共通したものがあるかもしれませんね。

吉屋様の真似をしてバルザックのウジェーヌ・グランデをドキドキしながら読んでいた。グランデ嬢は その性質故に修道女のような生活を余技なくされる力に抗うことをしないまま年を重ねる姿を見せていて、受容の意味を考えさせてくれます。

読み終えると、ちがった生き方を選んだ女性にも触れたくなってゾラのテレーズ・ラカンを手に取りました。あまりにも生臭く生々しい女の像。幸福を求めるあまり、幸福を省みないことが招いた苦しみに晒されてゆく・・・。

ゾラらしいシニカルな書物の後には、のどかな文体を楽しみたくなり3つ目の女性像、モーパッサンの女の一生を開いています。

クルクル次を呼んでくるような本の読み方が好き。

・・・チョコレート & ポテトチップスは危険ですね・・・。どんな感じかしら? ってためしたらば本当に辞め時が見つからなかったもの(涙)



ヘリコプター

February 17, 2009

昨日の続きとんかちの持ち主のお話です。


父は落ち着いていて、この上なく優しくて穏やかで・・・そんな風に思ってるのは娘だけ。

お集まりでお人にお出会いするたび、現役で仕事をしていた頃の父のエピソードをよく耳にします。

怖かった。しごかれた。殴られた。蹴り飛ばされた。・・・聞かされても、どうお返事すれば良いのだか困惑するんだわ。
見たこともなくて想像もつかない父の像がそこにある。

何かを言った瞬間にその人の身体が空中を飛んでっちゃっただとか、黙って蹴り上げちゃっただとか・・・(溜息)。
破天荒でキレ易くて無茶をする男性の像・・・信じられないことだけど、皆様が口を揃えて仰るのだから多分本当なのね。やあねえ。

義理チョコを届けに行った日、ピラルクー君に聞かされた父の新たなエピソード・・・

会社を興して初めてのお仕事で関係したのが父だったって・・・。ピラルクー君は音響の会社を立ち上げる前に報道に関わってた経験からヘリコプターに乗ることができるの。
それで父が無理を言ったって・・・

漫才のようないつもの口調で話してくれた。

《お父さんに400万のカメラ持たされたんやで。本体だけでやで。レンズ別で400万て、そんなもん絶対落とされへんやんか!
重たい重たいカメラ抱えてヘリコプター乗れ! やで。旋回して機体が真横になるまで傾けて、下側真っ逆さまやん。そんなんでドアも開けて脚も乗り出して撮らされてんで。死んでまうわ。ありえへん。どないなっとるねん。》

まぁ・・・酷いこと(笑)

写真はピレネーを汽車で旅するガイド



Happy new year!

January 02, 2009

明けましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願い致します。


2009年の訪れに今年の小さな抱負。

新しい出来事を迎えながら、備わった古いものも一緒に育ててゆけますように。

事物もお人も一緒に 暖め、生み、育ててゆけますように・・・。
瑞々しいお蜜柑を頂きながら素敵な詩を思い出しましたよ。

リルケは果実の引用が多い気がします。生と死の象徴とも 物事の融合性とも取れますね。この詩は生きる力の様々な重なりを謳っているように感じて大好きだわ・・・。


果実

                R.M.リルケ
                    富士川英朗様訳


それは土の中から果実をめがけて 高く 高くのぼっていった
そして静かな幹のなかで沈黙し
明るい花のなかで炎となり
それからあらためてまた沈黙した

それは久しい夏の間
夜となく 昼となく 働いていた樹のなかで実を結び
関心にみちた空間に向って
殺到する未来としての自覚をもっていた

けれども いま 円熟する楕円の果実のなかで
その豊かになった平静を誇るとき
それは自らを放棄して また たち帰ってゆくのだ
果皮(かわ)の内側で 自分の中心へ向って



空想劇場(2)プジョー・クラシック203

December 20, 2008

おかしなポーズ・・・
人波が歩道を過ぎるのを待っている写真です。

お出掛けの目的はお皿・・・。
アスティエ・ド・ヴィラットを扱うお店の入った海岸ビルヂングへ参ったの。


空想劇場(1)はこんなでした。変テコなお遊びが気に入って、今度のテーマは "プジョー・クラシック203" です。復興と共にあって国民の希望を乗せて走った自動車。今は亡き203モデルが大好きなんです。

時代は(1)の時と同じ。203型(右上のモノクロ写真) から降車するのが似合うような装いを、空想の中のお題にしたの。

ジャンヌ・モローがコメディ・フランセーズに入団して 舞台に立ち始めた頃のこと。
モード界では1947年クリスチャン・ディオールがデビューして、腰から下がAラインのシルエットでオートクチュールの中心になってゆきます・・・。


手持ちのコートはもちろんディオールじゃあありませんヨ。お店で求めたのでもないの・・・。


パリの問屋さんで思い切りお安く手に入れたんだわ。
ファスナーを上げる位置で襟のバランスが変わるのが楽しくて。ちょっぴり203に似合いそう・・・? ダメ?(笑)


下に着たワンピースはアメリカで求めた現行品ですが、どこかしらレトロな雰囲気が好きだワ。裏側にブルゴーニュ色の糸を絡めて織ってある。強い光が当たると多色に見えます。


首元には長いネックレスをチョーカーのようにくるくる巻いてみた。2連か3連にして低い位置に下ろすこともできる便利なもの。ティーンエイジの時に母が譲ってくれた品。


未だ2月半だからコーディネイトはまだまだ。とりあえずは誰でも似合う地味色で無難に(笑)



機関車のお話

December 16, 2008

ブルーベリーの葉が真っ赤に紅葉する寒さ。だのに水茄子がなっている・・・相変わらず季節感がちょっぴり変なリンダラハのお庭です。


藍綬君のお元気そうなお顔を見ながらお食事の機会。藍綬君はね、鉄道マニア君・・・いわゆる鉄ちゃんです。うふふ、色々なお友達が居ますね。
好きが高じて機関車を買ってしまったり、壁が機関車のナンバープレートで埋め尽くされていたり、廃車の運転席を幾つも持ってたり・・・楽しそうにお暮らしです。

好きなことをお仕事にした藍綬君、事を極めたお方のお話は含蓄があって楽しいわ。どうして機関車なの? って質問にも即答をしてくれました。

"2本のレールというものは、物事のバランスの提供なんです。プラスとマイナス、資本と人、男と女、物事は一つでは成り立たないことを示すのがレールです。
もう一つ大事なのは、機関車は自らエネルギーを作って自ら走るということ。生きることの基本です。"

機関車のこと何も知らなくても納得できてしまうお話だワ。
それに世間でいう鉄ちゃんのイメージとは違ってる・・・素敵なことを教えてくれましたヨ。

"昭和3年のC-53はスリー・シリンダーなんです。3つのシリンダーが順番に拍子を打つんです。C-53が走ると、三拍子の音楽を奏でたんでしょう。"



空想劇場(1)Monmartre50' 閉まりかけたマルシェ

December 12, 2008

お洒落初心者。ふた月目に入ったところ。

11月からね、始めたのです。遅すぎね・・・


お洒落といっても新しいお洋服を買うのじゃなくて、手持ちを組み合わせる試みを少し頑張ってみましょうって。

お洒落はじめは得意の空想。空想した場面に沿った装いを楽しんでみるのがブームなの。
自由で変てこなゴッコ遊びです。

写真はBirthdayのお出掛けに着た、母の若い時代のワンピースコート。アンバランスな襟元が好きなのだわ。
うんと昔のお下がりを選んだテーマは、1950年前後のモンマルトル・・・。

ナチス占領下の爪跡が癒えはじめ 鉱業生産数を一挙に伸ばし始めた時代は、市民が元気になった年代でもありました。新しいものがどんどん生まれてゆきました。

1949年、メシアンがトゥーランガリラ交響曲作曲。
1950年にはドワノーの"市庁舎前のキス"が撮られ、
1951年ルネ・クレマン監督が映画"禁じられた遊び"を製作しました。
1952年はピカソが最後の妻、あのジャクリーヌ・ロックと出逢った年・・・。次々に作品となった麗しい女性でしたね。

ワンピースコートの人はね、世の中のこんな風な大きな動きからポッツリと離れて暮らしているの。アメリのようにネ!
同じ町内で時たま見かけるおじさんに小さく挨拶するけれど、モンマルトルの実家に寄りに来たジャン・ギャバンだって気付かないの。

それよりも彼女に重要なのは買い忘れのチーズを調達することで、マルシェ籠をぶら下げ 垢抜けたとは言えないチェックのワンピースコートで夕闇迫る丘を小走りに行くの。

歩くと足音に緩いアクセントがつくのは、靴の踵が片方ちびているからよ。彼女は左右違った風に脚を出す癖があるから。

そんな空想の風景。このお洋服のお名前は"モンマルトル50' 締まりかけたマルシェ"



冬の色

November 22, 2008

寒い朝。
お庭の変てこな雑貨コーナーをパチリ。


ここでは食べられる草が育って家計を助けたりもしていますよ。

飾り物ってあまり持ってない。
使っているものや古びたものを飾りの代わりにするのが好きみたい。

雨の季節の水はけ用に敷く石、何十年も使ってる古いスコップ、調味料を買った時に只で貰った錆びた缶等が並んでる好きな場所です。


色味がもっと少ないキッチンでは 冬色の食べ物が光ったインテリア。

昨日頂いたムカゴは丸い木の実形がとてもかわゆくて・・・。


食べるまでの数日を飾るよう 余ったハギレで10分間のお裁縫。
目の粗い麻の敷き布に 生命力ある冬の食材。

一緒に頂いた茶色い卵もなんてつやつやと心楽しくなる形だろう・・・って、栄養が生きている美しさに見蕩れる一瞬。


足りなかった小麦粉の代わりに きなこを足して焼いた朝のパウンドは 偶然の産物。


黒糖のような香りでしっとり焼き上がりましたよ。
寒い冬の暖かな色・・・。



手帳の文字

October 12, 2008

球根ベゴニアのふっくらした花びらが可愛いこと。


Mr.Bが下さった手帳を捲りながら・・・。
手帳の中は一目でわかるように簡潔な覚書きに・・・。するとついお師匠様のお名さえも お呼び捨てになっています。
手帳の文字ってそんな風なものだと思ってきました。

もうせん母が古い手帳を捨てる時、中を見て良い? と尋ねたの。
ページの仕分けをどんな風にしているか知りたくて。
「いいわよ。桜ちゃんが知ってることばっかりよ。」ってお返事にぱらぱら捲って 時々手が止まりました。

"・・さんのおじいちゃま御永眠"
"・・叔母様御逝去"
"・・先生お孫様ご誕生"

私はご誕生やご逝去を書き憶えておいて翌年お印をする場合も 覚書き風に苗字や記号で書き込んでいました。
こうして捨ててしまうものにも敬称を付けて丁寧な書き込みをしている母に ちょっぴり心打たれたワ・・・。真似、できるカナ?

写真の手帳は、はじめにピアノの製造番号表が載っているスタンウエイ社仕様が面白いの。



恋のお話(2)

October 07, 2008

パリに暮らした人ならば 恋に似た思いを必ず抱くセーヌの橋の情景・・・

秋の水の静かな流れを 焦がれる思いで浮かべました。


きっかけは一冊のアポリネール。
黒鳥をUPしてから、アルコール収録「1909年」に羽飾りの描写があった気がしてページを開きました。チョコレイトを食べながらネ。

思い違いだったワ。紫綸子のローブ、髪のレカミエ巻き、金糸の刺繍胴着、靴のバックル・・・羽飾りはありませんでした。
詩に出てくるDameに 私は勝手に羽飾りをお付けしていたよう。

閉じようとして・・・
恋のお話(1)のようなことがまた・・・

詩集には 「Sacraへ ミラボー橋に代えて。そして分かち合いに」 と記されていました。

けれども胸熱く思い出したのは この文学者さんじゃあなくて、セーヌの風景。


セーヌには終わらない恋をしているわ・・・。



初恋(5)スズムシ

September 30, 2008

いいお土産があるんだよって とっても嬉しそうなお顔のご訪問。

何かしら。優しい笑顔が何よりのお土産だのに。


袋から少ぅし見えたケース。その中で妙な音・・・。
何を取り出されるの?

嫌な予感が頂点に達した時に登場しちゃったスズムシ。
一目見て喜劇のようにお尻餅・・・

「御免、忘れてた。」

動悸をおさめて伺いました。
私が虫を酷く嫌いだってことを忘れなさったの?

「スズムシが虫ってことを忘れてた。」

・・・?

スズムシも音楽家さんだから 仲良しになれるとお思いになったよう・・・
ロマンチックなお考えね・・・でも虫は、虫だけは、心苦しくてもお返しするより仕方がなかったのです(笑)



ローレライ(2)

September 14, 2008

秋の香りが漂う季節。

メドーセイジが深い色合いで咲いています。


ハイネが描くラインの岸辺の物思いを知る手立てはないかしらと、アポリネールが1901年に過ごしたドイツの思い出「ライン詩篇」などを繰りました。

そこで行き当たったローレライ。
ショスタコーヴィッチがアポリネールのドイツ語訳を元に作曲をし、アポリネールやハイネ以前の1801年にはブレンターノが描いていますね。

厚い雲を頂いた たそがれた世界を描いたハイネのローレライに対して、アポリネールは風景に色彩描写のないまま、詩の中にある色彩をローレライの髪と瞳に絞ったよう。
−それが黒と白の修道服を拒絶するかのような色の豊かさであることを大きく含めて良いように感じるわ・・・−

Mon coeur me fait si mal 「心が痛くて堪えませぬ」の叫びが 現在も続いているかのように迫るアポリネールのローレライ。

ラフマニノフの「悲歌」を弾きながら リフレインする台詞。
Mon coeur me fait si mal


《ローレライ》
                  訳詩:堀口大學

ジャン・セーヴに

昔バカラシという所にブロンドの魔法使いがひとり住んでいた
近くに住む男たちをひとり残さず恋死にさせた 

僧正さまが裁の庭に彼女を呼び出しなされたが
あまりにも美人すぎ調べず放免なされた 

<宝石でいっぱいな目をした美しいローレライよ
どこの魔法使いからそなたは魔法を習ったか〉

〈わたくし生きるのが厭になりました この眼は呪われておりまする
僧正さま ひと目わたくしを見た者は ただそれだけで死にました

わたくしの目は炎です 宝石ではありません
こんな魔法なぞ炎に投じてくださいまし〉

〈その炎がわしの身を焦がすのじゃ おお 美しのローレライ
ほかの誰かにそなたの処罰はしてもらおう わしはそなたに魅入られた〉

〈僧正さま 何ごとですか わたくしのために聖母マリアに祈りでもなさることか あなたは笑っておいでになる
どうかわたくしを死なせてくださいまし そして神さまがあなたをお守りなさるよう

わたくしの恋人は遠くの国へ行ってしまいました
愛するもののなくなったわたくしです どうぞ死なせてくださいまし

心が痛くて堪えませぬ 死なねばならぬわたくしです
自分を見たらそれだけで 死なねばならぬわたくしです

心が痛くて堪えませぬ 死ぬよりほかはありませぬ
あの人が姿を消したその日から 心が痛くて堪えませぬ〉

僧正は槍をひっさげた三人の騎士を呼びよせた
〈この狂女めを修道院へろ引きたてろ

行け 狂ったロールよ 行け 落ち着かぬまなこのロールよ
黒と白より身につけぬ尼僧にそなたをしてとらす〉

やがて四人は連れだって街道筋へと出て行った
騎士たちにリーレライは嘆願した 星ほども彼女の瞳は輝いた

〈騎士たちよ あの高い岩にわたくしを登らせてくださいまし
もう一度あの美しい自分のお城が見とうございます

もう一度河に水鏡がしとうございます
そのうえでわたくし処女と後家さんたちの修道院へはまいります〉

岩上に立つや風が来て解いた彼女の髪の毛を吹きみだした
騎士たちは〈ローレライ ローレライ〉と叫びつづけた

〈はるか彼方のラインの水を小舟が一隻近づいてくる
わたくしの恋人が乗っている わたくしを見つけた そして呼んでいる

心が急に楽しくなる 恋人が来てくれました〉
そのまま彼女は俯伏して ラインの水に落ちてゆく

ラインの水に映ってる美(うるわ)しのローレライを
水色の目を 太陽(ひ)の色の髪の毛を見た科(とが)で



ローレライ(1)

September 13, 2008

クジャクアスターが雨を受けた朝、ハイネの訳詩を読んでいました。万足卓(まんぞくたかし)様訳が素晴らしくって。


《帰郷》
                       ハインリヒ・ハイネ      

なぜか知らぬが
こころ憂え、
そぞろ身に沁む
昔の伝え。

たそがれ迫る
ラインの流れ。
入日に焼ける
山のはずれ。

乙女がひとり
岩の上で
こがねの髪を
こがねの櫛で

梳きつつ歌う
歌はさながら
心をうばう
妖しのちから。

舟漕ぐ人は
舵を忘れ、
岩かどを見ず
乙女に見とれ、

見るまに舟も
人もさらい、
波に葬る
ああ ローレライ。


ドイツ語原詩の脚韻、長短母音、音調、音節の説明がなされた丁寧な解説がありながら、私にわかるのは訳者様を通しての味わいだけ・・・
ドイツ語は愚か 背景を実感することもできません。
例えば 彼らにとってラインはどんな心持ちを呼ぶものか、そもそも川に覚える感覚がフランスのそれと同じと考えて良いかなども。

せめてアンリ・エーヌとしての フランスでのハイネをとページを開けば、再び味わいが変わり・・・。
ドイツ詩歌を永遠に手に入れられないことに悔しさをおぼえて・・・。


《La Lorelei》

Mon coeur, pourquoi ces noirs présages Je suis triste à mourir Une histoire des anciens âges Hante mon souvenir

Déjà l'air fraîchit, le soir tombe Sur le Rhin, coulant calmement Seul, un haut rocher qui surplombe Brille aux feux du couchant

Là-haut, des nymphes la plus belle Assise, rêve encore Sa main, où la bague étincelle Peigne ses cheveux d'or

Le peigne est magique, elle chante Timbre étrange et vainqueur Tremblez, fuyez la voix touchante Ensorcelle le coeur

Dans sa barque, le marin qui passe Pris d'un soudain transport Sans le voir, les yeux dans l'espace Vient sur l'écueil de mort

L'écueil brise, le gouffre enserre La nacelle est noyée Et voici le mal que peut faire La Lorelei sur son rocher.



初恋(4)戸惑い

August 31, 2008

散水に絡む純白の朝顔。デッキチェアーの横にはサフィニア・フラッシュ。
白が眩しい日曜日です。


それなのに風邪引きで動けないったら。今夜の音楽家協会のお集まりは欠席です。

せんだっての初恋(2)の更新から何人に問われたかしら。どんな方?どんな方?って(笑)

はっすんは、「万年筆って際立って男くさいアイテムだけど、'男'って感じの人かな。」ナンテ・・・。はしっこいこと。

そうね・・・女性慣れをした甘いお言葉は頂かないわ。
精一杯おめかししてお目にかかっても「今日は顔色がいいね」だけ。
並んで歩くと視線を感じてときめいた・・・でもご覧になっているのは歩幅。歩き方で体調を測りなさる。
メールだって「体重計の針はどこを指していますか」って。

私は少し戸惑って、そしてうんと嬉しくなった。
そんな初恋。



初恋(3)虫

August 20, 2008

ルイ14世が花びらを広げ、山苺の蔓の下ではアルストロメリアが咲いています。


初恋をして変わったこと。以前ほど虫が怖くなくなったこと。

水色のラミーカミキリ虫を綺麗だって仰った。怖いばかりだった虫が いい子に見えてきた。
小さなか細い瑠璃小灰(ルリシジミ)蝶からは逃げなくなった。
蝉の腹部の殆どは共鳴体だって仰った。そうなの? 蝉の身体は楽器なの?

こうして少ぅしずつ虫に近づけるようになりました。
すると発見があったワ。バッタって泳ぐのね。
石に溜まったお水に落ちたバッタ、スイーッっと泳いで岸に辿り着くのを見ました・・・。



初恋(2)お手紙

August 12, 2008

ブルーのお花がお好きな方に 石鹸のデコパージュをお作りしてみました。

涼しそうな洗面所になるかしら・・・?
使って下さるといいな。


初恋だなんて書くと、なあに?どういうこと?ってお友達。
そうよね、今頃に初恋なんて不思議だわ・・・。

でも初恋って初めての心持ちを沢山体験することじゃあないかしら。
喧嘩をしてもちっとも腹が立たなくて、怒って悲しそうな表情を なんて美しいのかしらと見つめていたのは初めてだった。
叱られた時だって、艶やかなお声の響きを楽しむ思いで聞いていた。

お友達は重ねて尋ねる。どんな方? って。
私は少しも面食いじゃないから、姿はヴィクトル・ユーゴーのカジモドみたいでも構わないのよって日頃申しているので お友達は心配そう(笑)

男っぽい良い字をお書きの方。
万年筆文字の素敵なお手紙を幾つか頂いた・・・でも書かれていたのはカレンダーの裏だった(笑)

そんな初恋。



小さな紳士達

August 10, 2008

術後1ヶ月記念の日、お食事にお出掛けしました。アルコールはまだ禁止だからソフトドリンクで乾杯です。


待ち合わせ場所へ行く道々でのこと。

文具を買ってレジに並ぼうとすると 中学生の男の子とかち合いました。
お先にどうぞって仕草で笑うと、男の子は「どうぞどうぞ。」と言って別のレジへ並び直した・・・。
ありがとう、って小さく手を振った。

喉が渇いたから、駅の自販機でお茶を。
小学生の二人の男の子が10円玉だけでジュースを買おうとしているところでした(笑)かわゆいワ。
まあ・・・ところがすぐに返却ボタンを押しちゃった。「どうぞ。」って。
10円玉を15個入れるのは時間がかかるから先を譲ってくれたの?
ありがとう。

電車に乗って本を開きました。ページの半分に陽が照りつける。眩しくて少し横に除けようとしたら、お隣の小学生がパッと立ち上がってブラインドを閉めてくれた・・・
ありがとう。

可愛い小さな紳士達のご親切、嬉しかったナ。
パリのおちびさん達のような 素敵なマナーの紳士にたくさん出会った・・・。



入院をして良かった事

August 08, 2008

手術からやっと一月が経ちました。入院して良かったって思えることがあるワ。


身体の自由が利かないってどんな風なのか、少しだけわかったこと。これまで知らずに過ごしていたことが恥ずかしくなりました。

お年寄りが少しの段で躓くこと、実感を伴って知ることができました。実際に脚が上がらなくなると病院の電気コード一つを跨ぐのが怖かったもの。

ベッドの柵を嫌がる患者さんのお気持ちも わかりました。
安全のためと機械の取り付けのために必要な柵だけれど どうしても邪魔っけで、エイッって勝手に柵を取り払ってしまった。
看護士さんに叱られたから「これがあると圧迫感で眠れなくなってしまうの・・・」って 嘘っこの訴えをして無理に許して頂いた・・・。演技派じゃない患者さん方は我慢なさっているのね。

車で過ぎる道路の継ぎ目、普段は気付かないくらいだのに呻くくらい衝撃に感じることも知りました。
何度も車線変更をして舗装の綺麗な道を選んで走って下さったお方のお心遣いに 大きな感謝を覚えました。

沢山の方に助けて頂いて 気付いたことは色々。
して頂いて嬉しかったこと、忘れずにいましょう。
私もこれからは看病上手になれると良いな・・・。

写真は、凄い手のままベッドでしぶとく恋文を書き綴ってたお馬鹿さんな図。



ヘアカット

August 02, 2008

髪を切りました。パルファンちゃんが、髪をきちんとしなきゃダメよってアドヴァイスをくれたから・・・本当にそうね。
私ね、髪型って今まで考えたこともなかったの、って告白するとパルファンちゃんは一瞬絶句・・・


手が掛からないからって 動き易い短めのパーマヘアにしてて、伸びてきたらばピアノの邪魔っけにならないように結ぶだけ。
これが女性のお友達みんなに大不評だったんだわ。

以前にうんと長く伸ばしていたのだって、単純な理由でした。ロングヘアはしばしばカットに行かなくても済むから。
「そんなことじゃ駄目よ。ちゃんとしないと!」って皆さんのお声に従い、パルファンちゃんのご指示通りにしてみました。
自分では希望ってないし、パルファンちゃんが仰ることをそのまま美容師さんにお伝えしたのよ。

パルファンちゃんこんな感じで良いカナ^^?

明日8月3日は森の音楽会です。13時30分、再度公園ログハウスにて皆様をお待ちしていますネ。

《第5回 森の音楽会》
日時 2008年8月3日(日) 13:00開場 13:30開演
場所 再度山風楽山荘 再度公園ログハウス
主催 こうべ森の学校&森の匠

お問合せ先 神戸市建設局公園砂防部 森林整備事務所
      〒651-1102 神戸市北区山田町下谷上中一里山4-1
      TEL 078-371-5937




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