La table T



年末のパトゥさん(1)

December 28, 2007

雨の音で目覚めた金曜日。今年も残りあと4日ですね。

今年最後のパトゥさんへ行って参りました。一人ゆっくり夜のコースを楽しんで参りましたよ。


食前酒はベルモット系のものが飲みたくてお願いしました。シニアソムリエさんが見せて下さったのはノイリの瓶。

ベルモットはオリーヴをおつまみによく口にします。チンザノにはニンニクオイル漬けのオリーヴを、ノイリにはスープ漬けの若いオリーヴを合わせたくなる感じ。どちらかと言えばノイリのスマートな清涼感が好きです。

ノイリをどのように飲むかちょっと考えて、ステアものはできますか?って伺ってみました。こんなお願いは バー・コーナーの無いレストランのテーブル上では良くないことですが、アミューズのお供の食前酒の範囲で 静かにステアするタイプのものならお頼みできないかしらと思ったの。

「バンブーとか・・・。ドライシェリーなんて混ぜて下さらない?」
シニアソムリエさんは、やりましょう、と大きく頷いて下さいました。聞けばホテルのご出身で、カクテルも作られていたことがおありだそう。

食前にぴったりの、優しいバランスの上品なバンブーでした。

アミューズの牡蠣のオーブン焼きは満点です。香りが立って味付けが完全にまとまっていました。アミューズから配分がとってもいいことに、来て良かったって嬉しくなりました。バッハの平均律のような 図形が見えてきそうな良いバランスでした。
実際にかかっていた音楽はシューベルトのピアノ曲、Op.90 No.2でしたけれどネ。

続きは次回に。


今日のお花はバリ・フォーエバー



長者さん

December 12, 2007

駈けまわっています・・・日曜の本番の後 大騒動で譜読みをして、今日は佐藤梨栄先生の本番の初合わせ。終わったらコンクール前の生徒ちゃんのレッスンだから急がなきゃ。生徒ちゃん、今日こそ暗譜できていますように(笑)


食材のお買い物にも行けないでバタバタしているけれど、何だか大丈夫みたい・・・
これ、別々のご近所さんに頂いたんです。


瑞々しいお大根は すじ肉大根にしました。
白菜は、すじ大根の余り汁を使って 千切り薄揚げを焚き合わせ。
半分は浅漬けに。


蕪はソーセージと一緒にお昼のポトフにして、
薩摩芋は ホイル焼きで お夜食の焼き芋になりましたよ。
ラ・フランスも柿も甘くって・・・♪


他にもまだまだ色々と。スーパーのお買い物に行く時間がなくても大丈夫でした。
遅くなった打ち合わせ帰りにお花だけ買いましょうと、もう閉まりかけのお花屋さんへ立ち寄ると・・・
今度はお花屋さんが鉢植えの薔薇を下さいました。
波打つような花びらのベナミ。入荷したばかりの売り物を、いいのかしら・・・

皆さんのご親切で 長者さんのような食材とお花・・・。
暖かい気分で 今日も一日を始めます。



チュニジア風シチュー

December 06, 2007


この頃はお客様が多いんです。本番前の予行のため、色んなお友達にお部屋で演奏をお聞き頂くの。それからちょっとおしゃべりをして・・・
お家のお近い方々をお呼びしてはリハーサルを繰り返して、曲の完成度を見ていくのです。


この度はマダム・ビスコッティがいらっしたので お昼ご飯にお誘いしました。サーモンとベビーリーフのサラダに チュニジア風シチューです。

大蒜の買い置きが無かったからパウダーで誤魔化しちゃった手抜きです。お肉にはタイムを少々。


ノワ・ド・ムスカードとクミンは数回に分けてたっぷりと・・・♪


赤ワインとたっぷりのトマトで煮込んだ後、香り付けにブランデーを回し掛け。
くつくつ煮えてきたら マッシュルームを投入して 胡椒などでお味を整え・・・。


デザートは柿とアロエの和え物に、マダム・ビスコッティおもたせの フロインドリーブさんのナポレオンパイ。
たくさんおしゃべりした楽しいお昼ご飯でした。



パトゥさんのシヴェ(3)

December 03, 2007

今の時間は雨降り模様。田邊裕香子さんとの4度目の合わせの前に、パトゥさんレポート最終回です。


鹿のプラは美味しくってソースも一滴も残したくない。パンはもう無くなってしまったの。パンに関しては「ジャストなパトゥさん(3)」で書いたように、ソースのために粘りのごく少ないバゲットがある形を好むのでコンブレは普段少ししか頂いていないのです。でもどうしてもこのソースだけは残したくないから・・・

念のため申すと、パトゥさんオリジナルの全粒粉のパンは大変人気が高いのです。パンだけでも美味しいと仰る方が多いようなの。朝以外にはコンブレを食べないなんて言い張ってるのは私だけですから・・・ネ。

パンを追加注文すると、え?おじいちゃままで?
小鳥さんくらいしか胃に入れないことの多い人がそんなに食べて・・・と心配になりました。おじいちゃまも金目鯛のプラのソースを残したくないと言うの。

ああ、そして登場したのは熱々のバゲット!感激でした。バゲットも常備されていたのか、たまたまなのか存じませんが、私は断然これが気に入りました。
嬉しかった♪鹿のソースを付けるパンはこれでなくちゃ。あっという間にバゲットは消え、ソースの終わったおじいちゃまの分まで奪って平らげてしまいました。
終わった時、お皿は洗ったようにピカピカ・・・


デセールは梨のコンポートのバニラアイス添えを選びました。これも凄いわ。果物のコンポートにつきものの もっさりした感じが全くなくて、透明感の高いお味に周囲のジュレのサラッとした舌触り。甘さもジャストです。


お皿にチョコレートでJoyeux Anniversaireとお誕生日のお祝いを書いて下さいました。この文字までスプーンでこそげて食べ尽くし・・・黒胡椒の効いたバニラと甘い梨に、少量のショコラはとっても美味しい組み合わせだったんです。お皿のピカピカ度は、お行儀が悪いほどでした。

パトゥさんは今回も花マルでした◎
とっても美味しいお誕生日ランチでした。

今日のお花はジュリアン



パトゥさんのシヴェ(2)

December 02, 2007

空気が張ったような冷え込む日曜の朝です。昨日の続きのお食事レポートです・・・。


アントレは二人とも楽しみだった鹿肉のテリーヌ。銀杏が入って上には煮凝りが乗っていました。マダムは鹿と仰ったと思うのですが、カルトの中では小型のノロ鹿に当たる文字があったので 話題は鹿とノロ鹿について。
おじいちゃまとお話するの、大好きだわ。どんな話題でもとても広い知識で応対してくれる・・・色んなことを教えて頂けてとっても楽しい。ドクターらしく、動物の生態もしっかりお話してくれました。

鹿肉の野性味にうっとり。二人ともテリーヌが大好きなのです。
ピンクのさした綺麗な肉色の粗めの生地が本当に美味しかった。

スープはデュ・バリー。浅利が入っていました。以前頂いた二つのスープより随分しょっぱかったけれど、味がシャープな分 カリフラワーの香りがよく感じられました。


鹿のシヴェは素晴らしい出来ばえ。幸せの絶頂だったわ。山口シェフ様は鹿が特にお上手だと思えてなりません。


鹿のプラは、何故だかミントの感触があったんです。香りじゃなくて、飲み込んだ後で舌に残るほんの微量な味。だからマダムを呼び止めて伺ったの。でもシヴェの中には使ってらっしゃらないと仰って・・・。そう言われた後 更に集中して味わってみても、どうしてもほんの少しのミントを感じる。

その時シニアソムリエさんがワインを注ぎにいらっして「カベルネ・ソーヴィニヨンで煮込んでありますから、シサックに合わない筈がないですね。」とニッコリ仰り・・・

きっとそれじゃあないかしら。カベルネ・ソーヴィニヨンってミントの特徴を持つものが多いじゃない?煮込んだワインの中の香りなら納得できます。
深い味わいの素晴らしいシヴェでした。


今日の植物は、卵型のツルンとした葉っぱが可愛いペペロミア・オブツシフォリア、俗称アオペペと エア・プランツT.ベイレイ



パトゥさんのシヴェ(1)

December 01, 2007

今日から12月ですね。時の経つのが早いこと・・・

今日はお誕生日の日に行った、再三三度のパトゥさんレポートです。


先日「パトゥさんとソムリエバッジ」に書きました、おじいちゃまとのパトゥさんランチの3日後にはもう次のお誘いメールが来ていたの。80歳を過ぎてもメールなんてスラスラ打てちゃうおじいちゃまです。
おじいちゃまは是非すぐにパトゥさんで別のお料理を試したいって。ところで誕生日の日は何しているのかな?って。

24日のお誕生日は夜に予定があったんです。だからお昼ご飯なら大丈夫よとお返事。お昼にフルコースを食べて、続けて夜も?って笑われながら行って参りました。


ウエイティングスペースに到着すると、薔薇の花束を持ったおじいちゃまがお出迎えしてくれました♪なさること、お若いわね(笑)どうもありがとう。


二人ともリラックスして着席。美味しいとわかりきってるレストランって本当に良いわ。この安心感もパトゥさんの味わいの一つです。

マダムが来られるのを待って、先回のランチから不思議に思っていたことを確かめたくて お尋ね事。
穴子のサラダに クミンの香りがしたんです。確かに香ったのにホンの1、2箇所だけで、後はパプリカのプードルにも混ざってなくて・・・どうして?って不思議だったの。

マダムのご返事は、混ぜないでポイントにほんの少しの粒で使っていましたとのこと。
わぁ、そうなんだ・・・幻臭じゃなかったのね(笑)一音だけ入るピッコロの音みたいだった。あんなの大好きだわ・・・♪また是非作って下さいね。

メインはほろほろ鳥を鹿のシヴェに換えられると有り難いお言葉があったので飛び付きました。アントレが鹿のテリーヌなのに、メインも鹿でいいんですかと言いたげなマダム。ええ、いいんですヨ♪朝昼晩の三食とも子羊、鹿、猪のローテーションで一年間毎日続くのが理想なんです。そしてオヤツに野兎のパテと熟れきった山羊のチーズが入ってくればご機嫌なんです。

おじいちゃまのアントレも 私のアントレとメインも鹿なら、ワインはかなりタンニン臭いのが良いわとオーメドックのシャトーシサック。2002年しかなかったシサックは、2000年に比べると引けを取りますが 重さが丁度良いので迷わずこれに。


アミューズはマグロとアヴォカドのタルタール。パンの上に溢れるほどにジューシーな鮪がたっぷり乗っていました。


乾杯の話題は プッチーニのピンカートンとワーグナーのジークフリートと どちらがdegueulasseな(ヘドが出そうな)男だと思うかい?と砕けたお話をおじいちゃまが振ってきて(笑)おじいちゃまは、本当はこんな言葉は使わないんです。最近、私のきつい語彙をふざけて真似するの。

日を置かずに訪問した私達のために、シェフ様は以前とかぶらないアミューズに変更して下さったのだそう。ご配慮有難く感謝します。 

今日のお花はパンジー



季節のお料理

November 29, 2007

少し前、お夕食にお邪魔した京風季節料理の「くれない」さん。シンプルですが工夫のある立体的な盛り付けが楽しかった。神戸市中央区のお店です。


良いお味だわと感じたのは右写真、わけぎのヌタ和えです。シャッキリした食感で、白味噌とお酢の具合がとても良かったわ。日本酒で頂きました。


今日の植物は、斑入りアロエと縞入りアロエ



パトゥさんとソムリエバッジ(4)

November 21, 2007

シェリーの最中のアントレで早々とワインテイスティングが来たので一瞬驚くおじいちゃま。おじいちゃまのお宅のスタイルは食前酒はソファで、お食事はお部屋を変えてテーブルにと完全に分ける習慣なので「どうして?」って。


シェリーはメインまで持っておき 魚介のアントレにはワインをとシニアソムリエさん。それもそうねとお勧めを試して、おじいちゃまは満足そうでした。

シニアソムリエさんは、おじいちゃまのオロローソが私の鴨に合うことを途中で教えて下さいました。
余計なことですが、って、会話の邪魔にならないよう慎ましやかに・・・。サービスの受けられるレストランではソムリエさんに沢山お話を伺いたいほうですから どんどんいらして下さいね。
こちらも パトゥさんで同行者と議論はしていませんもの。この時はね、おじいちゃまがドビュッシーの直腸癌のお話を仕掛けたので注意していたの。ドビュッシーの曲は鴨のお皿に良い話題だけれど、直腸癌はちがうでしょうって。子供みたいなおじいちゃまです。

写真の色鮮やかな南瓜のスープは、先回アントレに選ばなかったことを後悔するお味でした。ヤマシギ君と訪れた時、スープが南瓜と聞いて 二人で声を揃えて「南瓜かあ・・・。」とパスしてしまったのです。
これまで良い体験がなかったことが理由です。
南瓜のスープって本当に垢抜けないものが多いの。なんていうのか、無理矢理なお料理で。材料の粘りや甘味でお味はまとまりが無いし、メインの前の過度の甘味は食欲を抑えてしまうし、大変にイメージの悪いものだったんです。恐らくヤマシギ君も同じ理由で同じ言葉を発したのでしょう。舌っ足らずな垢抜けなさが付き纏う品として 遠ざけていたのでした。
でも見解を改めました。優しくてストレートでタイトな南瓜スープもあるのね。

見ればおじいちゃまもスープを終えようとしていて 思わず「大丈夫?」とお声掛け。こんなに食が進むのを見るのは本当に久し振りだったんです。
茄子を下敷きにしたメインの鴨と一緒に おじいちゃまの鰈もお手伝いする予定だったのに、おじいちゃまったらメインも全部食べちゃった。信じられないわ。

じゃあ、デセールは私が二つ食べることになるのねと思っていたら、ニコニコしながら「くるみのクレームブリュレって興味を引くなあ。」と選んでいるんですもの。最後まで全部食べるつもり?ホントに大丈夫?

驚いたこと・・・
とっても嬉しい驚きでした。おじいちゃまの笑顔が沢山見られて本当に良かった。パトゥさんありがとう。

これから田邊裕香子さんとのマリンバの合わせに行って参ります。


今日の植物は多肉の若緑と名月



パトゥさんとソムリエバッジ(3)

November 20, 2007


二つのシェリーは、異なるシェリーグラスと共に運ばれてきました。
よく冷えたフィノは喉越しの良い薄手のスリムタイプでした。
オロローソのグラスは なんて呼称か存じませんが、一回り大振りで底に広いカーブを取ったものでした。なるほどこのグラスは香り立ちが良く、底の丸みに茶色の液体が沈むような見目も良かったのです。
こんな配慮もシニアソムリエさんがいらっしゃればこそ。


先に述べた通りに午後の予定があったので、シェリーの後ワインはハーフでねと言いながら、注文したのはフルボトル。ホントにもう・・・意志が弱いったらないわ。
ハーフのリストをお願いしたのに注文は違っていたものだから、シニアソムリエさん目を瞬く・・・の図。前もこんなこと、ありましたね・・・。ノンアルコールをお尋ねしておいて、注文が思い切り違ったことが。
おじいちゃまが、「フルボトルを全部空ける義務はないんだから、スタッフに半分残せば良いじゃないか。」と唆したの。でも結局残らなかったじゃない?何故なの?と言うと笑ってたおじいちゃま。

注文したのは、優しいルーセット・ド・サヴォア05年でした。おじいちゃまのメインが鰈でなので、サバイヨンかベアルネーズのソースが来るのじゃあないかしらと フレッシュ系で主張のないものを注文。今日はおじいちゃまのためのお料理のお味見の日ですから ワインには陰のお手伝いにまわってもらうのです。
食前酒よりも単純なお味のワインになっちゃうのは ちょっとつまんないけど、これ以上になると淡い清潔な鰈が負けそう・・・と想像して、おじいちゃまに気に入ってもらえるように素人ながら頑張ります。

上の写真はアントレ。穴子、毛蟹、蛸、海老、貝柱をサラダ仕立てにしてありました。縦切りの胡瓜とパプリカのプードルがベストマッチ。
おじいちゃまも美味しそうに食べ進んでいました。
普段はアントレだけで「帰ろう」と言い出しちゃう難し屋さんなんです。パトゥさんなら大丈夫と確信していたながら、デセールまで全部平らげたのには目を疑ったわ・・・。初めてのことでした。

おじいちゃま、とっても嬉しそうだった。行って良かったナ・・・♪
次回、最終回です。


今日の植物はネオレゲリアと、シダ科の谷渡り



パトゥさんとソムリエバッジ(2)

November 19, 2007


気持ちの良い空間に おじいちゃまはご満悦。シンプルで心の籠もった設えもですが 何よりお店の雰囲気に。雰囲気は意図して作り出すことは し難いものですね。スタッフさんの連帯やお考えが自然に醸し出す部分でしょう。


ホールの鍵を握るソムリエさんのお役目も 雰囲気に大きく影響しますね。
個人の好みですけれど、これまでに限って申すと ソムリエさんのいらっしゃらないお店には2度目に訪れたことがないんです。バッジの有無ではありません。確かにソムリエさんと思われる方が わざと葡萄バッジを付けていらっしゃらない場合は別です。

ソムリエさんがいらっしゃらないから再訪しなかったレストランと、
頼りないソムリエさんがいらっしゃったために再訪しなかったレストラン、どちらも残念なことでした。
私にとってはそれくらいソムリエさんが重要。

プロの方のアドバイスを聞きたいってことだけじゃあないみたい。ソムリエさんの一番のお仕事は、厨房から出てきたお料理を テーブルの上でもう一段階美味しくすることじゃあないかしら。
美味しくする方法はそれぞれのソムリエさんがお持ちでしょうし 感じ方も様々だと思います。適切なアドバイスだったり、ワインを知らない方への思いやりだったり、笑顔だったり。

私が一番嬉しいと思うのは、ソムリエさんがワインとお料理を愛する様子を見せて下さる時なんです。

先だってロラトワール・サンマルタンを頂く前に随分と躊躇しました。「このワイン、あんまりいい経験がないんですよ。」と申したの。ボトルが外れだった経験じゃあなくて、このワインを飲みながら恋人と別れたことがあるんだわ(笑)原因は思い出せないのですけれど、日暮れの遅い 夏のプロヴァンス。市街地の中心にある満席のオープンレストランで 彼に物凄く怒って大スペクタクルをやっちゃった記憶が。お別れはいつも派手なんだわ・・・(溜息)抑えた書き方をしますと 気が付いた時にはワインはちょっぴり零れていて、お上品でない言葉を沢山のお客様の中で絶叫。周りのお客様が指笛をピーピー鳴らして応援(?)して下さってた・・・。

そんなことで最初は気の進まなかったワイン。ええ、お味はよく知っているわ。と言ってもその時は殆ど口には入らずに 別の所に掛かったワインでしたけれど・・・。でもシニアソムリエさんのご説明は素敵でした。
ワインを言葉で正確に知るのは なかなか叶わないことだからこそ、語る方がワインに大きな愛情を持っていらっしゃることが最重要ですね。

シニアソムリエさんが後方で背を向けてテイスティングされるご様子を拝見していたんです。真剣なお顔でグラスを傾け、とっても満足そうにお一人で笑顔になって大きく頷かれました。それからこちらにボトルを持っていらして「いいワインです。」と。
あの後ろ向きの姿が見せた誠実さを ワインに対して持っていらっしゃること、とても大切だと思うんです。


今日のお花はビオラ



パトゥさんとソムリエバッジ(1)

November 17, 2007

秋の午後」に書いた おじいちゃまとのお約束を果たしに、パトゥさんへ参りました。

今日はね、最初にシニアソムリエさんに謝らなければならないんです。これまでパトゥさんレポートで ずっとソムリエさんと書いてしまっていたんですもの。この日初めてシニアソムリエさんだって気付いたんです・・・。


おじいちゃまはディナーを提案したのですが 私は午後の雑用が一杯に入っていました。インフォメーションセンターにマリンバコンサートのチラシも届けなければならなかったし、その他瑣末なことが色々と。
そこで12時の待ち合わせ。2,3分前に行くと ウエイティングスペースには もうおじいちゃまが到着していました。

おじいちゃまはシェリーが大好きなので まずは食前酒にシェリーを飲みましょうよと提案。シニアソムリエさんが二瓶をご用意下さいました。冷えたフィノと 初めて試す常温オロローソを注文し、分けっこするのを楽しみに待ちました。
おじいちゃまは、ランチでシェリーが2種類用意されていたことにすっかりご機嫌。
「言ったでしょ。ここは一押しなのよ。それにあのソムリエさんの仰ること、とっても信用できるの。」と、立ち働いていらっしゃるご様子に目をやって・・・ あっ!

どうしよう、ソムリエさんって書いてしまっていたわ。胸に光るバッジをよく見てなかったの。ソムリエさんじゃなくて シニアソムリエさんだったんだわ・・・これだから素人がレストランレポートなんて書くと失敗するのね・・・。

そうと分かるとテンションが猛烈にアップしちゃって。「ねえ、バッジの裏の番号 何桁ですか?」
・・・マニアックな質問をしちゃってごめんなさい・・・。番号オタクで、ピアノの製造番号なんかを見るのも大好きなんです。
かなり変な質問だったのに、シニアソムリエさんはわざわざバッジを外して 裏の千番台前半のナンバーを見せて下さいました。シニアソムリエさんの認定数はこんな桁数なのね。なんだか感激だわ。

アミューズに剣先烏賊のココットをつまみながらシェリーで乾杯。上品な辛口でシャープなフィノをきんきんに冷やして飲むの、好きだな。
おじいちゃまは、複雑な香りで味はセックなアンサンブルを持ったオロローソの方を とっても気に入ったようでした。


続きは次回に・・・♪
今日のお花はジャスミン・ホワイトプリンセス



ルセットさん

November 05, 2007

北野のルセットさんへ参りました。
ロケーションが良い感じ。外に面した階段を降りる地下になっているので 静かで日常から切り離された雰囲気が味わえます。
入り口正面に飾ってあるクリコ・トラヴェラーが色合いのアクセントになっていて、表の看板ワンコもキュートでした。


メインに羊か鹿かを少し迷いながら お店の方とジビエの好みをちょっぴりお話。今年ベガスはもう頂いたと申すと、すぐに「パトゥですか?」とご質問になって・・・。
他店でお気に入りの同業者のお話をすべきでないと思いますので、一瞬困っちゃって ええ・・・まぁ、と言葉を濁しましたが、ルセットさんはパトゥさんとお親しく合同フェアもなさってらっしゃるとか。まあそうだったの・・・♪
それでもお話が向いたパトゥさんのシェフ様へのコメントも一言に留めました。「職人さんですね。」
二言でも同じだったと思うわ。山口シェフ様のお料理は職人さんのお仕事という表現がぴったりな気がするから。

同行者が急なお仕事の都合で遅れてしまい、先にアミューズを頂きました。
途中で何度か電話があってしきりに謝っていたけれど、お仕事だから仕方がないですし、こういうの別に構わないんです。

どこかで待ち合わせをして 一緒に北野歩きをしてからレストランに・・・なんて予定はうざったくて苦手だから、最初から立てないもの。北野散歩がしたければ 自分の気分で早めに出れば良いから、待ち合わせは現地集合。だから何も問題ないわ。
いいから、代わりにワインも決めて 食べかけるわね、と応答してお食事開始。間もなくタクシーを飛ばしてやってきました。

「時間差で作って頂くの申し訳ないけど、こちらはアミューズから。私は次のお料理をお願いします。」と あくまでも遅刻関係無いペースを保つだけだから、こういうことには腹を立てたりしませんのに 怒ってるでしょとしきりに気にする同行者。

いいえ、ちっとも。怒るのは、遅刻者に合わせるよう要求された時だけ。遅刻のリスクは本人が負えば良いことで 相手が被るべきものじゃあないと心得ているならいいの。


この日頂いた中では、左写真のアントレ、秋刀魚と有機野菜のモザイク・テリーヌ、コライユのレムラードソースが美味しかったわ。レムラードの大蒜が大人しかったですが 野菜のお味が濃くて 美しいモザイクになっていました。一晩プレスをされたのだそう。


メインには鯛のポワレの後 右写真の子羊の背肉のロティ。
冒険心でMas las Cabesをお願いしてみて、マリアージュは当たりでした。


今日の植物は千代田の松と虹の玉



パトゥさんのヤマシギ(3)

October 30, 2007

この日のワインはケランヌ地区(コート・デュ・ローヌ)のオラトワール・サンマルタン99年
凝縮した強さのあるワインで、時間を追ってのお味の変化が大きかったです。ワインの野性味とベガスのコンビネーションを楽しみました。お味見したピジョン・ラミエにもとってもよく合っていたわ。


ソムリエさんが、デキャンタージュが必要なら言って下さいと仰って下さったけれど このボトルには必要なく、むしろ野性味がもう少し長く続いてほしいくらいでした。デセールに山羊と青黴のフロマージュを頂いた時には すっかりまろみが出ていて 同行者は特にワインの最後のお味が物足りなかったよう。

でもこの変化は アヴァンデセールに上手く繋がりました。
その後お菓子は口にしない同行者は、デセール代わりに甘いミュスカ・ド・ボーム・ド・ヴニーズの食後酒を注文。お得意のセリフをまた言っちゃった。「一口頂戴」
透明感のあるミュスカの味と ブーケのような華やかな香りと甘味。

私は写真のヌガーグラッセ、オレンジとパンプルムースのソースをデセールにしました。一つ目のデセールね。あら、フロマージュも頂いたのでしたっけ、だったら二つ目ね。
三つ目はパッションフルーツのパルフェでした。

どう考えても・・・食べ過ぎよね・・・

美味しかったナ。やっぱりパトゥさんは一押しだと思いました。この前後もフレンチのお店には足を運びましたが 本当の意味で洗練されたお味はやはりパトゥさんに適わなかった。お味の清潔感と呼べるものって こんなに大事なのだわと感じています。
お店は暖かい雰囲気ですが 一品ずつの緊張感があって。それは 決して食べる側に与える緊張感ではないんです。あとほんの少し甘くてもしょっぱくてもいけないという 小さな点の範囲がとっても大切にされています。是非また行きたいわ。

今日は彫刻モデルにお出掛けしてきます。こんなに食べ過ぎてたらクビになっちゃう・・・


今日の植物はモリムラ万年草と春萌え



パトゥさんのヤマシギ(2)

October 29, 2007

羽の残ったままのヤマシギを見たのは2度目でした。前にはノルマンディーのレストランで、目の粗いチュニジア風の木製の籠に入った生きたものを 食べる前に見せて頂いたんだったわ。尖った嘴が籠から飛び出していて、暴れていたからか大きな鳥に見えました。これが大きな勘違いの元だったんですね・・・
昨年食べた時も お皿の中は半身だって信じていたの。


パトゥさんでお料理前に見せて頂いて、間違った思い込みに気付いたんです。羽をむしってしまったら小さい身じゃあない?一人で食べちゃう量だわ・・・。と判って、一羽しか入荷していないベガスに加え、同行者は急遽ピジョン・ラミエを注文。

旭川から届いてから ゆっくり熟成しながら待っていてくれたベガスがいよいよ登場です。この瞬間をどんなに楽しみにしていたことかしら。近年では衛生上の問題であまり日をおかないことが多いですが、ある程度熟成の進んだものが大好きよ。

身の上に添えてある脳みそをスプーンで掬ってから鳥の身を頂き始めました。「鳥って脳の中で小脳だけが大きくが発達していてね、籠の中に閉じ込められて暴れるのは不安感より小脳運動なんですって。脳細胞の数って幾つくらいあるか知ってる?」
メインの前半は何だか脳細胞のお話ばかりをしていたような・・・

脇に登場した温かい小皿も素晴らしかったわ。日が経って記憶が定かじゃあないですが、確か内臓とフォアグラをペースト状にして焼いたものだったと思います。大変にリッチなお味で 中にふくよかな水分を残した火の通り具合も抜群でした。

ああお皿に集中しなくちゃなのに、同行者は、先程の 敵との距離に対する考え方なら日本海海戦で連合艦隊が取った作戦は東洋的な発想と言えるかもしれないねと言い出して・・・。大好きな分野なのだわ。私はお料理にZ旗を揚げていたのに 気が付くとベガスも対馬沖に消えてお皿の上から無くなっていました。

そう言われればベガスの形、戦艦三笠に見えてきて。向かって右側が、日露戦争当時の艦首に付いていた衝角みたい・・・

今日の植物は多肉。先っぽが ほんのり紅く染まった品種が大好きなんです。左は天狗の舞、右は一番お気に入りの乙女心



パトゥさんのヤマシギ(1)

October 28, 2007

レッドバロームの蕾がもうすぐ開きそう。朱の入った深紅でよく目にする薔薇ですが この株はピンク系がかかっているところが お気に入りなんです。


先々週予定通りパトゥさんへ参りましたよ。
今回の大きな感想は、うんと仲良しの人と行くのはもったいないと思ったことでした。お仕事の知人とお寄りするくらいが丁度良かったのだわと少し後悔。何故って有意義な会話が盛り上がってしまって、お料理が会話の伴走になっちゃったんです。本来お食事はそうあるものでしょうけれど パトゥさんだけはお料理に主役でいてもらわなければ もったいないんですもの。

同行者は食前にノイリをストレートで注文。
私は合わせの後で疲れていたから食前酒は頂かないわと言った筈なのに、結局は「一口頂戴な」「・・・やっぱりもう一口頂戴」
こんなことで始まったお食事は とっても楽しかった。

アミューズは鱈の白子のココット、オーブン焼きにトマトとエスカルゴのソースでした。エスカルゴソースは大好きです。お味のしっかりした白子に合う良い香りでした。

美学と美学史をとりとめなくお話しながら 時間をかけてメニューを選びました。前菜にスープが飲みたかったけれど この日のスープのタイプは二人とも好みじゃなくて、かと言ってフォアグラの前菜を頼んでメインがベガスというのは お料理を生かし合わないからと、軽い魚料理を分けて出して頂くことで前菜と決めました。

他のお魚をお願いしようとすると、鯛の方が良いものが入っているとシェフ様のお勧めがあって、赤甘鯛のポワレ、ピーマンのソースに。ソムリエさんに赤甘鯛と白甘鯛があると教えて頂いた後、話題は東洋思想と西洋思想のカテゴライズになりました。
バターの香気とさっくりした皮がとっても美味しかったのに、お話に夢中でいつ食べ終わったか分からなくなっちゃったじゃない。
パトゥさんにこの日の同行者は失敗だったわと気付き始めていました。

「東洋と西洋の差異をもしも一言で言うなら、どう答える?」がお話の振りでした。私は、外からの力の扱い方の差が大きいと思うの。
剣道で相手が一歩出たとして、その距離は自分が一歩出たことと同じと考えることができる武道のあり方と あくまでも先手後手の発想との狭間に横たわるものが 西洋と東洋を分けるものの一つではないかしらというお話です。

相手の力を 自分の力の一部として用いる技と、力というものを 自身が備えたものと相手のものと分離させて考えるアタックとの差異は、技の違いではなく思想そのものに違いがあるんじゃない?とお話し終わったら 何故だか甘鯛が消えてなくなっていたのです。

写真はエア・プランツ、T.イオナンタとT.ブラキカウルス



恋しい山シギ

October 10, 2007

HPのMP3コーナーに、ショパン・エチュードをUPしました。お時間がおありの時にお聞きになってくださいね。


また食べ物のお話?って言われちゃいそう・・・。10月の食生活のことを取りとめもなく。
少し前にお年上のお友達に馳走になった鯨尽くし、美味しかったナ。写真は鯨のお刺身と鯨のしゃぶしゃぶです。

仕出しのお弁当の差し入れがあったりもしました。お弁当はどんなものでも 食材同士匂いが移り合うので決して得意じゃあないけれど、たまには楽で良いかもしれないワ。


後は幼馴染が採ってきたカボスの差し入れがあったり
ご近所のお店からは、商品を買っていないのに梨を頂いたので 何か買わなくちゃと思っているところだったりします。・・・ご商売上手です(笑)。


ご近所の家庭菜園からは南瓜が届いて・・・。


目下最大の悩みは山シギのこと。今、国産のものがパトゥさんに入っているのに合わせがあって行くことができません。今週を外してしまうと今度入った時に時間が取れるとは限らないですのに・・・。
パトゥさんではジビエを丸ごと捌いていらっしゃるので、同行者が必要です。鳩一羽ならともかく、さすがに山シギ一羽は一人で食べ切れませんもの。
忙しいお相手と予定合わせるの、面倒臭〜い・・・!

今なら国産の山シギよ。でも生徒ちゃんはコンクールもあるし ちっとも予定が調整できないの。12月のシーズンに入れば輸入のものが頻繁に出ますが、日本産の山シギを食べたことがないから是非頂いてみたいのだわ。
今回の入荷を見送ると、次はいつかしら・・・。教えて頂いてすぐに、同行者と私とが一緒に空く日があるのかしら・・・。山シギのお顔を思い浮かべて溜息をつく 悩み尽きない秋。

今日の植物はエア・プランツ。左がT.カプツメドーサ。右がT.メラノクラテル



パトゥさんの鹿(5)

October 05, 2007

パトゥさんレポート最終回です。連載になっちゃいましたね。
デセールはヴェルベーヌのクレーム・ブリュレ。これ、学生時代にサンミシェルのカフェでよく食べていました。そこのは甘ぁくて巨大なの(笑)パトゥさんの上品で質のいいクレームブリュレは、中がとてもミルキーで ヴェルベーヌの香りも後口にふわっと香る感じでした。


やはりこの日も それぞれのお料理が独立しながらも全体を通すと組曲が成り立つような 楽曲的なコースでした。
パトゥさんをこんなにも好きなのは1にも2にも精神的な清潔さなのです。お料理も多々褒めてきましたが、腕よりもっと大切な品性が 力の入ったお料理でも損なわれないところがとっても気持ちが良いのです。
技術を持つとどんな分野でも作為的になる場合がありますが、パトゥさんのお料理には純なものを感じます。純だけれど技術は高く洗練されている。このバランスが本当に素敵です。

エスプレッソと可愛いチョコレートが出て・・・その後 食べ終えた同行者がレストルームに立ちました。慌しいこと、と思いながらもその間に私も洗面をと席を空けたのです。
戻ってくると同行者がカードを仕舞って席の方へ立ち去るところでした。
驚いて、「えっ?!もうお勘定終えてしまいましたか?」とすごい勢いでレジに確認すると支払い済み・・・。私きっと顔が強張っていたと思います。

そのままの勢いで急ぎ席に戻り、「支払い済ませちゃったの?!」と詰め寄りました。
同行者は、まさか割り勘の筈もないから支払って当然と ポカ〜ンと不思議そうにこちらを見たの。だって、私はとっても納得のいかない表情をしていたでしょうから。
違うでしょう。そんなことじゃないわ。デセールを追加注文したかったのにぃ〜。もう支払い済ませちゃうなんてっ!
後悔しきり・・・やっぱりどうしても、もう一皿デセールを食べたかった・・・できたらもうニ皿でもちっとも構わないのよ・・・。

シェフ様がご挨拶下さった時も 二皿目を食べ損じの後悔で変な顔をしていて御免なさい。お腹一杯になられましたかと尋ねられたのに微妙な顔をしてしまって。勿論お腹は一杯でしたけれど それでもまだ食べたかったんです・・・。くすん。
いいわ、また行くから。

上の写真は、白いアンスリウムと胡蝶蘭の組み合わせが綺麗だった店内。今日のお花はパンジー達



パトゥさんの鹿(4)

October 03, 2007

最初に鹿で苦手な部位だけお伝えし、お料理については何にも注文を申しませんでした。シェフ様のお力がよぉく分かった今は もう注文する必要はありません。こういうの、一番幸せなことだわ。ただ待っていれば期待を裏切らないお料理が出てくるって分かっている安心感。
2日も前から鹿の顔ばかり浮かんでくるくらい食べたかったの。


Laguiole のナイフは、小奇麗なばかりのお料理じゃなく 要望に答えてくれることを示しているようでした。ほら、フォーレのシシリエンヌとドビュッシーのアラベスク1番を ただふわっとしたイメージだけで並べてヨレてるようなプラは困ってしまうから。
シシリエンヌは素敵だけど、それだけがフォーレじゃない。土っぽい音使いと特有のフレージングもまたフォーレのものですし、ドビュッシーは鮮やかなタッチの求められる曲群もあってこそ。鹿が鹿らしくあるお料理を食べたいの。

登場したのは新鮮な蝦夷鹿。同行者は驚いていました。このシェフ何?って。あれだけの魚料理の後なら多少ランクの落ちる肉料理が出るのはよくあることなのに、緊張感を保った素晴らしいプラ。
しっかりとした肋骨肉は 赤を残したロースト。全体を引き締めるポワヴラード・ソースが、濃厚な鹿の味を支えます。
BGMが消えちゃった瞬間。音楽も、同行者がうるさいくらいシェフ様のことを尋ねていたおしゃべりも まるで聞いていなかったわ。私が待っていたデート相手は鹿だもの。

写真を撮るのも忘れて、お皿の様子も憶えていなくって。気が付いたら終わってた。泣きそうになりました。お料理が終わっちゃった・・・あんなに楽しみにしてたのに ああ、終わっちゃった・・・
「ホント君、・・・何なん?」と同行者。笑いごとじゃあないのよ。

鹿とのお別れを慰めてくれたのは、アヴァンデセール、アールグレーのソルベでした。濃厚な鹿の脂を一口で流してくれる高貴なベルガモの香。少し甘味をつけた爽やかなパンプルムースとのアンサンブル。
同行者は「パティシエも素晴らしいねえ」と感心しきり。ね?そう思うでしょう?お一人のシェフ様なのよと話すと 本当に驚いていました。「次のデセールも素敵よ。」

今日の植物はセダムとゴムの木



パトゥさんの鹿(3)

October 02, 2007

アンコウから鹿にかけての飲み物のチョイスにソムリエさんが並べてくださったボトルは4本。特にお勧めはとバローネのロッソ2003年を指されてすぐにこれと決めました。
鹿料理の際の好みにぴったりのワインを勧めてくださって とっても嬉しかった。
同行者はドライバーですから私だけごめんなさいねと 遠慮なくグラスを取って・・・。


イタリアワインは飲む機会がなくて、実は殆ど知らないんです。イタリア語なんて音楽用語しかわからないし地理にも詳しくありません。この日の葡萄品種でもあるモンテプルツィアーノ・ダブルッツォがアブルッツォ州のd'Abruzzoだと知ったのがごく最近というお粗末さ・・・
だから初心者にとっては良い機会でした。ワイン評はできませんが 完熟の深い深い味わいに カカオに似た風味が木樽の香りに混ざった線の太いワインでした。
ブラックチェリーなのか深い甘味のある香気と燻したような芳香のある 大変豊かなワインでした。素人の印象に過ぎませんから、実際に何が混ざっているのかはお調べになってね。

ワインがまったりとした肝に絡む素敵なマリアージュを楽しんだ後、耳の端にシューベルトの即興曲が聞こえたように思うのですけれど、ピアノどころじゃあなくなっちゃったの。だって鹿が登場する準備が。
並べられたのはLaguiole G.David のナイフ。
これでしょう!やっぱりこれでしょう!はしゃぐ私に、同行者は 君の食べ物への情熱は計り知れないと言っていましたけれど、Laguiole が(ライヨールは地名故 本来はG.David の、が正当ですが この呼び方のほうが一般的のようですね)揃えられると肉料理への熱い思いは何よりも高まるじゃありません?


なんだか変なテンションのブログになってきちゃった・・・続きは次回に。
今日のお花はテルスター2色



パトゥさんの鹿(2)

October 01, 2007

お友達から このブログ見ただけで太りそうと苦情がありましたけれど、お料理のお話はまだまだ続きます(笑)


写真は感動のアントレです。毎回本当に楽しめるわ。先回はパセリソースを楽しみましたが、今回はライムとバジルのソース。黄緑色のソースにはキュウリも使われています。
しこしこした鮑。海胆の下には毛蟹がかくれんぼう。蛸、烏賊、貝柱、それからとっても美味しい茄子が ふっくら瑞々しくて。

お魚料理はアンコウとアンコウの肝。同行者が胃が大きくないと申し出たため、私の方だけにアンコウの頬肉も付けて下さいました。
アンコウが届いた時、素晴らしくて力が抜けちゃいました。フレッシュな身を味わいながら、シェフ様の安定感と行き渡った感受性に溜息でした。

同行者が「わっ」と声を出したのはアンコウの下のリゾット。あまり文学的な表現をする同行者じゃなくて なんだか・・・なんて思いながら一口。結局私も「わっ」って同じように言っちゃいました(笑)
赤米と白米(で良いのかしら・・・)の二種類の粘りの少ないお米と トロンペット、ジロール、それから・・・名前を知らない黄色っぽい茸など四種類のキノコとがリゾットになっているの。
お米の薫香と、茸の立ち上る華やかな香りが混ざり合って、華があるのに落ち着いた素晴らしいお味。

美味しさに同行者と顔を見合わせ、そしてお礼を言われてしまいました。すごくいいお店を教えてくれた、って。今度は彼女と来る、って(笑)


今日の植物はグランディフロラとユッカ



パトゥさんの鹿(1)

September 30, 2007

またパトゥさんに行きましたと書くと、びっくりされちゃいますね・・・。今回はお仕事上の知人と。
お食事報告の前に、先回のレポートで間違っていたことを。BGMは書いたような微音ではなかったことがわかりました。先回座ったのは外の車の音の響く時間帯の窓側で 厨房の食器の音も聞こえるお席、そしてお店が満席だったのでとても小さな音に感じたようです。


ケークウォークの諧謔的な演奏が印象に残っていましたら、あの演奏はギーゼキングだと教えて下さいました。
お食事の音楽のセレクトは私達にとってはとても重要。素敵なレストランも、音楽の趣味が・・・となると辛いですが、パトゥさんはギーゼキングやコルトーの演奏を使われているらしいです。それだけでも安心してお席に着くことができそうでしょう?

今回はショパンのワルツOp.18 No.1、続いてノクターンOp.9 No.2を聞きながら食前のシャンパンを頂きました。
シャンパンは、パリからセーヌ下流に位置するとってもとっても小さなメゾンのピオロ。
アミューズのことは何も考えなかったのですけれど、儚く愛らしいノクターン2番には、大メゾンのシャンパンよりも 手摘み葡萄の可愛いお味がよろしいと思われませんか?

アミューズはフォアグラのテリーヌとブリオッシュ。間にいちじくのコンポートが挟まれていました。ブリオッシュはほんのり暖かで、フォアグラは冷たいの。このコンビネーションの基本が守られていなきゃ嫌なので大満足。

口に入れようとしてフォアグラに目を留め、シェフ様の行き届いた感覚に感動。フォアグラにほんの7,8粒の 粒の小さな自然塩が振り掛けてありました。いちじくのコンポートで甘味がプラスされるから、差し引きのためのお塩かしら・・・。
お塩だけを一粒苦労して摘んでお味見したりして・・・お行儀が悪かったのです。
曲はショパン・エチュードOp.10 No.3になっていました。

今日のお花は木立ブーゲンビリアと 透明感のある花びらのアザレア



オープンサンド

September 21, 2007

マダム・ビスコッティがお見えになったので昼食にお誘いし、簡単にオープンサンドを作りました。バゲットはこんがり、ベーコンはカリカリにソテー。


右上は、ベーコンの上にマヨネーズで和えた茹でピーナッツやヒヨコ豆などをトッピングしたもの。ベーコンのお味をはっきりさせるために写真左の黒胡椒を混ぜました。サンドイッチにビーンズの食感があるのでスパイスはパウダータイプ。

真ん中のはトマトと鳥のささみです。ささみが負けちゃわないように こちらは2枚目のの白胡椒。


手前のトマトと鶉の卵の組み合わせは、お味が薄いので華やかな風味になるよう 下側写真の三色胡椒。


日本間で頂くことにしたので、和風の設えのミネストローネスープと馬鈴薯を潰して味付けし 素揚げしたもの。ミネストローネの中身は サンドイッチのビーンズにちょっと野菜を加えただけの手抜きです。


デザートの梨もご一緒して楽しい時間を過ごしました。

この週末は更新お休みになります。また来週いらしてくださいね。



ジャストなパトゥさん(3)

September 16, 2007

パトゥさんレポートがすっかり長くなっちゃいました。メインのほろほろ鳥はバターの香り豊かなヴルーテっぽいソースでした。小麦粉を使われていたかどうか覚えていませんからこのソースが何と呼ばれているか定かではありませんの。ソースを覚えていないくらいほろほろ鳥に夢中になっていたんです。


焦がした皮がパリッと香ばしくて中はジューシー。むらの無い火の通りもやっぱりジャストなんです。
付け合せはバターの甘い香りが絡まるアスパラガス、蕪、ブロッコリー、カリフラワー、それから馬鈴薯があったかしら。前回も思いましたが野菜のボイルの加減が絶妙。茎が丁度クルリンとした食感になるところで止まっているの。アスパラがクルリン、ブロッコリーがクルリンと 口の中で歌っていました。

バックは相変わらず小さなピアノの音。トルコ行進曲が何故かbmollだったのが可笑しかったのだけど・・・。とても古い録音のコピー時に回転が合わなかったのかしらなんて思いながらパンを少しだけ。

先回パンには触れませんでしたがコンブレをお使いです。私は朝食にだけ色々なパンを頂きますが、他のお食事には粘性の低いバゲット以外は殆ど口にしません。それは私個人の習慣と好みであって、きっと白米が主食になることが多い食生活をお持ちの多くの方が このパンをお好みだろうと思いました。お料理を優しく包むパンです。
私にとってのパンはお水代わり・・・というのは変な言い方ですが、それに近い感覚を持っています。ご飯を食べるために佃煮を摘む感覚ならば パンを食べるためにソースが存在するものでしょう。私はあくまでもソースを食べるためにパンの存在がある食感覚です。ここはそれぞれですね。

デセールのジャスミンのブランマンジェは素晴らしかった。ジャスミンティーの華やかな香気がふうっと香り、とろける寸前の柔らかさ。側を通るならそうっと歩かなくちゃいけないんじゃないかしらと思わせるほどトロトロで、本当に品のあるお味でした。忘れられません・・・夢に見そうです。
ご馳走様でした。美味しかった。幸せだった。また行こっと!


上の写真は色付いてきた庭の紫式部。手前の葉っぱにバッタさんが居ます。下の写真はホヤ・チェリー



ジャストなパトゥさん(2)

September 15, 2007

昨日の続きです。この日パトゥさんに出向いたのは ア・ラ・カルトで四足のジビエを頂くためだったんです。ところがコースメニューの中に「桃とセロリのスープ」の文字を見てしまったの。冷性のスープでしょうし、夏の終わりにしか頂けなさそう・・・。それで急にコースメニューに転換してしまったのです。


飲まないと決めているのに口が勝手にお酒を注文したり 今しか頂けないスープのために急に四足を辞めたり色々ね。
注文したお酒と言えば、ピノー・デ・シャラントが正しいボトル名なのですけれど、癖でうっかりシャランテと言ったのです。

パリの人間が使うシャランテって言い方にはわけがあるんです。ボトルに書いてあるCharentesという綴り。ボトル名の複数形は 本来の意味からすれば正しくない綴りになっていることになります。esが付いていてもいなくてもシャラントの発音は変わらないですが、県名としての言い方ならこれでは変ですので、あえてCharentais(シャラント地方の)の綴りを想定してシャランテと発音するの。
だけど日本でCharentaisって言ってしまったら、間違えてる人みたいになっちゃった(笑)気を付けなくちゃ。

桃とセロリのスープは 夢見るような色合い。前のお皿のパセリとトマトとオイルの鮮やかな3色に 乳白色を被せるとスープの色。
ベースの柔らかい黄ベージュに 桃の円やかなピンクとセロリの淡い緑がふわっと浮いていました。
桃は噛み応えが残っていて、周りのスープの舌触りは 熟れきった桃のようにとろりんとしています。セロリの香りも優しくて素敵なハーモニーが楽しめました。
うんとリラックスできる優しいスープ。


メインとデザートのお話は次回に。
上の写真はお庭の槿。ご近所さんに頂きました。二階のベランダに届きそうな大きな槿を ご夫婦で持ってきて下さいました。
下の写真はサンデリアーナ。



ジャストなパトゥさん(1)

September 13, 2007

予約した日から楽しみでたまらなかったパトゥさんへ行ってきました。今回は一人で来店。お友達や彼氏とのお食事も楽しいのですけれど、本当に美味しいお店では一人でじっくり味わいたくなります。


お料理や設えは微妙な世界でしょう。沢山のトリルが少し強くなっただけで 耳がそちらに奪われてしまう。ジャストの音質・音量・タイミングを練った上で メロディーラインにスッと乗せる・・・そんなお料理が頂けるお店は 実はとっても少ないの。私にとってパトゥさんはジャストなお料理を提供して下さる数少ない場所。

もっともっと早く行きたかったのに我慢の日々でした。他のレストランでのお約束にテンションを下げたまま食べ終える度にパトゥさんが恋しかったワ・・・。
レストラン訪問記も何度も書こうとしたのですが パトゥさんと比較するととても書けずに放置してしまいました。有名店もありましたが私は全然納得できなかったんですもの。素敵なNoritakeカトラリーにあんまり妙なお皿を組み合わせてきて変な気分になっちゃったお店や、メインは美味しかったけれどアミューズがフレンチでなかったお店や・・・何ていうのかしら、おでんにワサビが付いてきたような、サンドイッチに出汁巻きが挟んであるような奇妙なことに絶えず出会って暗い気分になったんだわ。

清潔感漂う落ち着いた室内の壁際にはモダンな生け花。後で事務が一つあるのでお酒は飲めない旨をソムリエさんにお伝えしたら、ガス入りのお水か葡萄ジュースがノンアルコールですと仰いました。お酒は無しねと決めていて、ではガズーズをお願いしますと申そうとしたの。それなのに口が勝手に「よく冷えているならピノーデシャラントを」と言ってしまったのです。アルコールはパスと言いながら ワインより度数の高いものを注文してしまうなんて・・・。
出てきたグラスはうんと冷えていて、冷たく重く沈みこむような液体の動きを楽しみました。

一口で事務がどうだってよくなっちゃって脳天気に構えているとアミューズの登場。
本当にお楽しみの一皿。丸っぽいのはオイスターフォークだったのかしら、少し自信がありませんが 可愛らしい丸みのあるフォークで小さなサラダ仕立てのアミューズを頂くのって楽しかった。
小さなフォークに合うサイズに切り分けられたシャッキリのトマトにインゲン。柔らかめのヤングコーン、人参、カリフラワー、それからセロリもあったかしら。生や軽いボイルが上手に調和する中で 蕪や瓜はヴィネガー漬け。
本当に小さな一皿なのにとっても楽しい。オリーヴオイルのヴィネグレットもごく軽くって。
紫色のポイントが何か分からずソムリエさんに伺うとレーズンとのこと。甘味が殆ど無かったので葡萄とは分からなかったわ。


続いては魚介のタブレ。
もうね、シェフ様Loveよ・・・と軽薄なことを言いそうになる一皿でした。
かの有名な「パトゥさんのパセリソース」がやっと味わえました。先回はデジカメを持ったばかりで撮り方もよく知らなくて 折角のお料理を下手に撮って載せてしまったこと、とても申し訳なかったと後悔していました。この写真ならまだマシと許して下さるかしら・・・。


晩夏の午後、主張しない色合いのシックモダンな店内で こんな色合いが目の前に登場する幸せ・・・。パセリのグリーンとトマトの赤の瑞々しさが心を弾ませてくれますし、私はタブレが大好物なのです。

スムルの上の半生の秋刀魚は 瞬間スモークをしているとソムリエさんがお教え下さいました。秋刀魚・・・すぐ行きたいけれどちょっと待って。まずソースを一口。それからお味の薄い蛸を一口。
烏賊、蛸は生のようだけれど ほんの少しボイルしてあります。帆立はボイル済みかどうか自信がありません。それくらい微少な調理が本当に繊細な味を作っていました。

トマトソースの部分に付けて一つまみ。それからパセリソース部分で一つまみ。一緒に付けるとお味がまた変わって・・・そんなことをうっとりと楽しみました。ほうら、やっぱり一人で来て良かった。一人で座っていることは、もしかしたらお店の方にお気を遣わせてしまうのかもしれないですけれど、こうしてじっくりじっくりお皿を楽しむ時、私は一人が好きですわ。

いよいよ秋刀魚。バーナーなのか、皮だけに巧みに焦げ目の付いたお魚の香ばしさ、半生の溶ける感じ、もう何もかもお任せしていいわ・・・とうっとりでした。
同じお皿の蟹は胡椒系のスパイスが後口に残って爽やかだったわ。全体のかソースのかは分かりませんけれど お皿のスパイスが蟹の身の繊維に混じり易いからかも・・・

魚介の下のスムルもジャストでした。魚介がきちんと処理されているので匂いはスムルに全く移っていませんでしたし、ヴィネグレットの酸味と塩気も、細かく刻んだ野菜の歯ざわりも言うこと無しでした。

お皿の中で沢山遊ばせて頂きました。とっても幸せで楽しい楽しい気分になっているとごく小さなピアノの音。
小さなBGMなのか 店内じゃなくて厨房でかけていらっしゃるのか判断できないくらいに低い音楽・・・よそ様には聞き取れないくらいの音楽は、ドビュッシーのケークウォークでした。
楽しいタブレに添えられるにはピッタリのリズム。

コースはまだ続きます。続きは次回に。



辛子明太子

August 29, 2007

お庭ではギボウシがほころび、斑入り藪蘭が咲いています。
私達はまだまだ暑さを感じていますけれど お花は一足先に秋の色で咲き始めました。


福岡市博多区「ふくや」さんの辛子明太子の差し入れがありました。日本で初めて明太子を売り出した明太子の老舗だそうです。皮がしっかりしていて噛み応えがあり、卵の粒が立っている感じがします。

昨夜は少しだけおつまみに致しました。お友達が漬けて持ってきて下さった香りのいい花梨酒と一緒に・・・♪



ポール・ボキューズのパン

August 08, 2007

ポール・ボキューズのパンを頂きました。M.O.Fを取得したポール・ボキューズ氏はフランス料理界のドンとして名高いですが、パンがボキューズ氏のプロデュースかどうかは存じません。どうも違う気がするワ・・・フランスでボキューズのパンというものにお目に掛かったことはありませんし、多分お名前を借りてらっしゃるような気がするけれど、このパンはパンとしてとっても美味しいの♪
写真のパンはコシが強く粘性の低い、お気に入りのタイプです。
ボキューズのパンと一緒に頂く朝食は、野菜作りが趣味のお友達が差し入れてくれた玉葱と一緒にマリネしたサーモン。クリームスープ・・・生クリームを入れ過ぎて真っ白になっちゃったワ(笑)。
それから、ご近所さんが真っ赤なトマトを差し入れて下さったのでセロリと一緒に盛りました。
今日の植物はキッチンのポトス。夏の窓辺に爽やかなグリーンの色合いが映えています。



真夏の昼食

August 02, 2007

朝早い更新です。昨日は面格子に錆び留めを塗る施工が朝から午後の早い時間まで。入れ替わりに夕方は植木屋さんがお庭に。梅雨明けの今てっぺんを摘んでおかなければ夏の終わりまでに伸び過ぎてしまう木の手入れです。
レッスンの日でもあったので生徒ちゃんのお稽古の合間合間で大急ぎで自分の練習。リサイタルプログラムの譜読みです。昼食にお客様がみえる予定もありました。


お客様にしては時間が早過ぎるチャイムに応答すると、釣り好きのお友達が 和歌山で釣ったお土産の鯛を届けて下さいました。丁度良いのでお客様のお食事に・・・♪

夏のお昼間ですから和風サラダ仕立てに。お葱少々と沢山の大葉を一緒に刻んで柚子ドレッシングでさっぱりと。お醤油ベースでバルサミコ酢とオリーヴオイルを混ぜて柚子を絞りました。盛り付けたのは田中穂積先生がお送り下さったお手焼きの大皿です。

籠の中は山葵菜のお浸しと こごみの白胡麻和え。どちらも旬ではないけれどハウス栽培で春を過ぎても食べられるようになりましたね。親日家で日本食に大変慣れていらっしゃるフランスの方に少し目新しいものをとこんなメニューになりました。
左側の備前の器の中は 素揚げの鶏と人参を餡掛けにしたものです。籠にはお庭の葉っぱを敷きました。
湯気が立って上手く写らなかった他のメニューはお吸い物と炊き込みご飯。

今日の植物はお部屋のカラジウム。クレヨンで書いたみたいな葉っぱです。



煮込み

June 29, 2007

豚のアバラのブロック800gと豚の肩肉300gを大鍋でお料理です。
煮込み料理には必ず2種類の部位を使います。互いの味を補い合ってとても美味しいお鍋の中になるようです。
玉葱の類もエシャロットと半分ずつ。玉葱より甘味の少ないエシャロットを混ぜると締まりのあるお味に。
ニンニクとオリーブオイルで外側を炒めたら アーティチョークの根の部分と人参を一緒に煮込みます。早く煮えるズッキーニは時間差で。
欠かせないのは写真のプロヴァンスハーブとシブレット。


沢山頂くようになったのはフランスでの生活で得た習慣です。
留学の行きの飛行機では機内食が多過ぎて残してしまいました。
ところがパリから一時帰国をする時の機内食は全然足りなかった・・・。あらあらフランスの生活で胃袋が変わっちゃったようです。

当時は学生食堂でご飯を食べることが多い生活でした。190cmもあるような体格の良い黒人さん達も一緒に通う学食では、彼らの胃を満たす量が盛られていきます。その量にすっかり慣らされて・・・。
そして今では、美味しいものは舌だけじゃなく胃袋の充足感でも味わうようになりました。
お肉の中まで火が通ってきたら山盛りのトマトを加えて弱火で馴染ませます。お鍋がくつくつ立てる音が 美味しくなるよと言っているみたい。



レストランPatousパトゥさん

May 14, 2007


中山手通3丁目のレストランPatousパトゥさんは最近のディナーで一番のヒットでした。
移転前に訪れたことがありましたが中山手のお店は初めて。このところレストラン選びの失敗が重なっていたので最初はちょっとだけ不安な思いで向かいました。
最近の失敗・・・小奇麗なお料理だけれどコンセプトが分からないとか、シェフさんの思い入れが押し付けになって正統から理由無く逸れているとか、取っ付き易さを意識し過ぎて和食の下味を使い過ぎるとか、フレンチ・イタリアンのような思い付き料理になってるとかetc。しっかりした技術に支えられた自由で清潔なモーツアルトのようなフレンチを楽しみたいだけなのにお店の選択は難しいんだワ。


ドア脇の透明な壁をワインコルクで埋められた入り口でしたから思わずコルク・チェックをしてから入店。
チェストに飾られた最上段のバカラ2脚が女性的な線。何かしらと思って近づきました。アルカードのような繊細さの、ステムはもっと細いオノロジー・シリーズみたいな・・・このシリーズ知らないけれど素敵・・・♪

席に座ると厚手の織りのベージュのナフキン、カトラリーはクリストフルのアリア・シリーズかな。
メニューは音楽会のプログラムみたいですね。演奏家シェフさんのことが判るから注文しないお料理プログラムにも目を通します。ジビエが多いのは これだけのジビエを扱えるというプロフィールだわと期待大。
飲み物はシャンパーニュをお願いしました。
アミューズで出てきたお皿はウエッジウッド。以後この夜頂いたお料理の食器はバター皿以外みんな乳白色のウエッジウッドで、お料理の色合いが映えていました。

ニコニコ頷きながらアミューズ。とっても嬉しかったんです。こんなお料理が食べたかったわ。しこしこした燻製とチーズの風味が綺麗な和音になっているrouleauもののアミューズ。それぞれの味はしっかりしているのに飛び出さない。中のクリームが柔らかいので巻き難そうなお品が配備良く並んでいました。期待の上向き矢印が跳ね上がりました。

オドゥーヴルは魚介とアヴォカドのタルタール。細か目に切ったライトグリーンのアヴォカドとピンクの海老がカクテル仕立てになっていて、上にはほんの少しだけ焼き目を付けた半生の帆立貝柱、カクテル部分と温度の違う暖かい烏賊。
丁寧に作られているので丁寧に頂きました。作り方の繊細さはシェフさんの気質のよう。海老、烏賊ともに下処理が行き届いていましたし、添えられたトマト周りも水が出たりせず、ミキサー処理をした赤いソースまで楽しめるように作ってありました。

お魚料理は甘鯛のポワレ。お皿が到着するや否やお魚とバターから甘い香気が立ちました。外の焼き方も 予め塩でしっかり締めた身も美味。ガルニテュールはしゃっきり感の残る蕪。白い蕪にはクリーミーなブールブランソース、色味の濃いお魚には蕪の葉のソース。行き届いたお料理に感心してしまいました。

ジビエメニューに喜んだくせに注文したお肉料理は鴨の胸肉。もう5月ですもの、秋には是非鳩を頂きます。
前の3品で、線の細い鴨料理が来るかしらと思いきや意外や意外のフランコ・フランセな鴨が登場。焼き方はセニョンでと しつこくお願いしました。ニンニクの効いた桃色の鴨のガルニテュールは、それぞれ歯応えの調節された空豆、芽キャベツ、アスペルジュ、ブロッコリー、カリフラワー、ニンニクの芽。

デセールを選ぶ前にアヴァンデセールは何かお聞きしました。アールグレーのソルベとのことでしたので デセールはヴェルヴェーヌのクレームブリュレを外して選びました。香りものが重なるよりも違った技術を楽しみたくて、パッションフルーツのパルフェを注文。
アールグレーのソルベは一口頂いて内心「これ、ボール一杯分食べたいわ」と思ってしまいました。
なんて豊かな香り。いっぱいに広がる紅茶の香りと下に敷かれたグレープフルーツの酸味。素晴らしいワ。
続くパルフェは最高点じゃないかしら。酸味の強いパッションフルーツとミルキーなクリームのお味が合わさった土台に種のソースが食感のアクセントになっていて、周りをサラサラのココナッツミルクと粘りの強いお米のリゾット仕立ての円やかさが包んでいました。

ああ幸せ・・・。
多岐に渡る技術がどんどん出現したので作り手さんがお一人とは思えませんでした。デザートシェフさんは別かしらと伺うと たったお一人でなさっているとのこと。幸せな驚きでした。
帰る時にご挨拶下さった山口オーナーシェフ様、素敵な時間をありがとうございました。

写真は甘鯛のポワレ。フラッシュを焚かなければお皿の写真を撮ってもいいですかとソムリエさんに伺い 快くご了承下さいました




Topページへ
Blogページへ