Le chien[



僕が聞いたPJサードステージ

October 15, 2011

僕、ブルゴーニュ。

お姉ちゃまの楽譜バッグだ。


僕ね、僕だってバッグ持ってるよ!
行きは空っぽのビニール袋が入っててね、帰りには "ん" のオマケ付きだ。ちょっと冴えないけどさ。

**


僕お姉ちゃまに忠告したの。
PJ10.21ハーフタイム企画のコトさ。

あまり弾きたがってばかり居ると本当に相方さんに愛想を尽かされっちまうよってね。ファゴットには苦しい2部が待っているのに休憩にも演奏させたらば嫌われるよってね。

したらね、したらさ、ハーフタイム企画は蝶番君の提案よって答えるじゃあないか。あれまっ! そうだったの?

僕は間違いに気づいて黙った。それでもって心ん中で、蝶番君ってやっぱ変態さんだなあって思いながらお出迎えした。

**


"ハーフタイムの曲は此れと此れ。"
シャンソン譜を並べてハーフタイム・ステージの相談をしていたよ。それっからお姉ちゃま言ったね。

"遠くからお出ましで、ハーフタイムに間に合わないお客様がいらっしゃるんです。着替えてから、此の曲なんかサードステージにどうですか? "

  いやいやいや・・・
  サードステージって何だよ。

お姉ちゃま本当にいい加減にしないと、もう一緒に弾かないって言われっちまうよ。
僕心配んなって蝶番君に謝った。

僕のお姉ちゃまがごめんねごめんね。断りなさって良いんだよ。したら蝶番君、着替えた後は特に調子が出ますとか言って乗っちまった。

  いやいやいや・・・

**


何にしろお姉ちゃま達は演奏するのが やたらと楽しそうだ。
いっぱい弾きたがってるから21日PJを覗いてあげてね。



僕が見たジョブズ信者

October 09, 2011

僕、ブルゴーニュ。

お姉ちゃま泣いてたの。


スティーヴ・ジョブズ氏がご帰天しなさったんだ。残念だね、残念だね。

僕知ってる。ジョブズ氏ってお林檎社の会長様だってね。類い稀なカリスマってお姉ちゃまに教わったもの。それでもって先月だったかお姉ちゃまがジョブズ氏の演説VTRとかYouTubeを掻き集めて見ていたもの。

それでもって先日はお林檎Macフアンのお仲間でジョブズ氏の訃報を語り合ったり泣いたりしてた・・・

青春をお林檎Macで過ごした長年のジョブズ信者さんは世界中にお山ほども居られるんだね。わかるよ。大変に偉大なお人だそうだあもの。

  わからないのはお姉ちゃまさ。

僕の記憶じゃあお林檎Macを使い始めたのって8月半ばじゃあなかったかな。初期不良の交換で2号機を手に入れ、お初に使える風になってから1月と3週っきり経っちゃいないんだ。

物凄い勢いでジョブズ信者に変身しちまったんだ。
それでもって20年来のジョブズ信者さんと並んで、泣きながらジョブズ氏の人生語ってんだ。うへっ

  フォーレ祭りに平行してジョブズ祭りやってたの・・・

多分だけどね、お姉ちゃまの変態さん魂とお林檎Macは上手く符号するみたいだ。

**


変態さんと言えばさ、21日のピアジュリライブの間で 休憩に何か弾きたいとか言ってるね。 

  *10.21 PJプログラム

【ハーフタイム・ステージ】に短い曲弾いちゃいけないのかしらん? とか蝶番君と相談してんの。

  なんだかなあ・・・
  どんだけ弾きたがれば気が済むんだかね。

まあハーフタイム・ステージのお許しが出るかどうかは知んないけど、なにしろ21日ババールを聞きに行ってあげてね。



お姉ちゃま泣いてんの

September 28, 2011

僕、ブルゴーニュ。

今朝は僕がブログ書く番だよ。


コンサート前後は僕なかなか書かせてもらえないの。
アクセスが増えてる時に僕が変テコを書くと、お初にご覧のお客様にお馬鹿さんと思われっちまうってさ。失敬だよね。

**


明日はババールコンサートなの。
お姉ちゃまたち時刻確認をし合ってたよ。

本番は18時半。調律終わりが16時半だからリハーサルは16時半から18時までです、ってお帳面見ながらお姉ちゃまご報告したの。

したらさ、したらね、蝶番君言いなさった。
"その前におうちでお稽古していきましょうか?"

  いやいやいや・・・

昨日だって朝10時から合わせしてんだよ。
もうやるコトないでしょって僕なんか思うんだの。

会場リハーサルの前におうち来てお稽古してったお人なんざ、僕の10幾年だかのワンコ人生でお初だしね。いっくら変態さんでも度が過ぎやしないかなあ・・・

さすがのお姉ちゃまだって多分、其れはちょっとって・・・

"ホントですか? 嬉しいっ! 是非お願いします♪ "

  いやいやいや・・・

お姉ちゃま手を叩いてハネてたね・・・

**


2、3日前のことだよ。
お姉ちゃま1人おさらいして泣いていたんだよ。気の毒だね。

モーツアルトの1フレーズを弾くごとパラパラ涙を流した。滝の涙でお膝まで濡らしてた。

  あ〜あ〜・・・出たね。

お姉ちゃま身体が音に呼ばれる風な演奏が好きなんだ。それっきりできやしないんだ。音楽とお姉ちゃまが呼び合わなきゃあ嫌なんだってさ。僕には変態さんが言う事はよくわかんないけどね。

自分の身体の中心から湧き出していない音楽を、酷く辛がるんだ。弾きながら涙を流す程に辛がるんだあもの。変態過ぎるよ。

  なんだかなあ・・・
  僕にはさっぱり違いがわかんないけどね。

なにしろ問題のフレーズを弾く度に泣いて辛がってた。
蝶番君が希望を言いなさった場所だよ。

ウイーン楽派の伝統の、跳躍のあとを受けるアーティキュレーションを強調した形にしたいってね。

**


1人のおさらいで泣く程に嫌がっていた箇所へくると、合わせでも同じようにパラパラ涙をお膝に落とした。

  あ〜あ〜・・・出たね。

僕はね、蝶番君びっくりしなさるに違いないって心配になったけど、にっこり笑ってどうしましたか? って仰った。

僕は正直お姉ちゃまの感覚もわかんないけど、蝶番君の感覚もわかんない。僕なんか女の人に泣かれたらばアタフタしちっまうけどね。蝶番君はにっこり笑うって寸法だ。

問われてお姉ちゃま我侭根性を出してお答えしてた。
"此の部分の音楽が自分の音楽じゃないのが嫌なんです。私が弾きたいのは此れじゃない。この場所が死んでるの。"

  いやいやいや・・・
  1フレーズの、それも1個のアーチキなんとかで滂沱の涙だ。
  変態だ。変態過ぎる。

まあね、いっくらお姉ちゃまでも他のお仕事じゃあ此ういったことはないさ。ババールの合わせったけ学生時代のような本気っぷりだ。

再びにっこり笑った蝶番君が、桜さんの好きに弾いてみてくださいと仰ると嬉々としてヘタッピに弾き始めた。正直前の方が良いって思ったよ。お利巧そうに聞こえたからね。

**


結局のところお姉ちゃま仕様のお利巧じゃない方の演奏が採用になった。蝶番君が、桜さんらしくて僕此のほうが好きですって言ったんだ。お利巧じゃない風をね。

  つまるところお姉ちゃまらしいってのは
  お利巧じゃない風って事なんだね。



僕が見た虫下し

September 20, 2011

僕、ブルゴーニュ。

やっとこさ僕の出番だね。


お姉ちゃまがコンサート宣伝ネタに余念ないものだからね、僕なかなかブログを書かせてもらえないんだ。

レトロな鉛筆は昔々の武田製薬の宣伝用鉛筆なんだよ。"新しい虫下し、ジゲサン" だとかね、"よい子のビタミン、パンビタン" だとかってね。

うへっ。虫下しだって? 此れどうすんのさ? って問えば、
プレゼントにするのよってお姉ちゃま言った。

  僕にはお姉ちゃまのセンスがわからない。

どなたも喜ばないって思うしね、10ダースも要らないのじゃあないかなあ。でも僕はお姉ちゃまのやり方に逆らわないことにしてるから黙っておいた。

**


虫下し鉛筆はね、お休みを丸一日使ってパート譜書きや 捲り用工作をしなさった相方さんの蝶番君に ハイって差し上げた。うへっ

此ういったパート譜は鉛筆で書くものだからさ、たくさん使うのだって。

  *断絶ないインテリア

此れでガンガン楽譜を更新して下さい、とか言っちゃってね。

いっくら鉛筆いっぱい使うといっても多過ぎやしないかなぁ。それに幾度も重ねるけれど虫下し・・・

ところが蝶番君はお喜びで、ロゴやパッケージにはしゃいでらっした。

  僕には変態さんたちのセンスはやっぱわからない。

**


わかったのは、お姉ちゃまとたくさん共演すると虫下し鉛筆がもらえるらしいってコトさ。うへっ

そうそう、ブログ左欄のコンサート情報が更新されたようだよ。



僕が知ってるオフィシャル

September 06, 2011

僕、ブルゴーニュ。

大変な台風だったね。


年に1度のお楽しみフルートの会が終わったネ!
打上げはお皿がたくさん並んだんだね。写真を見て、僕お腹空いてきたよ。

フルートの先生がお姉ちゃまを労って仰った。
連続で出ずっぱりになってお疲れでしょう、すみませんってね。

お姉ちゃまはキョトンってなって "え?" って言った。

振分けても連続伴奏が重なってごめんなさいって説明を受けたよ。お姉ちゃままだキョトンとしながらお答えした。

"いいえ〜この2倍でも3倍でも全然平気ですヨ♪ "

  いやいやいや・・・
  僕のお姉ちゃまが変態さんでごめんねごめんね。
  変態さんはね、いっぱい弾けると喜ぶんだよ。

**


フルートが明けた昨日丸一日をコンサート事務とおさらいに当てた。なんたって今日は蝶番君と合わせだからね。

  お姉ちゃまは嬉しそうに提案をしたんだよ。

"24日美術館コンサートの全プログラムをお稽古して、広報の締切りがあるから12月の曲決定の作業をしなきゃいけませんね。
すると29日のモーツアルトプログラムの時間が足りませんね。"

  いやいやいや・・・
  8時間とかやってて時間足りませんねナンテ言うかなあ。
  今度は蝶番君が提案をした。

"6日だけじゃ足りないから、8日朝ラジオに出た後も戻って、夜までモーツアルトをお稽古しませんか? "

  いやいやいや・・・
  蝶番君も真性の変態さんだね・・・
  僕遠い目になった。
  

**


今日6日と明後日8日にびっちり合わせる気だ。うへっ

つまるところ僕は今日も明後日もお昼寝できないって寸法だ。


?僕が路上で見たこと
?僕が見た合わせのお客様
?僕が聞いたボヨボヨ
?僕が見た恥ずかしい合わせ
?僕のエビピラフの宣伝
?僕が聞いたフォーレ物語
?僕が聞いたグリサンド
?僕が見た取り合い
?僕が見た長い合わせ
?僕が聞いたお話合い
?僕が見たソファーの背
?僕が見たリード愛
?お姉ちゃまファゴットを吹く
?僕が聞いたリードの行方
?僕が見たモツレク
?僕が聞いたお誘い



僕が見た風見鶏

August 29, 2011

僕、ブルゴーニュ。

また嘘っこ書いてる!


お姉ちゃまのブログは嘘っこばっかだ。嘘っこじゃないけど嘘っこなんだ。

風見鶏のブログってば何だよ。

  *風見鶏と日記

風見鶏の館へコンサート聴きにに行ったのは本当だよ。
けどさ、けどね、僕が見た様子は違っていたの。

**


ドレスのサイズ直しが済んでお夕食食べたあと急いでトゥーストゥースへ寄ったよ。お姉ちゃまトゥーストゥースのお菓子が好きだからね。それでもってトゥーストゥースじゃないお菓子も好きなんだ。

ボルドーのカヌレをふたぁつ買ったね。お姉ちゃまカヌレが好きだからね。それでもってカヌレじゃないお菓子も好きなんだ。結局なんでも食べるんだ。うへっ

**


会場前へ着けば、おもむろに風見鶏の館前の公園に座ってカヌレをもぐもぐ食べ始めた。さっきお夕食食べたんだのにね・・・ 

それでもってカヌレ頬張りながら片手で館のお写真撮ってブログにupしてんの。なんだかなあ・・・ 僕恥ずかしくなってちょっとだけ他人のふりした。

もうお腹もくちくなったしね、ゆっくりギターのコンサートを聴けるねって思ったんだのにね・・・ 休憩でわざわざお外へ出てもう1個カヌレをもぐもぐ食べ始めたとき、僕遠い目になった。

絶対に食べ過ぎだよ。食べてばっかいると、いつかドレスが着られなくなっちまうに違いないよ。気の毒だね気の毒だね。

**


  カヌレを食べ過ぎたせいだね・・・
  お姉ちゃま酷くお喉が渇いちまったの。

そら! だから僕は言ったんだ。カヌレのようなモチモチしたのを食べ過ぎたらばお喉が渇くに決まってるじゃあないか。

コンサートが終わるや否やお姉ちゃま楽屋へ入ってったんだ。
それでもって出演者様に今晩はを言って、会館から出されてるお茶を飲んだ。

  いやいやいやいや・・・
  自由過ぎるよ・・・

出演者様にね、頂いていいですかってお願いしなきゃ駄目だよ! 僕のお姉ちゃまがごめんねごめんね。ワンコ学校出てないから きちんとしたお行儀を知らないんだ。恥ずかしいね恥ずかしいね。

僕が注意をするとお姉ちゃま "直接口つけちゃったから これ持ってって良いですか? " って言った。

  いやいやいやいや・・・
  コップ使おうよ・・・

僕は穴があったら入りたかったけどね、お姉ちゃまは出演者様とお嫁ちゃまと一緒にPJへ寄ろうと決めたみたいだった。青井センセのピアノライブだからね。遅いからライブは終わってっかもだけど 会いにゆこうとお話がまとまった。

**


北野の坂をくだって着いたPJでライブはもう終了してた。

お姉ちゃまおもむろにセンセのレパートリーからリクエストしてんの。BWV何番だとかショパンの何番だとかね。

お疲れだのにね。僕のお姉ちゃまがごめんねごめんね・・・
謝りに行って戻ればさ、僕目を疑った。

  お姉ちゃまお席で差入れの御座候もぐもぐ食べてた。
  いやいやいやいや・・・
  
餡子たっぷりのやつさ。美味し〜いとか言いながらね。
食べ過ぎだってまだわかんないのかな・・・ふぅ。

兎に角だよ。
お姉ちゃまのブログは嘘っこじゃないけど嘘っこだ。


?嘘っこと肉食
?僕が見た火垂の墓
?嘘っこと赤い実



僕が聞いたお誘い

August 21, 2011

僕、ブルゴーニュ。

いよいよヤバイね。


此う言っちゃなんだけど正直お姉ちゃまは変質者の領域に入ってきたって思う。気の毒だね。

元来僕のお姉ちゃまは変態さんの気があったけど・・・

  ?僕がいじめられるコト

一昨日の合わせったらば最高潮のテンションだった。

短いフォーレ数曲をお昼も抜きで2時間ほどお稽古した後、間を置かずに県立美術館コンサートのプログラムを弾き始めた。

更に3時間も経ったかな・・・ 休憩で計算機片手にタイム差引きをして曲順など相談しながら、お誘いを言ったんだ。

  "ねえね、11月になったらば ご一緒に遊びませんか? "

おやっ?

  "9月はコンサートの合わせで随分追われるでしょう?
  10月はライブ合わせをいっぱいしなきゃだし・・・
  だから11月に遊ぶの。 "

誘ってる、誘ってる!
僕なんだかドキドキしてきた。

  "前に初見音出ししただけのガブの歌曲を
  もう1度はじめからじっくり弾いてみる遊び、
  しませんか? "

ガクッ。

蝶番君は、もちろん喜んで、と答えなさった。
僕はまた朝から晩までファゴット聞かされてお昼寝できない日が増えてうんざりしてきた。

**


2本目モーツアルトクラブのコンサート分を通しはじめた頃、僕は様々に記憶を辿り夢想した。

  合わせ時刻を決めるとき蝶番君言ってたナ・・・
    時間が足りないことはあっても
      余ることは絶対にないから
        タップリと取りましょうってさ。

  彼ら人間のタップリと
    僕たちワンコのタップリは
      桁が違ってるものなんだナ・・・

  5時間も過ぎた頃、お姉ちゃま言ったものナ・・・
    そろそろ消耗してませんか? ってさ。
      蝶番君、僕いくらでも平気ですナンテ
        答えなさったものだから
          僕はまだ此うして聞かされ続けるんだナ

  っていうかオカシクない?
    気がついたら7時間を過ぎて
      聞いたことない曲が始まってるけど・・・
        プログラム2本じゃあ足んなくって
          新しい曲やってるんじゃあなかろうね?

  お姉ちゃまピアノの前に座りっぱなしで
    蝶番君ピアノの横に立ちっぱなしで
      もう動いてくんないみたいだけどさ・・・
        僕いつになったらご飯が貰えるんだろう・・・

僕疲れて、知らないうちに眠っちゃったの。

**


お姉ちゃまは今日も元気にレッスンだ。
それでもって明日はファゴットの人たちと待ち合わせてる。

お集りだね。牛君とかも来るみたいだ。
ファゴットのお知り合いをいっぱい作って、ファゴットのお話をいっぱいするのが夢なんだね。やれやれ・・・

僕はひんやりシートでお昼寝するよ。


*ずっと弾いていたい



僕がMacカウンターで見たこと

August 17, 2011

僕、ブルゴーニュ。

昨日は曇り空だった。


僕は気持ちが曇り空になるときがある。おやじギャグを言われたときなんかね。

笑ってあげなきゃあいけないし、実のところちぃっとも面白かないし困るんだ。

おやじギャグよりもっと困るのがお姉ちゃまの冗談だ。
僕にはお姉ちゃまの冗談のセンスがよくわからない。

わかんなくても笑わなきゃなんないのが飼い犬の立場の辛いところさ。

**


  "此のソナタ、何分くらいだと思います? "

デュオプログラムの時間配分のため蝶番君に問うたの。
楽譜を手の平に乗せ、重さを量る仕草で揺すりながら言った。

  "此の重さの感じだと12分・・・
   リピート入れて13分半くらいかしら? "

僕ぽかんとなった。譜面幅や曲の速さ関係なく、紙の重さで所要時間を計るの? お姉ちゃま何言ってるの? 怖い怖い怖い・・・

不安になって蝶番君を見ると、フフフッと笑ってそうですねって同意しなさった。

なぁんだ冗談か。
わかり難いセンスなんだ。

**


まあね、蝶番君は散々にお姉ちゃまの変テコにつき合わされて慣れなさったかもしんない。でもさ、知らないお人に同じ風をするのは止すがいいって僕思うんだ。

お姉ちゃまMacを買いに行った日、お店のカウンターで余計なよそ事をいっぱいしゃべったね。僕のお姉ちゃまおしゃべりだから仕方ないんだ。今までWinを使ってたの、ナンテお話してね、それでもって言ったんだ・・・

  "もう今日にでも買わなきゃなの。
   Macに変えるって決めた途端Winが拗ねて・・・
   もうじき暇を出されるってわかっちゃったみたいなの。"

いやいやいや・・・
僕急いで言ったの。僕のお姉ちゃまは気持ちがご病気なお人じゃないんだよ。ちょっとした冗談なんだ。ホントだよ! ってね。

appleさんは優しく仰った。

  -- Winは役目が終わったって悟ってしまったんですね。

いやいやいや・・・
有り難うね、でもお姉ちゃまに合わせてくれなくてヨイからね。変テコなお人が来ちゃったって心配しないでね。ほんの冗談だからさ!

**


不具合はすぐに出た。ソフトを指して問うたね。

  "バグが出るのはこの人とこっちの人、
   どちらがMacと仲悪いせいですか? "

いやいやいや・・・
僕のお姉ちゃまがごめんね。なんでも擬人化する癖があるんだ。気持ちがご病気なわけじゃあないんだよ。ちょっとばかりセンス悪いだけなんだ。

  *僕が見たリード愛

  -- 特定できませんが多分この人の感じが致します。

いやいやいや・・・
有り難うね、でもお姉ちゃまの物言いに合わせてくれなくっていいんだよ。

**


益々おかしくなったMac画面に進行状況バーが不可思議な風に示された。処理が進めば左から右へと伸びてゆくバーだのに、右へ左へ進んだり戻ったりを延々と繰り返した。

  "この子またキョロキョロしてる。
   右見て左見てキョロキョロしてばっかり。"

いやいやいや・・・
お姉ちゃま恥ずかしいね。ボックスのバーはキョロキョロしてるんじゃあないよ。お仕事の具合を表すんだよ。ネ! appleさん、そうだよね?

  -- おかしいですね、
   インストール先をずっと探してますね・・・

なぁんだ。お姉ちゃまインストール先探してるって知ってて キョロキョロしてるって言ったのかぁ・・・冗談わかりにくいよ。

**


僕は今日フィラリア予防のお薬飲みたくないと言ったらば、飲まずに済む方法を教えてあげましょうねって優しく撫でられた。

フィラリアにかかる可能性がなくなれば 予防のお薬はもう飲まなくて良いのだって。
そのためにはお薬を飲まなきゃでしょう? ってさ・・・

わかりにくいよ!



僕が見たモツレク

August 14, 2011

僕、ブルゴーニュ。

お姉ちゃま気の毒だね。


ワンピースが破けっちまったんだよ。洗いこんで布が薄くなってたからね。レースで接ぎ当てして満足そうに着ているんだ。

内心どうかと思うけど、お姉ちゃまが気に入ってるから僕は何も言わない。

**

Mac騒ぎも済んだみたいだから、僕らが聞きに行ったモツレクのお話を書くよ。モツ鍋じゃあないよ、モツレクだよ。

  *モーツアルトxモーツアルト(1)開演前
  *モーツアルトxモーツアルト(2)K304

覗きにゆこうかしらん、って思いついたときは、700席のところ800枚のチケットが出てしまった後だったの。僕のお姉ちゃま、ちょっと遅れてるんだ。チケットはもう売っちゃいなかった。

だから指揮の先生にお願いしたね。"センセ行くからチケット頂戴 "。 いやいやいや、頂戴じゃあないね。買わせてくださいナって言わなきゃだよ。

お姉ちゃまワンコ学校出てないからお行儀を教わってないんだ。気の毒だね。

それっでもって恥ずかしいお願いして入れて頂いたなんて、お姉ちゃまのブログに ちぃっとも書いちゃいないんだ。モーツアルトの事ったけサラリと書いてんだ。うへっ

**

並んだ列で開場1分前、おねえちゃまふいに屈んでサンダルのお紐をキュッと締めた。

お目当てのお席を素早く取る気だ。準備万端だ。
まるでバーゲンセール開店前のオバチャンだね。
僕、恥ずかしくなって見ないフリした。

だぁれも座りたがらない最前列ファゴット前なんて
急がなくたって空いてるんだのにね・・・
変態さんだからね、是が非でもファゴットかぶりつきなの。

僕お首が痛くなっちまったよ・・・

**

  "ファゴットなんか全然聴こえなかったでしょう? "
  
終演した楽屋廊下で蝶番君が仰った。
ご自分の音も聴こえ難い風な曲だからね。

いいえよく聴こえました、ってお姉ちゃまニッコリした。

ベネディクトゥスの歌い方が綺麗だったとか、アニュスデイは中にお水が溜まったんですねとか、変態さん風を熱心に言った。いやいやいや・・・

それでもってオケでファゴットを拾い聴きするのは慣れてるし得意なんですって自慢した。いやいやいや・・・

**

お外は今日も蒸し暑くって
僕は今日もひんやりシートでお昼寝する。
それでもってお姉ちゃまは今日も変態さんだ。



僕が薬局さんで見たこと

August 12, 2011

僕、ブルゴーニュ。

お姉ちゃまMac騒ぎで大変だね。


読むほうのお人も大変だろうから今日は僕がブログ書いていいって言ってもらえた。

僕ねお姉ちゃまと薬局さんへお買い物に行ったの。僕のシートにシューするファブリーズとか、僕のお耳掃除する綿棒とか色々お籠に入れたね。

僕のタオルを綺麗にする消毒薬は いつものお徳用が品切れだった。けちんぼだから小さいのは買わずにお徳用を注文したの。
それでもってお姉ちゃま言ったね・・・

  折角ポイント5倍の日に来たんだのにね・・・
  今日注文したから入ったとき5倍ポイントにしてくれる?

いやいやいや・・・
ずけずけ言うねぇ。恥ずかしいね恥ずかしいね。
お姉ちゃまポイント貯めて500円の金券にするのが大好きなの。

薬剤師さんは快く、いいですよ、じゃあ注文書に5倍ポイントでと書いておきますねって言って下さった。僕のお姉ちゃまがごめんねごめんね。

薬剤師さんがレジを打ち始めた。"蚊がいなくなるスプレー" はちょっと値下げの1280円が表示された。お姉ちゃま "あ! " ってまたずけずけ言ったね。

  違うヨ、60日用が878円に値下がりしてて
  お隣で130日用が980円だったもの。
  ほら、こっち。

いやいやいや・・・
お値段スラスラお空で言ってんだ。恥ずかしいね恥ずかしいね。
それでもって薬剤師さんを販売棚へと呼び "ほらネッ" ってドヤ顔をした。

薬剤師さん、本当ですね、間違って札が付いてますね・・・じゃあ980円でいいですって仰った。あ〜あ〜僕のお姉ちゃまがごめんねごめんね。

**

関西のオバチャンだからね・・・僕恥ずかしいの我慢するっきり仕方ないんだ。

僕ね、僕はクリメーヌのような女の人が好きだのにね・・・

  *「クリメーヌに」落合訳

僕のお姉ちゃまは全然違ってるんだ・・・
ずけずけ言うんだ・・・

フォーレ "クリメーヌに" は9月24日兵庫県立美術館で演奏するんだって。

僕 結局宣伝かかされてる・・・うへっ



僕が聞いたデカパン

July 28, 2011

僕、ブルゴーニュ。

お部屋でファッションショーだね。


お姉ちゃまデートにどれ着てこうかしらんって悩んでる。どれもこれも白やベージュのコットンレースじゃあ僕には同じに見えるよ。

其れより僕がお昼寝するベッドを散らかしてるね・・・

**


お姉ちゃま、せんにストンと白いワンピースを着てたらば病人のようって言われっちまったの。気の毒だね。

  ?僕が見たモンマルトル展

お次は淡いグレイのワンピースを着てったね。また感想を述べられた。アルプスの少女ハイジちゃん・・・ならば良かったのだけれどね、ハイジちゃんに出てくるクララちゃんのよう、ってさ。気の毒だね。

だからね、其のまた次にはクララちゃん風に見えぬよう頑張った。
パリィで求めたフレアー・ペチコートをつけてったの。ハイジちゃんに似合うようなね、だぶっと元気なペチコートさ。

お姉ちゃま頑張って〜。
きっと今度こそ可愛いねって・・・

  "デカパンみたいだ。"

いやいやいや・・・
気の毒だね、気の毒だね。デカパンだってさ・・・

**


あるとき珍しく装いに良い感想を頂戴してお姉ちゃま喜んだよ。
お初にお洋服褒めて頂けた、ってね。
今までは貶されてばかりだったから、ってね。

  お答えはびっくり仰天さ。
  いつもいつも褒めてた、ってさ。
  どうして褒めてないなんて思ったんだろう、ってさ。

僕知らなかったなあ!
デカパンって女の人を褒めるときに使えば良いんだねっ♪

  僕も女の子ワンコたちに言ってみるよ。
  "やぁ今日もデカパンだね"
  "君はいつ見てもデカパンだよね。"ってさ。

ところでお姉ちゃま、早くお洋服片付けてね。



新しいサンダルでデート

July 23, 2011

僕、ブルゴーニュ。

お姉ちゃまの新しいサンダルだ。


デートに履いてくのだって。お玄関で履いてみては嬉しそうに鏡に映してた。だから僕ね、お姉ちゃまが新しいサンダルでお出掛けしようとした時びっくりしたんだよ。何故ってヤマシギ君と会う日なのだあもの。

どうしてデート用サンダルなの? もしかしてヤマシギ君に心変わりしちまったの? ってね。

お姉ちゃま言ったね。新しいサンダルで足が痛くなったりするとデートで迷惑かけるから、ヤマシギ君で練習するのってね・・・

  なるほどねえ・・・
  ヤマシギ君なら迷惑かけて構わないって寸法かあ。

**


僕らはタパスが多いスペイン料理のお店へお誘いを頂いたんだよ。

  -- 何食べます?
サラミやマリネをつまみながらヤマシギ君が仰ると、お姉ちゃま
  "基本的にお肉。" って短く答えた。

いやいやいや・・・其のご返事はちょっとどうかと思うよ。

  -- 基本的に肉・・・。
ヤマシギ君は気のせいか少し遠い目になって繰り返した。
あっ、お姉ちゃまもうハモン・イベリコなんかパクついてる。
恥ずかしいね恥ずかしいね。僕も遠い目になった・・・

ヤマシギ君が羊のアヒージョはどうですかって問うと、お姉ちゃま
  "食べる! " ってお答えした。

お鼻っからガッツリいくね・・・ ニンニクオイルに浸かるようにオイル煮にした羊だよ。メ〜

次にヤマシギ君が合鴨がありますねって仰ると、お姉ちゃままた
  "食べる! " ってお答えした。

いやいやいや・・・僕ね、今日こそは注意をしようって思った。
きちんと女の人らしくするがいいね。ほら、乗り出してカウンターを指差し "ケッパーベリーがある! 食べていい? " とか言うのは止して・・・

あ〜あ〜注文しちまったね。
ケッパーの蕾が咲いて実になったのがケッパーベリーなの。お姉ちゃま大好物なんだ。

パンもラスクも来ているしね、ほら、タパスの盛り合わせも色々来てるしね、また食べすぎだからね・・・

ヤマシギ君はご親切にチーズも勧めてくださった。
お姉ちゃま合鴨を頬張りながら "シェーブルと青カビと、あとはお味見してから決めようヨ。" ってもぐもぐ言った。僕恥ずかしくて小さくなった。

それでもって "フォンダン・ショコラって時間かかるから今から注文しとこうよ。" ってウキウキ付け足した。やりたい放題だ。

中にショコラが詰まって 上にも周りにもチョコレートソースがたっぷりかかったフォンダン・ショコラは、湯気が消えないうちに平らげちまった。

お姉ちゃまショコラを大切そうにお皿の上で掻き集めながらお店の方にニッコリ問うた。

  "ねぇね、他にもケーキあります? "

いやいやいやいやいや・・・
僕のお姉ちゃまがごめんね、ごめんね。
お姉ちゃまがやりたい放題するから僕、肩身が狭いんだよ・・・



僕が聞いたリードの行方

July 21, 2011

僕、ブルゴーニュ。

凄い雨風だったね。


みんな大丈夫だった? 土砂など被害がないと良いなぁ・・・

僕はおうちん中でまったりするのが好きだから お外の雨風は其うというほど苦にならないの。けどさ、おうちん中で起きることは別個だね・・・

僕ね、ライブが終わったらばファゴット騒動は収束するって信じてたよ。1日中ファゴット聞かされてお昼寝できないとか お姉ちゃまがお食事作りながらリードぷ〜ぷ〜鳴らすとかは終わるって思ってた。

僕ってば間違ってたね・・・

**


終わってすぐにお話合いを耳にして、僕ぞっとした。

  じっくりフォーレをやる段取りになりましたね。
    そうですね、ガブにまったり浸る時が来ましたね♪

ガブだってさ。変態さんって よく此うした物言いをするものだよね。アイドルの娘っこを勝手にお友達のふうに呼んじゃったりね。僕んちじゃあガブリエル・フォーレがガブなんだ・・・ うへっ

     打上げはリード作りだったしね・・・

人間の打上げって変わってるよね。僕たちワンコとは違ってる。
僕たちの打上げは美味しいものって相場が決まってるけどね。

**


リード作りを教わりに行った夜、おうちに帰ってから問われたの。
最後に作って吹いてたリードって 何処へゆきましたっけ? ってね。

板上にゴルフピンがたくさん立っていた。作ったリードを幾つもピンに挿して乾かすの。お姉ちゃまに披露するのに色々出して混ざっちまったら もう何がどのリードかわかんなくなっちまったよね。気の毒だなぁ・・・

お姉ちゃま受話器に向かい言った。

  "私が座ってたほうの角に
   ピンがない部分があるでしょう。
   そのすぐ左側の手前が
   最後に吹いたリードですよ。"

いやいやいや・・・

あ! 此れだ! ってお電話の向こうでお声がした。それでもって大層びっくりしなさった。お姉ちゃま同じに見える大量のリードを1本ずつ憶えて喜んでるんだ・・・

変態過ぎるよ・・・

  やれやれ、まぁしばらくフルート伴奏をしているから
  おうちでファゴット騒動は無かろうね? って聞いてみた。

明日合わせよ、ってお姉ちゃま涼しいお顔で言った。ガクッ


?僕が路上で見たこと
?僕が見た合わせのお客様
?僕が聞いたボヨボヨ
?僕が見た恥ずかしい合わせ
?僕のエビピラフの宣伝
?僕が聞いたフォーレ物語
?僕が聞いたグリサンド
?僕が見た取り合い
?僕が見た長い合わせ
?僕が聞いたお話合い
?僕が見たソファーの背
?僕が見たリード愛
?お姉ちゃまファゴットを吹く



僕が行ったお見舞い

July 13, 2011

僕、ブルゴーニュ。

僕ね、お見舞いについてった。


荷台屋さんしてるあのお友達のお見舞いだよ。

お姉ちゃまはお見舞いへゆく途中、アイスをいっぱい買った。僕ね、癌にかかってるお友達がいっぱいアイス食べられるかなぁって思った。

お姉ちゃまは道々アイスを食べたよ。其れってばお友達に買ってあげたんじゃあないのかなあって聞いてみたらば、どれが食べ易いか調べてあげてるって言った。親切だね。いっぱい調べてあげなきゃだから、いっぱい買ったんだね。

お初にゆく転院先の病院はハイカラで立派だったよ。僕はワンコで中へ入れないから、お外から覗いたの。

お友達はホテルのような個室でねんねしてた。洗面所やご不浄などもついていたね。お顔見るなり僕やお姉ちゃまのコトを問うてくれたよ・・・
ブルゴーニュは元気してる? ってね。

熱があって食欲がない風だった。気の毒だね。お姉ちゃまお友達の分を冷凍庫へ仕舞って、"私の分は食べるよ。" ってまたアイス食べた。

いやいやいや・・・
ちょっと食べすぎじゃあないかなあって思ったけど、僕はお姉ちゃまの方式に逆らわないことにしてるから黙ってた。事情ってものがあるからね。飼い犬の立場とか色々とね。

お友達はお姉ちゃまがアイス食べるのを嬉しそうに眺めてたよ。
2人はあまり会話をしなかった。

お姉ちゃまはアイス食べながら氷でタオルを冷やして 黙ってお友達のオデコに当てた。タオルの上からずっと手を当ててた。
お友達は、気持ちいいって呟いて、また黙った。
お姉ちゃまも黙ったままタオルを幾度も取り替えた。

帰るとき、お友達はありがとうって笑った。真っ白い歯が見えた。
"知らなかった、そんな綺麗な歯してたの? 入れ歯? " って悪態をついた。お友達は 違うよ、自分の歯だよって反論した。

お姉ちゃまはアイス食べて悪態だけついて帰ってきた。
僕・・・ 2人はすっごく仲良しなんだって気がした。
どうしてかわかんないけど 其う思った。



お姉ちゃまファゴットを吹く

July 06, 2011

僕、ブルゴーニュ。

続きのお話だよ。


僕らはお出掛けをした。リード製作を教わりにさ・・・ うへっ
道々僕、問うたの。ファゴット伴奏をするのにリード作りから学ばなきゃあなんないの? ってね。

お姉ちゃま、そうよって涼しいお顔で答えた。へえ僕知らなかったなあ。
音の違いがどうして起きるか具体的に知って伴奏がしたい、ってさ。

僕ね、此う言っちゃなんだけど正直お姉ちゃまのファゴット騒ぎにうんざりしてるんだよ・・・
何故ってあの大量のリードだけどさ・・・

  *パワーバランス(2)変態度

僕んちの彼方此方にリードばっか飾られてるのは仕方ないとするよ。
けれどもお姉ちゃまがリードを鳴らすお稽古は ちょっとどうかなあ・・・

ぷ〜ぷ〜うるさいんだ。何回も何回もリードを鳴らすんだ。
どうして其んなにぷ〜ぷ〜してんの? って聞いたらばさ、音むらをなくしたいのって言うの。

上唇に感じる振動が吹く度に違ってるから、楽器を吹く前にリードだけで安定して同じトーンで鳴らせるようになりたい、ってさ・・・

   いやいやいや・・・

楽器を吹くって?
お姉ちゃまピアニストでしょう? ファゴット伴奏に熱心だからってファゴット吹かなきゃあなんないの?

僕にはさっぱりわかんなかった。
お姉ちゃまはまた熱心にぷ〜ぷ〜やってた。

**


僕らは到着し、お姉ちゃまはテーブルを見て歓声を上げた。
準備されてたのは、留め金を締めたリードだの 糸を巻いて乾かしてる最中のリードだの 様々な工程のリードとお道具だよ。

歓声を上げるような楽しそうなものには見えなかったけど、人間は此ういったものが好きなんだね。僕たちワンコとは違ってるね。
それでもってグラタン皿を見て また歓声を上げた。

グラタンご馳走になれるの? って期待したらば、リード材料の葦がグラタン皿のお水に浸されてた。ガクッ
なんとなく僕にとって楽しい日にはなんないってわかった。

**


お姉ちゃまは色鉛筆を並べて酷く熱心に工程をスケッチはじめたよ。
蝶番君はたくさん教えて下さりながら、葦に切り込みを入れたり面取りをしたり、マンドレルを挿して周りを潰したりしてた。

お姉ちゃまは大喜びでスケッチしながら お山ほども質問した。
人間が好きな物と僕たちワンコが好きな物は やっぱ違ってるね。
僕は諦めて、お耳を掻いて寝た。

**


ファゴットの音で僕 目を覚ましたよ。
お姉ちゃまが吹いてんだ・・・!

   いやいやいや・・・

たった4音だけを教わって吹いてんだけどね・・・

僕ね、目がテンになった。見れば蝶番君も目がテンだった。
何故ってさ、何故って・・・

   変態さん全開なんだあもの。
   恥ずかしいね恥ずかしいね。

同じ音でロングトーンを何回も何回もやって 息スピードを変えない練習を始めた。もう蝶番君も黙っちまったし 僕は目をテンにしたまま眺めてるっきりなかった。

そのうち自分で色々言い出した。

此の音はちょっと息を抑えないと高めに鳴るだとか、立ち上がりの音を突き過ぎないようにするには どう息を出せば良いかしらだとか、縦に長い穴が指のお腹で押さえ切れてないから音程が微妙に変わっちゃうだとか、下唇に来る振動の幅がどうすると変わるだとか、

   いやいやいや・・・

お姉ちゃま本気だ・・・ 本気で変態さんだ・・・

**


夜帰ると僕はグッタリなった。お姉ちゃまは出歩いてお熱出しながらも、うんとこさ楽しかったってはしゃいでた。うへっ

リード騒ぎで僕いい加減疲れたしね、今日こそファゴット騒動抜きで まったりお昼寝しようって思ったよ。

    お姉ちゃまを見れば朝から楽譜を揃えてるよ・・・
    僕ちょっと嫌な予感がして聞いてみた。
 
今日は午前中から晩までフォーレ合わせって知らされた。ガクッ


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?僕が見たリード愛



僕が見たリード愛

July 03, 2011

僕、ブルゴーニュ。

リード騒ぎにうんざりだ。


お姉ちゃまはリードをうんとこさ愛してる。
合わせのとき蝶番君はしばしば好みを問うて下さった。

此のリードと此っちのリード、どちらがいいですか、ってね。
お姉ちゃまはいつだって即答した。

  -- 此の子。音に腰があるから細かな音が乗りそう。
  -- さっきの子。泣きの曲にマッチしてる。

  -- その子はハスキーボイスになるわ。
    ピアソラはガサガサして良いかもだけどフォーレは駄目よ〜。

うへっ。僕ね、僕はワンコだから違いがよくわかんないけれど、リードってのは相当に音色の違いがある風なんだね。

蝶番君がリードを作る葦の材質を替えてみなさって試す毎、お姉ちゃまは変態さんの風に感想を言った。

**


リードケースが開かれると、お姉ちゃまはリードをそれはそれは大切そうに覗き込み、こねくりまわして ああだこうだと述べるんだ。

それでもって "この子は せんだっての子? " なんて言う。

  "あ♪ 見てわかりますか♪ "
  -- ええ、このお顔でした。

リードはすっかり擬人化されて、あの子・この子・お顔・・・ってな具合さ。
僕ね、僕ちょっとどうかと思う。変態すぎるよ・・・

此んな事が公園で知れたら、僕またいじめられるんだからね!

  ?僕がいじめられるコト

**


合わせの休息んときだよ。
表裏対称に見えるリードを指して問うたの。

  -- 裏面を使ったらば どんな音がしますか?

休息もあったものじゃないね。180度リードを回して吹いていただいて、
裏だと暗い音になるんですね、どうして? なんて興味津々だ。

反対面のほうを薄く削ってあるからですねと教わって お姉ちゃまはご満悦だった。僕ね、僕にはさっぱり意味がわかんない。

どうして其れほどまでにリードが可愛がられるんだろう。
不思議に思っちゃいたけれど、いよいよお姉ちゃまがリード作りを教わると言い出したものだから 僕止めたんだ。

いい加減にするがいいねってさ。
けれどもお姉ちゃま、作り方をスケッチするお帳面と色鉛筆を持って いそいそとお出掛けした。僕も仕方ないからくっついてった。

お友達ワンコはさ、飼い主さんについてアートフラワーやお菓子のお教室へ行ってるんだよ。いいなあ・・・

僕のお姉ちゃまったけ、リード作りだってさ。うへっ
僕また公園でいじめられるよ・・・ なにそれ? って言われるよ・・・

僕ね、僕またすぐに続きを書くからね。


?僕が路上で見たこと
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僕が思う荷台屋さん

June 28, 2011

僕、ブルゴーニュ。

お姉ちゃま昨日お見舞いに行った。


お友達のご病気、大変だね。気の毒だね気の毒だね。

お姉ちゃまがうんとこさ大切に思ってっから、僕問うてみたの。
入院してるお友達ってさ、誰?
僕、その人に会ったことある? ってね。

僕、聞いて仰天した・・・
そんなの嘘っこだ! って思った。
僕がお山ほどもお世話になったお友達じゃあないか・・・

僕がパリィへ連れてってもらうとき、いっつもお世話になったの。僕のゲージはワンコ用の最大ゲージだから自家用車に乗んないの。だからさ大きなお荷物入る自動車を都合して空港の送り迎えをしてくれたんだ。

     僕のためにね。
     幾度もだよ。

検疫ルームへと僕の大っきいゲージを荷台で押してってくれた。
検疫じゃあ色んなお医者様がいっぱい触ってくるから緊張して震ってたらば、僕のこと慰めてくれてさ・・・

1年経ってパリィから戻るごと また空港へ僕をお迎えに来てくれてさ。

     僕のためにね。
     幾度もだよ。

それってばお姉ちゃまだけのお友達じゃなくて 僕のお友達だよ。
僕のこと、うんとこさ可愛がってくれるもの。

病室でもいつも問うてくれるのだって。
ブルゴーニュ元気にしてる? ってね。
僕、涙出ちゃうよ。
抗癌剤を点滴したまま問うてくれるんだよ。
僕のことをね。

ご職業は知んないけどさ、
リサイタルじゃお花の荷台を押してくれたでしょう?
空港じゃ僕のゲージの荷台を押してくれたでしょう?

だからきっと荷台屋さんやってるお人と思う。
多分だけどね。

元気になってね。
また僕と遊ぼうね。



僕がおうどん屋さんで見たこと

June 19, 2011

僕、ブルゴーニュ。

ネコヤナギ君がやって来たよ。


大切なお友達の病気で、お姉ちゃまのほうが参りやしないかと心配したんだ。ご親切だね。気分転換にお昼おうどんでも食べにゆこうと誘いにきた。お姉ちゃまが気に入ってるおうどん屋さんがあるんだよ。

自動車でゆくんだ。僕はすっかり嬉しくなった。
お姉ちゃまはお友達ばかり心配し、ネコヤナギ君はお姉ちゃまばかり心配した。僕は僕にもおうどんがもらえるかどうか心配した。

お姉ちゃまは肉うどんを一口食べて美味しいと言い、それっから泣き出した。お友達もおうどんが食べられれば良いのに 流動食しか飲み込めないのって大層悲しがってたよ・・・

ネコヤナギ君はお姉ちゃまに泣かれても困んないんだ。普通のお顔で、アンタうどん1杯じゃあ どうせ足りんやろとメニューを渡した。ネコヤナギ君わかってるね!

お姉ちゃまは泣きながら、肉うどんに葱スジ肉とドテ焼きも追加した。
それでもってお友達のことを泣きながら話し、他にもっと食べていい? って泣きながら尋ねた。

なんだかなあ・・・

僕のお姉ちゃまはすぐ泣くけど、泣いてても絶対にいっぱい食べて 絶対にいっぱい眠るんだ。

なんだかなあ・・・


今日はね、蝶番君と

また合わせをするんだって。


まあね趣味だから仕方ないんだ。晩まで合わせたらば 明日はPJで合わせるとか言ってる。楽しそうだね。

おっと、宣伝忘れたらば叱られるところだったよ。
6月24日の金曜ライブだよ。夜7時半だよ!

シャンソンとかフォーレとか聞けるんだって。
僕は今日これっから聞くけどね。



僕が見たソファーの背

June 14, 2011


僕、ブルゴーニュ。

僕、伸びちまった。


チャイコフスキー先生が仰った。"君たちホントよくやるなあ! 参ったな。"
お姉ちゃまたちね、またまた合わせをしていたんだ。僕ね、僕チャイコフスキー先生に尋ねたの。お姉ちゃまも蝶番君もヘタっぴなの? ってさ。

だって此んなにも合わせしなきゃなんないなんて、見たことないのだあもの。僕はワンコで音楽をよくは知んないけれど、ひょっとしたら2人ともヘタっぴなのかなあって悲しくなったの。

先生は答える代わりに 僕の頭をいっぱい撫でて帰られた。

**


2人とも相変わらずだ。
一杯弾いてるね。

   通してから、一曲ずつ返していきましょうか。
             時間的にもう1度通せそうですね。
       タイムはどうでした?
              ライブ終わったらフォーレの段取りしましょうね。
     その後モーツアルト。
          シューマンもやりませんか。
                   スイスの作曲家で弾きたいのがあって。
    ラフマニノフも気分なんですよね。
               プーランクの此んなの知ってます?


あ〜あ〜 いい加減にするがいいね。

一通り通し終わると2人とも黙ってそれぞれの1人掛けソファに突っ伏しちまった。とても消耗した様子で それぞれの椅子の背に顔を埋めているんだ。

そんなにも疲労するなら止せばいいのにさ。


             つ、疲れた。
         このプログラムめちゃくちゃ疲れますね。
                    でも楽しいですね。
                ええ楽しいです。


変態さんだ・・・僕うんざりしてるんだのに、また曲の細かな細かな事を話合った。それでもって またまた "返し" とかいう 1度通った曲を再び1つずつ探る作業が始まった。

夜になり、この世のものとも思えない疲労に茫然として床に座った。
僕は変態すぎる合わせに茫然として床に座った。

お昼っからご飯も食べていなかった。
変態だ・・・変態すぎる。

さ、もうお片付けをしてご飯食べようね。僕はおねむだしね。

それだのにお姉ちゃまはヨロヨロと譜面棚へ歩ってゆき、
"さっき話してたチャイコフスキーの曲ってね・・・" と弾き始めた。
蝶番君が初見で合わせ始めた。

いやいやいや・・・
もういいよ。もう辞めようよ! ご飯食べなきゃだし、寝なきゃだしさ!

"この曲も綺麗なんですよ。" と別のページを開いて弾き始めた。
蝶番君がまた合わせなさった。

いやいやいや・・・
1日中合わせてたんだから、もういいでしょ!

**


やっと終えてくれた2人は手帳を出した。
まさかの合わせの日取り決めだ。


いやいやいやいやいや・・・

現場リハーサル日を別取りしてるのに、まだ合わせもするの?
狂ってるよ。変態すぎるよ・・・

お陰で僕は 夜の11時になってご飯にありついた。
信じられないって思いながら、お姉ちゃまと一緒にもそもそ食べた。

食べながら僕、決心したの。
いい加減にするよう お願いしなきゃあなんないって思った。明日おさらいの終わりに進言しようって決めて眠った。

"あのね、お姉ちゃま・・・ "
僕が意見しようとしたとき お電話が鳴った。

受話器をお首に挟んで曲目便覧をせっせと繰りメモを取りながら、県立美術館コンサートのプログラムを相談し始めた。ガクッ

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僕が聞いたお話合い

June 07, 2011

僕、ブルゴーニュ。

急に暑くなったね。


お姉ちゃまたちは合わせをした。僕は合わせを応援するお務めをした。

1曲目っからお姉ちゃまも蝶番君もお顔に汗の玉を流してたよ。6時間余が経ち、ひと通りプログラムを終えた頃にはクタクタさ。

気の毒に、疲れて茫然と座っちまった。お腹は空いているのに頭も身体も空っぽんなっちまって動きゃしないんだ。酷く消耗しましたねぇナンテ呟き合ってると思えば、お姉ちゃままた変態さんな事を言った。

"人間が頭や身体を休めないでも済めばいいのに。其うしたらもっとずっと弾いてられるのに。"

  いやいやいや。

僕ね、僕のお姉ちゃまちょっと普通じゃないって思った。ずっと弾かれたら僕くたばっちまうよ。

それでもって、何にも用がなくて1日中弾いてて良い日なら、正味どれっくらいおさらいできる? とか問うてるしね。お姉ちゃま、1日べったりとさらえる日でも最高で13時間ももったためしがないと悲しそうに言った。

蝶番君は、ドイツに居た学生の時分は毎日11時間 音を出してたとかお返事しなさった。それっから、人間は食べたり寝たりしなきゃあならないからと悲しそうに仰った。

  いやいやいやいやいや。

僕ね、僕・・・ 変態さんたちに挟まれて、変テコなお話合いを聞かされて困るんだ。聞いてっと頭ん中がくちゃくちゃになるんだ。

僕のお姉ちゃまは明るくて優しいのに変態さんなんだ。残念だね。
蝶番君は物識りでお利口だのに変態さんなんだ。残念だね。

**


ライブまで20日を切った。お別れの時 お帳面を取り出した。当日と其の数日前にリハーサルを2度設けようと決めた。

"それまでにも また合わせてもらえますか。" ってお姉ちゃま問うた。
熱心だね。熱心だね。

"あと3回くらい合わせてもいいですよ。" って蝶番君応えなさった。
変態だね。変態だね。

**


此の人達は音楽が趣味だから仕方ないんだね・・・

僕ね、僕はもうクタクタだ。
お姉ちゃまは今日ももうすぐいそいそおさらいを始める気だ。
ガクッ

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僕が見た長い合わせ

May 29, 2011

僕、ブルゴーニュ。

お姉ちゃま、泣いてるの。


うんとこさ仲良しのお友達が癌にかかって、とてもいけない事になったんだ。お姉ちゃま、お友達に何にもお返しができてないって泣いてばっかだからね、僕が楽しいお話を書く。

ま、みんなが楽しいかどうかは知らないけどね、お姉ちゃまにとっちゃ慰めになるお話さ。なにしろファゴット合わせを酷く気に入ってるからね。

正直僕は此の合わせのコトがよくわかんない。もう大体でき上がってんじゃないの? って思うの。僕、色んな合わせ聞いてるから知ってっけど、本番前の感じって此んなじゃなかったっけね。

お姉ちゃまももっと普通な感じで伴奏つけてたんじゃあなかったっけね。1小節に幾度も止めて嵌り込むなんて、ソロん時しか見たことないよ。

皆様プロのお方だあもの、自主練習してきた風を2時間ほどスルスル合わせてたと思ったけどなぁ・・・

**



此の日も僕 "また始まっちまった・・・" って思ったの。

たった4小節間のピアノパートだのにね、3声部に分けて事細かに相談してんだ。うへっ。正直僕には違いがわからない。けれども弾いてみては相談を繰り返してっから、どうもちょっとずつ違ってるらしいの。

此ういった有様じゃあ、普通ならば全曲通る合わせ時間で1曲終われば御の字ってとこだね。

あっという間に夜の9時も回った。あ〜あ〜。曲ってばもう綺麗にできてるじゃあないか。変態さんな事を重ねると 嫌がられて一緒に弾いてもらえなくなっちまうから止さなきゃだよ。

お姉ちゃま、此っちの曲に行き着かないワって悲しそうに溜息だ。
"もう夜ですね。どうして合わせの時間ってすぐ経っちゃうんダロ・・・"

  いやいやいや・・・

夜ですねじゃないよ! 真昼から始めて、なんて有様だろうね。もう充分だしね、呆れられてるに違いないしね。蝶番君うんとこさお疲れだよね。僕のお姉ちゃまがごめんね、ごめんね。

僕のお姉ちゃまね、ちょっと普通じゃないんだ。変態さんなんだ。まだ弾きたがってる風は放っておいていいからね。

僕がペコペコ謝ったらば蝶番君、合宿行って1週間くらい朝から晩までやらないと終わんないって仰った。ガクッ。変態さん全開だ!

お姉ちゃま、ホントですねぇとか言ってるけど僕は絶対ヤだよ。僕はパーシモンと遊びに行きたいし、お昼寝もしたいしさ、朝から晩まで合わせ聞かされるなんて御免だあもの。

合わせの後、僕はグッタリなって眠った。お姉ちゃまは合わせの録音を楽譜に参照してチェックし始めた。いい加減にするがいいね・・・

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僕が見たモンマルトル展

May 26, 2011

僕、ブルゴーニュ。

伊丹市立美術館へお出掛けしたヨ!


また此れようのお洋服でね・・・ 僕は止めたんだ。折角のデートだってのにさ、判で押したように白いワンピースばかりじゃあ厭きられっちまうよってね。たまには違った格好をするが良いよってね。

白いワンピースばかり取っ替え引っ替え着てもさ、皆同じに見えるんだのにね・・・

お姉ちゃまは好きなワンピースだったのにね、気の毒に言われっちまったよ。淡い雰囲気に映って、病院を脱走してきたお人に見えるってさ・・・

ものの見方はそれぞれだけど・・・僕の意見は違ってる。
僕、お姉ちゃまは本当にご病気なくらい
変態さんな有りようだって思ったね・・・

淡いどころか濃過ぎだ。


**


展示はスタンラン(1859年〜1923年)からロートレック(1864年〜1901年)の時期さ。其れってばフォーレ(1845年〜1924年)やドビュッシー(1862年〜1918年)の時代にぴったりと重なるのだあもの。

変態さん染みたはしゃぎっぷりっだ。
なにしろ展示物が来る前から学芸員さんに問い合わせてたからね・・・

ロートレックはポスターなのかポスター原画本体かだとか
当時の文学カッフェーに置かれたパーツの事もね・・・
コレクションの出処まで問い詰めたよ・・・ご迷惑だね。

荷が輸入前の不明時期でね、学芸員さんはまだわからず、申し訳なさそうに困惑顔だ。すると現地の監修はどなたですか? とか突っ込むんだ。わ〜わ〜変態さんの質問だ。濃いんだ。

アメリカ人の監修ならば、アメリカの個人コレクションになるだろうとか言ってた・・・ 音楽家と関係を深く結んだモンマルトル画家たちのお作だからさ、愛しちまってんだ。濃いからね。

舐めるように観て、展示古書内の小さな楽譜内容をチェックして、歌詞を逐一読んで、ミュージックホールの古いメニューにあるお食事価格を今のお代金に換算してってな塩梅でね。

怖い怖い怖い怖い・・・
正直イッちゃってるって思った。

人間って此れようのデートをするんだね。僕たちワンコと違ってるね。

**


僕はね、キャバレー・シャノワールの影絵が気に入ったよ!

僕の影絵はさ、黒いに違いないんだ。僕も僕の影絵も黒いんだね。そうすっと僕と僕の影絵のちがいは何だろうって不思議な気がした。

僕はコレクション監修者より 僕と似た黒い影絵が気になるよ。
それでもって僕はやっぱりパーシモンのような普通の女の子ワンコと美術館へゆこうって思う。



僕がいじめられるコト

May 13, 2011

僕、ブルゴーニュ。

お姉ちゃま気の毒だね。


骨ん中また酷く腫れっちまった。疲れだよね、良くないね。僕ね、僕は言ったんだよ。僕と一緒にまったりするがいいねってね。けれども寝てもどうせ加減が悪いなら訳詩をするナンテ意味の通らないご返事だ。

それでもって朝っぱらからベルレ犬とかいうワンコの訳詩だ。

僕のお姉ちゃま頭ん中があまりお利巧じゃあないんだ。気の毒だね。
僕だって気の毒なんだ。僕、肩身が狭いんだよ・・・

**


公園へゆくとワンコたちは自慢をし合うの。
僕はいつだって肩身が狭い。

おリボン付けたワンコが言ってた。私なんてお昼寝にクラシック音楽を聞かせてもらってる、って。みんなイイナアって言った。

音楽ね・・・僕もまあ聞かせちゃもらうけど、10時間も聞かされちゃ吐きそうになる。お昼寝ん時にちょこっと音楽って具合にゆかないんだ。

なにしろ変態さんだからね・・・
  *フランス気質と音さがし

だいたいさ、僕が聞かされてるCDなんて、酷すぎるのだあもの。
  *僕が聞いた怖いCD

お昼寝どころか僕気を失いそうになるよ。公園のお友達に、うちじゃ此んな有様だなんて 恥ずかしくて言えやしないんだ。

**


別のワンコ達は飼い主さんのこと自慢してた。飼い主さんが美人ってよく言われるとかね、飼い主さんの頭が良いってよく言われるとかね。

僕はまた黙っておくっきり仕方なかった。何故って僕のお姉ちゃまがよく言われることなど不名誉でお口にできないもの。

皆が飼い主さんの良い事を自慢してんのに、僕ったけ "僕のお姉ちゃまは異常とか変態とか常人離れとかよく言われる。" なんてお話すれば 僕いじめられるからね・・・

**


お姉ちゃまも気の毒にいじめられてたよ。僕見たもの。

道端で絵描きさんとバッタリお出会いしたの。
ハムレットのオフェーリアをもう一度描いてるって言いなさったよ。
僕ね途中まではご親切な方と思ったの。

オフェーリアの姿が段々お姉ちゃまに似てきたと仰ったのだあもの。
ご親切だねって嬉しくなったらば非道な続きがあったんだ・・・

"気のふれた女っていうのは、
落合さんの姿とかぶるんです。"


うわうわうわ・・・

僕ね、僕一生懸命言ったんだ。お姉ちゃま本当はお利巧なとこもあるんだよ、ちょっと変わってるけど 気がふれたりはしていないんだよ、僕のお姉ちゃまをいじめちゃ駄目だよ、ってね。

絵描きさん続けて、狂った執着は絵になるからモデルをやってもらえないかって仰った。

うわうわうわ・・・
道端で此れようにいじめられるなんてさ・・・ 僕なら、気がふれたワンコって言われたらば悲しくてもう公園へゆけなくなると思う・・・

お姉ちゃまは気にせず、今彫刻モデルで忙しいから またいつかタイミングが合うときにネってお答えした。いじめられたのにお姉ちゃま、別に泣いてなかった。

**


今日は蝶番君と合わせだ。お姉ちゃまはリサイタルから9日間で 変態さんほどもおさらいをして準備した。

僕にはやっぱり公園で自慢できる事がないんだ。
僕のお姉ちゃまは変態さんの相方さんと 変態さんな合わせをしてるって報告したらば、僕いじめられるもの。



僕が見た取り合い

April 29, 2011

僕、ブルゴーニュ。

お姉ちゃまは本番前で忙しい。


僕だって忙しいんだよ。お客様のお出迎えやお見送りのお勤めがあるからね。

チャイコフスキー先生がいらっした。僕ね先生好きだよ。"ブルゴーニュは居るかな。" って仰りながら入ってきなさるんだあもの。此んな良い扱いは笹薮じゃない。違ったっけね、藪笹じゃないって言うんだっけね。

僕がご機嫌でお出迎えしてっと、お姉ちゃまいきなり文句を言ったの。

-- もぉ! 私、先生に蝶番君盗られちゃったのよ。デュオのお仕事受けられるか連絡したらば、タッチの差で本番が決まった後だったの。同じ日の同じ時刻にヨ。それってば先生のとこのオケなんだもの!

チャイコフスキー先生はお姉ちゃまの文句を聞かず嬉しそうにされた。

"おお! やっぱり彼が来てくれるのか。僕がメンバー決めてるわけじゃないから誰が入るって知らなかったよ。だけど恐らく彼が呼ばれるんじゃないかな、彼だといいなあと思ってたんだ。良かった良かった。
僕からの伝言伝えといて。君が来てくれるなら安心してますって。"

お姉ちゃま、先生にぐいぐい押し込んでたよ。其の時期デュオも忙しいから蝶番君を拘束する練習日程にしないでとか、もう奪わないで頂戴よとか、勝手ばかり言ったね。

**


わ〜、取り合いだ。取り合ってるね。

いいなあ。僕も取り合ってもらえるくらい人気出たくなったから、先生にうんとこさサービスしたの。したらね、したらブルゴーニュは其んなに舐めてくれなくて宜しいって言われっちまった。うへっ

先生はご機嫌で帰ってゆかれた。

**


パーシモンは言うんだよ・・・日が合わなければ別の奏者様もわんさか居られるのだしね、別にお1人に拘ることないじゃあない? ってね。

お上手な方も、違った楽器も、演奏者様方ならお山ほども知っているものね。けれどもあのビックリな出会い系のあとに・・・

  *出会い系の裏幕

お初合わせをしてね、一発目の音でハマっちまったんだよ。

予定ではただ音を試してみようってな事だったんだ。出会い系の日だって音楽のコト、うんとこさ仲良くおしゃべりできたよ。けれどもおしゃべりと音出しは異なっているからね。

言葉にする音楽観が合っていても、音にする其れとは違うのだって。
知ってる。ボール好きのワンコも、ボールを咥えておくのが好きなワンコと 僕みたく投げてもらって遊ぶのが好きなワンコが居るしね。

其ういったことでしょう? ね? お姉ちゃま。

だのにね不思議が起きたんだ。
どんな不思議って、例えばだヨ。


僕ペディグリーチャムもユーカヌバのワンコフードも好きだけどね、
赤ん坊ん時いつも食べてたフランスのロイヤルカナンのワンコフードを食べると、僕此れこそが食べたかったんだ・・・って感じるんだ。

ロイヤルカナンをもぐもぐ噛み締めれば、ああ僕の黒い毛にも黒い肉球にもロイヤルカナンが入ってるんだナって思うんだ。懐かしくて安心なお味なんだ。

それでもってロイヤルカン食べてきたワンコに会えば すぐわかると思うの。この子ロイヤルカナン食べてる! ってね。

**


つまり其ういったことさ。おんなじワンコフード食べてる音楽だ! って一度の合わせでお互いわかっちまったのさ。そりゃあハマるよ。

  *合わせのお客様

もうコンサート、いっぱい入り込んでいるからね、
僕いっぱい応援して宣伝しなきゃあなんないの。

まずは5月3日のソロだね! 午後2時開演なの。お早くゆかないとだよ。ロープウェイが混むかもだからね。早い時間のほうが空いているヨ。

*サンラザールより 望郷の空



僕が聞いたグリサンド

April 23, 2011

僕、ブルゴーニュ。

今日は僕がブログ書く番だよ。


あ〜あ〜お姉ちゃま今日もお稽古に適した動き易いトレーナーなの?
もうちょこっと綺麗なお洋服を着ていてほしいって僕なんか思うね・・・ 学校のオーケストラのトレーナーはとっくにヨレヨレだ。

お姉ちゃまライブの前後も 予約のお医者様へ通ってるよ。気の毒だね。本人が気にしてないからいいけどね。待合室でメールを打ってた。此処の病院はね、ロビーなどはメールをして良いんだよ。

待合で楽譜をお膝に乗っけてね、小さくハミングしながらね、携帯を取り出して "プー" って打ち始めた。あ〜あ〜、またプーのお話なの? どうしたものかなあ・・・

6月のプログラムのプーランクのこと、勝手にプーって呼んでんだ。

《待合室にて》
モンパルナス最終シビレるグリサンドの歌詞を見てたら
"あてもなく" になっているのです。
プーのセンスですネ!
少しゴツゴツした部分があるアポリネールを、
プーが退廃のモノトーンで包むのですね。
グリサンドをどのように作るか思案中。


へ?

なんだって?


退廃のモノトーンだってさ・・・ シビレるグリサンドだってさ・・・
件名は "アポリネール" だ。うへっ

これから骨髄に穴開けるってのに、プーランクで興奮してんだ。
お馬鹿のようだ。送信相手は蝶番君だよ。

**


僕ね、僕は心配になったの。お姉ちゃまちょっとオタクさんっていうかね、変態さんだからさ・・・ あまり酷く曲に拘ると、もう一緒に弾きたくないって言われっちまうんじゃあないかってね・・・

ところが2日後やってきた蝶番君、楽器を取出すと考えてきてくださった件のグリサンドを幾度もやり始めた。

お姉ちゃまはノッちゃって酷いものさ。歌詞をつけて歌ったり、グリサンドの1音1音分解して音をつける場所を書き込んだりするんだ。蝶番君も厭きもせずグリサンドをやり続けた。

僕は眠る準備をしたよ。此れじゃあ1小節半をどこまでしつこくやるか はかり知れないからね・・・

したらさ、したらね、蝶番君が急に降ってきたんだの。
僕びっくり仰天して、どうしたの? 何してんの? って問うた。

ピアノの下は僕の場所だしね、人間は普段僕の場所に潜ってこないものだからね・・・

蝶番君はペダリングに興味を持って、潜ってご覧になったんだ。
僕ね、僕は色んな合わせを見てきたけれども、僕の場所に潜ってこられたのはお初だったよ。

変わってるお姉ちゃまの相方さんがバッチリ勤まるお人ってば
やっぱりちょっと変わってるのかもしんないって、僕思い始めた。

**


グリサンドに拘るお姉ちゃまは提案をした。


楽器を使わず、1度息だけでグリサンドを弾いてみてほしいってお願いしたの。

音だけじゃなくて息感覚を知ってピアノをつけたいと思ったようだよ。
楽器抵抗がないときの息の感覚を生で知りたかったんだ。
わ〜わ〜変態さんのこだわりだ〜・・・

  "ふ〜 ふ〜"

変テコな提案にも応じてくださったその時、お姉ちゃま言ったんだ。

  "音が違う。今EsからCに下りなさったでしょう。
   EsからHよ。"

音?? 音なんかしないよ! ふ〜ってするだけで、音がする筈ないじゃあないか! お姉ちゃま拘り過ぎて頭ん中が変テコになっちゃったの?

蝶番君は別の理由で驚愕した。
  "凄・・・ 息の出し方だけで、何の音の設定か判ったんですか??"

え? え? そうなの? ふ〜ってする息、捉える音によって違ってるの? 其れってワンコでも練習すれば判るようになる?

お姉ちゃま、息の量と喉の感じで勿論わかりますヨ、ってニッコリ優しくお答えしてから 急にお行儀悪く言って笑った。

  "ナメたらアカンよ。"

**


僕ね、僕にはわかんない。此の人達どうして1、2小節に此んなにも拘ってゆくのか、わかんないんだ。

なにしろプーランクの音楽は独特のムードで甘くって、だのにちょっと怖い世界なんだ。お姉ちゃまはプーが大好きなんだって。

*サンドニ、心臓と遺骨



僕が聞いたフォーレ物語

April 13, 2011

僕、ブルゴーニュ。

今日はPJへ行く。


御店が開いてない時刻に、21日のソロライブのお稽古をさせていただくんだ。

ソロのお稽古の一方で相変わらずな合わせも続いてる。
お姉ちゃま、"トスカーナのセレナード" の楽譜を開くなり嬉しそうに発表したんだの・・・。

  "昨日ね、1人でさらってたらフォーレに叱られたの。"

いやいやいや・・・
お姉ちゃま、そりゃあナイね。気持ちがご病気のお人のようだね。

  "此処、如何にもカンツォーネ風でフォルテで歌いたくなるでしょう?
   そうしたらば、《toujour douce!》(常に細く柔らかく!) って、
   フォーレが怒ってきたの。ほら、予め書いてある♪ "

ああ・・・そういうことね。
フォーレは、奏者が犯しそうな誤りを予測して書き込んであると言いたかったみたいだね。
けれどもね、あまり変テコを言わないが良いね。気持ちがご病気のお人の風を続けると、ほんとうに共演して頂けなくなっちまうよ。

僕のお姉ちゃま、頭ん中があんまりお利巧じゃあないからね、熱心にウロウロ物語ばっかおしゃべりするの。ごめんね、ごめんね。

蝶番君はさぞ戸惑われたに違いないのにね、フォーレの科白を作って仰ってみせてくださった。できたお人だなあ。放っておいていいんだよ、お姉ちゃまと共演すると一緒にウロウロ物語に参加しなきゃ済まないとかじゃあないからね。


楽譜にフォーレの人となりを

見っけては はしゃいでさ・・・ 


お茶タイムの普通のおしゃべりだって酷いことさ。

  "ある時期から急に此の和音使いはじめてる・・・
   きっと《見つけたっ♪》って思ったのネ。《此れが僕の和音♪》って。
   新しいハーモニー発見して、どんどん使ってる。
   フォーレ、すごく得意な気持ちで嬉しかったでしょうね。"

あ〜あ〜・・・ ウロウロ物語だ。

それでもって手に持ってるカップが傾いてる! 傾いてる! またジャ〜しちまうよ! どんどん傾いてる! 頭ん中がお利巧じゃあないからね、おしゃべりしてっとカップの中身、ジャ〜するんだ。

蝶番君はさぞ戸惑われたに違いないのにね、ウロウロ物語を聞いてくださりながら黙ってスッと手を伸ばし、お姉ちゃまが持ってるカップを真っ直ぐにしてくださった。できたお人だなあ。

お姉ちゃまもね、ご面倒ばかりお掛けしてちゃいけないよ。恥ずかしいからもうビュッシーヌの詩のウロウロ物語は止して・・・

あっ!

あ〜あ〜・・・ とうとうジャ〜しちまった。白いスカートがミルクティー浸しだね・・・ 僕、溜息が出た。蝶番君は黙ってティッシュを渡してやってくださった。できたお人だなあ。

僕のお姉ちゃま、なかなかお利巧になってくんないの。

?僕が路上で見たこと
?僕が見た合わせのお客様
?僕が聞いたボヨボヨ
?僕が見た恥ずかしい合わせ



僕のエビピラフの宣伝

April 10, 2011

僕、ブルゴーニュ。

僕とっても忙しいの。


カモノハシちゃんが来て、チャイコフスキー先生が来て、蝶番君が来て、プレーリードッグちゃんが来て、アサリ君が来て、グレーうさぎちゃんが来て、また蝶番君が来て、ゲンゴロウ先生が来た。

次はレモンカナリアちゃんとポニーテールちゃんが来る。
僕ね、お出迎えとかお見送りとかお勤めがいっぱいなの。

ヤマシギ君も来てたんだ。
僕ヤマシギ君に親切を言ってあげたの。もしどうしても僕に遊んでほしかったら、後で遊んであげても構わないヨってね。

僕ヤマシギ君と遊ぶのは笹薮じゃない。違ったかな・・・藪笹じゃないって言うんだっけね。どっちだか今ちょっと忘れちゃっただけだよ。ほんとは知ってるんだけどね。

ヤマシギ君が僕んとこに遊んでってお願いに来る前に、蝶番君が到着したの。それでなければヤマシギ君、きっと僕に遊んでほしかったって思うね。

ヤマシギ君、一生懸命カメラを回してたよ。僕ね、撮ってもらうのは藪笹じゃないよって言ってみたけどレンズはお姉ちゃまと蝶番君がお稽古してるほうばかり向いてた。

いいけどね・・・


**


お稽古してんのはフォーレだ。

僕知ってる。


お姉ちゃまが再三に言っているもの。ちょっと哀しくて とっても綺麗な曲がたくさんだ。

お姉ちゃま提案した。
"此のプログラムのテーマを エビピラフにしたいの。"

    違ったかな・・・エピタフだっけね。

蝶番君答えた。
"エピタフですか、カタツムリですね。"

    違ったかな・・・カタルシスだっけね。

僕にわかんない事ばかりお話するのだあもの。
エピタフって何? カタルシスって何?

いいけどね・・・


**


お姉ちゃまたちご機嫌でお稽古を進め、ヤマシギ君はご機嫌で動画を撮った。
10曲ほど終えてひと区切りがついたよ。ヤマシギ君、声を掛けたの。

お姉ちゃま、お顔を青く硬直させて振り返った。
"びっくりした!! 急に声がしたから・・・ヤマシギ君居たんだったわ。"

大層な失礼を言いながらお胸を押えてるよ・・・
お稽古に夢中でヤマシギ君が居ることも、動画カメラも忘れっちまってんだ。あ〜あ〜・・・

**


なにしろね、お姉ちゃまたちフォーレに夢中なんだよ。
それでもってエビピラフのカタツムリを演奏することになってるらしいよ。

だから僕は無理矢理に宣伝を書かされてる。

いいけどね・・・



僕が見たドレス事件

April 04, 2011

僕、ブルゴーニュ。

お姉ちゃまってばお馬鹿をしたの・・・


コンサートの通しのお稽古をしたんだよ。験しにドレスを着てみてさ。
けれどもピアノ弾き始めから何なく変テコだったよ・・・ 僕がいつも聞いてる音楽と違っていたの。

お姉ちゃま、どんどん沈んだお顔になって、とうとう中途で弾くのを辞めっちまった・・・

そうして青いお顔で携帯に向かって訴えた。
"グレーうさぎちゃん! お願い、助けて! "

お姉ちゃまどうしたの? って僕しがみついた。お電話の向こうでグレーうさぎちゃんも うんとこさ驚かれたね。加減でも悪いかって思いなさったんだ。

お姉ちゃま、泣きながら必死にお話したね・・・

"ドレスの胸にすっごく大っきなパット入れて仕立てたの。
胸、大っきく見せたかったの・・・
そうしたらパットが邪魔で弾けないのよぉ! "

ガクッ

いやいやいや・・・ お馬鹿もいい加減にするがいいね。僕ちょっと信じられないって思った。

つまらない見得を張ってドレスにパットを入れ過ぎたって? それでもって腕をたくさん交差する難しい曲だのに、腕がパットに引っ掛かって動かなくなっちまったって?


いやいやいや・・・

恥ずかしいね、恥ずかしいね。


お仕立てやお直しのとき、ピアノを弾く格好を作ってはみるの。けれども実際に演奏するときの動きかたは わけが違ってるからね・・・ 

リハーサルをして良かったね・・・ 
僕そう言って慰めるのが精一杯だった。

**


グレーうさぎちゃんは布作家様なんだ。ご親切に翌日に来てくださった。パットを入れ替えると全体のサイズも変わっちまうからね・・・ 何度も着てみながらあちこち修正してくださった。おうちで実際にピアノも弾いてみて直していただいたんだ。

グレーうさぎちゃん、僕のお姉ちゃまがごめんね、ごめんね。
僕、馬鹿馬鹿しすぎて力が抜けっちまったよ。

僕のお姉ちゃま、なかなかお利巧になってくんないの。ガクッ



僕が見た恥ずかしいお食事会

March 29, 2011

僕、ブルゴーニュ。

僕、恥ずかしい思いをしたの。


お姉ちゃま知らない人たちに混ざってお食事することになってた。仲良しはジンライム君っきりだね。

僕ね、お出掛け前に心配になってお願いしたの。今日はきちんとしなきゃあなんないよってね。あまり自由に振舞わず、おとなしくお話聞いて素敵さんにしてなきゃいけないよってさ・・・ 

僕ら一等にお店へ着いたの。前のご用事がすんなり終わったからね。御飯屋さんは準備中だってのにスタスタ入ってった・・・あ〜あ〜ご迷惑だね。待ってるが正しいって思ったけれどママさん優しくって、桜さんお構いしませんけど座ってる? お茶飲む? ってにっこりしなさった。

僕は後ろで御免下さい、開店前にご迷惑様ですって一生懸命お愛想を言った。僕のご挨拶が終わっちゃいないのにお姉ちゃまピアノ椅子に座っちまった。

あれこれ弾くものだからね、僕ご迷惑じゃあないかなあってドキドキしてたらばお客様が入ってきなさった。きっとね、こういったお店にしちゃあ随分情熱的なBGをしているって思いなさったに違いないよ。スケルツォを弾き散らかしてたからね・・・

そら、もうピアノは弾き止んでご挨拶だね。彼方はご一緒する方に違いないよ。きちんとご挨拶してね。自由過ぎるのは良くないからね。

またお一人入ってきなさった。次にも入ってきなさった。ねぇご一緒する方々だよ。あ〜あ〜、ピアノに集中しちゃってお客様に気づかないの?


そうと思ったのは誤りだったよ・・・


お姉ちゃま弾きながら叫んだんだ・・・ 鍵盤のほうを向いたままでさ・・・
"あと2分くらいで終わるから そっち行きま〜す! "

うわうわうわ・・・
どんな方々かお顔も見ずに 言いたいことだけ叫んでるよ。
それでもってフォルテシモのコーダに入った。

いやいやいや・・・
なんてご挨拶なの? 恥ずかしいね、恥ずかしいね。僕のお姉ちゃまがごめんね、ごめんね。

**


弾き終えて僕ら遅れてテーブルについた。皆様のお名刺を頂いた。

あのね、お姉ちゃま、目下から先に名刺を出すものだよ。ワンコ学校では目下から先にご挨拶するって教わったもの。だからね・・・

"あ。名刺忘れた・・・じゃ、名刺代わりにチラシで。"

いやいやいや・・・
コンサートちらし渡して宣伝してる・・・ 

僕、ちょっとどうしていいかわかんなくなって目が泳いだの。だのにお姉ちゃま、嬉しそうに発表したんだ。"コロ大根だけはもう注文してあるからね。あれぜったい食べなきゃ。"

僕お空向いてワオ〜ンって鳴きたくなった。ごめんね、ごめんね、僕のお姉ちゃまがごめんね。
勝手にピアノ弾く前に 勝手にコロ大根だけ言っちまってたんだ・・・

**


会談中お姉ちゃま1人パクパク食べて すぐお皿の中身を終えちまった。僕ね一安心して、これっからやっとお姉ちゃまもお行儀良くしてくれるって思ったよ。

でも誤りだった・・・ 自分のがなくなったらばジンライム君のカボチャを黙ってヒョイと取って食べた。続けて蛸ワサもヒョイヒョイ奪って食べた。ごめんね、ごめんね、僕のお姉ちゃまがごめんね。


それっからお茶碗持って立ち上がった。


お鍋んとこ行って集中して食べはじめたんだあもの・・・。恥ずかしいね、恥ずかしいね、躾ができてないんだ。ワンコ学校を出てないからね・・・

其うしてお茶碗持ったまま、またしても嬉しそうに発表した。
"お話し中に食べることばかり言ってすみませんけど、雑炊か何か食べません? "

僕ね、もうどうしていいかわかんなくなったよ・・・
僕、お食事の間中、生きた心地がしなかったの。なんて酷い躾なんだろうって頭が痛くなったんだ。

おいとまのご用意を始めた頃だよ。ママさんが手招きした。
"桜さん、ちょっと来て。"

叱られるんだ! 酷くお行儀が悪かったもの。僕が泣きそうになってるとママさん "これ美味しいから使ってネ・・・♪ " ってお出汁用の削りぶしを袋に詰めてお姉ちゃまに下さった。

お姉ちゃまワ〜イ♪ ってありがたく頂戴してお店を出た。
僕・・・頭がくちゃくちゃなの・・・

やっぱりワンコ学校の躾の先生にご相談しようと思う。



僕が見た恥ずかしい合わせ

March 25, 2011

**PJの月間スケジュールが間違っていますが間もなく訂正されます。
  4月21日のライブは落合です。どうぞお越しくださいネ・・・♪

僕、ブルゴーニュ。

僕ちょっと恥ずかしいの・・・。


また合わせをしてたよ。リサイタルまではお姉ちゃま本格的な合わせって風には手が回んないけどね、一緒に考えたり土台作ったりして楽しんでるね。

僕ね、お利巧なお話してるお姉ちゃまが好きだよ。リタルダンドの呼吸とか、フランス語歌詞からの成立ちとかね。けどお利巧なばかりにはゆかない。

フォーレ "トスカーナのセレナード" って曲を弾いてた。鮮やかで、風が吹くような曲なの。お姉ちゃま急に うぎゃって言った。
"なんか飛んでった!"

いやいやいや・・・

何も飛んでないよ。ピアノ室に虫とか居ないしね。飛んでったのはお姉ちゃまの片っぽのイヤリングだってば・・・ 演奏で動いてポーンって外れっちまったね。

てへへって照れながら四つん這いになって、床のイヤリングを探した。あ〜あ〜また四つん這いだよ・・・ 恥ずかしいね、恥ずかしいね。

蝶番君はさぞ戸惑われたに違いないのにね、一緒に四つん這いになって下さった。できたお人だなあ。


**


お次には "クリメーヌに" を合わせてた。


うんとこさ美しい曲だよ。詩だって素敵なんだあもの!


君が姿の青白き
けがれ知らずや白鳥の 
薫る御(み)肌の匂やかに


*"クリメーヌに" 落合訳
*アヴェ・マリス・ステラ

僕うっとりなってたらば お姉ちゃままた うぎゃって言った。
"かっ髪、引っ張られる・・・後ろで何が起きてるの?"

いやいやいや・・・

何も起きてないよ。演奏する内お下げにした髪がお洋服の後ろボタンに巻きついっちまってね・・・。お背なで自分のボタンに引っ張られっちまって あぐあぐしてんだ。恥ずかしいね、恥ずかしいね。

蝶番君はさぞ戸惑われたに違いないのにね、静かに髪をボタンから外して下さった。


**


僕のお姉ちゃま、頭ん中があんまりお利巧じゃあないんだ。
僕ね、お姉ちゃまにマドモワゼル・クリメーヌのようになってほしいの。

君が妙なる囁きに
惑い乱れし我が胸の
あはれ眺めも眩むごと


僕、うぎゃ とか言わないような女の人が好きなんだ。
お姉ちゃまもう少ぅしお利巧になってくんないかなあ・・・。




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