Le chien ⅩⅤ

 



僕が見た鼻血

December 03, 2017

僕、ブルゴーニュ。

蝶番君とお姉ちゃまがおしゃべりしてる時のお話だよ。


お姉ちゃまね、赤血球の値が良くないのが影響して、しばしば鼻血が出るんだ。また好転するだろうけどね今時期ちょっと良くないんだ。

2人で話してる最中にも一筋血が流れた。
だから蝶番君、焦って早口で言ったの。

  '桜ちゃん鼻血出てる'

慌てて滑舌が悪かったのか、お姉ちゃまには別な風に聞こえっちまった。

  桜ちゃん愛してる、ってさ。


おしゃべりを辞めて嬉しそうに笑った。なにしろ
お話途中で急に愛してるって言われたと思ってるからね。


驚くのは蝶番君さ。
鼻血出したまま笑う女はなかなかシュールだあもの。

蝶番君は前より強い調子でもう1度言った。

  'ねえ! 鼻血出てるよ!'

お姉ちゃま、くすっと笑ってウンって頷いた。なにしろ
強い調子で

  ねえ! 愛してるよ!、って言われたと思ってるからね。


蝶番君は怪訝な表情で、血を垂らしたまま笑ってるお姉ちゃまの両肩に手を置いた。


  'ねえって!'

    うっふん♪

  '鼻血! '

    え?

  'は・な・ぢ'

次の瞬間、お姉ちゃまは目をテンにした。
それっから爆笑した。愛してるって聞こえてた~きゃっはっは!

いいから・・・早く血ぃ拭いてよ。

馬鹿な勘違いで処置が遅くてめっちゃ血が出たよ。



僕が行った動物病院

November 21, 2017

僕、ブルゴーニュ。

なかなか良い写真じゃあないか。


道路の皹が2人を繋ぐリードみたいでさ。
2世がお姉ちゃまのほうへお顔を向けながら歩いてるのが影でわかるね。


僕らは昨日、動物病院へ行った。
2世の診察とお薬を頂きにね。


2世ってば耳血腫になっちまって病院へ通ってんだ。

  *ハシゴしてます

早く回復していってるけど、お薬は数ヶ月続けなきゃあなんないんだよ。


ドアーを開けてくださったのは先生の奥様だったよ。
滅多に病院にはいらっしゃらないから10年もお目にかかっていなくって、お互いお顔も忘れてたね。


"お名前を・・・" って問われた。

  落合です。お薬を頂きにきました。

"ああ! 落合さんって、サクラちゃんっていうワンちゃん飼ってらっしゃるかたですよね~♪ "

  ・・・?

"お座りになってお待ちくださいネ。ほ~らサクラちゃんおいでおいで。"


ま、色々と混乱があるようだ。



天使の羽

November 01, 2017

僕、ブルゴーニュ。

2世の奴、気持ち良さそうだなあ。


ブラッシングが大好きなんだよ。
生まれて2年半はブラッシなんて見たこともない境遇だったけれど、今じゃお顔のお手入れ用ハケまで持ってるのさ。


静かに過ごしてる2世だけどお散歩は少し変わった歩き方なの。


お耳をやけにパタパタさせるんだよ。お耳を真横に開いてさ、はためかせながら歩くのさ。

蝶番君がリードを持って写してくれたから見てみる?



お耳可愛いわねってお姉ちゃまが笑うと、
蝶番君は、天使の羽だねって答えた。

そっか。2世はやっぱ天使だったんだね。



僕が見たやさしい2世

October 14, 2017

僕、ブルゴーニュ。

出窓にももぎ登場だよ。


2世の写真のそばに、ももぎを連れてきたんだ。
ももぎと一緒に居たブギウギは独りになっちまったね。

  ?僕が撮ったブギウギ


2世の奴、'ブギウギ先輩、大丈夫ですか? 寂しくないですか? '
って気にしてんだ。


小物模様替えの最中でさ、ブギウギのための居場所はちゃんと準備があるから大丈夫だよって言い聞かせてんのにさ


'ブギウギ先輩、僕が一緒に居ますからね'
なんつって心配そうに寄り添ってるのさ。


ブギウギはすぐに、用意されてた小さなアイアンスタンドに乗っけてもらってご満悦だよ。

それにしても2世はやさしい奴だよ。



僕が見た挫折

October 12, 2017

僕、ブルゴーニュ。

お姉ちゃまが譲らない事柄がある。


異教の宗教行事には触れない、だ。
触れないことが唯一可能なリスペクトの方法となる側面があるからだって。

いまどきのハロウィーンに関しちゃあ、カテキズムのおもに2110や2113などに接触するとか言って一切関わることはなかったよ。

スーパーマーケットさえゴーストとパンプキン模様の包装しか売らぬと決めっちまってるかの様だけれど、ハロウィーンに乗っかったキャンディ1つ手にしないってのが我が家のルールだからね。


わけを問われればイラッとなって、長すぎる一瞥を送る。


公教要理だときちんと答えたってどの道つまらぬ会話になるだけだって言うのさ。だからいちいち聞くなとばかりガン飛ばして終えるんだ。

ただのイベントというなら尚、異教行事のイベント化に手を染める理由は自分には見つけられないとかでね。
ま、イベント騒動をやり過ごす方法はそれぞれだから僕は黙っておいた。飼い犬の立場ってものがあるからね。

特に怒ってるわけでもないのさ。乗っかった商品に手を出さないってだけの個人のつまらぬ生活習慣だの。

  昨日まではね。


病院帰りに蝶番君とカルディさんでフェルトのキャッスルを見たんだの。


2世のおやつ入れにしたらどんなに可愛いらしいかしら、って空想が浮かんじまった。カテキズムは思いつきに押されて頭の隅っこへ追いやられた。

ゴーストのキャッスルから骨ガムを取り出す構図を思い描いてウットリとなってんの。あ~あ~

  そうして我慢できなくなってんの。
  僕は人間が挫折する様子を目の当たりにしたね。


真剣なお顔で蝶番君と相談を始めた。
蝶番君はカトリックとしてお姉ちゃまが後ろめたい気持ちにならない巧い考えさえ浮かべば、できたら此の小さな贈り物をあげたいと思って頭を捻ったよ。

其うして蝶番君は提案した。
"ブルゴーニュ2世は何にもわからないから、異教徒のお祭りなんて知らないんだ。ただ可愛いお城だなあって欲しがってるね。"

'ブルゴーニュが? '

"そう。桜ちゃんは勿論こういうのは買わないけどね、ブルゴーニュがすごく欲しそうに円らな目でじーっとお城見てた。"

  いやいやいや・・・
  自分が欲しいだけじゃん!

思いっきり2世のせいにして、お姉ちゃまはフェルトのキャッスルを手に入れた。ふたぁつもね。

おっと違った。これを買ってもらったのは2世だったね。


■カトリック関連リンク
*寛容というもの

*疎外感を越えて
  *不思議な駅(15)好きなもの
*サン・ニコラの日
*2011新年
*サンタクロース
*クリスマスツリーと恩寵の聖母
*禁欲のクリスマス・イヴ L'abstinence
*お年賀状プリント
*年頭2013
*ギャレット・デ・ロワ
*ロザリオの祈り
*ミサ前に
*チョコレートに悩む
*キャスピアと教皇聖下
*ミサのオルガン
*お祈りとお姑さん
*結婚式のブーケ
*結婚式のベール
*2013年年末間近
*潔斎のクリスマスイヴ
*クリスマスミサへ
*大掃除は5月
*ギャレットと待ち合わせ
*カルナヴァルでした
*灰の水曜日2014
*ブロッケス受難曲
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*読後のひとりごと
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*シネマ記録(11)大いなる沈黙へ
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*プロポーズとゴッドファーザー
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*クリスマスとクロス
*ミサ曲とクリスマス・オラトリオ
*新年2016
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*光の祭儀2016とモーツアルト
*オルガンと石のロザリオ
*サロペットで創世記
*病院、個展、授業
*この仔のように
*フォーレと翼廊
*授業とボンボンロケット
*病者の秘跡
*病者の塗油
*薔薇の機会



僕と2世と出川さん

October 11, 2017

僕、ブルゴーニュ。

僕らの巣である '穴' に2世の写真を飾ることになった。


  *赤い穴

1日中2世と一緒に過ごす穴に写真置いてどうすんのさ? って僕は言ったんだ。

したらさ、"楽章(穴)の中にテーマ'(2世)とテーマの縮小モチーフ(2世の写真)を同時に置く意味がない曲がある? " って言われっちまった。ちっ。

僕は大人しく引き退ることにした。


ところで2世は頭のコートが増えてきて、出川哲朗さん風になってるよ。髪型似てるよなあ・・・


お姉ちゃまは出川さんをお偉いお方ととても好きでリスペクトしてるけど、僕的には2世の髪型をなんとかしたいんだ。

僕んちへ来る前に栄養失調で抜けっちまってたコートが増えるのは嬉しいけどね、伸びるまでの過程の出川さんヘアは2世には似合わずキビシイよ。


2世は今日もお勉強だ。


たくさん遊んでたくさん学ぶんだよ。
そしてできたら早く出川さんヘアを卒業しておくれね。



僕と2世の待つお稽古

October 09, 2017

僕、ブルゴーニュ。

昨日の写真と実によく似てる。


  *私たちの連弾

2世のカラーもお姉ちゃまのワンピースも微妙にしか違わないぞ。
代わり映えしないのに2世は首輪ってものを貰えて2月も経っていないからね、与えられる総てを酷く喜んでいて大満足するのさ。


2世はとてもよく待てる子だ。
おうちでもお外でも静かにお利口にじっと待てるんだの。


待たせておいて、飼い主がその場を離れるお稽古はするね。
だけど嘘っこのお稽古なのさ。
実際は恐ろしくてお外に繋いでおいたりできないんだの。


何故ってお姉ちゃまはいつも、可愛い2世が盗まれっちまったらどうしようって不安でたまらないんだ。

待つお稽古だけをさせ、蝶番君が隠れて見守りながら写真をバシャバシャ撮る。その間にお姉ちゃまが急いでご用事するんだの。

2分後にはお姉ちゃま、ご用事放り出し "やっぱり交代して。私ブルゴーニュ見てるから。" と戻ってくるね。やれやれ。


僕は言ってやったんだ。
僕らにとってはうんとこさ可愛いよ。だからって2世なんか盗んでどうすんのさ? ってね。


保健所から引き出した雑種を盗んだって売れるところもないもの。おまけに3歳にもなろうとしてる。一文のお得にもならないのに盗みをはたらきはしないってね。

離島から出してもらう直前にノミダニ駆除を受けたけれど、長い間よくない環境に居た子はノミダニアレルギーの症状もしばらくは残るんだ。

そんなの盗む人は居ないから平気だよって僕は思うけど
可愛さに目が眩んでついってこともあるワと大真面目に主張してきた。うへっ


'猛犬注意' って札を首からさげたらどうかしら?
  猛犬に見えないと思うけど・・・


'凶暴・危険です。手を触れないでください' とかは?
  また保健所に連れて行かれたらどうすんのさ。

'シラミ・ノミが居ます。触るなら自己責任' って書くのは?
  ・・・・・。


こうした相談の末、蝶番君がこっそり見守る嘘っこのお稽古が一番って僕らは結論したんだよ。



僕が見たフードの食べ方

September 30, 2017

僕、ブルゴーニュ。

2世の奴また寝っ転がって食べてるなぁ。


僕んちに来た頃っから此の食べ方なのさ。
これには深い事情があるんだ。

はじめ僕らは、床にフードボールを置くのが食べにくいから姿勢を低くしてるのかなって思ったよ。前傾姿勢を嫌って伏せてお食事する仔も居るしね。


でも2世の場合は高さが理由じゃあなかったの。


フードボールを台に乗せてやっても無理矢理に寝そべり、届きにくそうにお首を伸ばして食べるんだの。

  僕はわけがわかんなくって2世を問い詰めたのさ。
  一体どうしたってんだ?
  こんなのは習慣でも癖でもないはずだろう? ってね。

2世は野良ちゃんだったのだあもの・・・折角ありついた残飯を、道に寝っ転がって食べるなんざ考えられないじゃあないか!


2世は僕に小さな声で語ったよ。
家庭犬らしくなりたいから、ってね。


僕ね、2世はもう立派な家庭犬じゃあないかって励ましたよ。
すると健気な様子で肉球をにぎにぎしながら、もっともっと家庭犬らしくできるようになりたいと言うのさ。

誰に言わせても大変にお利口で大変に優しく、この上なく愛されてるというのに2世の奴は小さなコンプレックスがあったらしいの。

噂に聞いてた '家庭犬' ってのを自分はうまくやれてるかな? ってコンプレックスさ。


一生懸命考えて、正しい家庭犬を真似ようとご近所のワンコたちから情報を集めたそうだ。つい40日ほど前まで家庭犬ってものと会ったこともなかったのだからね。

公園をお散歩中の子たちに、どういったワンコが家庭犬らしいか問うたのだって。彼らは相談しいしい、とりあえず家庭犬はリラックスしてフードを食べてるって答えたそうだ。

2世はなるほど! と大いに納得したと語った。
色んなものから逃げながら残飯のお零れを口に入れるしかなかった頃は、緊張して隠れながら食べていたからね。

ただし2世は家庭犬がどんな風にお食事してるか見たことがない。


小さな頭で考えを絞り出し、やっと思いついた '最もリラックスした食べ方' ってのがこれなのさ。食べるのに夢中になると思わず立ち上がっちまうんだ。其んな時は慌てて寝転び直してるよ。

2世はものを知らないからね・・・若干勘違いしてるようだけど、これで2世が家庭犬をやれてる! って自信を持てるなら、まぁいいじゃあないかって僕は思うんだの。



僕らのパールxピンク

September 29, 2017

僕、ブルゴーニュ。

2世の奴、むふ♪ ってお顔してるなあ。


お散歩へお供しますってご返事代わりの、むふ♪ なお顔だよ。

2世ががっつりフランス語生活をして40日が過ぎた。

'お散歩道を通る?' や 'お散歩へ行く?' や '少し歩こうかしら?' や '私たちの小径を楽しむ?' など様々な表現にも2世はこたえ、ドアー前で姿勢を正してお座りをする。

  *僕らは遅すぎない

2世はね、保健所に入るまでの人生で言葉のコミュニケーションなんてしてもらったことがないのだって。


言葉の出発地点がゼロだったの。
だからお初の言語は、コミュニケーションに飢え乾いてた2世の身体にあっという間に染み込んだのさ。


昨日は急に気温が下がったからね、お姉ちゃまは長袖のぶかぶかしたトレーナーを着てたよ。


2世のカラーに合わせてパールネックレスをつけ、細いスキニーパンツを合わせたらお散歩ファッションの出来上がりさ。


パールxピンクの頭の悪そうなペアルックだ。


僕らは実のところカラーやリードにそんなにも興味はないけどさ、喜んでみせて飼い主をハッピーな気分にさせるのがワンコのお勤めだからね。

似合うねって黄色い声を出してもらえるのは笹薮じゃあないしね。また間違った、薮笹っていうんだっけね。

長い間の栄養失調で薄毛の上に切れ毛気味だった2世の上半身にもコートが生え揃ってきた。もうしばらく待てば僕のようにふさふさになるよって励ましてんだ。



僕らのコーデ

September 26, 2017

僕、ブルゴーニュ。

ミルクティ色のコーディネイトでお散歩だ。


お姉ちゃまはお洒落が大っ嫌いだのに、2世とのコーデはどうも楽しいみたい。

  *今日のコーデ?


カラーにお花がついてっから、
スカートをお花柄にしてみたりね。


2世のお陰でお姉ちゃまも、ちぃっとは小綺麗にしてくれるようになればなあって僕は密かに望んでるの。

厭がってるのはお洒落そのものじゃあないみたいで複雑なのさ。

お洒落をしようとする心理に潜む何かしら愚かな欲求に身を染めたくない想いがしたり、鏡に写し込んでああでもなし此うでもなしとやるプロセスが過度な慾のように思えたりするのさ。

'もしも鏡の向こうに生き物が住んでいてマジックミラーの如くにお洒落真っ最中の人間の表情を見ていたら、


その生き物は、此う見せたいっていう人間の価値基準に震撼する朝を過ごし、人間がメイクを落としてお洋服を脱ぎ裸になる安堵の夜のほうを愛するに違いない' ってな偏った妄想を持ってるんだ。うへっ


それだのに2世のおリボンだのカラーだのを幾つも買っちまうのは過度な慾と思っちゃいないのだからね。端っから光合成がとれちゃいないんだ。

あれ? こういうの、こーごーせーって言うのじゃなかったっけね?


ところでおやつもコーディネイトする。2世を見てるとブルゴーニュ2世色のお菓子が食べたくなるんだね。


昨日のおやつは神戸グーテさんの生クリームのシューだったヨ。ミルクやクリームもまた食べたくなる体調に戻ってるね。きっと2世のお陰だ。



僕らはプンプンを採用する

September 22, 2017

僕、ブルゴーニュ。

幼児語で 'ん' のことをプンプンって言うんだそうだ。


僕ら知らなかったんだよ。

可愛らしい言葉を僕らに教えてくれたのはリンダ・キルト作のお小説だった。ゾーヴァが挿絵を描いてる"恐るべき天才児" の2話目 '回想録' に出てきたの。


二宮千寿子様訳の 'プンプン' って単語にお姉ちゃまがひどく心打たれ、調べてみると一般にも知られた幼児語らしかった。


  ブルゴーニュがプンプンをしたがってる、
    2世のプンプンの時間だよ、
      ってな具合に使うんだね。

それにまるで音楽のように、プンプンって音でもってどんなプンプンかも表現できる。

  今日のプンプンはプほどもなかった、
    まるで濁点がついたブンブンのようだ、
      ってな調子でさ。

こいつはいいぞ!
僕らはプンプンって言いかたを採用することにした。

けれど此んなブログはお姉ちゃまに見つかると叱られるかもだからね、書いた所へ後足でお砂をかけて隠しておきたいな。プンプンをした時のようにさ。



僕が見た旦那様の悲哀(1)

September 21, 2017

僕、ブルゴーニュ。

ブルゴーニュ2世の奴、可愛いなあ。


洗ってもらってさっぱりして、クマさん抱えてお昼寝だ。
お風呂の前にはカットもしてもらったよね。

2世はね櫛と鋏のセットは自分のためと解るみたいだ。カットし易いよう言われた通りに上手くやるのさ。リードも使わず顎を下げたりお尻を上げたり実に具合良くね。

お利口な2世に僕らは夢中なの。
悲哀に満ちた様子で其れを眺めるのは蝶番君だ。


お姉ちゃまはさ、結婚してからずっと蝶番君のお眉を小っこい鋏で切ったり抜いたりして整えてあげてたのにね・・・


2世が来てから旦那様のお眉なんざチラリとも見もしないんだ。
伸びっちまってるのに気づかないのか、気づいてて放ってるのかは知らない。

僕が知ってるのは、蝶番君のお眉用だった鋏が2世のお髭を整えるのに使われてるって事実さ。

今朝も蝶番君はお姉ちゃまの元へ行ってきますを言いに来た。


ひと月前までのように、お首に両腕を回して行ってらっしゃいをしてもらえるのをホンの少し期待してたかもしれない。

けれどお姉ちゃまは2世のお耳掃除をしてやりながら、お顔も上げずに 'あ~行ってらっしゃい' とお座なりに呟いた。

それでもって蝶番君に発したのと違う猫なで声で 'ほ~らブルゴーニュお耳綺麗になったね~♪ ' と言って2世にビズした。

蝶番君は "子供が生まれた世のお父さんは大体みんな此んな感じになるのかな・・・" って目をしばしばさせた。



僕らがまた会えた朝

September 11, 2017

僕、ブルゴーニュ。

ワンコ雲が出てたよ。


ワンコ雲ってのはさ、ワンコの形をしてたりぽわぽわの毛を生やしてたりする雲なんだ。

虹の橋を渡っちまったワンコが、飼い主さんが泣かないよう慰めに出てくる雲さ。ニャンコ雲ってのも無論ある。


僕らは昨日ワンコ雲を見上げながらお散歩してた。


ブルゴーニュ2世のやつ、ワンコ雲の下を通ってみたいって言うんだ。あれは近く見えて本当は遠くにあるから無理だって教えてやったよ。

したら60cmほど先の石を指して、あれも近く見えて本当は遠いのか聞いてきた。

ソクラテスの真似かと思えば、ものを知らないだけみたいだ。


僕らは毎日仲良く暮らし、朝は特に幸せ気分がする。


毎朝2世が先に目覚めて僕らが起きるのをじっと見つめて待つの。音を立てぬよう首だけ起こして見ているね。

それでもって僕らが目を開けると "また会えたね" ってひどく子供っぽく笑うのさ。可愛い仕草で甘えるもので僕らは癒されるんだの。

けれども2世はものを知らないからね、こういう時はお早うと言うものだって教え込んでやったよ。


2世は素直に聞いてたけれど別の朝も別の時も相変わらず "また会えたね" って喜ぶの。

あいつ頭悪いの? ってお姉ちゃまに相談したらば、2世はあれで良いのよって言われた。


飼い主が居なくてお水や寝床を探して彷徨ってた2世は、同じ人と日に幾度も会える経験なんてなかったんだって。ずっと一緒に居るのが嬉しくて安心でならないんだって。


だから2世は


また会えるね、って眠り
また会えたね、って起きるんだって。

また会えるね、って見送り
また会えたね、って迎えるんだって。

僕もう2世の挨拶の言葉遣いを直すのは止すよ。
僕も明日の朝、また会えたねって言ってやることにするよ。



僕らは遅すぎない

August 30, 2017

僕、ブルゴーニュ。

2人の足元が見えるかい?


歩きながら写してブレてるけどね、お散歩の雰囲気たっぷりじゃあないか。

2世はさ、一時預かりのかたにお散歩させていただくまで人間とのお散歩を味わったこともあまりないみたいだ。お散歩どころか保健所を出てシャバの暮らしがまだ僅かなのだあもの。


それだのにお姉ちゃまがたった数回お稽古をつけてやると
そら此の通り左側にピッタリついて歩くようになったんだよ。


子犬の頃から何一つ教育を受けたこともないまま3歳近くまでなっちまってもさ、それでも遅すぎるなんてことはないんだよ。

きっと人間もだよね。何だって遅すぎやしないんだ。今日まだできてない夏休みの宿題もネ!

2世がやってるお稽古は簡単さ。ワンコの気持ちに寄り添って、おんなじっくらい僕らの気持ちに寄り添ってもらえるようしっかり話して励ましてやるのさ。


2世は実によくやってるよ。


生まれてこのかた鹿児島弁しか聞いたことがなかった奴が
本州に着いてお初に関西弁を耳にする日を経たかと思えば
僕んちに来た日からがっつり全てフランス語だあもの。

仕方ないんだ、お姉ちゃまがワンコ教育の先生になるお教室にこっそり通ったのがフランスだったからさ。コマンドだけじゃなく話し掛けから冷蔵庫の中身まで2世にとっちゃ聞いたことがない言葉だったの。

2世はそれに応えたんだ。小っこい頭で一生懸命考えたね。
ご不浄もお散歩の方法も1日でクリアした。僕ほど頭は良かぁないけど素直なんだ。

  *トイレトレーニングなど
  *はじめてのお留守番


お、道でムクちゃん発見だ。


お写真パチリする間 '止まれ' もできたネ。

今は伏せたあとにロールするのをお稽古中なの。
まだまだ上手くできないんだよ。

だけれど小器用な事をこなせなくってもいいんだ。
飼い主とコンタクトしてコマンドをしっかり聞くってのが、2世にとっては新しい体験だからね。

ワンコがお利口になってゆくのは飼い主との共同作業だ。
ご不浄もお散歩もそれっから生徒ちゃんのピアノだって共同作業さ。教えるほうと教えられるほうの意志が交わった時にできるようになるのだあもの。

僕らはゆっくりお稽古しながら、ゆっくり歩いてく。



僕はうおーって思う

August 29, 2017

僕、ブルゴーニュ。

うおーっ可愛いぞ~


なんだなんだ? ブルゴーニュ2世のやつ、いつから此んな可愛くなったんだ? 蝶番君がiPhoneの待受けにしてるのも頷けるよ。

引取るって決めた日は栄養失調で毛は禿げ禿げで、皮膚だって爛れてた。痩せて貧相で、僅かな被毛は栄養が行き渡らずモサモサでさ。それでもって酷く寂しそうな暗い顔したワンコだったんだよ。

  此の写真は8月26日撮影なの。
  17日に僕んちへ来て9日目ってことさ。

  信じられるかい?

見る見る栄養状態が良くなってコートが生え揃ってきたのさ。


僕らこれほど早く回復してくるとは思ってもみなかったし、ここまでかわゆくなるってのも想定外なんだ。

引取り手がいるかなぁ? って不安に思えるくらい、みすぼらしい姿を愛しく感じて申し込んだんだよ。子犬も純血腫の子も貰い手があるし、次には健康な可愛らしい子が候補になるからね。

2世はそのどれでもなくてさ、酷く気の毒だったんだよ。そんな子をうんとこさハッピーにしたくなったんだ。

眉目も今ひとつだった・・・筈なんだ。
とんだ変身っぷりだよ! みにくいアヒルの子のお話かよ?
うおーっ可愛すぎるよ。


甘える仕草だってできるようになってきたよ。


家庭で飼われてる普通の幸せなワンコが当たり前にしてきたことをブルゴーニュ2世はお初にやってるんだ。

  だけど今も手足の先は元々の毛色と別の色に染まってる。

長い間糞尿にまみれた環境に置かれたか、洗っても落ちない着色があるんだ。今は毎日清潔にしてもらって幸せいっぱいに暮らしてるよ。昔のシミもいつか落ちるといいけど、僕らはこのままでも充分って考えてるんだ。

**


2世にとって僕らが大切なのと同じように、お姉ちゃまにとっても2世は素晴らしい存在なんだ。毎日お散歩に行くようになったお陰で体力も早く戻りそうだしね、面倒みてやんなきゃって想いは活力を与えてくれるからね。

優しい2世はお姉ちゃまがゆっくり歩くのに合わせ、何度もお隣を見上げながらうんとこさお利口にお散歩できるのさ。

うおーっ可愛くてお利口だ。



はじめての動物病院

August 27, 2017

僕、ブルゴーニュ。

動物病院のロビーだね。


ブルゴーニュ2世ってばお利口にしてるよね。
皆に褒められ僕も得意だった。なんたって僕ぁ兄貴分だからね。

24日、狂犬病予防接種とワンコ登録と健康診断に行ったんだ。
怖い気がする度お姉ちゃまを見てさ、大丈夫よって頷き返してもらうとすぐ落ち着くのさ。

2人の様子をご覧になったドクターは、愛されてるな~って撫でながら年齢を問いなさった。


何歳でしょうか? ってお姉ちゃまが問い返した。


保健所引き出しで、今日で来て6日目なんです・・・って言葉にドクターや看護士さんもびっくりさ。2世のやつ、ずっとトレーニングを受けてると誤解されるっくらいお利口にしてたからね。

だけれど自慢はここまでさ。
健康診断はロクじゃなかった。

僕らブルゴーニュ2世が卵を産んだことがあるってのは知ってたよ。それでもって卵から孵ったパピーをどこかへやられっちまったのも聞いてた。

けれども卵を温めたのが最低でも4回とはさ・・・
ドクターは、もし此の子が3歳なら下手すると6回ほども産んだ可能性があるって仰った。


其うと判断できるっくらい、おっぱいやお腹の皮膚が傷んでたんだ。


悲しいじゃないか。
劣悪な環境で闇雲に子を産まされることになっちまってさ。

2世が孵してミルクをやったパピーたちだって多頭崩壊の中、幸せに生きる可能性は低いんだ。

僕らは命に対して低モラルの人間への怒りと悲しみを隠せなかった。


僕らに逢う運命に向かって遠く遠く流れて旅して来てくれたブルゴーニュ2世のやつ、可愛いよな。


保健所に入るまでの事は忘れっちまうがいいね。
これっからうんとこさ幸せになるんだよ。


*僕が間違えた道
*僕のお名前
*僕らの月日
*僕らの分かれ道
*きくらげの寄り道
  ?きくらげのコト
*僕らの十字路
  ?はぐぬまJて
*僕らの道のり

*トイレトレーニングなど
*はじめてのお留守番



はじめてのお留守番

August 24, 2017

僕、ブルゴーニュ。

昨日はブルゴーニュ2世がお初にお留守番したの。


お姉ちゃまの病院の間、お留守番のお人を頼めない日でさ
3時間っぱかり1人っきりになったんだの。

お姉ちゃまは酷く緊張してた。
居ないうちにブルゴーニュに何かあったらどうしようってね。

僕ね、僕はすっかり満足だったよ。2世のお陰でお姉ちゃまがブルゴーニュ、ブルゴーニュってひっきり無しに言ってんだあもの。
僕協力するからさ、2世のことは任せなよって思った。


お庭トイレはすぐに憶えたけど、問題はいつだってお姉ちゃまがドアーを開けてやらなきゃなんないことだ。


  *トイレトレーニングなど

1人でお庭へ出るドッグドアーの使い方はまだ練習中だったんだ。
昨日は2世がうちに来てまだ1週間に満たなかったのだからね。

僕の大きさにあつらえたドッグドアーだったから、2世にはドアーの位置が少々高すぎるんだ。開閉も重そうだ。だから時間をかけて教えてやんなきゃならないんだよ。


案の定お姉ちゃまが居ない時に2世はもぞもぞし始めた。


短期間にいろんな処を転々としてきた2世は、環境が変わるたびに異なるトイレルールを教えられたに違いない。だからお姉ちゃまは一度に沢山のメニューを教えて混乱させたくないと言って、トイレはお庭とお散歩の2つに絞ったんだ。

ま、そうだよね。この上に5日間でお部屋のシートトイレまで作ると、2世にとって比較的広い家内では混乱しそうだ。

もぞもぞして2世は言った。
"お庭トイレに行かないと! "


そりゃあ無理な相談さ。お風呂に入らないワンコになった僕はドッグドアーの開閉を手伝ってやれないんだよって諭しても、2世の奴 "がんばる" って言うんだの。


2世はだいぶ長くドッグドアー前で佇み、意を決して押した。
よいしょと支えながら妙に幼い足取りで踏み出した。
トコトコとお庭トイレに行き、'しー' と 'ん' の両方をした。

お庭は暑かった。
おいおい室外へ出ちまったはいいけど、入れなきゃ日干しになるぞって僕不安になった。

心配には及ばず2世にとっては高い位置のドアーに手をかけ、よいしょと頭で押して家内へ戻った。トコトコ歩いてエアコン下のクッションに鎮座したんだ。

2世の奴・・・思ったよりヤルじゃあないか。


急いで帰ってきたお姉ちゃまはトイレを見て目をテンにした。


ブルゴーニュはなんてお利口なの? たった1人で頑張ったの? って思っ切り褒めてもらった。

お姉ちゃまはドッグドアーをもっとゆっくり教えるつもりでいたけど、2世の奴はさ、保健所から出してもらって可愛がってくれる気持ちに目一杯応えようとしてるんだ。

僕らは一緒にお庭ポタジェで育ったスイカをまた食べたよ。
はじめてのお留守番は成功した。



僕らの道のり

August 21, 2017

僕、ブルゴーニュ。

黒い初代ブルゴーニュほうさ。


2世のあいつは酷く文才に欠けてるものでね、お勉強させてるとこなんだ。昨日のブログ見て僕ぁ愕然としたの。なんてひどい文だろうね。しっかりするまで僕が書いてやんなきゃ。

ちんくしゃで、多少マシになったとは言えまだ痩せぎすだしね、写真の写り方さえわかってないんだ。どうすれば格好よく写れるかとかさ、学ばせなきゃなんないことがお山ほどもあるね。

2歳は過ぎてるし、毛並みは老犬のように禿げっちまってんのに妙に幼いんだ。


目を離すと、ももぎとブギウギに恐る恐るご挨拶はじめっちまってるしさ。


お人形にはそう度々ご挨拶しなくても、コロコロ気を変えたりしないものだって教え込んでやったよ。

それにしてもブルゴーニュ2世はとっても素直だ。
パーシモンよりモノを知らないけど教えてやると何でも素直に聞く可愛い奴だよ。

**


僕らが出逢うまでの道のりは長かった。

  *僕らの十字路

まだお名前がなかったワンコは保健所引出しの日が決まってた。
保健所員さんがとても頑張ってくださって、お陰で助け出された子はたくさん居るんだ。

檻から出されたワンコは、離島から鹿児島まで1時間と少しを飛行機に乗った。次に本州行きの飛行機に乗せてもらうことができたんだ。


僕らがきくらげのようなハムスター・カラーの子を検索しまくってた頃、


  飛行機の暗いブースで轟音を我慢したワンコは
  神戸空港で積み下ろしされたんだ!

引出し依頼をしなさった保護主さんの所へお泊まりして
京都の一時預かりさんちでしばらくお世話になってたね。

ブルゴーニュ2世になる子を関西で探してた僕らは、
その日、一時預かりさんがupされた画像を見つけた。

僕らがコンタクトを取ったからね、2世は急遽一旦保護主さん宅へ戻って、彼女に連れられて僕んちに来たよ。

  南の島からの長い長い旅だった。
    小さな躰で不安な日も送りながら
      僕らのところまで辿り着いてくれた。


僕のお名前を引き継ぎに来てくれたんだよ。


ネズっぽいお顔してるよなあ。
ちんちくりんな感じだけれど、そのうち何とかなると思うんだ。

僕は僕の大好きなお名前で呼ばれる子を待ってた。
蝶番君は病院が多いお姉ちゃまに元気をくれる子を待ってた。
お姉ちゃまはまた動物と暮らせる日を待ってた。
ブルゴーニュ2世は優しい飼い主とお家を待ってた。

長い道のりの末に僕らやっと巡り逢えたね。

数えてみると2世のやつが生まれたのは、僕が虹に足を取られてつるりんした頃だったかもしれないな。


*僕が間違えた道
*僕のお名前
*僕らの月日
*僕らの分かれ道
*きくらげの寄り道
  ?きくらげのコト
*僕らの十字路
  ?はぐぬまJて



はぐぬまJて

August 20, 2017

僕、ブルゴーニュ。

えっと・・・女の子です。


ブログを書く時は '僕、ブルゴーニュ' で始めるものだってブルゴーニュ先輩が言ったから。


ののす先輩こんにちは。
僕、ブルゴーニュ。


ご挨拶も '僕、ブルゴーニュ' と言うものだってブルゴーニュ先輩が言ったから。

えっと・・・僕、多分2歳すぎくらいです。


ももぎ先輩とブギウギ先輩こんにちは。
僕、ブルゴーニュ。


  *僕が撮ったブギウギ

えっと・・・僕、雑種です。

僕、飼い主ができた。
お家ができた。


*僕が間違えた道
*僕のお名前
*僕らの月日
*僕らの分かれ道
*きくらげの寄り道
  ?きくらげのコト
*僕らの十字路



僕らの十字路

August 19, 2017

僕、ブルゴーニュ。

保健所の金属扉が軋んだ音を立てたところからだったね。


  *僕が間違えた道
  *僕のお名前
  *僕らの月日
  *僕らの分かれ道
  *きくらげの寄り道
    ?きくらげのコト

ワンコが保健所で眠るのは昨夜が最後と決まってた。
優しい目をしたワンコは、逃げようとするでもなくちょっと首を傾けただけだったよ。

運命に翻弄され続けて、抗う力を失っちゃったんだ。

子犬を産まされて、産んだら取り上げられて、お家を失くして、さまよって、保健所に入れられて、それでもって今は其処からも出されようとしてる。

ぜんぶ受け入れて委ねなきゃ、どうしようもなかったんだね。


暑さと狭さで気持ちだって弱っちまってた。
ワンコはただ優しいお顔で人間の手の辺りを眺めてた。


人間はワンコを可動式のクレートに入替えた。
幾つものクレートを無造作に積み重ねた。
手はとても忙しそうにテキパキ動いた。
ワンコはどこかへ運ばれるって理解した。
それが怖い場所かどうか考えないようにした。

ワンコは檻の扉がバタンと閉まった時、躰を小さく震わせた。
コンクリートに音が反響して少し怖かった。
でもそんなのは今までの怖さに比べれば何でもなかった。

今までの事をできるだけ思い出さないようにした。
これからの事もできるだけ想像しないようにした。
でなきゃ生きられなかった。


扉が閉まる大きな音がして辺りは真っ暗になった。
助けを求めて泣く犬たちの声が響いた。
ワンコだけ声を出さなかった。


轟音が聞こえてきた。

僕らから遠い遠い場所でのことだった。

**


奇妙なお天気の8月になった。

僕とお姉ちゃまは、きくらげショックから立ち直れずにMacで動物画像ばかり検索してた。

僕はきくらげが純真無垢とは大分違ってたショックで頭が痛かったし、お姉ちゃまはきくらげを飼えないって知ったショックが長引いてた。

だからね、僕らはうちに来るきくらげに似たハムスター・カラーの動物写真を見ては自分たちを慰めてたんだよ。

お姉ちゃまはふと手を止めた。そして
ブルゴーニュが居たワ・・・って言った。


ワンコは2度目の轟音の中に居た。
ガス室に轟音がするなんて聞いてなかった。


1度目は1時間と少し我慢した。
音が止まるとまたクレートごと何処かへ運ばれた。
はじめは下の方に積まれてた。
積み替えられた2度目は上側に居た。
下を覗くと怖いから目を閉じた。
1度目より少し長い間轟音が響いてた。

何が何だかわからなかったけどガスの匂いはしなかった。
クレートごとガタガタするシャリオに乗せられた。
こうして運ばれるのは何度目か数える気力もなかった。
どうされてしまうのか考えないようにしてた。


だからクレートを開けてもらえた時はうんとこさ嬉しかった。
優しそうな女性の保護主さんだった。
たくさんの子たちと車に乗せてもらった。

保護主さん宅で一晩を過ごした。
ワンコはご飯が貰えて寝床があることにほっとした。

疲れてたけれど、助かったのかな? って気がした。
あの島の海の匂いはしなかった。


翌日は預かり主さんのおうちへ連れていってもらった。
長い時間車に乗った。


其処でも親切にしてもらえた。
痩せ細った躰をなんとかするために栄養を沢山もらった。
おやつというものも初めてもらった。
おやつとは何と良いものだろうって嬉しかった。

譲渡会にも連れて行ってもらった。
ガリガリで毛が抜けたワンコは大人気とは言えなかった。
子犬が1等人気で、次に元気で愛らしい子が貰われる。
まだ若いのに老犬のように見えるワンコは静かにしてた。
焦らずご縁を待てばいいと優しく言ってもらった。

保健所から引出されて僅か半月だった。
ワンコは変わらず様々な事を受け入れた。

**

急に、再び保護主さん宅に戻ることになった事情も受け入れた。
やっぱり長い時間を車に乗せられた。

保護主さん宅に着くと翌日また長い時間を車に乗せられた。

ワンコは知らない場所で車から降ろされた。

ブルゴーニュ! ってワンコは呼ばれた。
ものすごく嬉しそうなお声で呼ばれた。
僕のお願いが叶った。

きくらげを飼えなかった僕らの分かれ道は、ワンコの道とクロスした。


*僕のお名前
*僕らの月日



きくらげの寄り道

August 17, 2017

僕、ブルゴーニュ。

僕らはきくらげをお家のない子と思ってた。


  *僕が間違えた道
  *僕のお名前
  *僕らの月日
  *僕らの分かれ道

  ?きくらげのコト

きくらげはね、人間を見れば 'おうちに入れて頂戴。家族になって' って一生懸命に訴えかけてくるんだ。きっと寂しいんだねって僕らは涙したよ。

そのうち、きくらげが生えたすぐ後に焦茶色した大きな子も生えるようになったんだ。其んな時きくらげは、大きな子に睨みつけられて怯えて遁走したものだよ。

逃げるきくらげは何故かものすごいガニ股で、それがまた言うに言われぬ可愛らしさなの。

可愛くて可哀想だった。大きな子のほうが後で現れたのに、縄張りを主張して小さなきくらげを追い出しちまうみたい。


きくらげは、追いやられると道を彷徨った。


'ママどこに居るの? きくらげ一人で頑張ってるよ、ママいつ帰ってくるの? ' っておしゃべりしながらさ。健気なきくらげに皆が心を動かされたよ。

きくらげに目をつけて、つついたり追いかけたりしてた焦茶色美人は大きな鈴をつけてた。

鈴つけてくれるおうちがあるんだから、きくらげの小さなテリトリーを邪魔しなくていいのになぁって僕思ってたんだよ。

  ところが事情はさっぱり違ってた。


寂しいのって訴えてる風だったきくらげのおしゃべりは、よくよく聞いてみると実にくだらなかった。


'き~くらげはお魚が好き~、お魚を植えるとね~、お魚の実が成るの~'
やれやれ。僕がっくりきたね。

それっから重大な事実も判明した。
焦茶色のきつい感じの美人ときくらげは、全く似てない母子なんだってさ。ショッキングな事実だった。

きくらげの愛らしく上を向いた小さな鼻とガニ股とプリプリのお尻は、リキッド・アイライナーを引いたようなケバい系の美人ママから生まれたというのが僕にはよくわからない。わからないけれど、それが事実なんだ。

ママに禁じられても勝手に寄り道をして他所のお家のバスケットに入り込んで眠りこけるきくらげを、ママは睨みつけて躾けてたんだ。


きくらげはガニ股で遁走し、ママが見えなくなると性懲りも無く一人道端で続きを歌った。

'お魚の実は~、みゃぬらる~♪ お魚の身なの~、みゅぬれる~♪ ' ってさ。自由過ぎるよ・・・

ママはやっとこさきくらげを見つけ出して追いかけ、つついておうちに連れ帰ってたんだ。


僕が想像してたのと違った。
ひとりぼっちの健気な子かと思ってた。
ママを探して呼んでる寂しい子どころか、隙を狙ってトンズラこいてるのだった。

僕さ、可愛すぎるきくらげが実は整形って聞かされても、もう驚かないね。それっくらいショックだよ。
プリップリのお尻もシリコンかもって、やさぐれたよ。

暑い7月が過ぎていった。


きくらげにはお家があるから飼えないって知った僕らは、何週間も気抜けしてた。一旦はきくらげを育てる気満々になっていたのだあもの。

騒動からひと月以上が経過した7月26日。きくらげは相変わらず寄り道をして、ママきくらげは相変わらず子を叱ってた。
同じ頃、人口の少ない島の狭い檻で気の毒なワンコに命の期限が迫ってた。

何ひとつ悪いことなんかしてなくて病気でもないのにね、受刑者のように命に期限を切られたんだ。ワンコはコンクリートの上でぼんやりしてた。

何かを待ってる気がした。
でも何を待ってるのかワンコにはわからなかった。

ご飯を待ってることと刑を待ってることが同じに思えてきてた。
それはただ時間が過ぎるのを待つことだった。

半ば眠ったような日々だった。長い長い日々だった。
南の島の真夏だった。檻の中は特に蒸した。

金属の扉の音がした。
ワンコは終わりの日を悟り、静かに振り向いた。



僕らの分かれ道

August 16, 2017

僕、ブルゴーニュ。

きくらげは頻繁に僕のお庭に生えてきた。


1日に8回も生えた次の日は、1日10回も生えた。
そして6月も半ばになると何時間も続けて生えてるようになった。

  ?きくらげのコト

お姉ちゃまは今ほど体力がついてなかったから、階段の上り下りを避けて長い時間リビングルームで休んで過ごしてた。

お尻なんかプリップリのきくらげが、お庭から始終可愛い声で訴えてくるのでお姉ちゃまは陥落寸前だった。


きくらげは実によく鳴いた。


お顔を洗うときも上機嫌でみゃごみゃご言い、僕らの顔を見ればみゅぐみゅぐ話しかけてくる。

ご近所でも評判になり始めた。
なにしろたったひとりで歩きながら機嫌よく、みゃぬらる~♪ みゅぬれる~♪って可愛い独り歌を口ずさむんだ。

少々変わっちゃいるけど愛らしさは天下一猫だった。

お姉ちゃまを押しとどめていたのは、ワンコばかりできくらげを飼ったことがない自分が、此の子に本当の幸せを上げられるかしらって自信のなさだけだった。

だけどある日 "もう我慢できない。可愛すぎてもう無理" って言うのを聞いた。すわっ、きくらげの捕獲だ! って僕は勇んだ。


僕とお姉ちゃまが神戸できくらげを眺めてるのと同じ時
鹿児島のとある離島でワンコがお腹を空かせてたの。


僕がいつも食べてるアカナのフードを、其処の子たちは貰えてなかった。

僕なんかはラブラドールの中でも特に大きくて一杯食べるからお財布が大変って言われっちまってさ、アカナの中でもお安く買えるタイプのばっかだけどね。うへっ


ガリガリのワンコが保健所の床に横たわってた。
コンクリートの床は硬過ぎて、痩せ細った身体には痛かった。
いつから保健所に居るのか憶えてなかった。
栄養失調で毛は抜けて、痛々しく皮膚が見えてた。

ただお世話してくれる人たちは親切だったって。


ワンコは目眩がしてた。


檻の風通しが悪くて空気が淀んでるせいかもしれないし
栄養失調のせいかもしれないし、よくわからなかった。

元々痩せて弱ってた上に、保健所の予算は少なくご飯が充分ゆき渡らなかったのだって。それでも貰えるだけマシって思ってたんだ。仕方ないって諦めてた。

諦めて硬い床で時を過ごしてたワンコは、うちに来るきくらげと似た色をしてた。毛は抜け落ちてはげはげになってたけど、元々はきくらげのように白と薄茶色が混ざった優しい色だったの。

お姉ちゃまはきくらげみたいな毛色をハムスター・カラーって呼んで愛してる。だけど遠い遠い離島の、誰の目も届かない保健所の小さな檻を僕らは覗くことはできなかった。

覗くことができたのは、此んなザマのきくらげだ。


バスケットを置いとくと、ぴょっこり簡単に入り込んで爆睡してんだ。ぐっすりで撫でても起きやしないの。

可愛い。可愛すぎて僕くるくる回っちまいそうだ。魔性かよ!

愛らし過ぎるきくらげをいよいようちの子にしようとしたあの日は6月21日だった。

いつものようにバスケットで爆睡するきくらげをお姉ちゃまは初めて抱き上げた。僕は刑事ドラマよろしく確保~っ! って叫んで盛り上げた。

  次の瞬間、僕らは気づいちまったの。

この子きっと飼いきくらげだ!
知らない人が抱っこしてるのにグースカ眠りこけたままなんて野良ちゃんじゃない・・・ってね。

此の瞬間が、僕らの運命の分かれ道だったんだ。
僕のおしゃべり、まだ続くよ。


*僕が間違えた道
*僕のお名前
*僕らの月日



僕らの月日

August 15, 2017

僕、ブルゴーニュ。

今日も僕がブログ書かせてもらえるんだって。


ブルゴーニュは余計なコトを書くからダメって言われっちまう日もあるから今週は運がいいよ。


僕が考えついたイイコトって何? っておしゃべりの続きだよね。

  *僕が間違えた道
  *僕のお名前

僕ね、提案したんだ。いい加減年月も経ったんだしブルゴーニュってお名前を可愛い子か可愛い物につけてよってね。それでもってブルゴーニュっていっぱい呼んでよってね。いい考えでしょ。

ところがお姉ちゃまの意見は違ったの。

今はあのブルゴーニュに会いたいのよ、って言った。
照れるなあ。


'ブルゴーニュを飼いたい' じゃなくってブルゴーニュも含めた 'ワンコが飼いたい' って思えるまで、次の子はお迎えできない、ってね。

そりゃあわかるさ。
僕ってば特別に可愛いからね。ま、よく言われるよ。

けどさ年月が経ち過ぎたんだ。その間僕はちぃとも楽しそうにお名前を呼ばれないまんまでさ、ヤんなっちまうのだあもの。

お姉ちゃまは頑固だからね、ブルゴーニュへの気持ちに引っ張られたままでは新しい子が可哀想とかごちゃごちゃ言った。
2年っくらいごちゃごちゃ言い続けた。


そこまで悩まなくても、彼氏変えるお話じゃあないんだからさ・・・って僕が言うと、当たり前です! ってピシリと怒られた。


人間の彼氏なんか合わなきゃさっさと別れればいいけど、ワンコは重い命を預かるんだから彼氏選びよりずっと真剣で当然ってさ。えっ? そっちか。

永遠の愛を誓って首輪を嵌めてもらい、
誓いの首輪は成長や老化に応じて取っ換えてもらう。

だからさ僕も "ブルゴーニュの新しい首輪を買いましょう" なんて言葉が聞きたいんだよ、って進言した。
僕だって必死さ。笑顔で "ブルゴーニュ" って言ってもらわなきゃ、僕のお名前がいつまでも悲しいお名前のまんまだあもの。


其んなある日。つまり僕とお姉ちゃまが新しい子のことで揉めまくってたある日だ。


僕のお庭にきくらげが生え始めたんだよね。
僕、チャンスだねって思った。

  ?きくらげのコト

きくらげを拾ったことがある東京と神戸のお友達2人に、どんな感じで拾った? って問うたよ。

無論きくらげの捕獲方法なんざ聞く筈ない。

お家のないきくらげに住処を上げるとしたら、どこまで幸せにできる決意と覚悟をもって其うすることを選んだか聞かせてくれるお友達の言葉を求めたんだ。
実際にきくらげ拾いをした日の心持ちをね。

東京のお友達は、偶然きくらげを見つけたら怪我をしてると知った時の気持ちを聞かせてくれた。1人1人がもってる動物との出会いのお話って大切だよね。

僕ね、これでブルゴーニュってお名前のきくらげを迎えてくれるかなって期待したんだ。

続きはまた書くよ。



僕のお名前

August 14, 2017

僕、ブルゴーニュ。

昨日の続きだよ。


僕にお風呂が要らなくなったことは秘密じゃあなかった。
ご近所さんも生徒ちゃんも無論知ってたしね。

  *僕が間違えた道

ただその頃お姉ちゃまのお友達がご病気でさ、僕のブログを慰めにしてくれてたの。病中は気持ちも弱ってるからね、悲しい事が身体に障るといけないからお知らせしちゃダメって言われたんだ。

それからずっとそのまんまでさ。
僕が何処から書いてるか特に聞かれることもなかったからね。
それにいつだってどこかの誰かがご病気なのだあもの。


1年ほど僕は変わらず過ごした。


甘えて擦り寄ったり、抱っこされに行ったり、笑いかけたり、一緒に眠ったりは変わることなくできたからね。お風呂に入らないことくらいしか変わったところは見つからないって思ってた。

でもね、ある日気づいたんだ。

お姉ちゃまは僕の事を変わらず考えてくれるけどお名前を呼ばれるのは減ったってね。日に何十回も用もなくただ呼びかけてもらうのが少なくなってるってね。


僕は僕のお名前が好きだから其う思ったけど、皆が同じ希望を持つってわけじゃあないの。


同じ頃に虹の橋を渡ってきた子は兄弟犬の匂いが薄くしか感じ取れないのが不満なんだって。別の子は産んだ子犬がどうも見え難くくて困るから虹の橋のはじっこまで出向かなきゃなんないんだって。

皆1等好きなものは違うからね、希望だってばらばらなのさ。

僕はね、お姉ちゃまが僕のお名前を呼んでるのが大好きなの。
ブルゴーニュ、ブルゴーニュって聞こえてると幸せなんだよ。

ところがさ・・・


僕ね、ある時こりゃあイケナイって感じたの。


蝶番君がお姉ちゃまの気持ちを盛り立てようと、これブルゴーニュが好きなモノだねって話しかけた時、お姉ちゃまキッと怒ったのだあもの。

気持ちの準備ができてない時に急にブルゴーニュのこと言わないで、ってさ。

  お姉ちゃま何言ってるの? って思った。
  僕のお姉ちゃまが僕のこと言わないでナンテ言ったんだよ。

  お姉ちゃまどうかしてるよ。
  僕のお名前いっぱい言ってよってお願いした。

それにさ僕のお名前言う時、お姉ちゃま悲しそうなんだもん。
僕、それってなんかチガウって思ったの。


お風呂に入らなきゃならないワンコの頃は、毎日楽しそうに呼んでくれたのにさ、今はどうして悲しそうに呼ばれなきゃなんないの?


ブルゴーニュって1等好きなお名前なんだよ。生まれた時お姉ちゃまに抱っこされて '君のお名前はブルゴーニュっていうのよ、ブルゴーニュ、ブルゴーニュ' って聞こえてからずっと、僕の大切なお名前なんだよ。

悲しそうに呼ばれるなんてさ、すごく納得いかなかったんだ。

それでね僕のお名前、前みたいに楽しいお名前って思ってほしくって考えたの。一杯考えてイイコト思いついたよ。
続きはまた書くね。



僕が間違えた道

August 13, 2017

僕、ブルゴーニュ。

ずいぶん前のある日の出来事を話すよ。


僕は普段っとおりにお庭のご不浄へ行った。僕のお庭にはご不浄が作ってあってさ、ココで 'しー' するって目印にパールアカシアの小さな木が植わってる。

'ん' の目印はない。何故って 'ん' は何処かをめがけてするものじゃあないからさ。'しー' だけが何かをめがけ、'ん' は落下を待つんだ。ってな具合に僕は哲学的な事を考えながら足を上げようとした。

つるりんって滑ったような気がした。


パピーん時お初に地面が凍った上を走ると、つるりんって滑るのが不思議だったの。その日のことを思い出したね。

ただそれだけなんだ。
それだのにお姉ちゃまの叫び声が聞こえた。
何叫んでるのかな? って思った。

お姉ちゃまはリビングルームに居て、'しー' してらっしゃいねと言って見ててくれたんだ。得意になって足上げたんだのに、つるりんしたんだ。うへっ


だけれど事態は僕が思ってるのと違ったの。
お姉ちゃまは裸足で飛び出してきて、僕のお名前を叫んだ。


そんな大っきいお声出さなくても聞こえるよって言おうとしたんだのに、お口が動かないんだよね。

お姉ちゃまは震えながら僕の大っ嫌いな場所へお電話した。
僕が行くと決まってお注射針を射してくる先生を呼んじまった。

僕は先生のこと好きじゃないの。嘘つきだしね。
"大丈夫、痛くないからね" って言うくせに痛いんだ。
"怖くないですよ" とか騙してくるけど怖いのなんのって!

痛くて怖いことしておいて最後に "ほぉら大丈夫だったでしょう" ってまた嘘を言うのが腹立つの。大丈夫じゃないよっ!

けれどもね、先生は嘘つきだから呼んじゃ厭だよって言おうとしても、やっぱりお口が動かなかったの。

脳溢血ですって先生は言った。それっから "大丈夫です、本人は苦しくないですからね" って続けた。これは本当だった。


次に "目は開けてますけど、もう判ってないので" とまた嘘をついた。何言ってくれちゃってんだって反論したくてもどうしてもお口が動かないんだの。

けどお姉ちゃまは僕のこと分かってくれたよ。
先生が帰ると僕の頬っぺを撫でながら、判るに決まってるのにねって言った。

お膝に抱っこしてもらって、
抱っこ気持ちい~い♪ ってお尻尾を振ろうとして
僕、重大な過ちをおかしちまったの。


人生最大の失敗だった。


つるりんと・・・
足をあげようとしてつるりんとなった風に
再びつるりんと踏み外したんだ。

滑り易い日だったんだ。
何を踏み外したのか見ようとすると、いっきなり足んとこに虹かかってんの。

いやいやいや、これって虹の橋ってやつ?
僕はびっくり仰天して、腹天しようとした。
違う違う、冗談やってる場合じゃないって思った時は遅く
お姉ちゃまのお膝で腹天でふざけてる格好のまま虹のほうへつるりんとなった。

滑り易い日には絶対に足元の悪い所でふざけちゃならないのにさ。うっかり虹に足を取られ、つるりんして道を間違ったの。


何年か前の出来事で細かい事は忘れたけどさ、なにしろ実にふとした失敗で僕はブラッシングやお風呂が要らないワンコになっちまった。


まったくもって一瞬だった。何処からでもブログは書けるってわかったから、何ら変わりはないけどね。
そう、変わりはなかった筈なんだ。

あの日、行き道を間違って渡りたくもない虹の橋をつるりんと渡っちまった僕は元気な時と変わりなかったのに、最近になってこのままでいいのかな? って思うようになったの。

此処で見たり感じたりした事を考えてみたくなったんだよ。
僕、続きをまたすぐ書くよ。



僕が撮ったブギウギ

August 05, 2017

僕、ブルゴーニュ。

ももぎが嬉しそうに笑ってる。


何故ってお仲間がやってきたからね。
ブリキでできた子でブギウギって名づけられた。

もはや 'ぎ' がつけば何でもいいの? って思ったけどお口には出さなかった。飼い犬の立場ってものがあるからね。


キャンバスの上にはぷるぷるも居るよ。
僕らの '穴' には色んな生き物が棲んでるからね。


ぷるぷるは僕の計算じゃあ4匹の筈なんだ。けどね、しょっちゅう場所が変わって彼方此方で見るものだから本当は6匹くらい居るのじゃあないかなって気がするの。

お姉ちゃまに問うてみたらば、買ったのは4匹で間違いないけれど勝手に卵を産んで増えてる分は知らないって。


今朝はテーブルクロスを洗い替えたよ。


おや、ののすも居るね。

それにしても頭の悪そうな飾り付けだなあって思うけど、お姉ちゃまが気に入ってるから僕は何も言わない。飼い主の方式には逆らわないに限るんだ。


ももぎと、ブギウギと、ぷるぷると、ののすが居るのは此の辺りさ。


それでもって僕は写真の底辺手前の小さなソファから写してる。

ももぎが僕んちへやって来て、其処へ自然な風に他の子も集まって穴の住人のグループができた様子は、黒糖とかいう人の詩に似てるんだって。違ったっけな、白糖だったかな?


  一人の詩の女神(ミューズ)が糸を持つ
  別の一人が精選(よりわけ)る、
  別の一人が絽ざしの布に針を刺す
  詩の女神(ミューズ)らのぬいとりの曲線だけが
  君の詩の傾向を決定する。

             (堀口大學様訳)

僕にはよくわかんないけどね。



僕が見たボンジュール

July 31, 2017

僕、ブルゴーニュ。

ひぃ~、やめてほしいよ。


お姉ちゃまは野性爆弾のくっきーさんのフアンだ。
くっきーさんがなさってるキャラのつもりなのかな・・・

  *くっきーさんとサティ

病院のあとにお買い物に寄ったお店でお顔のパックを配っててね、頂いたんだの。


帰ってお顔を洗って早速開けてから、とても後悔してたよ。


こんなに真っ黒でオモシロイなら蝶番君が帰ってきてから見せれば良かった、ってガッカリしてんの。パックはオモシロければいいって思ってんだ。美白じゃなくて面白ってわけさ。

くっきーさんみたいにボンジュールってキャプション付きで蝶番君に写真送ってた。

けどねブログまで体張って、どこに向かってるのか僕にはわからない。

ところで真っ黒のパックは何が原料だったの? って問うたらば
知らない、と返ってきた。


黒いパックがオモシロイってことに夢中で、何が入ってるか読まなかったんだって。

ちょっとどうかと思うけど僕は意見を言わなかったよ。
飼い主の方式には逆らわないに限るからね。



僕が思うイニシャル

July 20, 2017

僕、ブルゴーニュ。
夏っぽいカンヴァス地のトートだ。


よく此のバッグ1つで病院へお出かけするよ。

僕ね、SのイニシャルじゃあなくってJを持ってる理由を問うたよ。

したらさ、Jが1等可愛いからって言うじゃあないか。


あの人のよくわかんない感覚によると、ボーダーの真ん中を貫くTは此のフォントだと静止した雰囲気になっていて、Sはボーダーを背景にすると曲線が多すぎるように見えてしまったそうだ。

'アルファベットとしてJが可愛いと思ったから' だって。

はあ? 僕はイニシャルってそういうものじゃないと思うけど黙っておいた。飼い犬の立場ってものがあるからね。



きくらげのコト

July 11, 2017

僕、ブルゴーニュ。

僕んちのお庭には、きくらげが生える。


お天気が良い日は大抵生えてる。


写真の可愛い子がきくらげだよ。


初めは通り道だったのにね、徐々に僕のお庭に生えてる時間が長くなったんだ。それでもって食後毎日僕んちに生えてお昼寝するようになったんだよ。

道から四方を囲まれたシークレットガーデンだから安心なのかもね。

今日はきくらげ生えてないのかな? って見渡すと、
この通りお水場に生えてたりしてさ。


あちらこちらに時間差で生えるんだ。


すごくよく鳴く子でお顔が合うたび必死で話しかけてくる。


だから独りぼっちのきくらげをうちの子にしなきゃと密かに決意したんだのにね、ママが居たみたいなの。

ママきくらげは、勝手に遊びに出るんじゃありませんと叱りつけ、きくらげを地面から引っこ抜いて連れてっちまった。

その後きくらげが生えてた場所にはママきくらげが生えてる。
きくらげも、また生えるといいなあ。



僕とスカウサギの作り方

July 06, 2017

僕、ブルゴーニュ。

おっ出たね。うさ袋だね。


うさ袋を販売してた2月3月に蝶番君がたくさん買っておいてくれたんだ。スカウサギを作ろうって寸法だ。

  *僕と回復とスカウサギ


ぷちぷちエアクッションを同じ大きさにカットして詰めるんだ。


同じじゃないとスカウサギたちは騒ぎ出すからね。

  俺の小さくないすか。不公平じゃないすか。
  えこ贔屓じゃないんすか。違うっすか。
  みんなは大きいじゃないすか。どういうことすか。

ってさ。それったからきっかり同じに作るのさ。


お耳をきゅっと縛ってから、シルク手芸糸で結んだよ。


したらスカウサギたちはまた騒ぎ出した。

  俺端っこじゃないすか。あいつ真ん中っすか。
  俺見えないじゃないすか。なんなんすか。
  なんで此処なんすか。変えてもらえないすか。

これじゃあ文句が出てお部屋がうるさくなっちまうから、各々を括った手芸糸にもう1本を通しながら結わえていってガーランド風にしたよ。


なんだこりゃ?


アトリエに提げてみると変てこ過ぎるよ。
僕には正しい飾り方とは思えないなあ。

それにスカウサギも騒ぎ止まない。

  俺下すぎるんじゃないんすか。
  あいつ2番目すか。俺9番目じゃないすか。
  3番目の上にしてもらえないすか。

スカウサギの収拾がつかなくなった。

お姉ちゃまも、思ってたのとチガウって途方に暮れてる。
正直こりゃあ失敗だ。良い飾り方が見つかったらまた書くよ。




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