パリの風とデュオ・ババールのページです・・・♪



望郷

September 16, 2010

ショパンノクターン48-2。

特に好きなノクターンの1つです。


独白調に切ない語りが流れ、高まり、諦め、溜息をつく。中間部はポーランドの民族曲を感じさせる旋律へ・・・

ショパンの望郷の心に揺さぶられる。

ショパン作品でしばしば挿入される民族風の要素はソフィストケイトされたものばかりではないですネ。クラシック音楽的な充実からも離れ・・・だからこそ共感を呼ぶのかもしれません。ポーランドに住まっていない私たちも故郷を望む心は同じだから。

故郷の事物は麗々しいものではないんだワ・・・
あぜ道とぬかるみとお漬物樽。海辺に干し連なる昆布やお魚の匂い。美の対象じゃないはずのものが 私たちの心の奥底に密やかな輝きをもって定住している。

何物にも換え難い郷愁。古いスクリーンを見る思いで浮かべる故郷の風景は、音や匂いと共にある。遠く望む "故郷" とは、場所だけじゃなくて出来事だけじゃなくて・・・ 無垢な時代の自分そのもの?

今は手が届かない憧れの、けれども確かに自分自身が過ごしたはずの心の場所。

故郷を端的に説明することは 多分誰でも難しい。何故って故郷の多くは人の胸の中にあるから。胸の中、小さく輝く場所。

次期リサイタルテーマを望郷と決めました。



アンサンブル化合物

September 15, 2010

2010年9月4日の公開リハーサル風景デス。


今回は音の楽しさにすっかりと嵌ったのヨ・・・。アンサンブルって化学反応のようなもの。2つの異なる音原子が反応式にぴったり沿うと、思いがけない化合物ができあがる。


お初の音の体験を心から楽しみました。


ズワイガニ姫のマリンバを材料に、何の拍子かわからないうちに初めて聞く化合物が作られてて・・・

アンサンブルの音の楽しみ、ハマります・・・♪


何故か寄っちゃって私が切れてる記念写真。
(え〜 どうしてなの・・・)


後ろにお作のある現代美術の星加民雄様と。
次回ズワイガニ姫との演奏は、1月8日ピアジュリにて・・・♪

*真夏の合わせ
*ババール初合わせ
*ババール予告デス・・・♪
*9月4日ババール震災記念
*9月4日ババールコンサート



ババール予告デス・・・♪

September 03, 2010

明日9月4日午後4時半からババール・コンサートですヨ!


【プログラム】
     フォーレ     シシリエンヌ
     ドビュッシー  ゴリウォッグのケークウォーク
               小舟にて
     ラヴェル    亡き王女のためのパヴァーヌ
     アルベニス  タンゴ
     ファリャ    火祭りの踊り
     タレガ     アルハンブラの思い出

マリンバは大好きだから桐朋時代から頻繁に合わせてました。今回はね、通常のマリンバ伴奏と違った大きな楽しみがあったんです。

シンプルな楽器の特質で、長い年月マリンバ伴奏の際はまず楽器ありきって感じてた。マリンバの特質を生かしたオリジナルな打楽器音楽を楽しんだワ。でもズワイガニ姫のマリンバは まず音楽ありき。

トレモロの数合わせが先に来るのじゃあなくて、音楽ありきでトレモロも自然に分量と刻む速さが決まってくようなナチュラルさが素敵だわって思うの。

ピアノとよくマッチする音・・・ 本番も綺麗に共鳴するよう頑張ります♪
入場無料ですから是非覗いてみてくださいネ。

**


16時30分〜 入場無料 公開リハーサルコンサート

場所:大手前大学さくら夙川キャンパス内アートセンター
交通:JRさくら夙川駅・阪急夙川駅・阪神香櫨園駅から徒歩7分

*9月4日ババール震災記念
*9月4日ババールコンサート
*真夏の合わせ
*ババール初合わせ



サンテレビさんの取材(2)ピアノ

August 31, 2010

今日のお出掛けはラジオ関西さんへ・・・


ズワイガニ姫こと国塚貴美さんとちょっぴりちょっぴりおしゃべりします。シジミちゃんこと麻生多恵子さんとのデュオ演奏も流れるカナ。

2時40分頃に 558Khz、お聞きになってみてくださいネ!

昨日の取材は午前にレッスン風景を撮って、お昼に写真をカメラに収めて頂いたの。そして午後はピラルクー君のスタジオへ・・・♪

いつ来ても落ち着く・・・選ばれた機材がたくさん置かれたスタジオの雰囲気、大好きだわ。マイクスタンドがにょきにょき生えてるお庭で遊ぶような気持ち。

3、4日で急遽形にしたソロ曲でしたが2度のテイクだけで撮り修めましたヨ。この場所のお陰。音のために作られた空間は 音にとっても集中できる。


**


今朝は慌しい更新だから・・・日記代わりにピエール・ド・ロンサールの詩を記したくなった。


《カッサンドルへのソネット》より

ここには微笑、かしこにはその美しき眼に
息絶ゆるまで魅せられぬ。

ここにはすわり、かしこにおどる。
かくも漠たる思念の機(はた)に、
愛はわが命の緯(いと)を織る。

                              井上究一郎様訳


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サンテレビさんの取材(1)頭部

August 30, 2010

*明日午後2時40分ごろ 558Khzラジオ関西出演デス

今朝はサンテレビさんが

レッスン風景撮影にお越しなの。


パリでの写真や 音楽生活写真も撮影用に揃えて・・・
現在の様子も・・・と伺ってモデルをしたのを思い出したの。彫刻家岡村哲伸氏へお電話ネ! 私の頭部像、今どこにあるの? ってお尋ねした。

"和歌山。"
-- 送って〜♪

簡単にお願いした。何も仰らずお送りくだすった。無事到着してから うんと大変だったと知った。

像は重い重い石の台座についてたのですって。男性でもとても持ち上げられない石台はすぐには郵送不可能。外して小さな桐の台座に取り替えてくださったって・・・きゃ〜ご迷惑様でした。

展覧会も参れなかったから、どのように完成してるか知らなかったの。
びっくりしながらお初に触りました・・・自分の像。


**


4日前に 急遽撮影すると決まったソロ曲をおさらいして、
レッスンにカメラが回るのを緊張してる生徒ちゃんを励まして・・・

ちょっぴり忙しい朝。頑張んなきゃネ!



9月4日ババール震災記念

August 25, 2010

9月4日ババールコンサートの詳細をお知らせいたしますネ。


今年は大震災から15周年。9月4日にコンサートをする大手前大学さくら夙川キャンパスも被災地区でした・・・

甦った地区において安藤忠雄氏設計のアートセンターで、復興の喜びと追悼の思いを込めたプログラムを演奏致します。

日本基礎造形学会のモダンアートの展示とともに、午後4時半〜どなたでも無料でご来場頂ける公開リハーサル・コンサートを行います。

作品を作る形=復興の形そのものを音楽で表現する新しい形のイベントを、街の方々へ広く開いてご提供いたします。

ご都合よいお時間にご自由に出入りしていただけますヨ。
変更後の当日スケジュールをもう一度載せておきますね。

13:00〜      受付
13:30〜      開催の辞
13:45〜15:30 基調講演 "理想の町" 新宮晋氏
15:45〜     ギャラリートーク

16:30〜     ★デュオ・ババール・公開リハーサル・コンサート

17:10〜18:00 メディアライブラリーCELLの案内とコンセプト説明

18:00〜     ★主に会員様対象コンサート


**


マリンバ奏者国塚貴美さんと共演する、フランス・スペインのプログラムです。

合わせてみて お互いの音が融合してゆくのがとっても楽しかった。奏者同士の良いところが引き出し合えてる気がしてご機嫌なのです・・・♪

そんな雰囲気、コンサートでお伝えできると良いナ・・・

*9月4日ババールコンサート
*真夏の合わせ
*ババール初合わせ



9月4日ババールコンサート

August 14, 2010

クーラーのお部屋でも蒸し蒸しするような夜でしたね。


9月4日ババール・コンサートを致します。入場無料! たくさんの作品展示もございます。どうぞお越しくださいナ。

主催:日本基礎造形学会
場所:大手前大学さくら夙川キャンパス
交通:JRさくら夙川駅・阪急夙川駅・阪神香櫨園駅から徒歩7分

当日スケジュール:

13:00〜     受付
13:30〜     開催の辞
13:45〜15:30 基調講演 "理想の町" 新宮晋氏
15:45〜17:00 ギャラリートーク
17:10〜18:00 メディアライブラリーCELLの案内とコンセプト説明
18:10〜20:00 懇親会

お好きな時に出入りできますよ。
スケジュール内いずれかの場所に、30分間ババールの演奏が入ります。時刻がわかり次第お知らせしますネ。

9月4日プログラムです・・・♪
ズワイガニ姫のマリンバとともにフランス・スペイン音楽の演奏。
楽しみだナ。


フォーレ シシリエンヌ
ドビュッシー ゴリウォッグのケークウォーク
小舟にて
ラヴェル 亡き王女のためのパヴァーヌ
アルベニス タンゴ
ファリャ 火祭りの踊り
タレガ アルハンブラの思い出


*ファリャの追悼曲



ファリャの追悼曲

August 09, 2010

マニュエル・デ・ファリャとドビュッシーの出遇いは1907年。


のちにファリャはパリへ居を移し、ベルエポック作曲家と交わります。
ファリャが送った葉書が "葡萄酒の門" (下部リンク) の元になってゆくことは3年以上前にブログ更新していました。

ドビュッシーが作る殊にスペイン風楽曲を深く賞賛し、2人は定期的に会うようになります。特に1908年から1913年にかけて・・・

1913年と区切るのは、1914年に勃発した第一次世界大戦によってファリャが母国へ帰ることを余儀なくされたからです。

7度往復書簡、計14通のお手紙でファリャは "わが親愛なる先生 (Mon cher maitre)" と呼びました。(ルシュール著 "グラナダ症候群" による)

そして15通目は・・・
夫人に宛てた弔電となりました。

ファリャは、敬愛に溢れた寄稿文とともに追悼のギター曲 " 頌歌 (Homenaja) " を作曲したのです。写真、ファリャの譜は此のエピソードをお教え下さるとともにお師匠様が贈ってくださった品。


**


フランス音楽シリーズ "パリの風" や "デュオ・ババール" でスペイン曲に拘る理由です。

作曲家さんや詩人さんたちの美しい師弟関係や友情をお伝えしてゆけたら・・・。

*ドビュッシー「葡萄酒の門」
*ドビュッシー「リンダラハ」(1)背景
*                (2)中庭
*                (3)ハバネラ



美しい白のイマージュ

July 29, 2010

なんて愛らしい色かしら。

ほんのり頬染めた紫陽花。


マラルメを読んでみた。伏線多く私にはまだまだ難しい詩想。


"陽春" より抜粋

古い墓石のように鉄の環でしめつけられた
頭蓋のなかで、薄暮(たそがれ)がぬるみ、
悲しくなった私は、無限の樹液がみなぎる畑中を
茫漠とした美わしい夢を追ってさまよう。

                     加藤美雄様訳


むかし学生の頃、大きな誤解をした。
マラルメに白色の描写が多いこと、白に憧れ白の美しさを描きたがってるんだわって思った。

自分が白い絹やお花や器にうっとり憧れてるからって、読みたがえた。
"白鳥のソネット" にある白一色の苦悶さえ、白い美しさに共感しながら眺めた。

私の無知はマラルメへの冒涜でした。


**


マラルメは白を敵視し 白に挑み、白に迷い(blanc souci,souci du papier blanc)、そうして白は無と死の象徴になり・・・

全ての後に僅かに白と共存する境地へも移る、と。

私なんかに語れる詩じゃあない。


**


今も昔も白色の "物" が大好きだったが故に
白の象徴に物のイマージュを乗せ、
自分の貧弱なイマージュで詩人さんを歪めたことを深く恥じます。

*イマージュ
*イマージュのシルエット
*切られたイマージュ
*イマージュと技巧
*本質とイマージュ
*本質なきイマージュ
*イマージュに血が通う



ババールの録音と楽しみ

July 28, 2010

音色豊かなクラリネットとデュオ。

先週ぶっつけ録音をした。


お相手はシジミちゃん。びっくりな姿勢でピアノを弾いた。

肺炎おこしてる胸がゼイゼイ鳴るの、抑えるために休符のたび胸を押さえる。身体を起こすと一層呼吸の雑音が入るから 椅子から落っこちそうな格好で弾く。

最終には息を止めるっきりなくなって・・・。我慢するから震える。
苦しくて涙が滲む。それでも何故だか成果良し。
2曲の録りが計僅か8テイクで すんなり纏まった。


**


身体の負担は否めずに、其の後ちょっと逆戻り。腐っちゃうナァ・・・
肺炎はこじらせると大変だそうだから 静かにしてよう・・・


曲の候補は

少しずつ決まってって

コピー&郵送し合う日々。


仮決定した曲が音域問題で却下になってまた相談。コンサートまで幾度も踏む手順。インテリアコーディネイトのように楽しいの。

曲を探って手にしたプーランクに、アポリネールの詩がついていて
ドビュッシー譜は、マラルメの歌が書かれてて・・・

初めての曲に読み慣れた詩。譜読み前からイメージが広がってる。
確かめるように此んな本棚から幾つかのソネットを取り出す。

クルンッて繋がる輪の楽しみがまた増える・・・♪

咳止まらず殆ど眠れなかった朝に。

*輪に繋がってクルンッ



デュオ・ババールのお客様

July 12, 2010

サッカー観戦で朦朧としながら更新。夢の中でもブブゼラの耳鳴りがしてるくらい試合をたくさん観ました・・・♪


七夕ライブの様子、写真をたくさん送信いただきましたヨ。

久々にデュオを弾いてみて 心楽しく思ったコト・・・
コンサート当日は皆様が大切なお客様ですが、その前に第一のお客様としてピアノを楽しんでもらうのはデュオのお相手なんだわって。

まずは一緒に弾いてくれる牛君に "ああ、いい曲だな" って思ってもらえるようにって目標にしてました。身近な小さい目標が、楽曲や本番の色合いに大きく反映されるのかも・・・。

左写真はアンコール・ソロ "リベルタンゴ" に、突然うしろから牛君が合わせてくれたシーンです。とっても楽しかった!

でも・・・本番で真後ろから付けますよと予め言っておいてね(汗)
急な飛び入り、ものすご〜くビックリしたから(笑)


**


さて、次のババールは9月5日マリンバのズワイガニ姫と共演です。詳細は追ってお知らせしますネ。



イマージュに血が通う

July 10, 2010

バルザック物語の続き、一応の最終話です。


老人の名はフレンホーフェル。大変な老画伯として登場します。

実はね、お名が出てくるまでドガがモデルかしらって思ったのヨ。とてもよく似ているように見えたの・・・。

気難しく、熱狂的に芸術を愛する一方こらえ性がなくて、風景画家たちを嫌い 嫌悪対象へ暴言を吐くけれども理屈は通ってるところ・・・

普遍の美の真実を追究する人物が 素晴らしい美の思索とそれゆえに悲運を併せ持つ様子、バルザックの大きなテーマですね。

もうひとたび、彼の科白を引用したいのです。


《ひとつ君の聖女をとっくり見るがいい。一度目にはどうやら大したものだ。ところであらためて見なおすと、気がつくね、聖女はカンヴァス地に糊づけになっている。

これじゃ、聖女のまわりをぐるっとまわってみようったってできやしない。これゃ(訳文のまま)、顔の片がわしかない影絵だ。切抜き細工、からだの向きを変えることも位置を変えることもできない絵姿だ。この画面の地とこの腕のあいだには、空気が感じられないね。拡がりと奥行きが欠けているのだ。

それにしても遠近法は、すべてうまくいってる。遠近による色の濃淡の手加減も、正確に守られている。しかしだ、それほどの賞賛すべき努力にもかかわらず、どうもこの美しいからだに生命のほのあたたかい息吹きがかよっていようとは思わん。

(中略)そうなんだよ、君、この象牙色の皮膚の下には血が流れていないのだ。》

                                            (水野亮様訳)


要点は多くの芸術への代弁のように思います。
作品に血を通わせること、それにはまず自分と作品の間に血を通わせなくてはならないのですね・・・。

*イマージュ
*イマージュのシルエット
*切られたイマージュ
*イマージュと技巧
*本質とイマージュ
*本質なきイマージュ



ババールのバージョン

July 06, 2010

明日はババール七夕ライブですヨ。

ピアジュリで夜7時半からネ!


プログラムをもう一度投稿しておきますネ。


   【ファーストステージ】

サティ     ジュ・トゥ・ヴ

プーランク  愛の小径
         ヴィオロン

ラヴェル   亡き王女のためのパヴァーヌ
         ハバネラ
         カディッシュ
         道化師の朝の歌      

   【セカンドステージ】

ドビュッシー  ゴリウォッグのケークウォーク
          夢想
          メヌエット
          月の光

ファリャ     ムーア人の衣装
         シャンソン
          ポロ

グラナドス   アンダルーサ

サンサーンス  白鳥


七夕の次のピアジュリは10月に。

ババールのピアノ&クラリネットバージョンです。


クラリネットのシジミちゃんと曲決めをした。明るい音が通るクラリネットでは華やかな曲を演奏したくなった。カルメン幻想曲や楽しいボザなどが並びそう・・・♪



本質なきイマージュ

July 04, 2010

奈良へ、ミニコンサートの験し弾きなどしに行く前に。

ポワシーの街、芸術と歴史資料館のカタログは、19世紀絵画 "夏"。


バルザック "知られざる傑作" 此ちらの続きネ。


《原因と結果を引きはなしてはならない》

老人が此うと言ったあと続くのよ・・・


《そこにこそ、ほんとの戦いがある。多くの画家は、芸術のこのテーマを知らずに、本能的に凱歌をあげてる。》


此うとした批判は、フランソワーズ・ファベールが登場人物に言わせココに記した意味と同じじゃあないカナ・・・。


《(音楽は) 情熱にへつらうためではなく、もちろん現すためでもなく、それを消すためにつくられるのだ。》
                                  -- ファベールより


バルザックはまた主題を逸れず 老人にたたみ掛けるように言葉を与えるワ。


《君はものの形の奥底までおりていかない。形がまがりくねったりにげまわったりするのを、追求するだけの愛と忍耐がない。美はきびしくて、なびきにくいものなのだ。そんなことでみすみす追いつかれるような、なまやさしいものじゃない。》

                                     (水野亮様訳)


筆を持ち楽器に触れるとき、私たちはよく本質なきものを形づくってしまう。端的に問いを突きつける老人は ファベールの登場人物と同じく芸術への愛の姿・・・ 大好きだワ。

読み込んだページには、イマージュの問へのヒントがたくさんあった。
行ってきます・・・♪

*イマージュ
*イマージュのシルエット
*切られたイマージュ
*イマージュと技巧
*本質とイマージュ



本質とイマージュ

June 28, 2010

お調子に乗って真夜中起きてサッカーを観た日から・・・

骨髄に再び激しい炎症が起きてしまった。


骨の中だけだったのに、この度は半身が腫れてるのがはっきりお人に見える。少しの疲労がてきめんに現れるのって困ったワ。まだまだ夜中の試合はあるんだのにネ!

静かに絵と音楽のお話といたしましょう。


**


バルザック "知られざる傑作" は実に楽しい傑作でした。老人が画家ポルビュスに語る様をみなまで引用したいほど。フランソワ・ポルピュスは実在の画家ネ。ルーヴル美術館にマリー・ド・メデイチスの肖像など残していますヨ。

老人の言葉はね、絵画のほかの芸術までもに精神を反映すべき名言の宝庫でした。

                                                   (以下 水野亮様訳)


《芸術の使命は自然を模写することではない、自然を表現することだ。

君はいやしい筆耕ではない、詩人なんだ。》


意味は下記に示されます。

《さもなければ彫刻家は、女をそのまま鋳型にとれば、ほかになんにも仕事はいらんわけじゃないか。ところでね、ためしに君の愛人の手を鋳型にとって、目のまえにおいてみたまえ。まるで似もつかない恐ろしい死骸にでくわすだけだろう。そうして君は、彫刻家ののみを求めにいかずにはいられなくなるだろう。

彫刻家はその手を正確に写しとることはしないが、その動きと生命を君に彫り上げてみせるだろう。われわれは事物の精神を、魂を、特徴をつかまえなくてはならない。効果、効果というが、そんなものは生命に付随する偶然で、なにも生命そのものじゃない。(中略)

手は、ただ漫然と胴体についてるだけじゃなくて、ある考えを現してる、保ちつづけてる。そこをつかんで描き現さなくてはならないんだ。画家にしろ、詩人にしろ、彫刻家にしろ、原因と結果を引きはなしてはならない。》


**


大学時代、三善晃先生が作曲技法に同じことを仰ってた。音の形ができる前の姿へ降りてゆきなさいって。

常用の言葉なら本質って置き換えられるかもしれない。
そして本質とイマージュはかけ離れてることがある事実。

バルザックは老人の言葉を通して見事に示そうとしているの。

*イマージュ
*イマージュのシルエット
*切られたイマージュ
*イマージュと技巧



イマージュと技巧

June 27, 2010

高低に仕立てた岩場。60cm、1mと相対的に地の面を設定して枝ものを植えこむ。


その昔に思いついて試した方法。相対面を見るごと蔦仕立てに岩場を這う ごく短い紫陽花のように感じる。大好きなトリック。ホントはね、横から見れば岩の隙間下1mへと根を下ろしてる。

小さなお庭の小さな技巧。フランス音楽のトリックはもっともっと複雑で大きな世界。


**


ラヴェルは技巧的と評される。
音譜を形作る技巧を取り上げれば評のとおりと思う。

柔らかに聞こえるドビュッシー作品は技巧と呼ぶには詩的すぎるからか、一般的には技巧の作曲家に数えられないのね・・・
けれども技巧面ではドビュッシーこそ、五線紙からイマージュへと交差してゆく眩い巧の技に思える。


**


コクトー "山師トマ" を読んだ。渡辺一民様が系譜を踏まえて解説なさるの、変わらずとても面白いの・・・♪

せんに此ちらに書きました。現実と異なった次元に虚構の世界を作り出しているシュペルヴィエルと違って、コクトーは《むしろ虚構の世界を故意に現実に似せてつくりだす》って仰るって。

更には《現実をひそかにイミテーションの世界にすりかえる》って仰るの。大変に的を得た表しようと感激しちゃった。

同じくイミテーション世界に分類されるドリュ・ラ・ロシェル(仏1893年〜1945年) "空っぽのトランク" は正体なき人物の内面世界。虚構から はっと現実に戻る瞬間がある。

《ろくにページも切っていない "NRF" 誌》なんて記述・・・
NRFは作者ロシェル自身が代表する作家になっていた文芸雑誌です。小説のイミテーション世界から小説の現実世界を飛び越えて、一気に著者が生きる1924年へ戻される。

時間と空間のトリックに触れる。
ドビュッシーの技巧を思った。

*イマージュ
*イマージュのシルエット
*切られたイマージュ



切られたイマージュ

June 21, 2010

雨に折れた薔薇。

アイボリーの花びらは まるで・・・


"まるでウーパールーパーのよう。" ってもしも書いたらば、日本のイマージュでは素敵さんじゃあないんだワ。雨に折れた薔薇は素敵さん・・・って切り取られた固定のイマージュで括らない世界が、フランス音楽やフランス文学では描かれる。

花びらに隠れた黒い小虫や、雌しべが傷んでばらけているのを描き出す。其れらは薔薇の一部だから。

折りにふれてフランスのえぐ味、苦味をお話し続けてるのはね・・・

フランス音楽を広げたいナと小さな夢を持つ私は、コンサートで日本とフランスの共通点を語ることが多い。他方2国の異なる点は 苦味の捉え方と感じてるから。

お腹をお掃除されて切り身となったお魚を、汚点のなさから "綺麗" と表現することって、フランス文化の世界にはごく少ない風に見える。立派な体格と筋肉、光る皮面・・・磯の匂いが強烈でキッチンをぬめりと血で汚しても、其れが "綺麗" なお魚なのね。

音楽をはじめフランス世界をもっとわかりたいと思う。
大好きな国の文化を切り身にしないで、生の姿に触れていたいと思う。


**


骨の腫れが退かないから 今日は先生にまた嫌なことを言われるに違いないワ。

*ゾラ19世紀の記念碑
*愛すべきフランス
*パリの不合理
*ミスタンゲットのパリ

*イマージュ
*イマージュのシルエット



イマージュのシルエット

June 19, 2010

術後検診へ行ったり、風邪をひいたり、風邪と呼び合うふうに骨髄の炎症が治らなかったり。

疲れてしまって読書した。


手にしたのはレジスタンス文学と呼ばれる短い時期の作品。ナチスに占領されたフランスにおいて、迫害の中で書かれた共同体内文学って申せば良いのかしら。クールタード(仏1902年〜1964年)作 "占領"。

パリのマロニエが幾つも表情を持ってる様子を思いながらページを進んだ。初夏の白いお花は街を彩って、秋は茶の幹が暗い季節の到来を告げる。冬、公園にたくさん転がる丸い実をよけながら家路を急ぐ。

街路樹にたくさん使われてるマロニエは 生活とともにあっていつでも見てた。けれども一度も目を凝らしてなかった。

広場の高い樹木のシルエットをぼんやり見上げ、モンマルトルの丘から並木の色を見下ろした。枝の影を踏んだ季節もあった。

私はマロニエを知らなかったワ。
シルエットと色と影だけ見てたのね。


《マロニエの緑の繊毛で覆われた小さな葉を見ていた。それはねばっこい、きらきらした新芽の中で光っていて、まるでそこで流れが反射しているのかと思うほどだった。運河の向こうの運搬船、雲のうつっている縦横の水路、(後略)》
                                     辻邦生様訳


そうなの? 葉には繊毛があったの? 新芽は光っていたの?
マロニエを知らずに、イマージュの中だけでマロニエを語ってた。

*イマージュ
*女の子はファンシー好き(6)ルイ・アラゴン



ババールの曲決め

June 17, 2010

夕方に検査でお医者様へゆく日。

子供時分から使ってる手作りの電動キリをぱちり。


ペン型のと 先っぽが仕舞いこまれるのと、子供も扱えるサイズを作って貰って2つは今も小作業の愛用品です。


**


ババールの曲決めは至って簡単。僅かの時間に双方でたくさん挙がる候補から、1回分を仕分けるだけ・・・あっという間に一夜のプログラムが決まっちゃった。

牛君が押したのはラヴェルの道化師。ピアノパートが大変で此れまで伴奏者さんたちに断わられてきたからと。その場で快諾。

他に牛君が挙げたドビュッシー小組曲のメヌエットも、プーランク愛の小径も、弾いてみたい曲だわって即諾。

私のほうからお願いしたのはプーランク "気まぐれな婚約" の1曲 "ヴィオロン(ヴァイオリン)" なの。ほろ苦く、あだっぽい・・・ごく短い曲だのに忘れられない鮮やかさで暗い色香を落としてゆく・・・♪


**


プーランクが用いた詩はね、昨日ちらりと登場したド・ヴィルモランなのです。管楽器演奏のババールに歌詞はありませんが、歌詞が齎した悩ましさ、妖しさが生きてる曲。

詩は、ヴァイオリンの調べを不快に張りつめた弦の呻きに喩える。
首吊り人の縄の上のハーモニーという。
プーランクは彼女の妖艶な世界のままに五線譜に閉じ込めたよう。

誘い込むように艶めいたド・ヴィルモラン嬢は、私生活ではしたたかなまでに強いお人でしたね。素敵だわ・・・取り巻く環境を自らの手で掴んでくお方。

彼女の詩に寄る曲、ずっと弾いてみたかったのデス。
明日はブルゴーニュ君ネ。

*愛すべきフランス
*白いどくだみ



白いどくだみ

June 16, 2010

どくだみのお花、好きだナ・・・

とうとう大風邪になった頭で思う。


観念して休む朝。どくだみのお茶、飲もうかな・・・

解熱も抗菌もできちゃう強い草。私は変わらず生命力あるものが大好き。土も水も選らばず いつでもピンとして白い。

ピエール・ド・ロンサールに珍しくとっても強い詩を見つけた。詩集から浮き上がって見えた。


新続恋愛集 (1556年版)より

さんざしが咲いた、
       みどり
岸いちめんに、
野葡萄の腕
       のびて、
すそを巻いている。

蟻の両軍、
       株の
陰に対陣。
蜜蜂は巣を
       幹の
空洞(うろ)に設けた。

初うぐいすも、
       枝に
きて、恋びとを
寄せ、年ごとの
       宿に
恋の気散じ。

毛織と絹の、
       愛の
巣を、その枝に。
ひなも孵ろう、
       捕ろう、
そっと、両手に。

茂れ、さんざし、
       茂れ、
いつまでも、斧、
風、かみなりも、
       時も、
お前を倒すな。

                    (井上究一郎様訳)


普段にロンサールが描くのは、絶え入るような薔薇。望み断たれた懊悩の儚い世界。此んな詩はロンサールにはあまり見ませんね。お花の美しさは比べることができないけれど・・・ 

もしもお人の像なら、なよやかで崩おれそうな美は ひと時のあいだ目を奪うのだって気がしてならない・・・
長い時を共にしたいのは、朽ちず逞しく、生を発散し続ける強い姿。

ババールが演奏しますド・ヴィルモランのような・・・



イマージュ

June 12, 2010

ホトトギス君たちとおしゃべり、楽しかった。


近頃拘ってるシュルレアリスムの定義を広く話すとき、何て説明する? って話題。イマージュの難問を思った。

誰もが単語や物に様々なイメージを持ち、一定民族の中で共有してる。

問題が起きるのは、共有に至らしめたもの --たとえば映画だったり、ただお一人の発言が発展し形を変えたものだったり-- が与えたイメージと対象の本質が一致しない場合。

私たちは対象物そのものを見つめることが なかなかできない。

たとえばホトトギスって鳥のこと、田園風景に似合い夏を知らせる渡り鳥として和やかな印象をもつ。私のように本物のホトトギスを未だ見たこともない者でさえ。だからあくまでイメージの上。

本当は違ってる。和やかなのは風景や季節であり、鳥そのものじゃあない筈ね・・・。

正岡子規が結核の血を吐く自分と口が紅色したホトトギスを重ね合わせて其名の俳誌を発刊したように、対象自身の固有イメージは見る者により異なっても やはり共有のイメージ・印象付けが勝って強い。

対象物以外の要素から後付したイメージを対象に重ねることを避けて、対象自身をわかりたいって気持ちは・・・ 楽曲をわかりたい思いと同じなんダ。

ミュージックパーティーへお出掛けだから、続きはまた・・・



七夕ババール・プログラム

June 03, 2010

七夕夜のデュオ・ババール

プログラムが決まりました・・・♪


7月7日夜7時半からのライブです。

月間予定ではミュージックチャージの日になっていますが、通常営業と同じ1050円ぽっきりで聞いていただけるよう、牛君がお願いしてくれました。

プログラムはフランスとスペインの宵をイメージしています。
七夕のピアジュリで、夕闇の世界をまったりお楽しみくださいね・・・


【ファーストステージ】
サティ ジュ・トゥ・ヴ
プーランク 愛の小径
ヴィオロン

ラヴェル 亡き王女のためのパヴァーヌ
ハバネラ
カディッシュ
道化師の朝の歌

【セカンドステージ】
ドビュッシー ゴリウォッグのケークウォーク
夢想
メヌエット
月の光

ファリャ ムーア人の衣装
シャンソン
ポロ

グラナドス アンダルーサ


明日は此んな曲たちを牛君と合わせてみる日。どんな風になってゆくか楽しみだワ・・・♪



初号機に乗った日

May 04, 2010

昨日はたくさんのお客様にお越しいただきまして、本当にありがとうございました。


お天気にも恵まれ、お陰様で楽しい音楽会になりました。

今日から18日間でフルート伴奏全曲を仕上げなきゃ! きゃ〜。朝から譜読み譜読みです・・・ お客様への感謝を込めて昨日の記録を書いておきましょう。


**


ロープウェイ初号機に乗ったんですヨ。リハーサルへ出向くのは、ロープウェイが運行されてない早い時間。業務乗車で試運転車両へ・・・。

ロープウェイって、いつも同じふうにぶら下がってるのじゃあないのね。必要な台数を朝ごとにロープに取り付けるよう。お初に1号発進車両を体験。

開放感溢れる "夢風船" からの景色は、前に車両が通ってないと更にひらけて見えた。丘ばかりの風景は新鮮だったワ・・・♪

ふと振り返ると写真の赤丸、2号発進車両。中には業務札が下げられて、後援元からのお花箱らしきもの。

どんなのが入ってるのかなあ・・・嬉しくてパチリ。まるで後ろから応援についてきてくれてる風に見えて何だか嬉しかったのヨ。


リハーサル休憩。

音の立ち上がりが微妙に緩かったgisの音をMr.Bに修正してもらう。


長い長い準備期間のあと、リハーサルの長い半日。でも・・・始まってしまえば あっという間なのね。曲が終わるの、寂しかったワ。大好きなプログラムでした。

聞いてくださった全てのかたに感謝です。


ロープウェイ2号機に乗ってたお花ですか?

おうちで待ってたブルゴーニュ君と記念撮影しましたよ・・・♪



第14回パリの風へご案内

May 03, 2010

お庭でお花が咲き零れる。

次々に開いた蕾は次の季節への期待に満ちてる。


なんでもない日常が、5月の日差しと花々の香りで心楽しいものに変わる。今日のコンサートも 幸せを運ぶものになると良いナ・・・

本日午後2時、神戸布引ハーブ園 森のホールにてお待ちしていますネ・・・
5月の風を感じにお越しになりませんか。

お問い合わせ:
 神戸布引ハーブ園 tel 078-271-1160 



リサイタル前日に

May 02, 2010

*明日5月3日、ハーブ園にて "パリの風"リサイタル開催です・・・♪

同じ日にコンサートに出る生徒ちゃんが落ち着かない。

わかるワ・・・


どんな時だって本番は不安と緊張の連続。其の日其の時間に合わせて体力と精神力をピークに持ってくのは 練習と同じくらい負担な事。

ちょっぴり先生ぶってみた・・・
私は・・・緊張を押し殺そうと力を使うより、なるべく普段と同じことをするのよって。

窓辺のレース編みを洗った。教会バザーで求めた手仕事のレースは ところどころが歪んでて暖かい。


キッチン続きのサンルームをを拭き掃除して・・・

缶や瓶の蓋を集めた籠を キッチンらしい飾りにする。


満開のラナンキュラスとストックを摘む。
外国コインを 牡蠣の貝殻に入れることを思いついて小さく満足する。


おさらい休憩に

いつものように本を読む。


装丁が美しいゾラの三都市叢書、1894年作 "ルルド"。

緊張で金魚さんのようにアプアプしてても、感覚はちゃんといつも通りねって確かめながら・・・


レモンカナリアちゃんに頂いた

バスセットを使う。


アンティークローズが香る。ニャンコのローラーが可愛い・・・

普段と同じに感じる。うん、大丈夫ねってまた自分を確かめる。
特別な日のために重ねる普通の日。
これからも普通の毎日を大切にしたいワ・・・。



芍薬のドレス

April 29, 2010

芍薬のお花が大好きです。芍薬みたいな柄を見つけたとき、第14回パリの風に お客様をお出迎えするドレスにしましょうって決めた・・・。


舞踏がテーマのプログラム、明るくて曲に似合うかもって・・・。

アクセサリーは一目惚れした手工芸。ちょっぴりずつ左右のデザインが違ってて楽しいの。職人さんの手で並べられたかわいいガラスや石が大好きよ。パリの街角で見つけました。


裾は此んなふうですヨ・・・。


ゴールデンウイークの午後、ハーブと音楽をお楽しみになりませんか。


《落合桜 パリの風 第14回》

5月3日(祝) 午後1時半開場 午後2時開演
      布引ハーブ園 森のホールにて


《第一部》
ショパン  ワルツNo.13、No.10、No.8
ポロネーズNo.2
スケルツォNo.2
ドビュッシー デルフォイの舞姫
ピックウィック卿をたたえて
月の光がそそぐテラス
ゴリウォッグのケークウォーク
《第二部》
ピアソラ ボンソワール
ナイトクラブ1960
チャイコフスキー ナタワルツ
ウェーバー ロンドブリランテ
ガーシュイン ラプソディー・イン・ブルー


主催/
新神戸ロープウェー 神戸布引ハーブ園

後援/
神戸新聞社 サンテレビジョン (株)ラジオ関西 関西桐朋会
神戸芸術文化会議 (財)神戸市民文化振興財団 神戸音楽家協会 
ブローニュ・ビヤンクール・コンセルヴァトワール
六甲摩耶観光推進協議会 エスタシオン・デ・神戸
(株)ヤマハミュージック大阪・神戸 ラ・スコラ・カントリュム
神戸ファッション美術館 サロンコンサート協会 
尼崎ロータリークラブ 神戸北ロータリークラブ (株)神戸酒心館
ピア・ジュリアン 翰林院酒肆 清酒灘泉 喜心会


お問い合わせ:
 神戸布引ハーブ園 tel 078-271-1160



内緒のエートルは黒田節

April 26, 2010

(クリックしても画像が粗くて ごめんなさい)

楽屋へ続くホール廊下にて。

普段には会えない従姉妹に、偶然にピアノを聞いてもらえた日。


アイスランド火山噴火の影響で飛行機が飛ばず、従姉妹がボルドーへ帰れなくなって ホワイエコンサートに来てくれました。

両親ともに兄弟が多いから、親戚はとってもたくさん。
数多い血縁者の内には、内緒にしたい人が一人居た・・・


持ち物の紹介にと時々書いてるのは 父方の祖父のコトばかりでした。

芸術と文学を深く愛した祖父。
片や・・・


片や母方の祖父は・・・孫としては大好きだけど恥ずかしいから触れなかったのよ。何故って音楽にも美術にも遠く、ガサツで有名だったのですもの・・・

明治生まれだのに180cmある長身で目立つうえ、大酒飲みで 酔っては大声で黒田節を歌って・・・もぉ・・・

でもネ、神戸新聞ホワイエでコンサートを開いていただいて内緒にしてるのも変テコだから・・・


スポーツ新聞話題に口火を切った。

関西初のスポーツ紙として神戸新聞社が築いたデイリースポーツ。


あの創刊に関わったガサツな常務の・・・ 私、孫です(恥)って。
打ち上げのお席になってお初に打ち明けた。

リストよりラヴェルより黒田節がいいと言った祖父。年少の記者時代から武勇伝も数あった。

神戸大空襲のさなか防空壕へ入らずに、側溝の中を何十km走って新聞社へ空襲の記事を届けた豪胆で果敢な人は 94歳まで生きてくれました。

私のエートルの中に黒田節もきっとあるのね・・・。そういえばね、音楽としてはちょっぴり粗野で ペソスのある曲も大好きなのですよ。

*エートル
*エートルが繋がる
*エートルとプロセス
*エートルとエグザゴン
*スペインへの恋(7)ギターの音
?ぴちこちゃんの恋愛(3)好きな品物



ルーヴル宮の舞踏会の朝

April 23, 2010

今夜はホワイエ・コンサート。小さい場所だしバックポジションになりそうだから 背中開きのシンプルなドレスかな・・・って選んだ淡いオレンジ。


哲学者ウラジミル・ジャンケレヴィッチとカタランの作曲家フェデリコ・モンポーの特集を読む。本番を控えて緊張しがちな時には、なるべく普段通りの仕業を心掛ける。

それからふっと、お世話になった人の顔を思い浮かべた。今夜演奏を聞いてほしかったナ・・・って。

フランス音楽シリーズの企画を下さって、"パリの風" って名づけてくれた人でした。貴方が作らせたかった企画は第14回を迎えたんですよって伝えられたら良いのにナ。

病中で、もう視線を合わせることも会話を交わすこともできないけれど・・・。二度と演奏を聞いてもらうことができない人も居るから、今目の前においで下さるお客様を一層大切に思います。

松方ホワイエにて。
午後6時半開場、7時開演です。

どうぞいらして下さいね。



本番朝に浮かんだ顔

April 17, 2010

曲に対するスタンスは いつも迷う。本番の直前まで・・・ときには終えたあとにも。


第14回のプログラムで考え込んでた曲は2番ポロネーズでした。


**


私は事を悩まないたちで、もう恥ずかしい有りようです。なにか起これば皆にわっと話し、自分の失敗も皆にわっと話し・・・。話してる間に どうだってよくなってくる。

悩む意味も効果もないから つまらないワと打ちやってしまう。甘いおやつの一つもあれば すぐ其ちらが重要になる。本当にお馬鹿じゃあないかしらって・・・

2番ポロネーズの籠もったテーマは 私のようなお馬鹿な発想と根本的にちがってる。

半ばに同様のテーマが出てきても、後半に出てきても常に悩み深い。繰り返されることでテーマは発展も変容もしようとせずに同じ表情同じ形をしてる。

頭で理解をしても心情に寄り添うことが難しかった。解決も忘却も求めていないように繰り返すメロディー。物思いから出ようとしない風な心情を 異界のもののように見つめてた。

うっかりと気を抜けば、どんどん溌剌とした演奏になってゆく。私はポロネーズの苦悩の中に留まっていることができずに困ってた。段々に調子づいて はじけちゃうウェーバーが、素のままで良く煩いがなかった。

最後まで 変容変奏のない特質を考え続けた。


13日火曜日。

ピアジュリライブの朝。


お初のお披露目に緊張しながらおさらいしてた。鍵盤の前に急に浮かんだ顔があった。彼はね、此んなお顔をしているの。


《伯父様、あなたは懺悔所を設けていらした方ですけれど、そのあなたでさへ、犯した罪をこんなに悔悟してゐるものには、恐らく出あつらことはないと思ひます、その悔悟は、言葉なき絶望の絶えざる祈りの波の中に溺れてをりました。》

《とはいへ、野育ちの眞性直さを現してる粗野な額には、気力が、ほんたうの力の宿るものやさしさの名残りを、のこしてゐました。そのうねうねと皺ばんだ額は、偉大な心情と調和をなすものでせうか?なぜ、この男は花崗岩の中にゐるのでせう?なぜ、この男の中に花崗岩があるのでせう?》
                                    (水野亮様訳)


とても心惹かれたバルザック "海邊の悲劇" のピエル・カンブルメルの顔でした。

傷が癒えることを拒否した姿。この曲で学ばなければと探してた顔。

*もう一度聞きたい
*ショパン"ポロネーズ"No.2
*明るいコンサートの序章



L'air de ParisV



デュオ・ババールと小物

April 16, 2010

7月7日七夕の曲・・・デュオ・ババールの初見合わせをしたとき 紫色の音がした。すみれ色のプーランク、アメジストのラヴェル・・・


紫色のドレスにしようカナって牛君と相談した。そうして髪に飾るコサージュが欲しくなってたのヨ。華美じゃなく、しっとりしたリネンのモーヴ・コサージュ。

其んなとき思いがけず・・・

甘さと大人っぽさのバランスが絶妙で憧れてたles-idees-de-h様お作のコサージュが手元へやってきてくれた・・・。此んな思いの通りの偶然ってあるかしら・・・なんて嬉しいことでしょう。


合わせのフランス譜面を入れるのはロブジェ・キ・ペピさんのバスケット。


楽譜サイズにぴったりで革取っ手が可愛いの。

するとまた誂えたようにles-idees-de-h様のエッフェル塔が・・・。
ふっくらかわゆいエッフェル塔、楽譜の周りでゆらゆら揺れる。


バスケットの中のポーチも
les-idees-de-h様のお作。


一目見て此れにも驚いた。大昔から使っててブログにも登場してたリバティ布・・・。ほら、ぴったりのリバティ・ポーチです。

嬉しい嬉しい偶然が重なった。
小物たちをお供にデュオ・ババール頑張ります。




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