Le morceau ⅩⅡ



シューマンとデュパルク

February 08, 2019

ギタリストの方がシューマンのピアノコンチェルト音源をシェアされてて、200年ぶりにシューマンを聴いた。


と思ったら映画 "イザベル・アジャーニの惑い" でシューマンが使われてたと思うから数年振りかな。

シューマンのこと、あまりわかってないなりに面白かった。


コンチェルトだとピアノソロ特有の内声が絡み合う暗譜の樹海から出られなくなる恐怖を、オケという引き綱が救ってくれる。


それは聴く側の神経にも安定感をくれてるように思えた。
シューマンの樹海事故を目撃した経験が数回あるから。

うち1度は本当に大惨事で、同じ道を回ったあとに、止まろうか迷う足取りで別の道を行ったら行き止まりだったのかな...

存じ上げない演奏家さんだったけど辛さが伝わってきて涙が出た。樹海に入るところから再出発されたが、そのチャレンジは同じ道で滑落事故を起こした。


シューマンの影が揺れる情性の世界は自分には到底無理だワと早々に決めたあとさえ、シューマン樹海を見るだけで何とはなしに恐怖を覚えたりする。


作曲家の不安定感が奏者を惑わせる感じが、聴いてるだけでも恐怖になる。

だから樹海のずっと手前の浅い原っぱを眺める(音楽学生を終えたあとのシューマンとの付き合いは家でモタモタ譜読みして終わるだけ)くらいしかしたことがないと思う。


滲み出す暗みや、分裂気質が手に負えない気がするのカナ? って心うちを覗いてみれば、それも違う。


何故ってデュパルクの闇には恐怖するどころか
脅迫的な反復にも、アンバランスにも、衝動の急激な消失にも、
彼の精神状態に先ず感じ取るのは傷つきやすい美だ。


ならば其の眼をそのままシューマンに向けるべきだったかなぁ。


書物の読み方が作家ごとに異なるのと同様に聴くべき事は作曲家によって無論違うけれど、観点の部分で --- 眼鏡を同度数にする風な意味で --- ならアリだったのかなぁ。

もはやシューマンは背中も見えない遠くにあってわからない。
デュパルクは割と傍で、顔色の悪い額を見せてるけどネ。



レッスン記録:発音と音楽

January 08, 2019

ジェラート・ピケさんのルームウエア。
頂いちゃって嬉しいから、珍しく新しい物の写真upです。


普段は古びてさよならする前に撮ったのばかりだものね。

**


フレーズの '合わせ目' や、楽曲の 'うた' などを大人のかたに今更かもしれないけどレッスンでお話する機会があった。

どなたもがご存知かもしれない事のおさらいをお話しました。
おさらいは、もし知ってらしたらごめんなさいねって気持ちでお話する。


知ってることだとしても、あらためて言葉にし、新しい表現で他人から聞くとはっきり認識ができることってありますね。


おさらいの、おさらいくらい平俗な事も、声にしてみると違う。

例えば先日は 'お早うございます' で確かめました。

普通にご挨拶の言葉を発し、次に「全部の文字を同じ強さと同じ速さで」オハヨウゴザイマスって発音してみるの。


2つの違いを認識します。


お話文では、

  オの音が弱く速くなり
  ハはオより多くの息を吐き
  ゴはごく弱く、ヨ~ゴの流れに溶け込み
  イは唇を横に引っ張らずザとマを壊さぬ位置を取り
  スは無声音に近い

って分かりますね。


異なるイントネーションの場合でもそれぞれの音楽がある。


「全部の文字が同じ強さと同じ速さ」じゃないって気づきばかりでなく、同じ強さ・速さの時には無かったような、フレーズ感に近いものが現れるところに注目したい。

[お早う + ございます] っていう意味中心の語句感覚とは別の

'イディオム' 若しくは 'くだり' と言い顕せるものに出会います。


その僅かで何でもない語句と楽句の兼ね合いや、音の張りと緩みに「音楽を聴く」ことができれば


自身が発する音も指を使って発音する音楽に対しても、もっと緊密に細やかに耳を傾けることができそうです。

'日常の楽節を聴きとる耳' によって奏でられる音楽は、音をより言葉として捉えられるものになりそうで・・・

其んなお話をしてレッスンに入った日、受講された方は自分の音をあらためて聴く気持ちを得てくれたようでした。


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1kgと夢とムービー

December 31, 2018

1kg体重が増えた。
健康的で気を良くした。


昨朝も、気分がいいって書いたところでした。
ところが午後には、涙がぽたぽた落ちるくらい苦しんで
堪えた挙句に3回も戻しちゃう様相に・・・

元気ですと発表しておいて続かないワンパターンをまた繰り返した。はぁ。


暖かいベッドの中なのに細かく身体が震えて怖かった。


ブルゴーニュ君がほかほかのお腹を付けて添い寝してくれた。
ぎゅーむと小さい躰を延ばし密着して、私の顎に自分のお顔を重ねて。くっつくいてたら早く気分がよくなるかな?


急に体調が崩れちゃうの、厭ねぇ・・・
身体を冷やしちゃったせい? って考えた。
不調の理由が欲しくなる自分が居る。

綺麗に晴れた空に誘われ、少しだけブルゴニュ君と歩きに出て冷えたのかな。足の怪我をいたわりながらで負担だったかな。

わからない。
ひっそり保ってたペースが僅かな無理で崩壊する。


夫が帰ってきて手伝ってもらって起きてみた。
スポーツ飲料を飲んでみた。大丈夫だった。


夢と、苦しい時間の箱の間を惑った疲れが和らいだ。

ブルゴーニュ君は安心したように、オモチャ祭りを始めた。
オモチャは '顔' がたくさんある。可愛くてミステリアスで '顔たち' が転がる床をとっても気に入ってる。

**


一昨日、プーの "夢" を弾きました。

  *プー "夢" と靄

夢に軽やかに運ばれ、夢を見る人が感じる世界を描くより、
人を覆い、人の戸惑いを無きかに扱う酷薄な '夢' そのものが近しく思えた。





■ブルゴーニュ君のプーランク
*お昼寝の曲
*雨の日のお昼寝動画
*可愛い音符


■プーランク楽曲関連
*プーのおしゃべり
*プー "violon" と美容(1)
*プー "violon" と美容(2)

*プー "夢" と靄

*プー&モツと摩擦
*爛熟、プーランクと爛れ
*腹巻FP146
*カラフルな月
*プー "ノヴェレットNo.1" の生地
*プーランク:一篇の。
*純真
*パレ・ロワイヤル
*似てるモノ・違うモノ
*プー、スケールに泣いた日
*モテヘア&モテメイク
*レッスンで泣く
*チャイコと雪とプー


■プーランクの気配
*パリのプーランク
*プーランクとシュレアリスム
*ラファエル前派とカードアイコン
*プーランクのテクスチャー
  *シネマ記録(22)僕のおじさん
*フランスの特権

*プーランクで麻酔
*プーと共感
*プーとペダル
*ダダとプーと苦いコーヒー
  *ババァとおばば
*小さな副作用とプー
*斜め者のやすらぎ


■プーランク歌曲&デュオ関連
*プーランク "ロマンツァ"
  *ロマンツァその後
*フランスとルイーズ
*カフェは難しい・・・
*プーランク x ルイーズ
*神のないルイーズとフランス
*ルイーズのチーズ
*ルイーズの赤
*思い出の硝子瓶 + ルイーズ
*ルイーズのお稽古
*落日の色、ヴィオロン音源up
*プーランク "花" 音源up
  *枯れた花のお手紙
*女心とアンドレ婦人
*PJにてプーランク・マズルカ
*プーランク "草むらの中で"
*舌切り雀、Il vole


■クラブ・プーランク関連
*クラブプーランク中間報告
*クラブプーランク延期のお知らせ
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*12月3日クラブP第6回
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*チョコメモ、プーランク、師弟
*プーランクの朝
*打合せ
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*今日は楽しみましょ~♪
*チェロソナタのピアノパート
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*プーランクと運命の人?
*クラブ・プーランク



プー "夢" と靄

December 14, 2018

昨日、靄が立ち込める運河の訪問記を書いた。


'人と防災未来センター' のライトアップが明るかった。

クリスマス前だからってわけじゃなく、プロジェクトによってテーマとイルミネーション変えながら地域交流の目的で通年灯されてる。


ブルーからグリーンへ建物の色が変わると、湿気を帯びた地面から同色の光が照り返す。


後ろ手に運河が流れるが、陸地もお水の中みたいだった。

半月前を思い出しながら写真を見ると水面から音楽が聴こえた。
何の曲だったか数秒間考えた。暈けて見える断片だったものが徐々に焦点が合ってきて1曲になった。


口に含んだ葡萄の香気から詩と音楽が脳内に蘇ったように

  *ジャスミンとイヴ


目的地を定めてないかのようにゆっくり進んでゆく運河と
縦に重なり '和音' となったレッドやグリーンの光の音は、

Durとかmollという概念をとてもつまらないものに思わせた。
この夜の靄が気体か液体か定かじゃなかったように
それは狭間を動きゆく音だ。


ル・コルビジエ風に写る建築前に設置されてる 'なぎさちゃん' (正式名称はサンシスターっていうのだそう) を、美術館前にあるまじき物って疎んじてたけれど、


よくよく見ると思ってたより更に奇態で悪くなかった。

配置と運河までの距離が写真で見るより何段階も悪い均衡になっている事も、不安定で嫌いじゃないと思った。

少女が巨大であるという矛盾もなんだか気持ちがいい。
じゃあ好きかって問われたら、わからないと答える。


例えば・・・たくさんの脚のオブジェに迷い、見上げるとそのどれかが 'なぎさちゃん' の脚だったなら好きになってたかもしれない。それは心動く1つの出会いだから。


私はまだ 'なぎさちゃん' と出会ってないからわからないのだ。
飼い主の顔をそのまま写すブルゴーニュ君の表情が、私の理解の浅さを物語る。

確かな手応えを感じるにも関わらず心を追えば何処かに迷い込むような誘う和音が連なる。



柿の種と和音

December 12, 2018

寒い雨の日の病院でした。
帰ってしばらく眠ってしまった。


お別れした手編みを記念にupしながら。ビーズと襟元が異なるのが3パターンあったから、以前同じの棄ててなかったっけ? って憶えてくださってる方がいらっしゃるかも?


昨日のレッスン記録は2箇所に今後への含みがありました。

'伝える' ための心緒を保ち発展させてゆく課題と別個の問です。


1つ目は、


2)の『生徒ちゃんはスープボウルじゃないシリアルボウル(把手なし)にポタージュスープを入れたいって答えました。いいですね。』って文です。

大きいスープボウルにスープをたっぷり入れたら重くなり、不安定だから片耳(片把手)より両耳がついてると持ち易いですね。
熱々でも手を添えたり持ったりできる。つまり温度を手に伝えないための役割も担う耳です。

対して生徒ちゃんがシリアルボウルにスープをと言ったのは '手で温度を感じたいから' だと思います。

生成りのあたたか色を選んだのも、クリーミーなポタージュスープと答えたのも、掌で熱を感じ、ボウルと共に手の平に湯気を包み込むイメージでしょう。


其のイメージは、手に熱さを感じさせないために耳がついたボウルと根本的に発想が異なりますね。


  これが音の取り扱いというものです。

  スープの熱を何者と捉えるか。

  [今の場合] [其の作曲家の場合] [其の曲の場合] に
  スープはどこに伝熱するのか?

斯く自問なしに自分は音を出すことができない気がします。


これが2つ目の


3)の『温かい和音を温かな音色で弾くのと似ていますね。』の例になります。

平たく申せば [笑顔] という和音が書かれている。
楽しいお話と読み取っての笑顔であるか、悲しいお話と想定しての笑顔であるかで無論質が異なります。

a.楽しいお話の笑顔に温かい声を添えるか
b.悲しいお話の笑顔に温かい声を添え悲しみを引き立たせるか

c.楽しいお話の笑顔に冷たい声を添え皮肉を見せるか
d.悲しいお話の笑顔に冷たい声を添えピリッと突き上げるか

選択肢は此の限りじゃなく、小節の数を掛け合わせれば無限にあるでしょう。

生徒ちゃんが具体的に理解するために柿の種なんてどうかしら?
ピリ辛の '柿の種わさび' と甘辛の '柿の種チョコ' などは '音色にコーティングされた和音' に符合しそう・・・

あんまりロマンチックなレッスンおやつじゃないけど、たまにはいいよね。




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