L'air de Paris ⅩⅠ



レッスン記録:花めき

September 15, 2018

ごく初期にお積木を使って音符の長さを知った生徒ちゃんは、


「音は平面的なパーツじゃない。体積を持つもの」
って言う先生のおかしな言葉をわからないままに聞いて、

ある日 [音の絵] に進んだ頃、自ら音の体積を使用しました。


音符の掛け算問題がすらすら解けて楽しくなった頃、
お積木は小節というお部屋を持ちます。


譜面に印刷された小節は、目の前のダンボールのお部屋になり
見て、触って、其処に体積を持つ音符を置きます。

先生が弾くピアノのリズムに合わせて。

リズム聴音の始まりでした。


片やメロディ聴音開始時はクレパスで線や丸を描きました。


聞こえた通りに。
メロディ聴音では音に素早く反応して、瞬時に線や点や丸で音をスケッチする反射力を先に養ったのです。

クレパスを持ってもらった理由は、
音の強弱を濃い・薄いで
和音・単音を大きな丸・小さな丸で
弾むリズムを点で、繋がり流れる旋律を線で
表情を描き分け易いからです。


[お箱遊び] から発展した [創造] では '見立て' を重視しました。


子供さんみんながいっぱい持ってる見立ての才能を大切に繋げる楽しさをお互いが味わいました。

春はお花に見立ててた結晶パーツは
秋、紫陽花が枯れる頃に風の煌きに変わりました。


垂直に置いて恒星を表した物は、寝かせて雫に見立て


天球から生まれた雫が雪になる2連仕立てで創造の科目を卒業したのでした。

  身近なあらゆる物が全部
  音楽の部品になると識ってゆきながら。


重なり、発展し、花めく。


心の内に湧き水があるかに、膨らみをおぼえる。

其れによって拡大もある。でも拡大は目的じゃあない。
ジャンプアップも目的じゃあない。

じゃあ何?
重なりの美しさを識ることではないのかな。


■お教室関連リンク

曲を感じる
*ある白い花
*ままならぬ恋の花
*2枚目の扉
*白い花の贈り物


初期
*レッスン記録:音符イチゴ
*レッスン前の時間
*レッスン記録:オクターブ
*レッスン記録:メダカのドレミ
*レッスン記録:スタッカート

*レッスン記録:楽譜を作ろう!
*レッスン記録:上の音
*レッスン記録:痩せたメダカ
*レッスン記録:カタツムリ
*レッスンの成り行き
*レッスン記録:イチゴのタイ
*レッスン記録:指番号
*レッスン記録:音の実

*レッスン記録:復習とカメ
*レッスン記録:音ブロックで曲を弾こう
*レッスン記録:好きな曲を作ろう!
  *緊張するレッスン
  *泣いちゃダメ?
  *レッスン記録:下地(1)色
  *レッスン記録:下地(2)味


記号
*レッスン記録:ト音記号
*レッスン記録:臨時記号


音符
*レッスン記録:音符の長さを憶えよう
  *子供の絵、母の悩み
  *レッスンと色
*レッスン記録:音符の向き

*レッスン記録:十六分音符
*レッスン記録:床の五線
*レッスン記録:紙粘土
  *先生の真似

*付点音符を憶えよう
*レッスン記録:付点音符のサイズ
*レッスン記録:小節に触る


成長過程
*レッスン記録:記憶の拡張

*7ヶ月でカバレフスキー
*お庭レッスン

*レッスン記録:香りレッスン
*レッスン記録:ハーモニー体験

*レッスン記録:ハンカチのしみの音楽


ヒント
*レッスン記録:お菓子パーティー
*レッスン記録:付箋を使う
*練習カウンター
*メトロノームの思い出(1)
*メトロノームの思い出(2)

*ハノンと恋
*プー、スケールに泣いた日
*プレイ
*ステップ


リズム
*レッスン記録:リズム解き
*レッスン記録:食べ物カード
*レッスン記録:楽語とリズム
*レッスン記録:リズム聴音


幼児期の聴音
*レッスン記録:はじめての聴音
*レッスン記録:寒暖の和音


暗譜
*レッスン記録:はじめての暗譜
*レッスン記録:楽譜の道筋
  *1年間のレッスン記録


お指トレーニング
*レッスン記録:音階練習
*レッスン記録:指遣いのカリキュラム
*レッスン記録:音階と和音


アウフタクト
*レッスン記録:アウフタクトの導入
*レッスン記録:アウフタクト実践例
  *レッスンこぼれ話:ピンクのうさぎ
*レッスン記録:なめこぐま
*レッスン記録:はじめてのバラード
*レッスン記録:ぬるぬる


音階遊び
*レッスン記録:シマエナガ式ケース
*レッスン記録:フェーブの音階
*レッスン記録:音階理解をシンプルに


お箱遊び
*レッスン記録:雪のパーツ遊び
*レッスン記録:お箱遊び
*レッスン記録:異名同音
*レッスン記録:異名同音 'として'
*レッスン記録:お箱卒業の日


画集遊び
*レッスン記録:画集遊び
*レッスン記録:ポムポム・キュビズム
*レッスン記録:ダリに参加する
*ダリとモチーフの引出し
*レッスン記録:ダリと創る
*レッスン記録:画集遊びと思考
*レッスン記録:ダリをお料理する
*レッスン記録:モチーフのイメージ
*レッスン記録:感得
*レッスン記録:お水に映る
*レッスン記録:最後のダリ


音の絵
*レッスン記録:鍵盤でお絵描き
*レッスン記録:太陽のトリル
*レッスン記録:お豆コロコロ
*レッスン記録:ぶどうポロポロ
*レッスン記録:イチゴのたね


創造
*レッスン記録:色をつくる
*レッスン記録:転遷
*レッスン記録:恒星と雫
*レッスン記録:2つの時
*レッスン記録:デビューとクワガタ
*レッスン記録:雪が咲く


音の作文
*レッスン記録:卵焼き
  *目玉焼き&玉子焼きじゃない理由
*レッスン記録:チョコパンとハンペン
*レッスン記録:ミックスジュース
*レッスン記録:サクサクのパイ


絵を聴く
*レッスン記録:林檎
*レッスン記録:道程
*レッスン記録:大きな松の木
*レッスン記録:見えない画面の物語
*レッスン記録:迷いと躊躇


■オトナのレッスン関連記事

識見
*ソナタ的お茶の日
*お散歩とテーマの変容
*メロディーに掛かる
*柘榴のポエジー
*譜読みの目標
*楽譜のページの向こう


成り立ち
*レッスン記録:ドレミ
*ピアノレッスンの主張
*レッスン記録:Dur


音楽史
*音楽史のレッスン
*レッスン記録:カメラータ
*レッスン記録:モノディと公会議周辺
*レッスン記録:純正律
*レッスン記録:ピタゴラス音律
*レッスン記録:ビデオと地デジ


ピアノを感じる
*ラヴェル音源とドビュッシーのフェイント
*レッスン記録:月の光
  *僕が見たイケメン生徒ちゃん


(スプレーン)
*レッスン記録:読み取り開始
*レッスン記録:記号の意図
*レッスン記録:フェルマータの場所
*レッスン記録:次回のピアノ課題

(月の光)
*レッスン記録:噴水
*レッスン記録:2冊目
*レッスン記録:人の文字
  *レッスン記録:衣装の絵
*レッスン記録:不離一体

(カッサンドル)
*レッスン記録:カッサンドル13
*レッスン記録:カッサンドルそして・・・
*レッスン記録:楽語

(グリーン)
*レッスン記録:君が眼に
*レッスン記録:感じがする



イベールにとっての物語

September 08, 2018

シャンプー後は、バスタオルに自分で身体を擦って拭いてるブルゴーニュ君。お利口さんです。


拭き拭きしたりされたりする時間が大好きみたい。


昨日のギャップのお話は、作曲家の意識と演奏者との間に起きる問題の伏線です。印象に対する色んな感想がある場合は相関図を組み立てることもできるでしょう。

だけれど印象が1種類に偏る場合に解決法が狭められる。

  *ギャップ


其の例では特に、作曲家と演奏者を隔てる溝は深く、
作曲家と、曲に触れる際に演奏者を通す聞き手との間に至っては大河で隔てられてるかもしれない。


演奏者と聞き手とを隔てる深い樹海は打ち遣るほか術がない。


隔たりはやむを得ない。でも、
隔たりがあると意識し続ける尊重が大切だと思う。

  *イベールの顔


事細かくおしゃべり風に指事を出してくるプーの譜面と違って

  *プーのおしゃべり


イベールのあえて抑えたような言語での書き込みは、
'聴いて・・・あとは音に書いたから' と言ってるかのようで、
育ちの良さと、落ち着きと、気分が安定した人の平らかな伝え方が既に彼の音楽の '部分' として曲に溶け込んでる。

最も大切に扱いたいところだ。
だからこそ例えばお話をくっつける類の案を是とできない。


有名な "イストワール(ものがたり)" をリサイタルプログラムにのせた時、解説の形を一瞬迷った。


10曲の曲集だからそれぞれお話のように構成すれば「聞キヤスイ」のかもしれないと頭を掠めたが、それに手を染めるのは間違いだと結論してやめた。


イベールの "ものがたり" は其処に既にあり、
作り話(下リンク)の貼り付けで彼の宝石箱を破壊することはできないと思った。

  *レッスン記録:迷いと躊躇

もちろんお家でママがベイビーちゃんに無償で弾き語るのに問題なんてない。対象は、演奏する音楽の責任を負うべきプロフェッショナルが入場料をとって行なう場合に限ってです。


'お話づけ' によって 'お話の都合' というものができる。


都合に押されて楽曲が歪む。都合と楽曲の間に齟齬が生まれる。辻褄合わせが入る。

その間イベールのエスプリはどこを漂うだろう?
奏者にも顧みられない辻褄合わせ時間、彼の居場所はない。


およそ「聞キヤスサ」の理由はお話がついてるからじゃあないのだ。最も間違えてはならないところに思う。

「聞キヤスイ水準」で作られたお話が、未知の国の未知のエスプリという煌めく秘宝を、「聞キヤスイ馴れ合いの所」まで引きずり降ろしたから「聞キヤスクなった」と錯覚するに過ぎない。

そんな手垢をつけても構わない曲... なんて申し方は心得違いだが、大きな括りでは容認してくれる曲だって他に幾らもあると思うのだ。

  でもイベールは違う。


あの生粋のパリジャンは、彼の呼気と奏者の吸気が音を介して小気味よく鳴り合う、シンプルだからこそ垢抜けた一種の '空クウ' に近い形こそ望んでいないだろうか。


どの道・・・

もしもイベールが "ものがたり" にもう1個作り話を貼り付ける仕業を野暮と考えず、可能性は極めて低いがもしも望んだとしたら、彼はコクトーにでもブルトンにでもピエール・ルイス(ルイスはドビュッシーのほうが親しかったそうだが)にでも頼むことができた。間違っても我々じゃないのだ。

唯一ソリューションはお話の断片のイメージ提示かもしれない。
ストーリーを持たなければ辻褄合わせは無用だから。


*イベールの顔



レッスン記録:迷いと躊躇

September 05, 2018

生徒ちゃん用のお席から見た生徒ちゃん用ピアノはこんな感じ。


サイズがわかりやすいC3を例に取ると其れより一回り大きなピアノですが、角度をつけずに写すと小っちゃく見えますね。

絵を聴いて、考えるレッスンの続きです。

  *レッスン記録:見えない画面の物語

当科目は「お話をつくる」のとは違ってるんですヨ。

お話を作ることが文字どおり「作り話」とならないためのトレーニング。だから物語を進めるためのお話づくりと、ある意味対極と言えるかもしれません。


具体的に申すと '木が鳥に向かってこっちへおいでと呼びました' っていうのは作者の都合で作られた、謂わば机上のお話です。


鳥に来てほしい松の木。
けれどもお隣の木へ行ってしまった。
その鳥をを呼ぶのです。
あなたなら易々と 'こっちにおいで' って言えるでしょうか?

あっちの方がいいのかナ? でも声をかけたいヨ、と迷い・葛藤するでしょう? 松の木も同じです。

「鳥を呼びました」で物語を進めてはいけない。
心はそんなに簡単じゃない。

今、絵と絵のイメージは楽譜そのものなのですもの。考えのない音を弾き流すレッスンの如くに進めてはならないところです。


幼稚園に上がる前の子供さんだって '仲間に入れて' '一緒に遊ぼ' って言うとき、勇気を出したり・怖さを覚えたりしますよね。


どんな小さな事にも心の摩擦があります。

嫌いな食べ物があること・食べたら褒めてもらえることの間で葛藤します。幼稚園の中だっていじめっ子が居たらば正義感と保身の狭間で小さな心の中に反目し合う2つの自分を持ちます。

松の木や鳥にそれらを映して心の情景を広げてゆくのが、曲を作るより大きな目的なんです。


松が声がけを躊躇する一瞬に休符が入りました。


鳥は行きたいと思っても風が強くて怖気付きます。
ここにも葛藤があります。風の中へ出られない鳥のひ弱さです。

もう1度呼ぶ松の木には先ほどのようなためらいはありません。
嫌われてはいない。鳥は来たがってるって自信をつけて
枝を揺すって呼ぶのです。

鳥は・・・


鳥は来そうになっては風の恐怖に心が折れます。


松の木が枝をもっと高く振って励ます様子を生徒ちゃんは松の枝の音高を上げて表現してます。

こうした細かな描写は自分自身が筆をとることで、作曲者のそれも汲み取れるようになってゆくでしょう。

とても素敵な描写だからこそ先生はもっと欲張りになって希望を口にしました。


松は心が強くなってゆくのに、鳥は風を怖がったままうずくまってる・・・


鳥はきっとそんな自分を好きでないかも? って。鳥が怖がってる気持ちをわかってあげて、松と一緒に見守ってあげましょうね? と松の木以外への視点の転換も求めてしまいました。

生徒ちゃんは回を追うに連れ、発想も表情付けも視点も本当に種類多く会得してくれてます。

ほんの少し残った補足はまた後日に。


■お教室関連リンク

曲を感じる
*ある白い花
*ままならぬ恋の花
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初期
*レッスン記録:音符イチゴ
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*レッスン記録:上の音
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*レッスンの成り行き
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*レッスン記録:指番号
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音符
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成長過程
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*ステップ


リズム
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幼児期の聴音
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暗譜
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アウフタクト
*レッスン記録:アウフタクトの導入
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音の絵
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創造
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音の作文
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  *目玉焼き&玉子焼きじゃない理由
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*レッスン記録:読み取り開始
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(月の光)
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*レッスン記録:楽語

(グリーン)
*レッスン記録:君が眼に
*レッスン記録:感じがする



プー "violon" と美容(2)

September 02, 2018

本を幾冊か処分した。


父がお下がりをくれたためにサインが入ってる本や、娘のためにと予めSと書き入れ手渡してくれた本たちは、読まなくなっても捨てづらく長い間手元に残してた。

記念に画像をあげながらプー "violon" のおしゃべりの続きを。
個人様宛に書いた事柄を振り返って纏めておきます。

  *プー "violon" と美容(1)


16小節目 presque exagérément lié のニュアンスも理解困難なところ・・・


多くは A—h— 若しくは A——h と歌って魅力を失う。

A—h—! じゃない。
A——h! でもない。
Ah!—— なのだ。

エクスクラメーションマークを歌うと言って過言ではない。
[ ! ] で吐き切ってしまうくらいの音勢で。

このマークが何か考えてみると判り良い感じがする。
'あ~' の付属品? 'あ~' の強調? まさか。

'あ~' なんてのは強調すべきものだろうか?


違う。Ah「!」だ。


それ自体が呻きに変わるほどの幅を備えて、つまり
ces gémissement tendus と続く詩のように tendusで。

張り詰めたもの。
他人が触れられないほど張り詰めた美しさで。

'あ~' じゃあないのだ、断じて。
難しいけれど歌だからこその魅力が詰まった小節。


息を吐き切ると書いたのは口内と喉の息を吐き切るだけで
音は繋がってる。幽かに。


可能なら一瞬間だけ下唇を閉じ気味にして鼻に抜いても良さそうに思う。

音量は幽かだがその繋がりはめくるめく感情の体感として1続きのものじゃなきゃならないだろう。


ピアノパートを見てほしい。

LaとSiが陰気に残酷に鋭くぶつかるところが強く吐くエクスクラメーションマーク付きの 'アッ! ' に重なり、

声を吐いて消えたかに思えた一瞬ののち、次拍でピアノパートは俄かに弱音に変わり、撫で摩るようなタッチの逆付点で官能を誘う。


其うしたピアノパートに乗せて途切れず小さく続いていた声は、


半拍後には濃艶さを増しながら音の膨らみを抱きしめるように増大する。これがフォルテの中の 'exagérément lié' の実相じゃあないのか。

2018年現在の考えです。


■ブルゴーニュ君のプーランク
*お昼寝の曲
*雨の日のお昼寝動画
*可愛い音符


■プーランク楽曲関連
*プーのおしゃべり
*プー "violon" と美容(1)

*プー&モツと摩擦
*爛熟、プーランクと爛れ
*腹巻FP146
*カラフルな月
*プー "ノヴェレットNo.1" の生地
*プーランク:一篇の。
*純真
*パレ・ロワイヤル
*似てるモノ・違うモノ
*プー、スケールに泣いた日
*モテヘア&モテメイク


■プーランクの気配
*パリのプーランク
*プーランクとシュレアリスム
*ラファエル前派とカードアイコン
*プーランクのテクスチャー
*フランスの特権

*プーランクで麻酔
*プーと共感
*プーとペダル
*ダダとプーと苦いコーヒー
*小さな副作用とプー


■プーランク歌曲&デュオ関連
*プーランク "ロマンツァ"
  *ロマンツァその後
*フランスとルイーズ
*カフェは難しい・・・
*プーランク x ルイーズ
*神のないルイーズとフランス
*ルイーズのチーズ
*ルイーズの赤
*思い出の硝子瓶 + ルイーズ
*ルイーズのお稽古
*落日の色、ヴィオロン音源up
*プーランク "花" 音源up
  *枯れた花のお手紙
*女心とアンドレ婦人
*PJにてプーランク・マズルカ
*プーランク "草むらの中で"
*舌切り雀、Il vole


■クラブ・プーランク関連
*クラブプーランク中間報告
*クラブプーランク延期のお知らせ
*冬のお腹
*裏切者~
*クラブP第6回ありがとうございました
*12月3日クラブP第6回
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*夜道
*チョコメモ、プーランク、師弟
*プーランクの朝
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*教養と無秩序
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*今日は楽しみましょ~♪
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*お出迎え
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*プーランク遊び
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*クラブ・プーランク



プー "violon" と美容(1)

August 31, 2018

前にメールでプーの "ヴィオロン" のお話をしてた。


歌い出しのtrès liéの意味を、私は実際のリエゾンに限定しないで「女の香りが途切れないように」という理解の元にliéの形を探るのが正解に近いと考えた。

coupleの冒頭語句にフォルテと書かれてるのを見て何パーセントかの歌い手さんは 'ク' に当てる時に大きく声を出そうとする。

すると日本語の 'ク' に近い発音を免れなくなる。しかし回避するのは割と簡単。


couはあくまで無声音として「息をフォルテに高める」。


音がフォルテじゃなく息の勢いがフォルテと考えるとフォルテの意味は変わってくる。

ルイーズにとってcouple amoureuxは1つの風景または心象に過ぎず、coupleを思い入れたっぷりに歌い込むフォルテの風に扱うと目的が違ってしまう。

この場合のフォルテとは、
開いたドレスの豊満な胸元に、細い鼻根の美しさに、前奏の無言の内にも圧倒的なエロティシズムを発散するオンナの第一声に注視させるcouであってすら構わないのじゃあないか。


très liéは例えばルイーズの性格を備えた歌い手さんの


眉頭を強く描き眉尻を大きく下げるメイクのなまめかしさに釘付けられた視線を、鼻背の影・顎先・なだらかなデコルテへと繋げるlié。

言い換えれば「視線を離させないlié」であり芳香で酔わせることを止めぬliéである前提にあって音楽を作るのが可能で、どうしても音を繋げなければならないとは私は考えないのだ。

なんていうか・・・歌い手さんにとってルイーズの歌詞ほど美容に良いものは少なかろうって思えるくらい、ルイーズによるオンナへの手招きは並一通りではない。


其うした曲のお話の中でお返事しそびれた小節がある。
体力が尽きて書ききれなかったんだった。


32小節目quasi parlandoから33小節目mF subitoは以前当曲に触れたフルート奏者も疑問を口にしてた。

随分前のことだったけど確か此処でのsubitoは例えば「自分の力で」以ってして「subitoだからすぐに」と意識する場所とは違ってると答えた覚えがある。

古典のような対比のsubito、つまり強と弱のsubitoや速と遅のsubitoとは完全に出処が異なるのじゃあないか。


20代~30代の大竹しのぶさんが顕著な例として浮かんだ。


お話しになる内容と表情変化の間に少なからぬ時間差と軸の弯曲みたいな不整合があり、

それは決して齟齬や不和じゃなくて大層魅力的なものだった。

間隙であり、残余でもある其れが引力になり、不思議なアンマッチが相手の心にさざ波を立てて '今の表情は何? どういうことだろう? ' と思わせてしまうような、平たく言えば魔性性の表情なのであり

言うまでもなくルイーズが、あまた持っていた才の1つだ。


裏を返せば 'そのsubitoはどういう意味? ' と悩むのは男側であらねばならず、女性の歌い手さんは悩むほうじゃなくて悩ませる側に回らなければならないsubito。


譜面に悩んで納得するに留まらず、次は聞き手に「納得できない心情」を与えなければならないのだ。

'え? どういうこと? 今のは何? ' と。

其の答が un fruit inconnu なのだ。


■ブルゴーニュ君のプーランク
*お昼寝の曲
*雨の日のお昼寝動画
*可愛い音符


■プーランク楽曲関連
*プーのおしゃべり

*プー&モツと摩擦
*爛熟、プーランクと爛れ
*腹巻FP146
*カラフルな月
*プー "ノヴェレットNo.1" の生地
*プーランク:一篇の。
*純真
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*プー、スケールに泣いた日
*モテヘア&モテメイク


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*ラファエル前派とカードアイコン
*プーランクのテクスチャー
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*プーとペダル
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*小さな副作用とプー


■プーランク歌曲&デュオ関連
*プーランク "ロマンツァ"
  *ロマンツァその後
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*カフェは難しい・・・
*プーランク x ルイーズ
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*ルイーズのチーズ
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*ルイーズのお稽古
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*プーランク "花" 音源up
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*女心とアンドレ婦人
*PJにてプーランク・マズルカ
*プーランク "草むらの中で"
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*プーランクの著作権
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*クラブ・プーランク



ボードレールの挑発と真意と音楽

August 15, 2018

子供の頃に背伸びして、解らないままフランス詩を読んで
どうして此の人はこれ程に怒り散らしてるの? って疑問だった。


綺麗なものを謳うのが詩だと思ってた。詩を書きながら詩に立腹し、文学をしたためながら文学に憤怒してた彼ら。
大切な著書に1等顕したいのが憤激だってことが不思議だった。

愚かな子供だった。筆者は怒りの出所さえ解しない不埒者が書物を手に取るなんてと一層激怒したでしょう。

  理解せぬなら触れるな!

書物のページからそんな叫びが聞こえた。


子供じゃなくなった自分は昔とは違う。彼らが求めるものに本当に気づき始めたかどうかは自分の判断するところではないが、


  彼らが何故怒りを抱いたか極々解るつもりになっている。
  否。文芸に怒りを持たない人間を理解できなくなった。


《パリを描写した者たちのうちで、バルザックはいわば素朴派である。彼の描く人物たちは、彼らが行き来する街路よりも大きい。ボードレールは、建物の海を、家の高さにまで及ぶその波とともに描き出した最初の人だ。》

《 'ボードレールというのは.... 一種の短剣である。....両刃で幅が広く短いボードレールは.... 持つ手が切っ先に近いから、一撃で確実に荒々しく突きささる。
' ヴィクトール・エミール・ミシュレ "霊媒たちの顔" 1913年》

    ベンヤミン著 "パサージュ論2ボードレールのパリ" より

             (今村仁司様/大貫敦子様/高橋順一様
             塚原史様/吉村和明様/三島憲一様
             村岡晋一様/山本尤様/横張誠様/
             与謝野文子様/細見和之様訳)

これらは1つの推奨されるべきものの肯定が、過去に是とされた別のものの否定になる現実を突きつけ合うのを躊躇しない人の横顔でもあるでしょう。


芸術を探し求め、堕落に逆上する彼らの存在への安堵。


芸術を腐敗させ、芸術でなくさせる者への彼らの憤りは静穏なゆりかごのようだ。

  *夏のおやつと本

病人になったことによって、違う場所から関西という小さい一地方の音楽界を眺める時の心境と正反対の安堵を彼らはくれる。

辺りに転がってる音楽ごっこからは決して得られない安堵を、怒れる思想家が与えてくれる。

音楽界とかいう名前は一応ついてはいても、此処私の周りでは誰も発狂せず、芸術原理に血へども吐かない。
芸術の定義を巡って人を殴るほど興奮する人もない。

何なんだ?

1人1人には違った苦しみがあろうものを、演奏する時は何故か '楽しみです' とか '幸せ♪ ' とか言わなければならない決まりでもあるかのように『そんなセリフを口に乗せてる暇に考えねばならない事』には誰も(すくなくとも人前では)口を開かない。


口に出すのは演奏の難易度とかいう、取り立てようもない事柄くらいだ。


難易度なんてものは漢字ドリルを埋める子供でも、或いはトイレの場所を憶えなければならない子猫でも、大き過ぎるお砂糖粒を運ぶ蟻でもやってる、ごく当たり前のチャレンジのしんどさと喜びの話に過ぎない。

油物のお皿洗いと何ら変わらないのであって、音楽など関係なしに万人が重ねてる。
通勤ラッシュに毎日耐える方々が体験なさる難易度より、音を美しく出すほうが難しいわけもない。

ラッシュアワーが音楽に関係ないように、曲の 'ナンイド' なんていうわけのわからないものも音楽と接点はない。

困難なのは高めることだ。
美学として思想として昇華することだ。
それ以外に何も必要はないじゃあないか。


■ベンヤミン関連リンク
1巻
*本欲しいなあ
*ミュゲとパリの始まり
*地球儀と室内と解放
*カラビナ・日常・本
?僕んちのどうぶつ達
*息詰まるフリーク
*1919
*
*楽譜のページの向こう
*ステップ
*監獄・アンチつるつる
(1巻のご紹介に際しまして訳者様の今村仁司様と高橋順一様のお名前に文字の誤りがあったと後に気がつきました。大変申し訳ありません)

2巻
*夏のおやつと本

■ダダ関連リンク
*ツァラ、にぎやかな絶望
*プレイ
*ダダのお寿司ネタ
*ダダとプーと苦いコーヒー

■ちょっとだけアラゴン
*パノラマ
*優しく辛辣な女と、田分けた男



イベールの顔

August 10, 2018

ジャック・イベールのイストワールで遊んでみることになった。


本番じゃあなくて内容も決めてないお遊び。
折角与えられた日を、この曲集の何を託す機会にしたいか
或いはするべきか、心中を整理したくなった。

イベールといえばある時ボザ曲の伴奏をしてた日を思い出す。

ウジェーヌ・ボザという作曲家はピアノソロでは出会わないから親しんでなかった(楽曲を耳にすることはあっても譜面を研究する機会は1度もなかった)が、管楽器に関わってるとピョコピョコお顔を覗かせてくれる。


いざ自分が弾く段になったとき、指の位置や次の音への運び方がイベールに似てるなあと思った。


何となく流れてる曲を耳で聞いて共通項があると感じるものとは別に、鍵盤上での配分によく似たところを感じた。

ボザのバイオグラフィを読んでみるとジャック・イベールに師事とあって成る程と思ったんだった。

鍵盤配置が師弟で似るのは、感覚の問よりもボザがイベールの指南に忠実だった証に思えて何か微笑ましく興味深く感じたものだった。


師としてのイベールが居るように、イベールにも先人が居る。


イベールより幾十年か前に同じローマ大賞を受け、それもイベールが選んだのと同様のカンタータのジャンルで受賞していた先人が。

彼、ドビュッシーがプレリュード集で行なったタイトルの試みは
今では万人の識るところとなって、
曲冒頭にタイトルを置かない意図も広く理解されてるでしょう。

タイトルが先行して曲イメージを支配するのじゃなく
最後の音の後ろにそっと添えられる。

まるで私たちが鍵盤から指を離し背を向けたあとで静かに打寄せ岸を洗った一つの波頭の泡のように。


嗚呼しかし人々はどうしてドビュッシーを見つめるようにはイベールの顔を見ようしないんだろう?


曲のはじめにはナンバーしか書き入れず、曲の末尾に丸括弧の中で幾つかのポワン付きで

--- ドビュッシーは (....タイトル) と前にポワンを入れていた。
  イベールは (タイトル....) と後になっている ---

囁きのように、音世界を壊さぬように、
脆くなよやかな感覚の領域を汚さぬように、
小節から零れた音の滴を集めて最後に文字に変えたものが

無作法な土足の人間たちによって、'この曲に亀が出てきますよ' だの 'ロバが走っていますよ~' だの限定される。目を曇らせたまま乱暴に自分の生活圏内へ楽曲を引きずり込む時もやはりイベールの顔を見ようとはしない。


絵画の上から油性マジックで塗り直すような暴挙と自覚しづらいのは、それが音楽という形なきものだからか。


ボルハの教会のキリスト画の修復に目を疑った人々も
イベールの顔を歪ませる改竄には無頓着になる。

あのフレスコ画のような事件が音楽に於いて日々彼方此方で起こってるというのに?



プーのおしゃべり

August 09, 2018

朝6時にお店が開くのを海辺の段々に腰掛けて待ってるところ。


何気なく座る時だってブルゴーニュ君は躰を重ねるように押し付けてくる。

  各自が癖をもってる。
  ワンコにだってあるんだから
  才気溢れる作曲家なら尚のこと。

プーの楽譜に指示されるされるのは、もはや楽語じゃない。
プーのおしゃべりだ。


自曲に関しては口うるさく、"君らは此う弾くだろうから予め言っとくけどね" って調子で顎を上げるプー。


示した事柄が誤解曲解されるかもしれない可能性を完全に潰しておきたい、って気持ちが感じられるおしゃべり。

曲を下手くそに弾かれるよりも、自らのニュアンスと意図、
つまり自らのエスプリが洗練されないものと一緒にされるのが我慢ならないかのように。

  私にはそう思えて仕方がない。


プーの指示はプーを正しく演奏するための指示じゃない。


プーが憎む '美しくないもの' との差別化を徹底してほしいという強い願いがこもったおしゃべりだ。

彼がたまに示す 'OOのように' の例が既に独特で、'先んじて僕と君のOOに対する印象は同じかね? と聞いておくよ' と心の声まで聞こえるようだ。


言葉を如何なる形で用いてゆくかが分野問わず永遠の大きなテーマである国の、言語が聞こえる音楽。そして音楽を作る最大の環境である言語という名の一種の音楽。


その両を感じさせるプーの音楽と、音楽を用いたおしゃべり。
ドビュッシーピアノ曲の其れとはまた異なり
ジャック・イベールのとも違ってる。

日本も同じだ、1人ずつ異なる言葉の使い方をする。
あなたとあなたの家族でさえ、1つの物に異なる表現を使う。

何故作曲家が残した言葉を視ないでいられるだろう?
視ようじゃないか。


■ブルゴーニュ君のプーランク
*お昼寝の曲
*雨の日のお昼寝動画
*可愛い音符


■プーランク楽曲関連
*プー&モツと摩擦
*爛熟、プーランクと爛れ
*腹巻FP146
*カラフルな月
*プー "ノヴェレットNo.1" の生地
*プーランク:一篇の。
*純真
*パレ・ロワイヤル
*似てるモノ・違うモノ
*プー、スケールに泣いた日
*モテヘア&モテメイク


■プーランクの気配
*パリのプーランク
*プーランクとシュレアリスム
*ラファエル前派とカードアイコン
*プーランクのテクスチャー
*フランスの特権

*プーランクで麻酔
*プーと共感
*プーとペダル
*ダダとプーと苦いコーヒー
*小さな副作用とプー


■プーランク歌曲&デュオ関連
*プーランク "ロマンツァ"
  *ロマンツァその後
*フランスとルイーズ
*カフェは難しい・・・
*プーランク x ルイーズ
*神のないルイーズとフランス
*ルイーズのチーズ
*ルイーズの赤
*思い出の硝子瓶 + ルイーズ
*ルイーズのお稽古
*落日の色、ヴィオロン音源up
*プーランク "花" 音源up
  *枯れた花のお手紙
*女心とアンドレ婦人
*PJにてプーランク・マズルカ
*プーランク "草むらの中で"
*舌切り雀、Il vole


■クラブ・プーランク関連
*クラブプーランク中間報告
*クラブプーランク延期のお知らせ
*冬のお腹
*裏切者~
*クラブP第6回ありがとうございました
*12月3日クラブP第6回
*クラブP第5回ありがとうございました
*夜道
*チョコメモ、プーランク、師弟
*プーランクの朝
*打合せ
*クラブ・プーランク5eme
*教養と無秩序
*クラブP4emeありがとうございました
*今日は楽しみましょ~♪
*チェロソナタのピアノパート
*プーランクと遊ぼう4eme
*お出迎え
*ファリャとプーランク
*クラブ・プーランク第4回
*クラブP第3回終了デス
*プーランクで遊んでます
*プーランクと遊ぼう
*デートとクラブP
*クラブPのコンセプト
*プーランク遊び
*プーランクと伊達
*プーランクとカミュ
*プーランクの著作権
*プーランクと運命の人?
*クラブ・プーランク



エフがゴネる

August 04, 2018

横になったまま写した写真。
昨日は辛い1日でした。


全身で痛くない所を探すのが難しいくらい加減が悪くて
どんな姿勢で寝ても、どこかに負担がかかる。
熱も出てきて、極めつけは喘息の発作まで。

もう勘弁って泣きたい気分でした。
色んなことが良くなってるところもあるけれど、時々厳しいコンディションに追い込まれて消耗することも。


気持ちをたくさん助けてくれるブルゴーニュ君が、病気の飼い主のせいで楽しみが減ったりしないように、って思い続けてる。


ブルゴーニュ君の生活を左右しないよう踏ん張るけど、昨日みたいに全く動けない日もある。

そんな日もベッドでずーっと一緒に居てくれる。
傍でゆっくり寝るの嬉しいネ、ってピトッと躰を寄せてくる。

ブルゴーニュ君の存在にどんなに励まされてることでしょう。

明けて今日は比較的改善してます。
昨日の加減の悪さは思い出してもゾッとする。

  上下左右から圧迫されて心まで狭まってしまうような
  まるでエフが、ぐずり出した時のようだった。


何が始末に困るって、エフは何が厭でどうすれば直るか示さないまま、ただぐずる。


僕こんなに悲しくて可哀想、と言い募るが改善策を提示しない。

エフとの40年の付き合いで、彼の場合ぐずるのが目的だと私は思ってるが、周り中がこぞって 'エフ君どうしたの? 何が気に入らないの? ' とご機嫌取りを始める。

やれやれ。それは気に入らない事がある=ぐずって良いと肯定したも同然じゃないかと忸怩たる思いになりながら無視する。
何なら大人に見えないところで足くらい踏みつけてやる。

周りの大人は、エフがむずかってる理由を知ろうとする。
エフ心理に其んなの益無い事なのに。


何故って彼自身が自分を知らない。


周りがお膳立てしてくれる(低評価・罵倒を受けない)ことだけは知っている。

そこに胡座をかくほど性格は悪くないが、そこに都合よく依存してると気づこうとしない無神経さはもっている。この種類の人間が [デリケート] に感じる対象は自分の痛みだけだから。

基。
むずかる理由だが、問われてエフはキャラメルがないからじゃあないかと思い立つ。

真に自身の心の底を見ての答えではない。
もしかしてキャラメルがあったら僕ちゃん機嫌直るかな? と
その時は本当に思うのだろう。

思いつきで物を言う男ほど信用できないものはないのに
大人たちはエフのメロディーの美しさにポーっとなってるので
そんな風には考えない。

大急ぎでキャラメルを用意する。


エフは笑顔になる。僅か1小節と2拍ほどだけ。
笑顔を見て大人たちはハッピーらしい。私は白けて横を向く。


エフがキャラメルを口に入れる。
エフは顔を顰める。
歯について厭だとむずかる。

そら見たことか。姉の私は密かに、エフめキャラメルを喉に詰まらせて咽せろと願いながら目を眇めて見ている。

大人たちは歯につかないキャラメルを探し始めるが、
エフ曲は既に最初の「キャラメルが無いからゴネた」事実など関係なくなっており、「歯が気持ち悪い」から「背中がむず痒い」に移行してむずかり始める。


胸を突くようなメロディーで背中の僅かな不快感を訴える。
背中のムズムズだろ? 滑稽じゃね? と茶々を入れたくなる。


大人たちは寄ってたかって背中を何とかしてやろうとする。

しかし背中問題のお次はお皿の形の問題に変わり、お茶の熱さが気に入らなくなり、どんどん大騒ぎになってゆく。

無意味に思えるクレシェンドとフォルテシモが、何故かミルクピッチャーに関しての叫びであることに私の心は冷え切る。

八方塞がりだ。勝手にしろよ、と思う。

緊張感高い和音が響き渡る。


ミルクピッチャー騒ぎのようになった時のエフは、転回形をあまり使わなくなる。ただでさえ緊張感ある和音だのに根音をやたらとバスに持ってき始める。

こうなると大人たちも遠巻きになり、話ができなくなる。

  そして突如すべてが止むのだ。
  昨日の痛みのように。


終結部だ。
あれだけ大騒ぎしたんだから、「いっぱいゴネてごめんね、みんなありがとう」って結びを無意識に予測する。普通音楽家なら提示されたテーマを受けた収束を予期して当然だ。

エフは最終段で静かに呟く。
「キャラメルさえ、あったらなあ」

  ええぇぇ~~?!?!
  マジですか?!

私にはエフがわからない。

**


そう軽くはない病気の上に、全世界に膨大に居るエフの熱烈な支持者をたった1人で敵に回すほどフラストレーションが溜まって書き散らかしてしまった。ごめんなさい。

ま、タイトルは誤りでゴネてるのは私ですね。
今日はエフを思い出す痛みはないです。


  ■これまでのお話
    ♪エフ動画
  *エフ
  *エフに狭まる心
    ♪音を届ける
    ♪ある寒い秋の日に
    ♪1匹の聴衆
  *エフと、プーの消化と、フォーレの濾過
  *エフ。収容期間終了
  *エフ。女の言葉と男の語り
  ♪エフとお国訛り抗争
  *エフ。必須の紋所・無言の執拗
  *エフとドビュッシーの白
  *エフとお食事会
  *エフと歯磨き
    *シャポンのアガーツ
  ♪エフとの関係
  *エフの言わずもがな
    *褒められた自慢のアレが
    *ムンクの震慄



レッスン記録:大きな松の木

July 22, 2018

セザンヌ画を用いる '絵を聴く' 課題はとっても楽しかったのです。

  *レッスン記録:林檎
  *レッスン記録:道程


此の回は "大きな松の木" という絵。
徐々に音楽そのものへのアプローチに近づいていきました。

1つ前のカリキュラムで '音の作文' を始めたことも大いに役立ちます。様々な食材を口にして、お味に留まらず食全体を識ってゆくような体験を。


絵を見てお話し合いをはじめます。


先生が考えのサポートをしたりまとめたりしてお手伝いします。そうするうちに自由に何でも感じたことを表して良いんダって思ってくれるようになってきました。

生徒ちゃんは風が吹いて木が揺れてるって言いました。
向かって右側の小さなものは鳥だと言いました。

其して、風に揺れる枝を太い音の和音で書き、鳥の声をトリルで加えました。


此処までは食べた物を描写する '音の作文' と共通です。
異なるのはこの先、絵がどう動くかを考えること。


絵の見方のレクチャーじゃなくて音楽の触れ方の体験ネ。

描かれた絵の一部(曲のフレーズ)から、画家(作曲家)が見てる風景全体(楽曲背景)を考えるお遊びです。


木は風を受けて何を思ってる?
木は鳥が居ることに気づいてる?

  --- 気づいてる


鳥のほうはどう思ってる?

  --- 隠れる所を探してる

どこに隠れると思う? この木? それともこれの右隣にある(描かれてない)木?

  --- 隣の木

木は鳥が好き? 鳥に来てほしかった?

  --- 来てほしかった


鳥はどうしてお隣の木に行ったのかな?

  --- 他にも鳥が居たから


そっか。じゃあ木は、お隣の木みたいに
鳥がいっぱい来る木になりたいね。

  --- うん、羨ましいと思ってる


こんな会話全部を音にして書き出します。

食べた美味しさを曲にした音の作文は、有る物の描写でした。
今度のは、前に有る物を見て後ろに有る物を考える遊びです。

  *監獄・アンチつるつる

写し出されてはいないけれど其処に漂っている想いを丹念に追い、演奏に必須の能力を培ってゆくのです。


■お教室関連リンク

曲を感じる
*ある白い花
*ままならぬ恋の花
*2枚目の扉
*白い花の贈り物


初期
*レッスン記録:音符イチゴ
*レッスン前の時間
*レッスン記録:オクターブ
*レッスン記録:メダカのドレミ
*レッスン記録:スタッカート

*レッスン記録:楽譜を作ろう!
*レッスン記録:上の音
*レッスン記録:痩せたメダカ
*レッスン記録:カタツムリ
*レッスンの成り行き
*レッスン記録:イチゴのタイ
*レッスン記録:指番号
*レッスン記録:音の実

*レッスン記録:復習とカメ
*レッスン記録:音ブロックで曲を弾こう
*レッスン記録:好きな曲を作ろう!
  *緊張するレッスン
  *泣いちゃダメ?
  *レッスン記録:下地(1)色
  *レッスン記録:下地(2)味


記号
*レッスン記録:ト音記号
*レッスン記録:臨時記号


音符
*レッスン記録:音符の長さを憶えよう
  *子供の絵、母の悩み
  *レッスンと色
*レッスン記録:音符の向き

*レッスン記録:十六分音符
*レッスン記録:床の五線
*レッスン記録:紙粘土
  *先生の真似

*付点音符を憶えよう
*レッスン記録:付点音符のサイズ
*レッスン記録:小節に触る


成長過程
*レッスン記録:記憶の拡張

*7ヶ月でカバレフスキー
*お庭レッスン

*レッスン記録:香りレッスン
*レッスン記録:ハーモニー体験

*レッスン記録:ハンカチのしみの音楽


ヒント
*レッスン記録:お菓子パーティー
*レッスン記録:付箋を使う
*練習カウンター
*メトロノームの思い出(1)
*メトロノームの思い出(2)

*ハノンと恋
*プー、スケールに泣いた日
*プレイ
*ステップ


リズム
*レッスン記録:リズム解き
*レッスン記録:食べ物カード
*レッスン記録:楽語とリズム
*レッスン記録:リズム聴音


幼児期の聴音
*レッスン記録:はじめての聴音
*レッスン記録:寒暖の和音


暗譜
*レッスン記録:はじめての暗譜
*レッスン記録:楽譜の道筋
  *1年間のレッスン記録


お指トレーニング
*レッスン記録:音階練習
*レッスン記録:指遣いのカリキュラム
*レッスン記録:音階と和音


アウフタクト
*レッスン記録:アウフタクトの導入
*レッスン記録:アウフタクト実践例
  *レッスンこぼれ話:ピンクのうさぎ
*レッスン記録:なめこぐま
*レッスン記録:はじめてのバラード
*レッスン記録:ぬるぬる


音階遊び
*レッスン記録:シマエナガ式ケース
*レッスン記録:フェーブの音階
*レッスン記録:音階理解をシンプルに


お箱遊び
*レッスン記録:雪のパーツ遊び
*レッスン記録:お箱遊び
*レッスン記録:異名同音
*レッスン記録:異名同音 'として'
*レッスン記録:お箱卒業の日


画集遊び
*レッスン記録:画集遊び
*レッスン記録:ポムポム・キュビズム
*レッスン記録:ダリに参加する
*ダリとモチーフの引出し
*レッスン記録:ダリと創る
*レッスン記録:画集遊びと思考
*レッスン記録:ダリをお料理する
*レッスン記録:モチーフのイメージ
*レッスン記録:感得
*レッスン記録:お水に映る
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*レッスン記録:鍵盤でお絵描き
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*レッスン記録:ぶどうポロポロ
*レッスン記録:イチゴのたね


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*レッスン記録:デビューとクワガタ
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音の作文
*レッスン記録:卵焼き
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絵を聴く
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監獄・アンチつるつる

July 21, 2018

水色~♪


折角1本ずつ違うネイルなのに、間違って爪先クリアじゃないストッキング履いちゃって何だかわからなくなった。アルアルです。

猛暑の中を病院へ。
日傘なんか翳したってアスファルトからの強烈な照返しで焦げちゃいそう。

詰まった通院は今日で一段落。
来週は息抜きができる、ってニンジンぶらさげて頑張ってました。


暑さの中で監獄の匂いを想像した。


舐めるように読み込んでそろそろ読み終わるベンヤミンの1巻にシャトレ監獄の地下牢のメモがあった。

《鎖の端には首枷があった。この地下牢には、ガレー船での強制労働を課せられた囚人たちが、トゥーロンに送られる日まで入れられているのだった。ここの梁の下に押しやられると、暗闇に揺れる鉄の首枷が彼ら一人一人を待っていた。

....ものを食べるときは、彼らは泥の上に投げられたパンを、踵を使って脛づたいに手の届くところまで持ち上げるのだった。
....この地獄のような墓場で、彼らは何をしていたのか。

墓場でできること、つまり死に瀕するのだった。
地獄でできること、つまり歌うのだった。


....隠語のシャンソンのほとんどすべては、ここで生まれた。》


   (V.ユゴー 1881年 "レ・ミゼラブル" 地下のパリ)

     ベンヤミン著 "パサージュ論1パリの原風景" より

             (今西仁司様/大貫敦子様/高橋淳一様
             塚原史様/三島憲一様/村岡晋一様
             山本尤様/横張誠様/与謝野文子様訳)

そうだ地下だ。

音楽は地下で生まれる。
作曲家の内臓で作られる。

楽しげなシャトレのマーケットは地下に大シャトレ監獄時代の囚人たちの血が染み込んでいる。

  *パリの歩き方

血だけじゃない。

ヒューマンであることを忘れた囚人が数多く存在し、
そのため向合う看守もまたヒューマンであることを棄ててゆく、
救いのない領域の澱が染み込んでる。


大屠殺場跡が撤去されても血生臭い匂いが消えなかった街。


臭気に満ちていた街。
血と糞尿と肉の汁が下水に流れ込んでいた世紀。

歴史は地底が知ってる。

私は地底を見たい。
存在したものは見なければならない。

音楽の底を見たい。
作曲家の血管に音が流れる映像が見たい。

我々は何もかもをなかった事・居なかった者にし過ぎだ。
何故音楽の何もかもが此うもつるつる摩擦なく運ぶんだ?
総勢が笑顔に飼いならされようとするかのように。

  *モテヘア&モテメイク
  *プー&モツと摩擦

コーリャ・ブラッハー氏とエリック・ル・サージュ氏が演奏なさるプーのヴァイオリンソナタは、蓋をしてはならない物事の側面に触れなければという衝動を掻き立ててくれる。


■ベンヤミン関連リンク
*本欲しいなあ
*ミュゲとパリの始まり
*地球儀と室内と解放
*カラビナ・日常・本
?僕んちのどうぶつ達
*息詰まるフリーク
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*
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*ステップ

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*プレイ
*ダダのお寿司ネタ
*ダダとプーと苦いコーヒー

■ちょっとだけアラゴン
*パノラマ
*優しく辛辣な女と、田分けた男



プー&モツと摩擦

July 15, 201

先日はマッサージに行けました。


だいぶ前、マッサージ行ってきていいですか? ってお尋ねした時はドクターが、どこに癌が飛んでるかわからないし骨やリンパに影響があるマッサージは待つように仰ったのでした。

ゴリゴリしてるうちに悪いものがリンパ液に乗って何処かに進んじゃうなんて、何だか怖いイメージよね。

そんな頃は行けなかったマッサージを久々に訪ねることができて嬉しかった。


マッサージルームにモーツアルトのピアノコンチェルトNo.21が流れてて、楽曲の事を考え込んでるうちにマッサージ終了。


うそ~、残念。やっと叶ったマッサージをすごく楽しみにしてたのにモーツアルト以外何も憶えてないなんて(涙)


Durで先行した同じメロディがmollでなぞられる箇所 (そうした例は沢山ありますよね) で刺激を受けなかった現象を自分で 'ん? ' ってなったの。ピアニストさんが其処を特に聴かせる風に弾いてらしたにも関わらず。


モツを好きなプーが同様の手口 (プーのは '手法' ではなく共感と愛を込めて '手口' と言いたい) を用いる時、


私たちはハッとして、逆撫でが生じさせるような種類の快感を覚える。対してモツでは毛並に沿ってひと撫でされるライトな快適さが先に来る。

それはどちらが優れどちらが劣るっていう並べ方とは異なって、
Durからmollへの意味づけが異なるのだって実感しました。


近頃はコーリャ・ブラッハー氏のプー演奏が気に入ってる。言わずと知れたベルリンフィルの最年少コンマスだったお方。


耳にしてきたのは殆どドイツ・ロマン演奏ばかりで他は知らなかった。夫のCD棚を拭き掃除中に目に止まって取り出した。

先日文句を書いてた、つるつるしたフルートと違って摩擦感が好きでした。

  *モテヘア&モテメイク

爪を立ててくる・駆ける・呼ぶ・シャンソン風に震わせる喉のような弦の揺れ。他者を取り残して独り走るプー風なところも含めて、道理の通りじゃない音楽を素晴らしく操られてた。

ごく個人的な感想では、氏の才能も演奏も音も豊かすぎてプーの悪趣味は少し削がれ気味かもしれないけれど。不健全な粗暴さが加わった、もっと下手な演奏も好きかも。それが今求める '摩擦' でもあるから。

そして気づいたらマッサージ終わってた。
残念すぎる。


■ブルゴーニュ君のプーランク
*お昼寝の曲
*雨の日のお昼寝動画
*可愛い音符

■プーランク楽曲関連
*爛熟、プーランクと爛れ
*腹巻FP146
*カラフルな月
*プー "ノヴェレットNo.1" の生地
*プーランク:一篇の。
*純真
*パレ・ロワイヤル
*似てるモノ・違うモノ
*プー、スケールに泣いた日
*モテヘア&モテメイク

■プーランクの気配
*パリのプーランク
*プーランクとシュレアリスム
*ラファエル前派とカードアイコン
*プーランクのテクスチャー
*フランスの特権

*プーランクで麻酔
*プーと共感
*プーとペダル
*ダダとプーと苦いコーヒー

■プーランク歌曲&デュオ関連
*プーランク "ロマンツァ"
  *ロマンツァその後
*フランスとルイーズ
*カフェは難しい・・・
*プーランク x ルイーズ
*神のないルイーズとフランス
*ルイーズのチーズ
*ルイーズの赤
*思い出の硝子瓶 + ルイーズ
*ルイーズのお稽古
*落日の色、ヴィオロン音源up
*プーランク "花" 音源up
  *枯れた花のお手紙
*女心とアンドレ婦人
*PJにてプーランク・マズルカ
*プーランク "草むらの中で"
*舌切り雀、Il vole

■クラブ・プーランク関連
*クラブプーランク中間報告
*クラブプーランク延期のお知らせ
*冬のお腹
*裏切者~
*クラブP第6回ありがとうございました
*12月3日クラブP第6回
*クラブP第5回ありがとうございました
*夜道
*チョコメモ、プーランク、師弟
*プーランクの朝
*打合せ
*クラブ・プーランク5eme
*教養と無秩序
*クラブP4emeありがとうございました
*今日は楽しみましょ~♪
*チェロソナタのピアノパート
*プーランクと遊ぼう4eme
*お出迎え
*ファリャとプーランク
*クラブ・プーランク第4回
*クラブP第3回終了デス
*プーランクで遊んでます
*プーランクと遊ぼう
*デートとクラブP
*クラブPのコンセプト
*プーランク遊び
*プーランクと伊達
*プーランクとカミュ
*プーランクの著作権
*プーランクと運命の人?
*クラブ・プーランク



ステップ

July 13, 2018

朝早い時刻のお出掛け。


ロバに揺られながら、どこ行くの? って期待して飼い主を見つめる。

目が笑ってる。
嬉しそう♪

血液検査結果はまだまだ駄目だし上がり下がりはあるけれど、全体には体調がいいです。今のうちに少し動いて体力をつけたい。


昨日は発表会直前の方をレッスンしました。


あと3日だそうで今から壊して弄り回すことはできなくてもアドバイスレッスン的に、ワンポイントでグッと良くなる事柄に焦点を絞った90分。

レッスンしながらテオフィル・ゴーティエの言葉を噛み締めた。
ベンヤミン・メモに残されてたために知ることができたんです。

《境界線論。「ある歩く哲学者によれば、パリで、歩く人と馬車に乗る人との間には、ステップに足が掛かるか掛からないか、それだけの差しかないのである。


ああ! ステップ!・・・・それは、ある国から別の国への、貧困から豪奢への、呑気な暮らしから気の張る生活への出発点であり、


無に等しい人からすべてであるような人への橋渡しである。
問題は、そこに足を置くことだ。》

   (ゴーティエ "哲学的研究" [19世紀のパリとパリっ子])

     ベンヤミン著 "パサージュ論1パリの原風景" より

             (今西仁司様/大貫敦子様/高橋淳一様
             塚原史様/三島憲一様/村岡晋一様
             山本尤様/横張誠様/与謝野文子様訳)


言ってみればアドバイスレッスンは音楽を求道する人へ
有ると無いでは全く世界が変わる鍵になる 'ステップ' を
その人の脳内に設けること。


脳内に置かれたステップを体内に巡らせるのはご本人の努力かもしれないけれど、仮にのちの努力が不十分とて構わないじゃあないか。


ステップに乗ってる高揚と
ステップから見渡す視界と風の変化が
音楽の理解と直接的に手を結ぶ瞬間がある。

ジャンプのためのステップじゃない。
ステップがジャンプの予備段と考えるのは如何にも無粋だ。

ステップはステップで成立する。
ステップに足を掛けることで1つの事象が完結する。

それでこそステップの意義というものだ。


■ベンヤミン関連リンク
*本欲しいなあ
*ミュゲとパリの始まり
*地球儀と室内と解放
*カラビナ・日常・本
?僕んちのどうぶつ達
*息詰まるフリーク
*1919
*
*楽譜のページの向こう

■ダダ関連リンク
*ツァラ、にぎやかな絶望
*プレイ
*ダダのお寿司ネタ
*ダダとプーと苦いコーヒー

■ちょっとだけアラゴン
*パノラマ
*優しく辛辣な女と、田分けた男



動画とイベールのおしゃべり

July 12, 2018

シマエナガ先輩に頂いたAfternoon Teaさんのジェルアイマスク。この頃は冷たく冷やしてお昼に休む時間のお供にしてる。


お人ごとに言葉の表現が違うように、譜面の諸注意も作曲者によって異なる。同じ単語が作曲家によって独自の、違った使われ方をする。

特に作曲家が楽譜に留意事項を文章で書き込んで、まるでおしゃべりのように注意を促してくる近代フランス曲では、文脈で意図と言葉の強度が変わる。


仲の良いお友達なら聴き取ることができる違い。
親友の話し方の癖をよく知る者のように。


あの子が 'バカね' って言うのは貶めてるんじゃなくて嬉しいからよ、とか。
あの子が 'え~どうしよう? ' って言うのは如何に動くかの質問じゃなくて半ば以上同調してる証拠よ、とか。


それは仲良しじゃなければわからない。
作曲家個人個人の言い回しを識って、彼らの言葉をできる限り正しく認識したい。

知ることだ。
知り合うことだ。
我々は彼らの何をどこまで知っているか。




一見眠ってるみたいに、くったりとぬいぐるみさんを抱っこしてるブルゴーニュ君。実はときどき睫毛が動いてる。

  続いてきた曲集。
  最後のピース、10曲目。
  最終音の瞬間パチリと目を開ける。

まさかと驚く。
私はブルゴーニュ君の何を識ってるだろう。

この子が昔バルキス女王のそば近く付く家臣だったとも知らずに暮らしてるのだ。



地下足袋と七五調

June 07, 2018

可愛くないのが悩みのタネの夫のお部屋。


こんな感じが 'らしい' のかな~?って無機質に設えちゃった私の間違えです。何をプラスして何をマイナスするかは考え中。

階下のお仕事部屋はもう少しは潤いがあるのにプライベートルームは角張ってる。空間が角張ってて夢がないから私はテンション上がらないの。

  このお部屋には4拍子しかない。
  4拍子とは何ぞや?

4分の4拍子でも8分の4拍子でもなくって
日本語が作る4拍子とは何ぞや? と思う。

例えば七五調も5つの音と7つの音があるのじゃあない。5つの母音と7つの母音があるのだ。

5つの音があることと、5つの母音があることは明らかに異なる。
明らかに異なる2つを同じ風に受け取るのが日本の音感覚なのじゃあないかと、しばしば悩まされる。


母音=音符という非ヨーロピアンな感覚は日本独自の音感覚を作りもしたが、一定の音楽への理解力を奪いもするし、理解力を奪われた奏者は音楽を壊しもし、教育上の音楽概念を変えもした。


無意識に母音を音符とし、子音だけの繋がりがないのが当たり前の言語をもつ国では【4拍子が拍子故に存在するのじゃなくって母音故に存在してしまう】のじゃあないかしら。私観ですが。

1子音に1母音が入る国が育んだ特殊な調子は、たとえ5つの音も
♪♪ ♪♪ + d つまり、1拍目♪♪ 2拍目♪♪ 3,4拍目d (特殊文字の代わりの2分音符デス) って具合に4拍子化して捉える格好に収まってる。

4拍子は何も問題ないが、4拍子「化」は時に反音楽的になる。


先日ブルゴーニュ君ブログで
マタタビ、再び、一人旅ってリズムを書きました。

  *僕んちのどうぶつ達


これは ♪♪♪♪ ♪♪♪♪ ♪♪♪♪♪ ですよね。

マタタビ♪♪♪♪ フタタビ♪♪♪♪ ヒトリタビ♪♪♪♪♪ と4+4+5のリズムで読むべき「音楽」でありました。でもひょっとしたら一部のお方は

マタ タビ
♪♪  ♪♪ 

フタ タビ
♪♪  ♪♪ 

ヒト リタ
♪♪  ♪♪ 

びーー
d

と4拍子「化」したリズム内にお纏めになったのじゃあないかと。
それ自体は問題ありませんね。クラシック音楽じゃない限り。


'一人旅' と単独で仰る時は5音で捉えるにも関わらず、
前半に偶数拍子が入ってくると何故だか '一人旅' を無意識に5音以外で語呂合わせして4拍子「化」する習慣にフランス音楽が絡んだ時が問題で・・・


フランス音楽感覚を伝えてゆきたい者として、それに相反するもの (それ自体の存在を否定する筈もないが、4拍子化や母音優先一色で塗り固める強勢が音楽に入り込んでくる現実) との闘争だけで人生が始まって終わっちゃうんじゃないかと、そろそろ危惧しはじめてる。


そこで解決してくれるウサギさんが登場するのです。

この子もピアノ室で暮らす子。
マタタビたちと同じく所有者はブルゴーニュ君です。
足先がチョコレート色のウサギさんは '地下足袋' ってお名前よ。

ハイ、ではマタタビ・再び・一人旅・地下足袋と続けて読むと
前に '一人旅~' で終わってた4拍子化が崩れますね。

5音の単語を、母音を延ばすなり休符を挿入するなりで偶数拍子に持ち込んでたのが地下足袋のお陰でできなくなる。

勝手に作られた4拍子「化」を崩し、本来の4+4+5を守るお手伝いをしてくれるウサギさん、地下足袋。



疑惧

May 20, 2018

ブルグミュラーOp.100 No.18 '心配' と題された曲。


ぽつりぽつり書いてる大人のためのブルグミュラーのお話ですが、今日のはどうぶつの日に行なった綱引きの、私サイド(土手の左側ネ)の具体例でもあります。

  *どうぶつの土手の綱引き

[心配は、エゴイズムの塊です]
そんな言葉で当曲の説明を始めました。


心配するとは一見優し気に勘違いをしそうだが
失われる物・人・状況を案じる心にメスを入れれば


其れらを失った我が身がどうなってしまうでしょう? と怖れ憂う気持ちだと。

エゴイズムの自覚なく '心配' と純な優しさのように纏めること、
それに伴い心を配ると表す漢字に因って尚更我欲に目を瞑るのは
私は腑に落ちませんよ、もぎもぎちゃん? との思いで、罪もないビックリ顔のもぎもぎちゃんをラシーヌ風に追い詰めました。


純な優しさならアジタート表記は要らないでしょう。


相手のために気を配り心痛めるよりも、失った時の我が身可愛さに思い乱れるのが此の曲のアジタートだと。

  あの日はそう考えていました。
  だけれど今日振り返って少しだけ違った考えも湧いてます。

エゴイズムに無自覚なまま、他者を気遣い他者のために思い煩っているのだと、私心を見ぬふりをするほうが一層グロテスクで、
そのグロテスクな歪みが人間の真髄に近い気もする。


No.1
  *純真

No.5
  *イノセンス

No.8
  *典雅な女

No.16
  *甘い棘

No.19
  *聖母

No.20
  *似てるモノ・違うモノ
  *タランテル

No.21
  *天使たち



典雅な女

May 14, 2018

タフタが広がる裾。膨らんだお袖。


縫い上げられてそっと掛けられた布はストンと下にさがる。
地球に引力があって布に重さがある限り。

どんなに丁寧に縫われたドレスも、お行儀よく襞が寄せてあるだけじゃあ '優美' には繋がらない。

其処に動きが見え
優しい膨らみと、儚い窪みとが合わさり

衣装を纏った女性の動きのすぐあとを布が追うような
なよやかなモーションが付いてきて


光沢に惹きつけられる反面で
シェード部はよりマットに、より光を吸い込む影となり


艶めくのは女人の肌か、心か、装いか、髪束かを見分けられないまで一体化したエレガンスを優美というのじゃあないだろうか。

と、仮定したらば
ドレープがあることじゃなくて、ドレープとして機能する一連の
(単発ではいけない。妙なる連続性があくまでも必要だ)
雅やかなモーションまたはその痕跡が絶対に必要だ。


ブルグミュラーOp.100 No.8優美のおはなしです。


上記のドレープが均等に目に入るのと不均等なのと
どちらが風雅を醸すのか。紛うことなく後者でしょう。

そのドレープが譜面上にある。
8分音符と32分音符の重なりは、しなやかな布に見える。

別の申し方をすると当曲の8分音符を均等な間隔で均等な長さで弾いてしまうのは、厚手で重たい制服に太い幅で入ったボックスプリーツのようだ。手堅く堅実な印象ではあっても、タイトルのそれとは離れるでしょう。


8分音符は、不均等故に優美と感じさせるタフタのドレープのように異なる幅をそなえてる。


イメージはソフィー・アンダーソンの絵画に描かれた布みたいな。風を孕み、肌にふわりと添う。

8分音符を延ばしたぶん32分音符を速めて柔らかな髪先のように巻き込んでみる。

  ドレス・肌・髪、と女性に拘るのは
  原題がLa gracieuseだから。

定冠詞がなくてもタイトルとしては成立するけれど、作曲者が当曲集で定冠詞をつけて描いている他曲と照らし合わせると、'優美さ' の形容じゃなく '優美な人' を指すと考えて良いでしょう。


その部分では毎度の如くに初期から訳され続けてる邦題には異なる意見を持っていますが、仮に優美を冠する場合でもgracieuseの語源を考えれば、単なる柔らかさとムーディーに流された思考で曲を捉えるほど本質から外れてゆく怖さがある。


それを防ぐ意向で "典雅な女" とタイトルしてみます。

'優美' に私たちが抱きがちなステレオタイプの感想から離れ、
何をもってして典雅と呼べるだろう? と自問できるタイトルへ。


No.1
  *純真

No.5
  *イノセンス

No.16
  *甘い棘

No.19
  *聖母

No.20
  *似てるモノ・違うモノ
  *タランテル

No.21
  *天使たち



エフの言わずもがな

May 04, 2018

ここ数日は寒さが戻ってきてる神戸です。
3枚着込んでまだ寒い午前でした。


夫のお土産の本が増えたから同じ数だけ古いものを処分しようと5冊を手に取りました。

内一冊に昭和38年の書込みを発見。
母が卒業した大学の学長様が書いてくださったものでした。


母は先生方がご高齢で亡くなられるまで親しくさせて頂いて、本も女性学長様からの贈り物だったのです。


母が若い学生の頃からお世話になったずっと目上のお方。だからよく知りもしない娘が、お亡くなりになったのに申すのはいけないと思うけれど正直私自身はこの手のメッセージが苦手。


'常に深い信仰と 高い専門の知識を追求め
愛と奉仕に生きて下さい'


あ~~・・・
何も間違っていないし、正しく当然の事が書かれてるのに
野良犬的な私なんかから見ると、檻に入れられる感ハンパない。

訓示めいた空気にげんなりする。
エフに接した時のムズ痒い感じと似たものを感じる。

だから非礼と自覚しつつ敢えて挙げてみました。エフを識るピースとして必要だから。

本だけで、内容にも頂いたことにも心動かされるでしょうに
言わずもがなの1文がわざわざ加えられたことで、本の感動まで押し付けがましさに変化して食傷する感じ。

エフの音楽を部分的にしか受け入れられないポイントは【言わずもがなをわざわざ言う野暮】なのでしょうね。
プーの粋とどこまでも対極です。


  ■これまでのお話
  *エフ
  *エフに狭まる心
  *エフと、プーの消化と、フォーレの濾過
  *エフ。収容期間終了
  *エフ。女の言葉と男の語り
  *エフとお国訛り抗争
  *エフ。必須の紋所・無言の執拗
  *エフとドビュッシーの白
  *エフとお食事会
  *エフと歯磨き
    *シャポンのアガーツ
  *エフとの関係



エフとの関係

April 17, 2018

声出して笑っちゃった。


お首の後ろへ回してあると悪くないコサージュが、重みで前にズレてくるとなんてアンバランスな。

漆黒の大きなお花をつけるには、ブルゴーニュ君の幼い心は清すぎる。それなのにお洒落さんしたよって満足気に悦に入ってるのが可笑しくて。

この姿くらい変てこにに感じる事が他に2つある。

1つは抽選のガラガラの形。
あれを目にするたび思うの・・・

もっと少ない力で回せる形がありそうなのに何故これなんでしょう? とか、ハンドルの位置や曲がり具合は本当にベストなの? とか、どっち方向へ回すって矢印シールをお店が貼ったりしなくてよい方法はないのかしらんとかって不思議な気持ちになる。

2つ目のミステリーは自分の気持ち。





あれほどまでに鬱陶しいと疎んじてきたエフ。

1番苦手で、1番下手くそで、1番弾きたくなくて
どうしても嗜好に合わず、接点が見つけられず
エフが居るだけで暗然とした気分になり、
付き合い方が全くわからないにも関わらず
何十年ついてまわられた現実に釈然としない。

それでもコンサートで随分な数のエフ曲を弾き終えた人生後半は
もう2度とオフィシャルにはエフと関わるまいと決めたのに
おうちでだけは何故ちょっと弾いてみたりするんだろうって。

答は抽選のガラガラ以上にまだ見えない。


  ■これまでのお話
  *エフ
  *エフに狭まる心
  *エフと、プーの消化と、フォーレの濾過
  *エフ。収容期間終了
  *エフ。女の言葉と男の語り
  *エフとお国訛り抗争
  *エフ。必須の紋所・無言の執拗
  *エフとドビュッシーの白
  *エフとお食事会
  *エフと歯磨き
    *シャポンのアガーツ




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