Le verreV



フランスの古本

October 26, 2010

昨日雨音と一緒に煮たベリーのコンポート。


買ったばかりの古本を読む。Van der Meersch (仏1907〜1951) "肉体と魂"。メルシュは権威高いゴンクール賞受賞のカトリック作家として有名ですね。

フランスの古本をよく買う。絶版になった本が読みたいとき、新品が高価すぎるとき。メルシュは初期の版で紙の色が変わってしまってる。袋型製本の縁を裁断した跡も残る。

アンティークブームで飾りのために買われてく古本の値はすっかり上がってしまった。しばしば書物を買いこむ人間には とてもついてゆけない高価さねって本好き同士嘆き合うけど・・・

本が大好きな人達のためのお品を揃えて下さる古本屋さんだって ちゃんと残ってるから・・・ 大事にしたいナ、古い拘りの本屋さん。

"肉体と魂" 原書はね、新品の半額近いお値段で買えちゃいました・・・♪
明日はブルゴーニュ君ネ。



巷に雨の降るごとく

October 22, 2010

仄かな色、よい香りのローズシロップ。


グラスのカットを覗きこんだ。
ドビュッシーなら此んな風な淡い光に どんな音をつけるのかしら・・・

好きでならなかったヴェルレーヌ "巷に雨の降るごとく"。
ランボーとの愛は空想の中・・・ 日本語訳で縦に書かれた行を読み、
それでも心から大好きって思ってた昔。


巷に雨の降るごとく
わが心にも涙ふる。
かくも心ににじみ入る
このかなしみは何やらん?


ドビュッシーが添えた楽曲世界に震撼した。感じてたのは平面的な愛と哀しみに過ぎなかったと省みた。

前奏はピアニシモの霧雨の粒。心が震え歌うように旋律の断片を示唆する。それからメロディーがはじまる。声なき悲しみは低く無色で。


消えも入りなん心の奥に
ゆえなきに雨は涙す。


途切れることなく降り続く16分音符の雨粒に運ばれてゆく。
モノトーンの世界。


ゆえしれぬかなしみぞ
げにこよなくも堪えがたし。
                                 (堀口大學様訳)




NHKスーパーバレエレッスン

October 20, 2010

自家製ブルーベリーゼリーをたっぷり食べながら


ジャン・エシュノーズ (Jean Echenoz)著 "ラヴェル" を読んだ。ダチョウ君からのプレゼント、モーリヤック賞を受賞した小説です。ラヴェルの人物像が浮かび上がって楽しいの。

加減が良くなかった先週末、自分をうんと甘やかしちゃった。大好きなゼリーをいっぱい食べて、此んな風に大好きな読書をして・・・それからテレビを点けた。ぐだぐだネ・・・

点けると丁度NHKスーパーバレエレッスンを放映してた。嬉しいナ!
馴染み深い和声はプロコフィエフ "シンデレラ" でした。バレエって大好き。それにね、音楽にとっても良いお勉強になるのです。

バレエへの注意は そのまま音楽への注意に聞こえることがある・・・

足首のマイムを鋭角に操りなさいって言葉にハッとする。悩んでたプロコフィエフ1楽章の小さなアクセントは、動き少ないまま鋭角的な音にすべきと思いつく。

上への高さを取らずに前へ進むジュテをと仰った箇所で気がつく。4楽章まさにジュテの箇所、音が跳ぶたび推進力を減少させてたワって。

ぐだぐだ時間、気がつけば素敵なお勉強になっていました。
バレエ、これからもっともっと観たいナ・・・。

*プロコフィエフ愛
*プロコフィエフ・ソナタNo.2第3楽章



ミルクセーキで聖書会

October 17, 2010

ちょこっと元気がなかったんダ・・・


10月2日土曜のライブが済むのを待ち、明けて月曜からしっかりお医者様通いをしてた。今日で2週間が経つけれど、普通なら抗える弱いばい菌に化膿したりで手間取る治療に疲れ気味・・・

気分がくさっちゃうからプチイベントをしましたヨ。自宅でメンバーズ聖書文研究会・・・♪

教わるのって大好きヨ。何だって尋ねちゃえるお友達に習う会ネ。
英文、仏文、ラテン文の読み比べ。同じ部分でニュアンスが違う様子を話し合う。

プルーンと巨峰、グラスはヴァニラたっぷりのミルクセーキ。
知りたい欲求が満たされて聖書の力も与えられて・・・
とってもいい時間だったナ。



ドビュッシーの言葉

October 14, 2010


レッドグレープフルーツジュースで早い目覚め。


ドビュッシーの言葉集を読む。日常の自由な言葉を集めた薄い本。


《N'ecoute les conseils de personne, sinon du vent qui passe et nous raconte les histoires du monde.》
お人の意見忠告に耳をかさずにいれば、過ぎゆく風が世の物語を語ってくれる。


共感する一文。
ドビュッシー的な強さを表す一文。

通り過ぎる風がこの世を語る以外、誰の忠告も聞かない・・・とも訳されますがニュアンス的に私は前者に近く感じ、此うと訳してみました。

お人の声は必ずしも真理を言い当てはしない。真理でないものに動じずに居れば、あるべき様は自然な風の時間とともに掴めるもの。

様々な声に右往左往する動揺の心には、真理が選び取れない。自身が揺らがなければ物事は見える・・・ 其んなニュアンスに読めたナ。

今日はドビュッシーを一等先におさらいしよう。



Habitatの額

October 11, 2010

大好きな人のお写真入れたくて

額探しの屋根裏探索。


使用待ちの幾つかがバスケットの中 きちんと並んでお顔を出してた。懐かしいアビタの額を選んだ。

昔にパリへ行ったとき・・・日本にはザ・コンランショップなどもオープンしてなかったワ。比較的安価でモダンなインテリアショップ・アビタは すご〜くハイカラに見えちゃった。

御のぼりさんになって1つだけ求めたの。クラシックなお部屋にも似合いそうで、ちょっとだけ今風で。嬉しかったナ・・・。

以前の写真を抜き取って、ガラスを綺麗に磨いた。
当時に此の額に鎮座なさってたお方?

グレン・グールド氏でしたヨ・・・♪



ピアノのお稽古の方法?

October 10, 2010

新しい石鹸をおろした朝。


長い時間お稽古できるようになるには どうしたら良いですかって問われた。なかなか続けられなくて、って。んっとね、私はお稽古があまり辛くないんダ・・・。

演奏する作曲家さんに一曲ずつ恋をしちゃうのヨって おしゃべりした。好きな人の側にずっと居たい気持ち。だから何回でも弾いてしまう。

此の秋熱烈に恋してるプーランクなら メランコリーとニヒルな格好良さが大好きなの。もっとずっとプーランクの世界に居たい・・・って思う。

1曲終わると寂しくなって・・・ バイバイって離れたばかりの恋人にすぐまた会いたくなるように、最終小節を終えると駆け戻るようにまた弾いてしまうのヨ。

でも・・・プーランクとの恋ばかりに時間を費やせない。ショパンにも用があるから。ショパンはとっても悩み深い人で、貴方どうしたの? どうしたの? って弾き問うてるうちに時間が過ぎる。

心を打つメロディーは、心を打つショパンの言葉。恋人のメールを読み返すように、同じフレーズを何度でも・・・ たくさんの意味にとれ、どれが本当の心だろうって考える。

一人のお稽古はそんな風・・・ 私は作曲家さんに恋して会いたがる ただのファンなのです。音楽に恋をするだけ。



切開されちゃった

September 19, 2010

土曜はね、普段通りにお医者様へ参ったの。


違ってたのは普段よりも痛みが激しかったこと。痛み止めを多く使っても効かないくらいに、歩けば骨がガクガクするように痛んでた。骨髄炎を発病してからときどきあることだから、大変ごとに思わなかった。

お医者様に着くなりに 中が膿んでしまってるって聞かされた。痛いはずねって思う間もなく、すぐに膿を出さなきゃあって・・・

膿ってどうやって出すの?
お尋ねしたらば、メスで切開するんです。ってお答えなさった。

がっかりね・・・

随分な量に膿んでいたよう。伝達麻酔もお初に体験しました。数時間が経過してもふらふらで気持ち悪いったら・・・(涙) 安静にしてた1日でした。

週が空ければ消毒に行って、シジミちゃんとクラリネット・ババールの合わせ頑張ります。

悪いことばかりじゃないワ。フランスのママン手袋からの贈り物。ブレスレットと胡桃のキャラメル菓子・・・♪ リスのお箱がかわゆくて、胡桃のお菓子が甘くって、幸せ気分になれました。



グリーンの後

September 12, 2010

ガラスの中の石鹸いろいろ。バスルームに合わせたペールグリーンとリネン色が多い。此んな色合いもやっぱりあの歌曲を思い出す・・・


先日ドビュッシー "グリーン" のエピソードを記しました。すぐに心配顔のお友達が 続きは? って。急の知らせで病院へ駆けつけたあと・・・


**


息を切らして病室へ駆け込んだとき、泣いていました。空っぽのベッドを見て全身が凍りついた。息の仕方を忘れた風に感じた。

はっきりした記憶も途切れてるんです。ぶるぶる震えながら叫んで、近くの看護士さんを捕まえた。

此処に居た人は? 此処のベッドの人はどうしたんですか! どうして居ないんですか! 何があったんですか! 別のお部屋へ移されたんですか! 何処に居るんですか!

掴みかかって叫んだ。嘘よね? 戻ってくるのよね? 今ちょっと検査か何かよね?
そう信じたくて、怖くて歯の根が合わなかった。

看護士さんはお顔を曇らせた。"此処にはいらっしゃいませんよ。"
彼女、気の毒そうに私をご覧になったの。

表情の暗さが何を物語っているのか。話して良いかどうか迷われるご様子を見た。踊りかかって肩を激しく揺さぶった。

どうして居ないの!! 何処に居るのよお!! 絶叫した。
頭がガンガンした。

気がつくと床に四つん這いになってた。廊下の騒ぎに入院患者さんたちが皆さん出てこられて 怖々ご覧になった。

看護士さん、"戻ってこられないと思います。" って無表情に仰った。
もう声も出なかった。どうにかなってしまいそうなショックだった。死んでしまったの・・・? 嘘よね・・・?

"困るんです。あちこち放っつき歩いて全然病室に居ないんです。私たちも何処に居るかわかりません! (怒)"

へ・・・?

看護士さん、物凄く怒ってらっしゃる・・・

へ・・・?


**


何事もなかったかのお顔で本人が登場した・・・点滴ポール引きずって。看護士さんがお叱りになって・・・ 

着の身着のまま救急病棟に入ったから変テコジャージ姿で 紙コップのコーヒー買ってくれた。70円也。

どれにする?
此れ。

ミルクとお砂糖増量のコーヒー、お隣に座って黙ってすすった。

此の人に先々も何も求めるまいと決めた。生きててくれるだけで充分。
70円のコーヒー、とってもおいしかった。

*ドビュッシー "グリーン"



真夏の合わせ

August 19, 2010

厚手でこっぽり

洗い易い浅い格好。


maxims シャーベット容器って大好き・・・♪ ため置いて少しのお裾分けに使う。

暑い暑い真夏日の自家製デザートは、ブラッドオレンジと柿と柚子を合わせたジュレ。爽やか柑橘類が恋しくなる真昼に、ババール合わせへ持ってった。

プログラムは蒸した空気が揺らぐアルベニス "タンゴ"。心の炎のファリャ "火祭り"。窓の外はじりじり焼ける炎天。

鍵盤に汗を落としながら、真夏にこの曲? って言いながら、すごく楽しい実りある合わせ。

焼きつける太陽が瞼の奥に虹の錯覚を刻んだり、おやつがキンと冷たかったり、たくさん学びがある合わせができたり・・・ 
そんな1つ1つが幸せな日。



ラジオ放送のご案内

August 17, 2010

8月31日午後2時40分頃から

ラジオでちょっぴりお話と演奏ネ!


今回も生放送。"谷五郎のこころにきくラジオ" です。共演のズワイガニ姫とご一緒しますよ。


**


歴史書を読んで面白いナって思うのは、お人の性質と体験がお仕事に反映される様。宰相マザラン(仏1602年〜1661年)は 計算された社交性質が政治に映し出される。

グスタフ・アドルフ(スウェーデン在位1611年〜1632年)の精力的な勢いには、文明面でヨーロッパ強国が立ちはだかる17世紀にスウェーデンの立場を変えてゆこうとする強い思いが感じられたり。

興味深かったのはルイ14世の子供時代の動乱だワ。幼少期に起きた貴族対立の凄まじさや身の危険が あすこまで宮廷に求心力を求めることになったのかも・・・って思えたり。

音楽やお話もそうね・・・あらゆるものが絡み合って はじめて形になる。
目に見えるのはごく一部。その一部にもきっと全体が内包されてる。



ババール初合わせ

August 07, 2010

昨夜は7時に眠ってしまった。

肺炎はすっかり良くなり、代わって骨が腫れ始めて2日(汗)


9月4日デュオ・ババールの曲、マリンババージョン初合わせの日。

とっても楽しみです・・・♪ マリンバのズワイガニ姫とお出逢いは随分前。演奏をお聴きし、姫も幾度もリサイタルに訪れてくださってたのに共演はお初なの。

大学時代からパーカッション・デュオを弾いてたくらいに打楽器も大好きなのです。プログラムはフォーレ、ドビュッシー、アルベニス、ファリャなど。

暑〜い夏の冷たいガラス容器。早起きしたからチョコレートババロワを少しオミヤに作ってみた。右半身腫れのボロっぽい姿で参ります。



通知

July 31, 2010

夜、悲しいお知らせが入った。

受話器を握って絶句した。


あと数週間のうちにこの世から旅立つ人の通知だった。
此んなに手放しで何時間も声を上げて泣いたことがあったかしら。

心から尊敬する人。
お元気なときも失うのが恐ろしく思えるほどに貴重な存在だった。

大切に大切に接してきた。

その間柄の今までに後悔はなく、
ただ此れから先がない事が受け入れられない。

涙を流しすぎて頬がひりひり荒れ、瞼が重い。
ミサ典書を開いた。今日7月31日の聖祭箇所。


朝には主のあわれみを告げ、夕には主の真実を語る。
アレルヤ、アレルヤ、
こころみを耐え忍ぶ人は、幸いである。


其の日まで、また其のあとを、私はどう過ごせるだろう。



フランス新教のクロス

July 24, 2010

肺炎の症状は お昼間楽になった。夜はまだ酷い呼吸に悩まされる。
もっと目に見えて治ると良いのにナって欲張りを思う。もう冷たいものも飲める。アイスカフェオレの氷がカラカラ鳴る。


身体が随分と辛かったから、知らない間にとても疲れてた・・・。

好きなものだけの世界で憩いたいって、閉じた気持ちで思った。

クロムウェルとチャールズ1世を巡るテューダー朝の歴史を読み、
静かにしたままで次に弾く曲分析をノートに加えた。

咳き込みながらフランスのクロスカードを整頓した。左写真の変わった形はフランス・プロテスタントのクロス。カトリックのお国で僅かに1%の方が使うものです。お目になさった方は少ないカナ・・・。

各凹凸に象徴と意味が表されてる。資料に持ってた写し・・・ 面白い品だけど、とても疲れてる時は資料でさえ他教の品を所持するのは しんどく感じた。

プロテスタントのお友達に差し上げちゃお・・・って整理した。
ときどき気持ちのお掃除。

大事なものだけ、少しだけ、心の中に住まわせる。



小人を寓話として

July 19, 2010

マルセル・エイメ(1902年〜1967年)作 "小人" を読んだ。

小柄を売りにサーカスに出る "小人" って呼ばれる男性が主人公。


小人はある日急な成長をして、男性にとって充分な体躯を備えます。小さく過ごしてた彼は有頂天になったでしょうね。けれども段々に、小人だった頃に持ってたものを失う様が見えてくる・・・

可愛らしい肢体で成人男性と意識されないからこそ向けられていた慈しみ。サーカス巡業だけの小世界で育てた素直さ。意識せずに得ていた輝くものたちでした。

小人の心の内は説明的に書かれない。
読むほうは、誰にでも起こる環境変化を客観的に見るの・・・

世間から一個の男性と扱われる。嬉しかったことでしょう。けれども其れは一個の男性として問われ選別されることになるのね。優しさだけに包まれていた環境も変化する。

仕事も同じふうに。平均的な肢体なら、もう小人としてサーカス団に存在することができないのよ。背が高いと良いナって羨んだ頃、成り代わりたいと望んだ時、そんな厳しい事実を考えた筈がありましょうか。

慌てて小人以外の役どころを求めても、曲芸を身につける努力をしきれない。また長く曲馬団に居た彼は、一成人として外の世界で暮らす術も培ってない。


極めて寓話的なお話とも読めましょう。


1つ望みが叶ったため、相応しい中身が求められる世界に踏み出さなければならなくなった。けれども小人は 小人としての中身を備えてたに過ぎなかったのですね。

小人の場合の外見を、生活や身分地位に置き換えても同じね・・・

小人時分に彼は立派な体躯にさぞ憧れたでしょう。いざ欲しかったものを手にしたときに小人のままの能力と精神で居るならば・・・ 得た身体の美点も、小人だった心の美点も双方を失くしてしまう。

そうした様を喩えた最終科白。
"小人は、とうとう死にましたよ"


**


フランスには怪談がないと言われてるって此ちらに書きました。あるとすれば、"小人" のような作品の形・・・人の心理に根ざすものかもしれないですね。

*怪談の日仏



ツルゲーネフを真似たらば・・・

July 18, 2010

汗をかいたグラスはビタミンたっぷり自家製ウメジュース。栄養いっぱいミルクプリン。カモノハシちゃんのガラス容器のプリンもおいしかったナ。


軽度肺炎だなんて、肺を冷やしすぎたせいねって反省してます。
氷水をたくさん飲んでた・・・

ツルゲーネフ作 "初恋" のジナイーダが氷水をうんと飲むのよ。ジナイーダはね、氷水を飲むといい気持ちがするって言うの。どれくらい いい気持ちかしらって試したくなったんダ・・・

抗生物質を連続して用いる病気な上に 氷水で肺が冷えて雨に当たって。とても不注意だったわ。

書物をすぐに真似るお馬鹿も大概にしなきゃ・・・

明日には、ぜいぜい言わず息が吸えるようになるかなあ・・・



挿絵の楽しみ

July 16, 2010

風邪が治りかけた昨午後、ゲリラ豪雨に打たれてしまった。上がっちゃった熱に冷たいミューズリーが優しい。好きなんダ・・・ストロベリーホワイトチョコのクランチミューズリー。


可愛い挿絵発見。

フランスの文豪アナトール・フランス(1844年〜1924年)の書物に添えられた挿絵。子供の生活を描いた "少年少女" はノスタルジックで、やさしい気持ちになれる作品なのです。

挿絵って素敵ネ。小さく挿されたモノクロカットが 本の世界をぱっと彩り広げてくれる。

エディー・ルグラン(1892年〜1970年)のお作はね、ジョルジュ・バルビエなどが居たラ・ガゼット・デュ・ボン・トンの雰囲気があって "不思議可愛い" の。

機会ありましたらお手になさってみてね・・・
三好達治様訳で出ていますヨ。

?僕が見た物貰いの夢



ざくろ屋敷

July 11, 2010

夜半すぎ、弱い雨が降りはじめた。

古硝子のコンポティエを取り出した。


お夕飯のお出掛けまえに作り置いたタピオカミルクのムース。口に運びながら雨音を聞いた。

雨を聞くように読んだ本があった。バルザック "ざくろ屋敷"。お作全体が一つのトーンで覆われて、文字を追う行為はバルザックの透明な音楽を聞くように感じられた。

分別ある少年が母を細やかに気遣う健気さと、美しい愛情を失う恐れ。ゆるやかな焦燥が漂って・・・。病床の静けさは物語を雨のように単調なトーンで包んでた。単調さが慈愛の描写を支えるの。

ゆっくりと死期が迫る。臨終の呼吸が次第に緩くなると共に物語が終わる。まるでリタルダンドをしながら細い細いディミヌエンドで終える曲のように。


**


此んな曲が弾きたいナ・・・
"巷に雨の降るごとく" の吐息みたいなメロディーが浮かんだ。

うふふ、そうなの。プログラム組みの最中だったのヨ!
雨とタピオカムースでドビュッシー1曲決まりました・・・♪



ユドロ・バイエ

July 03, 2010

どれにしよっかナ・・・

シャンボル・ミジュニーかな。


50人足らずの小さいお集まり。お招きに上がるオミヤです。個人主催のときは大抵ワインを選んでる。地方ご出身の方には土地にゆかりのワインを。パリジャンだったら此んな感じ・・・?

特に人気ですぐ売り切れちゃうドメーヌ・ユドロ・バイエなんダ。でもね、当たり年2005年ながらプルミエ・クリュじゃあないのよ。お昼の気のおけないお集まりにみんなで飲むからカジュアルに。

丁度な頃合の選択かも・・・って自己満足。
可愛いボトルカバーを添えて行こう。



愚痴っぽい気分

June 24, 2010

綺麗だナ・・・

木苺のジュースをいただいた。


お薬の副作用に困ってしまった今週・・・
お医者様に願い出て揉めたんダ。副作用が酷くて無理ですって。こんなじゃあ休むしかできないもの。

するとお医者様、ハイ休むようにしてくださいって仰った。もぅ・・・ 
それでね、愚痴っぽくなってるのよ。

なんだか冴えないナ。お薬で肝臓にかかる負担をみるため2本採血したらば みっともなく貧血起こすし、すご〜く冴えないったら。


**


ベルナノス(仏1888年〜1948年) "影の対話" を読んだ。モーリヤックのようにカトリック作家として文壇に出た作家さんです。

長ぜりふの対話によって心の機微が書き出されます。悪徳の心情を描くことで聖域を陰に見せるのはモーリヤックと同じ方法・・・

読んでよかった。愚痴っぽい気分の倦怠もまた悪徳だって思えた。



初夏のランボー

June 08, 2010

バスルームの淡い日差し。

ガラスの中、明るい色の石鹸ころりん。


窓から見れば、お庭の苺は葉蔓を伸ばし赤く熟れた。ラヴェンダーもお花をつけた。コンボルブルスは絨毯のように地を覆ってる。

初夏らしい眺め。書物でも爽やかな風景に出会った。ランボー著 "恋人よ、幸せな恋人よ"。

オレンジのこんもりとした並木や、黄楊(つげ)と万年香の繁みが点在する荒地や、オリーヴの木と糸杉が描かれる。


《まだかすかに縁石の光っている、暗い泉水の水の音。


そして、向こうには、ナルシスの憩った魂のうえに、木立の繁みが震えている。小枝におおわれた遊歩道は、夜で充満し、過去に振り向き、夢の国へとくだり、黒と、青と、銀の照り映えだけの、広々した景色のなかに消えている。》

                       (片山正樹様訳)

小さいお庭をランボーになぞらえて悦に入る・・・お馬鹿のよう。
一人遊び。書物の中の小さな旅。

今日は3つ待ち合わせ・・・。午後ラジオの打ち合わせ。夕方コンサートの大まかなお話。夜お仲間4人で会う。



不純物を除く音楽

June 07, 2010

初夏の朝の楽しみは

グラスをたくさん用意して、

お庭で摘んだ薔薇を活けること。


明るい花色の薔薇が、香りは蒼く澄んでることが心を動かす。
不純物を取り去る香り。


**


ファベール作 "ピアニシモ" に深く納得する会話が幾つもあった。

すっかり心を沿わせた登場人物の指揮者の言葉・・・
彼はね、音楽は情熱を現すためにつくられるって考えを否定する。

《情熱にへつらうためではなく、もちろん現すためでもなく、それを消すためにつくられるのだ。》

音楽会場で演奏を聞いたあとの人々を示して《一時間か二時間、不純物を去った人間の情熱の奇跡的調和》と述べる。

とても得心がゆく言葉でした。


熱情的な音楽が、純なものだけを残す。


音楽の高揚感は、調和ある生気と感じられる。

つまり情熱って聞こえは良いけれど、たくさんの不純物が含まれてる。独りよがりも曲がったものも情熱と言い換えられる。

それらを取り去ったあとに残る、音楽が齎す調和。



アンティーククロスは、まだ先

May 29, 2010

爽やかな朝。

お花を挿したガラスにクロスを立てかける。


抹香くさいって言葉がある。雰囲気や言動がいかにも仏教じみているコト、とある。カトリックはフランキンセンスっていう乳香ベースだけれど 転じた意味では抹香くさい家に育った・・・。

近ごろは壁のクロスが大議題になった。典礼に合わせ聖金曜日から聖土曜の夜まで布で覆いましょうか、受難を黙想するために飾られ続けるのがふさわしいかって・・・

よそからも様々に助言いただいて、トリエントミサでクロスが絶対視されるのに則るほうを選んだ。

クロスは、飾り方1つずつ意味を悩みながら大切にしたい。


使える物だけ持つ主義って書いたことがある。


私にも扱える物だけ持とうと思う。良いナ欲しいナって物があると自分を振り返る。まだまだムリねって思う。

アンティーククロスが売られてた。美しいわと手に取らぬまま拝見する。
うっとりするくらい綺麗だけど買えないと思う。

個人持ちの祝別された品なら受け継ぐのも素敵。でも万が一 昔々に聖別された品が紛れてたら・・・? そう思うと気軽に手を出せない。

無知な扱いで汚聖の罪を犯すかもしれないうっかり者は、大切なものほど手にしちゃいけないって感じる。

ずっと先でちゃんと扱えるようになったら、いつか買うんダ・・・素敵なアンティーククロス。今は、まだまだお勉強中。

*アンティークを愛でる



海原の娘(3)普遍性への問

May 25, 2010

ガラス灯の下で本を読む。カーブしたアームに、アンティークレースを掛けてみた。


昨日の続き、19世紀〜20世紀前半のフランス幻想小説について渡辺一民様の論で学んだこと。

シュペルヴィエル "海原の娘" では、現実に対立するものとして 異なる次元を創りだすってことなのです。別次元の物語は一見歪んで見えますけれど、歪んだ現実をデフォルメしているってことなのね。

それは普遍性への問いなのね・・・。現実の絶対性・普遍性の破壊として いびつな現実を浮き彫りにした虚構を創造する・・・とても納得のゆく説かれかたでした。

そしてね、同時期の幻想小説の系譜を作家さんでわけてらっしゃるのも面白いの。

本題のシュペルヴィエルやアポリネールは異次元に虚構を創り
コクトーは虚構世界を故意に現実に似せて造る・・・って。

現実-超現実・虚構-幻想を興味深く感じる理由は またお話しましょうネ!


**


明後日27日木曜日は モーツアルトセミナー&コンサートです。
ごく小規模に短いセミナーを致します。
元町風月堂ホールにて、午後6時30分より。

海原の娘(1)虚構現実
      (2)幻想の意味



海原の娘(2)幻想の意味

May 24, 2010

分厚い古ガラスの灯り。

ガラスの内と外には違った時間が流れていそう。


フランス名作集に解説を添えられた渡辺一民様がお書きのこと、興味深かった。シュペルヴィエルに見られる幻想小説とシュールレアリスム小説の差異を論じられてた。

シュレアリストたちは超現実を "夢の世界" の定着に据えるよう試みたって。


現実が作る状態を超えた無意識的な夢世界は、現実から生まれて現実を内包します。


其れがシュールレアリスム作品なのね。非現実と誤解されがちだけれど、現実を超越した非現実の意じゃなくて、"surreel強度の現実" ですものね。

対して、幻想小説は現実と次元を異にするものの創造と仰います。

超現実と幻想の隔たりを説かれる文は、私のような素人がお初に知ることばかりで とても面白かったの。

ふわふわしたイメージを覚えがちな幻想小説って言葉、本当は次元変化を密に構築するものなのですね。

続きは次回に。

海原の娘(1)虚構現実



海原の娘(1)虚構現実

May 23, 2010

合わせのお出掛けでバテちゃった日。
昔にガラスを失ってしまった額。朽ちた表情が好きで 壁にかけてる。飾り写真を縁取って働いてくれたから、今度は額を飾ってあげるんダ・・・


失われた世界がとても素敵だったジュール・シュペルヴィエル作 "海原の娘" を2度続けて読んだ。1884年〜1960年の人生は、コクトー(1889年〜1963年)と同時期に当たりますね。

静やかな背景。眼前の海。少女の暮らし。
其れは水夫の思いが生み出した虚構現実。

少女が現実として生きる世界は、現実から切り取られ独立した虚構世界でした・・・

右の写真は我が家の古道具、ガラスカッター。
額に新しいガラスを備えたら、幻想の少女は此の中に居を移すかもしれないワ・・・そんな事を思わせる作品です。

続きは次回にネ!



雨だれ

May 13, 2010

冷えること・・・

騙し騙しにしてた風邪が酷くなった。


無理に譜読みをしてると五線がゆらゆらし始めて、まずいワ・・・って気がついたのは風邪が重くなったあとだった。

琥珀色のアンティークガラス。揺れて見えるエンボス。
物心ついたときにはお部屋にあった。遠い昔に親戚が所持してた品。

ランタンの燃料、白灯油を入れて灯りを燈したガラスなの。
おさらいを止してもピアノの音の波が耳の中でこだまする。

熱が上がって今朝のお医者様はキャンセルした。痛さは随分退いてるから風邪の間2、3日空いても大丈夫そう。


熱は一昨日に霧雨の夕が楽しくて

お庭をぶらついてたせい。


霧雨が好きなのヨ。細かな雨粒にしっとり濡れたお庭が好き。
紫陽花、ジャスミン、蔓薔薇・・・雨の滴を纏った蕾が増えてる。

腰の高さに組んだ大石が連なる場所。平らな面にお庭用キャンドルスタンド。窪みのお水溜めに鳥の訪問。青い空気に、哀しい春をうたうロンサールが浮かぶ。


おのが墳墓(おくつき)をえらぶオードより
                     ピエール・ド・ロンサール

求むるは、碑にあらず、
木なり、われにかげをつくる木、
つねにみどりに
被わるる木よ。

土また われより
蔦を生み、
幾重にもわれを
だきしめよ。
                        (井上究一郎様訳)


1550年フランス・ルネサンス只中のお作でした。ロンサールに感化され、髪を濡らしたままショパン雨だれの前奏曲を弾いてた。次には此れを演奏したいナ・・・って。

風邪をひいちゃったけれど曲が決まって幸せ。



シャルル・ルイ・フィリップ

May 10, 2010

分厚いオーバルが大好きなコンポティエ。濃厚さがとっても好みの、岡本グラモウディーズのマカロンのせた。ガラスの器が嬉しい季節・・・


シャルル・ルイ・フィリップ(仏1874年〜1909年)短編3作を読んだ。若さの青い息吹を感じる "ロメオとジュリエット"。庶民生活の一こまを描いた "酔っ払い"。寄宿学校を舞台にした "人殺し"。

いずれもフランス名作集収録作、最晩年(1908年作と1909年作)発表の短編です。簡素な設定に浮き上がる人間心理は、捉えきれないほど大きなもの・・・

3作に共通するのは、戸惑いを意識し自らの混沌を見極めるかのように行動をする人間たち。形は違えど、どの登場人物も心理の当事者と傍観者の両面を見せる。

いいナ楽しいナ・・・レアリスム作家さんを読む醍醐味ネ。此んなふうに短くてハッとインパクトある小曲、弾きたくなっちゃった。




迎え酒のように?

May 05, 2010


迎え酒って どんな風?

昨日少しだけ想像がついた。


昨朝はリサイタルの疲れでクタクタだった。緊張と興奮が残る気持ちが先に目覚めた。ベッドを降りても今日はガーシュインに会えない・・・ってとても寂しくなった。

おさらいリストを終えてしまった曲の代わりに、お寝間のままで伴奏譜の譜読みを始めた。するととても楽しくて・・・♪

ロマン派を刻んだ精神をバッハが安め、暗譜の苦労を詰め込んだ頭に 譜読みは穏やかに作用した。

迎え酒って此れと似ているのね?
音楽のあとの心を 新しい音楽が埋める。

お寝間のまま ひたすら譜読みを続けた。気付けばお昼だった。ブーケの香りのなかで午後も譜読み。プレゼントのお菓子をつまみながら夕方も譜読み。

こなれた曲を練ってゆくのは幸せだった。新しい曲に触れるのも大きな幸福を感じた。音楽があればずっと幸せなのね・・・って噛み締めた。


**


本当の迎え酒はしないけれど、ボトルがある景色が好き。リビングルームの片隅、お酒のテーブルスペース・・・。ボトルの封蝋などお酒小物も大好きヨ。

せんに求めたワンピース、アメリカの古着だったから小さな染みがあったワ。刺繍で隠しても良いけれど・・・


ほら、此んなふうになったのヨ。

オトナ可愛いワって自己満足。


ホワイトホース・ウイスキーのネックにかかってる白馬ネ。具合よく糸が通る枠があるから縫いつけ易いのです。ウイスキータグなら、男性服の穴開きにも使えちゃいそう。よろしかったら真似っこしてネ。

明日はブルゴーニュ君のブログです。



レースを入れるガラス器

April 30, 2010

ダウン気味だった週。

少し快復してきました。


大好物の岡本フロイン堂クルミパンがおいしい・・・♪ 朝の食卓やお茶時間に登場してるガラスの蓋もの。厚手で気泡が入った古ガラスは時代を物語ります。

レースクロスやコースターをまとめておくと食器に合わせてぱっと取り出せるから・・・テーブルで使う白いレースものは、お洗濯したらば此の中へって決まってるのヨ。


白の重なりに思い出すのは

"至上の愛"。


象徴主義作家ヴィリエ・ド・リラダン(仏1838年〜1889年)の作品です。

多分に耽美なお作・・・。芳しい白いリラの花飾りを髪に挿し、閉じた白扇を持って白い真珠の十字架をかけた女性が主になる物語。
厭世的なところがある女性を巡る 愛と観念を描いています・・・。

クルミパンを頬張りながら、19世紀パリのチュイルリーを臨む夜会の世界へ・・・一瞬だけ旅をした。ご飯が済んだらばチュイルリーのお隣、ルーブル宮の舞踏会をおさらいネ。

挿絵はモーリス・ド・ブランノフ版ヴィニェロ画




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